回転木馬

<あらすじ>
アメリカの小さな街で回転木馬の呼び込みをしていたビリーが、ある日、工場で働くジュリーと恋に落ち、結婚する。しかし、その結婚生活は貧しく、ギクシャクした日々を送ってしまう。ジュリーに子供ができたと知ったビリーは一人心躍らせるのだが、生まれてきた子が女の子だったらと思い悩む。そこで、悪友ジガーの誘いに乗り、恐喝しようとするが失敗し、追いつめられたビリーはジュリーを想いながら自害してしまう。15年後、天国から一時だけ地上に降りてきたビリーはジュリーの愛娘と出会い、彼女たちを励まし、また、天国へ去っていく。

実は、はじめて見たミュージカルではありません。生まれてはじめて見たのが「若草物語」で、その後に見たのが「ミス・サイゴン」でした。でも、なぜだかあまりはまらなかったんです。で、この「回転木馬」ではまったか・・・と言ってもそうでもなかったんですけど、でもなぜか次の作品も見てみたいと思わせてくれた作品でした。ミュージカル俳優さんも、市村さんしか知らなかったんですが(市村さんが出てきたシーンは、さすが、と思ってしまいました)なんといっても、ビリー役の宮川浩さんの歌声が強烈に印象づけられたんです。ミュージカル超初心者の私でも、宮川ビリーは感動的でした。あと、印象的だったのはロジャース&ハマーンスタインの素晴らしい音楽でしたね。ただ、終わりがあまりにもあっさりしていたのが、ちょっと興醒めでした。


シー・ラヴズ・ミー

<あらすじ>
ハンガリーの香水店に、アマリアが従業員として雇われることになった。ところが、ここの店員ジョージとはいつも顔を合わせるたびに喧嘩ばかり。ところが、アマリアとジョージはお互いに顔を知らないペンフレンド同士だった。ある時、風邪をひいて店を休んだアマリアが気になったジョージが見舞いに駆けつけたことをきっかけに、二人の仲は段々深まっていく。
そして、クリスマスイブ・・・手紙の人に会うことになっていたアマリアは・・・

なぜ、最後をあやふやにしたかと言えば、この作品、98年11月に再演決定になったんですよね!だから、皆さんその時のお楽しみにしていただければと思います。初め、チラシのキャッチコピーに「一番好きな人と観にきてください」なんてあって、行くのためらっていたんですけど(笑)(←結局友達と行きましたが) 観に行って本当によかったです。市村正親さんの珍しく地味な演技も見物でしたが、しっかり歌も聴かせてくれてますし、涼風真世さんのあのすばらしい高音は必聴です。それに、全体的にほのぼのしていて終わった後になんだか温かい気持ちになれました。再演、楽しみです。(でも、個人的にファンである石井一孝さんが出演されないのが残念)


 ●ザ・グッバイ・ガール

<あらすじ>
12歳の娘を抱えるポーラは、恋するたびにいつも男性にグッバイされてしまう。そんなある日、ひょんな事から売れない俳優エリオットと同居する羽目になってしまうが、二人はいつも喧嘩ばかりしていた。しかし、エリオットが出演した舞台が酷評され、エリオットをやさしく慰めるポーラ・・これをきっかけに二人の仲が深まっていく。そして、娘の援護もありラストはポーラとエリオットは結ばれる。

この年が初演でしたけど、この当時はそれこそ酷評が多かったんですよね、この舞台。でも、私としては石井一孝さん目当てで行ったにもかかわらず、話の内容はとても楽しかったと思っています。剣幸さんもすごくカッコよかったし、何よりコメディをまさに熱演していた石井さんは感動的ですらありました。この舞台は、私がはじめて一人で見に行った作品であり、なんと、勇気を奮って石井さん出待ちをしてサインを頂いてしまった・・・という、思い入れ深い作品です。今現在、エリオットは小堺さんの持ち役になってますが、(再演はまだ観てないんです)石井さんのエリオットもなかなかだったと思います。


