「ヴィクターヴィクトリア」青山劇場 18時30分開演
1階 H-16
出演者 : 高嶺ふぶき、草刈正雄、羽場裕一、花山佳子ほか

<あらすじ>
旅先で仕事を失ってしまったソプラノ歌手ヴィクトリアは、とあるクラブで偶然出会ったゲイのトディに出会い、彼の妙案で(?) ポークランドの伯爵、ゲイの女装歌手ヴィクターとして華々しくデビューを飾ることに。うまく化けたヴィクトリアのショーは大成功するが、シカゴから来たキングが彼女に一目ぼれしてしまう。ヴィクトリアもキングに惹かれているが女であることを切り出せない。そこにキングの愛人ノーマが絡んで・・・・。紆余曲折の末、ヴィクトリアは女であることをカミングアウトし、キングと結ばれる。

高嶺ふぶきさんの宝塚退団第一作です。彼女の男装姿はさすが元男役!とおもわせるかっこいいものでしたし、歌声も迫力あって惚れ惚れしました。が、なぜだかあまり演技が印象に残らなかったんです・・・・どうしてかなぁ。草刈さんは昨年の「マイフェアレディ」から注目しているんですが、トディはちょっとしっくりこない感じです。でも、最後の女装シーンは圧巻でしたが(笑) それからミュージカル初進出の羽場さん。歌はイマイチだったのですが、思っていたよりもクールなキング像をよく表現できていたし、ドタバタの場面などもかなり頑張っていらっしゃいました。それでもなんだか、全体的に印象が薄かったです・・・・。

 


「リア王」 新国立劇場 中劇場 13時30分開演
1階16−33
出演者 : 山崎努、渡辺いっけい、畠中洋、滝田裕介、余貴美子ほか

<あらすじ>
ブリテン国の老王リアは隠居をするにあたり3人の娘に領土を分配しようとする。姉二人は上手いこと父を褒め称える言葉を言い領土の約束を得るが、末娘だけは軽々しく愛を語ることを拒み領土を得ることなく他国へ追放されてしまう。しかし、領土をもらった姉二人は父リアの存在が疎ましくなりやがて父親を追放する。荒野をぼろぼろのままさ迷うリア王は・・・・・。

シェイクスピア作品は大の苦手で、あらすじすらはっきり書くことができませんです(^^;;;)
では、なぜ観に行ったかというと畠中洋さん渡辺いっけいさんが観たかった・・・・と・・・・またまた不純な動機で見に行ってしまいました。が、思ったよりは内容がわかりやすかったし舞台美術がシンプルながらとても幻想的で美しかったです。お目当ての畠中洋さん、初の悪役で登場でしたが、単なる悪役にならず心のどこかに寂しさを秘めているといった役作りでなんだか感情移入してしまいました。声も相変わらず澄んだきれいな声で惚れ惚れ・・。渡辺いっけいさんはフンドシ一丁の熱演もさる事ながら(山崎さんもフンドシ一丁やってたな)暗いお話のなかで唯一の清涼剤って感じでとても楽しかったです。なにより退屈せずに観れてよかったと・・・思ってしまいました(^^;;;) 


「ルチャドーラ!〜女子プロレスの男たち〜」 シアターサンモール13時開演
1階C-13
出演者 : 西川浩幸、樋渡真司、三上市朗、八十田勇一、関川慎二、山本密、武田義晴、榊ゆりこ

<あらすじ>
弱小女子プロレス興業を営む男たちのお話。ある日、旧社長が急死し新しくプロレスには関心のない旧社長の息子が経営のトップにつく。初めは反発しあっていたが、月日が経つうちにチームワークがまとまり興行成績も上がっていく。ところが、そのこととは裏腹に帳簿のほうは赤字続きで・・・・・。

このお話は女子プロレスを題材にしていながら、女子プロレスラーは一人も登場してきません。でも、だからこそ経営陣の人間模様が浮き彫りにされていて、とっても楽しい作品でした。新経営者役の西川浩幸さんは、キャラメルではめったに見られないマジメ青年の役で、なんだかとっても新鮮でした。でも、キャラクターが出てしまうのか・・時折見せる細かなほのぼのギャグが健在だったのがファンにとって嬉しいところでした。時に大笑いし、時にホロリとする・・・・見終わった後はなんだかとってもほのぼのした気持ちになる、いい芝居だったと思います。再演してくれないかなあ。 


「ザッツ・ジャパニーズ・ミュージカル’98」 本多劇場 14時開演
1階L-13
出演者 : 斉藤晴彦、早坂好恵、北村岳子、花山佳子、林家しゅう平、本間憲一、《ゲスト》市村正親 ほか

