コルデコット(ランドルフ)
Randolph Coldecott
1846-1886
 
     
  絵本の父・クレイン、絵本の母・グリーナウェイと並ぶ三大絵本作家の一人であり、絵本のゴッドファーザーくらいの位置にある人。上記の二人とほぼ同じ世代で、19世紀の絵本に革新をもたらした功績がある。
英米では三人並べて論じられることが多いが、日本での人気はクレイン、グリーナウェイの二人に比べてかなり低い。好みの問題なのだろうか。
画像を見ていただけば分かると思うが、彼の絵は静止画というよりは動きのあるマンガ・アニメに近い。描線は省略が多く、色彩は淡彩で、華やかさに欠ける。半面、生き生きとして画面にダイナミックさがある。動物モノも多く、擬人化した動物たちの絵はポッターの「ピーター・ラビット」に大きな影響を与えたらしい。
チェシャ州チェスター生まれ。21歳からマンチェスターに出て夜間の美術科に通った。「ロンドン・ソサエティ」誌に投稿しているうちに注文が舞い込み、数冊の絵本を手がける。
1878年、有名な彫判師エドマンド・エヴァンスに認められて「トイ・ブック・シリーズ」を出版。「ジャックの建てた家」がベストセラーとなり、名声を得た。シリーズ16冊は世界的に有名になり、「子ども部屋の王様」と呼ばれるようになった。
1885年、体調を崩し船でフロリダへ静養に向かうが、その地で客死した。本国よりアメリカで評価が高く、1938年には絵本の「コルデコット賞」が設けられた。
 
     
 
 
     
 
 
     
 
 
     
 
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