雨に唄えば

<あらすじ>
サイレント映画時代のハリウッド。銀幕のスター、ドンはひょんな事から女優志願のキャシーと出会う。次第にキャシーへの恋心が芽生えてきたドンは、キャシーにその恋心を告白し、キャシーもそんなドンに応える。ドンのパートナーのリナは悪声の持ち主だったため、トーキーの撮影は難航。そんな時にリナの吹き替えをキャシーが充てることになった。映画は大成功したが、吹き替えに乗り気でなかったキャシーは、ドンの前から姿を消そうとするが・・・

ジーン・ケリーの映画が有名なこの作品。でも、私は完全に無知識のまま、この作品と出会いました。予想以上に楽しい作品でしたね。ヒガシの素晴らしいダンス、そしてあの有名な雨の中のダンス(本当に舞台に雨降らせてました)はまるで映画の世界にいるような気分でした。薬師丸ひろ子さんも、とても可愛らしかったし、歌声がきれいだったのが印象的ですね。98年の新作舞台が楽しみです。が、なんといっても川平慈英さんが一番強烈に残ってます!! 「笑え!」のナンバーは本当に圧巻でした。あのアクロバットといい、タップといい、コメディセンスといい、言うことないです。一番後ろからの観劇でしたが、川平さんの演技はまさに感激でした!ぜひ、再演してもらいたい一作です。


キャッツ

あらすじ書こうと思いましたが、この話ってどうもあらすじがつかめなかったので・・・(^^;)内容的には、あまり私の肌に合わなかったんですけど(ファンの方ごめんなさい)、でもとても感激したのが沢木順さんのグロールタイガー&加藤敬二さんのミストフェリーズを生でみられたことでした! 特に、加藤さんのあのキレのある黒猫32回転(!?)は圧巻で、今でも忘れられません。ラストの天界への歌では鳥肌がたちました。最終的には、さすが「劇団四季」!って感想ですね。


李香蘭

<あらすじ>
戦後、戦時中に敵国日本側についたとされ漢奸(反逆者)裁判にかけられる李香蘭。彼女の脳裏に幼い日々から、李香蘭の名前をもらった日(本当は日本人)、スターになった日、愛する人と別れた日、と戦中の思いが駆け巡る。川島芳子は反逆者として殺害されたが、香蘭の義理の姉である愛漣により日本人であることが証明され無罪になるという実話。

はっきりいって、戦中戦後のお話なのでテーマはすごく重いです。が、毎年上演してほしい作品でもあります。李香蘭の野村玲子さんはもう、はまり役。子供時代に至っては7歳から演じていらっしゃいます!お顔がちょっと無理あるかなあ・・・なんて思うんですけど、その仕草や声で上手くカバーしていました。そして、芥川英司さんの見事な歌声とあの包容力。特に、関東軍の意のままになってしまう場面でひとすじの涙を流していらっしゃったのを見てとっても感動し、いっきにファンになってしまいました(笑)香蘭への密かな想いとかも観ていてすごく切なかったです。素晴らしい!また、このミュージカルはほとんど全編が歌で構成されていますが、どれも素晴らしい音楽ばかりです。ラストなんかは観るたびに涙が出ますね・・・・。四季の会に入るきっかけになった作品です。


風を継ぐ者(キャラメルボックス公演)

<あらすじ>
新選組に新たに入隊した立川迅助と小金井兵庫。時期はちょうど池田屋襲撃の時代。迅助と兵庫は戦いに戸惑いながらも時代の波に流されていく。沖田総司の恋や、長州藩との確執・・・そしてやがて明治維新が訪れる。一時代に風を起こした男達の物語・・・

わぁぁぁ、これ全然あらすじになってないですけど(^^;)とにかく、記念すべきキャラメルボックス観劇第一作作品であり、はじめて上川隆也を生で見た舞台でもあります(笑)でも、上川隆也目的で行ったにもかかわらず、この作品自体にはまってしまいました。何より話がわかりやすいし、どんどんのめり込んでいけるんです。選曲もばっちりですし、役者さん達もすごい熱演!そして・・・・・面白いんです! 私はこの舞台を観た後、新選組にはまりまして、本まで買って読みふけったほどです。生で見た上川さんの印象はとにかく本当に楽しそうに芝居をしているなぁ・・という印象を受けました。きっとこの劇団が好きなんですね。ちなみにわたしはここで西川浩幸さんのファンになりました(^^) この作品以来、キャラメルの舞台は毎作品ほとんど通っています。


