ギュスターブ・ドレ
Paul Gustave L.C. Dore
(1833 - 1883)

 ペン画の第一人者といえばドレだろう。その迫力のある構図と細密な書き込みは見るものを圧倒する。しかも多作で、大勢のアシスタントを使って膨大な作品群を残した。
 ストラスブールで生まれ、パリで石版画を学んだがそちらではうまくいかず、ペン画の腕をかわれてイギリスの「絵入りロンドン新聞」に挿絵を描いてから成功した。勢いをかって油絵などの美術界に進出しようと試みたが、保守的なイギリス美術界からは受け入れられなかった。本人はそれを生涯悔やんだという。しかし、そんな事は関係なくドレの作品はそのものですばらしい。
 「聖書」「パンタグリエル物語」「ドンキホーテ」など、その画集をめくれば大画面に展開するスペクタルが見る者すべてをとりこにするだろう。

「トマス・フッドによる詩集」
挿絵
1870年

コルリッジ詩集
「老水夫」挿絵
1898年

戻る