これはおはなしではなく、日本のミュージカルを皮肉ったひとつの爆笑ショーです。有名なミュージカルナンバーが46曲も出てきて、そのなかで出演者たちが替え歌にしてしまうという・・・普段では絶対に見られない楽しいショーでした。演奏はすべて2台のピアノ。これがすごくゴージャスでした! あまりにもネタが多すぎて語り切れないのですが、特に笑ったのが「ライオンキング」と「レ・ミゼラブル」のおちょくり(笑) 「ライオンキング」に至っては市村正親さんが頭にぬいぐるみのライオンを乗せて登場し「向こうで観ましたけど、あれは俳優のやる仕事ではないですね」なんて爆弾発言! 私も同じ考えだったので思わず手をたたいてしまいました。「レ・ミゼラブル」に至っては斉藤さんがジャベール、市村さんがバルジャンというファンにはたまらない組み合わせが実現!公演中に鳴る携帯電話のベルをネタにしたものには、もう大爆笑してしまいました。ゲストながら一番目立っていた市村さん(笑) ふんだんに堪能させていただきました(*^^*) 


「ソング&バレエ」松本文化会館14時30分開演
1階15−6
出演者 : 石丸幹二、今井清隆、下村尊則、芝清道、野村玲子、鈴木京子、井料瑠美、金井小夜子 ほか

ついに、長野県松本市まで進出してしまいました(^^;) この公演は長野オリンピックイベントのような感じで劇団四季の俳優たちがロイド・ウェバーの名曲を歌うコンサート形式で行われました。これが前半。そして後半は世界有数のバレエダンサーたちによる演技。ラストに長野オリンピックのテーマソングを歌うといった内容でした。前半は、今まで見られないような素の劇団四季の俳優さんたちが見られたり、数々の名曲を堪能できたりとあっという間に時間が過ぎてしまうほどよかったのですが、後半のバレエが・・・・・・・・
クラシックバレエならまだしも、モダンバレエが多く未熟な私にはさっぱり分からず、途中で記憶を失ってしまいました(爆)ちなみに、一緒に行った母も隣りで船こいでました・・・(^^;;)はっきりいって、バレエと、ミュージカルとでは畑が違うのではないでしょうか。なんだか、松本くんだりまで行ったわりにはこの時の疲れが相当に響き、あまり良い思い出が作れませんでした。 


「夢から覚めた夢」 よこすか芸術劇場 13時開演 《首都圏千秋楽》
1階S-6
出演者 : 保坂千寿、堀内敬子、村田知嘉子、道口瑞之、光枝明彦、野中万寿夫、山口正義 ほか

<あらすじ>
不思議なことに憧れる少女ピコは、ある日夢の配達人と名乗る男に出会い、導かれるまま入った閉園後の遊園地で幽霊少女マコと知り合う。交通事故で命を落としたマコは母親に別れの挨拶を言うために、人間界へ戻りたいのでピコに1日だけ入れ替わって欲しいと頼む。冒険を求めていたピコはマコの願いを聞き入れ、変わりに霊界へ入る。そこでピコはさまざまな人と出会い、命の大切さを学んでいく。霊界の人と親しくなったピコだが、やがて約束の時が訪れる。

この作品はファミリーミュージカルとして上演されているそうですが、大人になっても充分感動できます!(あ、私がまだ大人になりきれていないのか(^^;;)) とくに保坂さんの年齢を感じさせない子供ぶりには感心してしまいました。すごくピュアなんです。それから、堀内さんは初めてこの日観たのですがすごくかわいい。それに、とってもきれいな声で歌うんですねえ。それだけでも感動ものです。あと印象深かったのが野中さんのヤクザです。ミュージカルには珍しくヤクザさんには演歌ナンバーがあるのですが、これがまた絶品なのです。
デビルの光枝さんのオカマぶりなどなど、見所たっぷりですし、心に染みるナンバーの数々にジーンときてしまいました。この日は首都圏最終日だったのですが、もっとお客さん入ってもいいのではと思ってしまいました。


「新・幕末純情伝」 シアターコクーン 14時開演
1階O-16
出演者 : 藤谷美和子、筧利夫、春田純一、山崎銀之丞、山本亨、木下浩之、デビッド伊東 ほか

<あらすじ>
幕末の時代、沖田総司は女だったという大胆構想のお話。新選組に入隊した沖田だったが、元々からだが弱く仲間にも肩身が狭い思いをいつも抱いていた。そんな沖田に一目ぼれした坂本竜馬が一方的に迫る。また、同じく沖田に想いを寄せていた土方、育ての親で密かに沖田を慕っていた勝海舟らが絡んでくる。しかし、徐々に病魔に冒されていった沖田は次第に仲間から疎まれ・・・・