エニシング・ゴーズ

<あらすじ>
ナイトクラブのスターであるリノは、実業家ホイットニーの部下であるビリーにくびったけ。ところが、ビリーにはお目当ての人が入るためいまいちリノの誘いに乗ってこない。ある日、アメリカの豪華客船に乗り込んだビリーは、お目当ての人ハープと出会い恋に落ちるが彼女にはイヴリン卿という婚約者がいた。ところが、同じく船に乗り込んだリノは彼女の大ファンというイヴリン卿と出会い、いい仲になっていく。また、ホイットニーとリノの母ハーコート夫人との恋もからまり・・・といった、どたばた恋愛コメディ(^^;)

とにかく関係がややっこしいんです、このミュージカル(^^;) でも、コメディ満載で、歌も踊りもあり、全体的には理屈抜きで楽しめる、とても面白い作品でした。大地真央さんのコメディぶりはさすがでしたが、太川陽介さんのイヴリンがかなりぶっ飛んだキャラクターだったのに驚きました(笑)で、大地真央さんとは2度目(たしか・・・・)の共演となる石井一孝さんのビリー! 歌声は相変わらず素敵だったのですが、大地さんとのダンスもすごく頑張っていたのが印象的です。石井さん、あまりダンスはお得意ではないようなのですが(^^;) ここではかなりハードなダンスを見事にこなしていたのに感動しました。いつも一生懸命な姿が好感持てるんです、石井さん(^^)


太陽が死んだ日(ストレートプレイ)

<あらすじ>
1529年、60を超えたスペイン総督ピサロは新大陸インカ帝国(現ペルー)への最後の遠征を企てていた。167人の手勢を連れ、インカ帝国に入ったピサロはインカ王、太陽の御子と呼ばれるアタウアルパと会見する。しかし、会見においてキリスト教布教の手始めとして差し出された聖書を、アタウアルパはそれを知らずに投げ捨ててしまい、捕らえられてしまう。お互いに私生児だったピサロとアタウアルパはその間交流を深めるが、アタウアルパが自由の身になったとき全滅させられるという危険を感じたピサロは、悩んだ末、アタウアルパ処刑を承諾してしまう。自分は不死であると言い残したアタウアルパであったが、太陽の光がアタウアルパの身体を照らしてもついには甦ることはなかった。

この年の第一発目の作品でした。とにかく、あの、あまり高価そうでないにもかかわらずきらびやかなセットに感動しました! アタウアルパの登場シーンなどは目を覆ってしまうほどの眩しさ(金色一色)で、一気に世界にひき込まれたのを憶えています。インカ帝国はこの舞台観るまでは全然興味なかったんですけど、想像していたよりもわかりやすく、ぐいぐい物語の世界に入って楽しむことができました。客入り少なかったのが残念です。根津甚八さんはまあ、よくもあんなにセリフを長々覚えられたもんだ、と感動するほどでしたが、あまりにも早口でちょっと聞きにくいところもありました。インカ王の畠中洋さんは全身キンキラキンで上から登場したときにはびっくりしましたが、ものすごく透き通った声にうっとりしてしまいました。それに、激しいインカの踊りもすごかったし、ラストで自分が殺されることを受け入れるまでの葛藤の演技は胸打たれました。(この芝居で畠中さんのファンになりました!) あと、初舞台だったテレビで活躍中の小橋賢児くんを観れたのもいい思い出です(なかなかよかった)
ただ、残念なことにこの舞台に出演していらっしゃった河東燈士さんが亡くなりました。とてもショックです。
ご冥福をお祈りします。


