組換え異常で起きる異常な個体形成

最近以下の遺伝病の原因遺伝子が同定され、患者は大腸菌の組換え酵素recQヘリケースに類似した酵素に欠損があることが明らかにされました。私たちは、酵母のrecQヘリケースが減数分裂期の組換えにどの様な役割を果たすのかについても調べています。

ブルーム症候群:

常染色体劣性遺伝病。胎児期から始まる成長障害、日光に対する過敏症、末梢血管拡張性紅斑、舟形頭部等の特徴的な症状を示す病気です。白血病やガンなどが好発します。患者から採取した細胞を培養すると、姉妹染色体交換が頻発する事が知られています。男性患者は不稔(有効な精子を持たない)です。

ワーナー症候群:

早老症として知られる常染色体劣性遺伝病。下の写真はワーナー症候群の日本人女性のもの(Science vol 272より転載)。左は18歳の時のもので、右が48歳の時のもの。明らかに早期に老化が進んでいることが分かります。