エビータ

<あらすじ>
貧しい村に生まれた私生児エバ・デュアルテ。いつも都会への夢を抱いていた彼女は15歳の時タンゴシンガーのマガルディと関係を持ったことを機にブエノスアイレスへ野心を抱いて出てくる。たくさんの男を踏み台にしながらラジオスターにまでなったエバは、ある時ホアン・ペロンと知り合い、結婚。そしてついにはペロンが大統領になりエバは大統領夫人となる。上流階級の冷たい視線を浴びながらも次々に政策を行うエバ。ところが無計画な政策はアルゼンチン経済を大きく揺るがし、エバ自身も癌に倒れてしまう。アルゼンチン大統領夫人エビータの人生をチェ・ゲバラが狂言回しとして語り継ぐ実話。

この頃、ちょうど映画も公開されていてまさにエビータブーム真っ盛りでした(笑)劇団四季版の「エビータ」で一番すごい!と思ったのは所々で出てくるノリのいい激しいダンスです!『ブエノスアイレス』や『金は出て行く湯水のように』なんか、鳥肌立ちました。思わず自分も舞台に飛び込んで踊りたくなってしまいました。また、大統領選挙中のナンバー『ニューアルゼンチーナ』や有名な『アルゼンチンよ泣かないで』も感動的です。なので、ラストがあまりにも静かだったのがちょっと拍子抜けって感じも否めませんでした(^^;;) エビータ役の野村玲子さんはものすごく歌に迫力があり、躍動感に満ちてました。今はファントムと奮闘中の今井清隆さん(笑)も、この役はかなりはまっていたのではないでしょうか・・。


奇跡の人ストレートプレイ)

<あらすじ>
アーサー・ケートとケート・ケラーの間に生まれたヘレン・ケラー。しかし、1歳半の時の熱病でヘレンは見えない・聞こえない・しゃべれないというハンデを追ってしまう。そんなヘレンの元にやってきたのが家庭教師アニー・サリバン。サリバンに心を開かないヘレンとそんなヘレンに全身でぶつかり何とか打開しようとするサリバンの激しい戦いが続く。そんなある日、井戸の水に触れたヘレンは何かがはじけたように言葉を・・・・
3重苦を負ったヘレンケラーと、家庭教師アニー・サリバンの戦いと心の交流を描いた感動の実話。

とにかく、サリバンの大竹しのぶと、ヘレンの寺島しのぶの (Wしのぶ・・) 体を張った戦いが圧巻でした。まさに、本気の戦いって感じで・・・なんだか文章に表せないです(^^;)すいません・・。だから、なおさらラストでヘレンが「水」を理解した時の感動は本当に大きかったです。大竹サリバンにつられて私まで涙が零れてしまいました。で、なぜこの舞台を観に行ったかといえば「雨に唄えば」でファンになった川平慈英さん目当てだったんです・・。ヘレンのお兄さん役で、出番もあまりなくテンションもかなりローだった(笑)にもかかわらず、あの存在感!!ひねくれ者を見事に演じていらっしゃってこれまた感動しました!


アニーよ 銃をとれ

<あらすじ>
アニー・オークリーは山育ちながらライフル銃を持たせると右に出るものはいないほどの腕前である。そんなある日、バッファロー・ビル一座のスターであるフランク・バトラーに一目ぼれ。ひょんなことから一座に加わることになったアニーはメキメキと頭角をあらわし、ついにはフランクをもしのぐ人気者となり、アニーに惹かれ始めていながらも一座に居辛くなったフランクはライバルのボニー・ビル一座に加わってしまう。人気を得ながら、フランクを失ったアニーは力を落とすが、インディアン酋長シッティング・ブルの養女となり次々と勲章をもらうほどの活躍を続けていた。
ところが、一座は財政難に陥ってしまい、仕方なくライバルのボニー・ビル一座と合併することになる。再会したアニーとフランクは再び愛し合うが、些細なことで喧嘩になってしまい腕比べをする羽目に・・・勝負をとるか、恋人をとるか・・・

はっきりいって、初めはあまり期待していなかったこのミュージカルだったんです。なぜ行ったかといえば・・畠中洋さんがご出演だから・・といった不純な動機でした(^^;;;)ところが!ふたを開けてみればもう、このミュージカルの虜と化してしまった私(笑) 全体に流れる音楽の素晴らしさ、一人一人の明るい確立したキャラクター達、もう観ているだけで元気が出るような作品でした!(とくに、『朝の太陽』のナンバーは最高!)こんな事なら、千秋楽前にも観に行けばよかった・・・なんて後悔してしまったほどです。ということで、名古屋まで追いかけてしまいました(爆)(これは作品を追いかけたっていうのもありますけど、宮川ビリーを追いかけたっていうのもあります(笑))ということで、印象的だった各キャストについてちょっとだけ。

高橋由美子(アニー)
正直、彼女がここまでミュージカルこなせるとは思っていませんでした。歌い込みすぎて喉をやられていたのが難点でしたが、各ナンバーも危なげなく楽しく歌っていてかなりの好印象です。東京千秋楽では、今までの緊張が切れたのかボロボロ泣いてしまっていたのがかわいかったですね。名古屋でも頑張っていました。これからも、舞台に出て活躍して欲しい女優さんです。

石川禅(フランク)※東京オンリー
石川さんて、回転木馬で宮川さんとダブルキャストくんでいらっしゃった方・・・としか印象なかったのですが、なんて素晴らしい歌声なんだ! と思いっきり感動してしまいました。それに、単純馬鹿だけどどこか憎めないフランクで、あんな人が友達だったら楽しいだろうなぁ、なんて思ってしまうほどでした。このミュージカルを楽しくしていた大きな要因の一人ですね。歌も演技も素晴らしかったです。

小松政夫(シッティング・ブル)
うまい!! この一言でした、この方。登場シーンからして完全にインディアンの酋長!しかもアドリブの嵐で私たちを完全にのせてしまっていました。 あの訳の分からないインディアン語は絶品です(笑)

畠中洋(トミー)※東京オンリー
この方を目当てで行ったんですよね(笑) いや〜、本当に畠中トミーのぶっとびぶりには驚きました。きっと、普段の10倍くらい(ちょっとおおげさ)はテンション上げていたんじゃないかと思うほど! キレテル畠中トミーを拝見できたのはかなり貴重な体験だったと思っています。ほんと楽しかったぁぁ。

宮川浩(フランク)※名古屋オンリー
この人のフランクをみたいがために、ついに東京圏外から飛び出してしまいました(笑)名古屋進出第一作です。宮川さんのフランクは石川さんのとはまた違って、すごく男っぽいし、たくましいフランクでした。だから、アニーと意地を張り合うコミカルなシーンが逆にすごく崩れてて楽しかったです。あのすばらしい声量もそのままでしたし、かっこよかったなあ。同じ作品で、まったく違ったフランクを観られたなんて幸せでした(*^^*)


キル(ストレートプレイ)

<あらすじ>
羊の国の洋服屋の息子テムジンは、父の遺志を継いで祖先の名をとってブランドにした「蒼き狼」の制服で世界を征服しようという悲願を抱いていた。羊の国を征服したテムジンは絹の国から来たシルクと恋に落ち、絹の国を攻め落とし彼女と結婚する。やがて二人の間にバンリという息子ができるが、テムジンは息子に取って代わられる恐怖に襲われ、シルクとの仲も悪くなっていく。そして世界征服を目前にした時、西の羊の地から「蒼い狼」という偽ブランドが登場し、テムジンはそれを制圧しに向かい「蒼き狼」と「蒼い狼」の戦が始まる。しかしテムジンが「蒼い狼」の背後に見た人物とは・・・・

野田秀樹さんの作品はいままでどうも抵抗があってみなかったのですが、数年前にテレビで放映されていたこの壮大なスケールの舞台だけは大変感動したのでぜひ生で観てみたいと思って観に行きました。話の内容はイマイチつかみにくいのですが、なぜだかぐいぐい引き込まれていって最後にはホロリとしてしまう、なんだかとっても不思議な作品です。とにかく、舞台美術がとてもきれいでラストに広がるあの透き通った蒼い布は今でも鮮明に記憶されています。そして壮大な音楽!私はおもわずキルのサントラ集めに奔走してしまいました(^^;) 主演の堤真一さんは、やっぱり素敵ですね。テムジンの愚かさ、そして最後の空しさを実に上手く表現していました。ラスト、一人でミシン台の上で死んでいく姿には思わず涙が零れました。それから、深津絵里さん、彼女も舞台女優として充分やっていけるんだなぁ・・・なんて思ってしまうほど上手かったです。声も透き通っててはっきりしていたし、凛としていてきれいでした。また再演してくれると嬉しいんですけど・・・・・・・


ラ・マンチャの男

すみません・・・なぜこの作品が印象に残ったかというと、生まれてはじめて眠ってしまった舞台だったからなんです(涙)だから、あらすじも何も覚えていません・・・・座った位置が悪かったのか、はたまた私の耳が麻痺していたのか・・・とにかく、松本幸四郎さんのセリフがほとんど聞こえなくて、いったいなにが起こっているんだろう・・・・と必死に話しを追ううちに疲れて眠ってしまいました(爆)この作品て、前評判もよく皆さん口をそろえて絶賛しているので私も気合入れて観に行ったのですが・・返す返すも残念な一作の一つです。こんな感想ですみませんっっっっ(だったら書くなって(^^;;;))


THE GALAXY EXPRESS 999

<あらすじ>
機械人間が支配しつつある地球・・・999に乗り込もうとするたびの途中で鉄郎の母は人間狩りにあい機械伯爵に殺されてしまう。母の復讐を胸に自分も機械人間になって伯爵への復讐を誓った鉄郎は、謎の女性メーテルと知り合い彼女と共に999に乗り込み旅を続ける。さまざまな体験を繰り返し、ついに機械伯爵を倒した鉄郎であったが、惑星メーテルにおいてメーテルの母にとらわれてしまう。戦いの末、惑星メーテルの機械帝国は崩壊したが、鉄郎の恋人クレアを失ってしまう。そしてまた、メーテルとの別れも近づいていた・・

かの有名な松本零士原作の「銀河鉄道999」のオリジナルミュージカル作品です。作曲はあのブロードウェーで成功している都倉俊一、振付け演出がこれまた有名なジェームズロッコといった豪華な顔ぶれでした。始まった当初かなり賛否両論に分かれたこの作品ですが、私個人としてはとても楽しめた舞台だったです。あの、自分も今宇宙にいるのではないかと思わせるような舞台照明や、覚えやすいテーマ曲。(ただ、クレアのナンバーはちょっと歌謡曲してて好きではありませんでした。)それに、予想以上に音楽畑からのキャストが頑張っていたのが印象的でした。特に、本田修司さん、演技はまだまだ粗削りだったのですが歌がとても上手い!それに、全身で頑張っているというのがひしひしと伝わってきて好感持てました。杏子さんのハスキーボイスのナンバーもなかなか魅力的でした。そんななかでもやっぱりミュージカル俳優さん達はかなり上手かったですねえ。大浦みずきさんのメーテルも素敵でしたし、杉村理加さんのプロメシウムと老婆のギャップには恐れ入りました。宮川浩さんのハーロック!衣装がちょっと・・・・・・でしたが、出番が少ないにもかかわらずなかなか存在感がありましたし、あの惚れ惚れする歌声も相変わらずで感動しました。あと、車掌役の三谷六九さん!すごい!まさに漫画から抜け出てきたような・・・・・それだけで感動的でした(笑)
前から2番目のど真ん中の席で、しかも千秋楽でしたので、感激もひとしおでした。特にカーテンコールは6-7回もあり、観客もスタンディングしてる人が多く(私も立ちました)大変盛り上がっていました。(近くで見た宮川さんはとっても素敵な方でしたし、車掌の三谷さんが黒い(!)素顔をあらわにしたのも印象的でした(笑))