つかこうへいさんの作品初めて観ましたが、実にエネルギッシュでした。後から後から下ネタのオンパレードに圧倒されましたが(笑) 男優陣のあつ〜い舞台は見ごたえありました。特に、矢継ぎ早に後から後から怒涛のようなセリフを言いまくっていた筧さんは、すごい! あと、春田純一さんも舞台で観るとすごくかっこいいのでびっくりしてしまいました。沖田役の藤谷美和子さんは突然歌いながらたどたどしい殺陣で登場(^^;;) あのパワフル男優陣の中にあってはちょっと霞んでしまった感じがしましたが、ラストはかなり熱演していてよかったと思います。 わたしのお気に入りは新選組のどすこい兄弟だったんですけど(笑)


「ミザリー」 サンシャイン劇場 14時開演 《東京千秋楽》
1階20−27
出演 : 市村正親、白石加代子

<あらすじ>
人気小説家のポールは、ある時自動車事故に遭い彼の大ファンであるというアニーの家で介護を受けることになる。ところが、アニーはかなりの性格異常者で、動けないポールは彼女に振り回され次第に追いつめられていく。「ミザリー」の小説を書くように強要され、ついに完成した日、ポールはついに・・・・・。

上演前から市村さんと白石さんという強烈な2人芝居ということで、どうなるんだろうと期待していましたが、ホントに濃いお二人でした。特に、白石加代子さんは初めて拝見したんですけど、役柄のせいもありますが背筋寒くなるほど恐かったです。なんだか怨念か何かが乗り移っているような・・・・あの、ポールの足を斧で切り落とすシーンや、一番ラストで殺されたにもかかわらず暖炉からぬっと顔が出てきたところなどは、ゾォッとしてしまいました。それだけすごい女優さんなんですねえ。だからなおさらカーテンコールの時のピンクのドレスで軽快なステップを踏んでにこにこ出ていらっしゃったときのギャップが強烈でした(笑)
市村正親さんは、これまでになくホントに地味でマジメな役柄ながら、所々で見せるお茶目なところがたまらなくよかったです! ただのつまらないマジメ小説家で終わらせないところが、市村さんのすごいところですよね。いつも観客を意識した演技をする市村さんが好きです(*^^*) 


「SUPPINぶるうす〜羊たちの午後〜」紀伊国屋ホール 14時開演
1階H-11
出演者 : 今井雅之、川平慈英、石鍋多加史、佐藤雅子 ほか

<あらすじ>
「性転換して女になりたい」というおミズのために借金を抱えた幼友達の鉄雄と文佐久は、銀行強盗を思いつき、性転換したおミズも仲間に入る。襲った信金は情けない支店長とやる気のない女子行員2人と客。そこへもう1組防犯訓練のための警官2人の銀行強盗が。そうとは知らず、カッとなったおミズが拳銃を撃ってしまったが故に彼らは全員を人質に取って籠城するハメになる。もう1人いた女子行員はかつての鉄雄の恋人・真利亜。ところが人質は全員警察にバレてはやばい事情があってあっさり投降することができない。鉄雄に惚れているおミズとおミズに惚れてる文佐久、複雑な再会の真利亜と鉄雄の四角関係が絡み合う。そして、ついにおミズが外に飛び出してしまい・・・・。

前から今井雅之さんの「エル・カンパニー」公演は観てみたかったのですが、こんかいファンの川平慈英さんが出るということで思い切って行ってきました。川平さんて何時もテレビでお見掛けする時はもう、燃えつきそうな勢い(^^;;)のイメージがあるのですが、お芝居になるとがラット変わりますね。特に今回も熱い芝居にも関わらずテンションを押さえて常に、今井雅之さんの芝居を受けているといった感じでした。逆に、ものすごいハイテンションを持続させていた今井さんは、まさに弾丸の勢い! ファンサービスだったのか・・あの客席に降りてきて会場全体を巻き込んでしまうパフォーマンスはとても楽しかったです。まるで、「笑っていいとも」の会場にいるような錯覚にとらわれてしまいました(笑) でも、最後はなんだかホロっとさせられて・・・・なんだか人情の温かさみたいなものを感じてしまいました。次回公演もまた観てみたいです。 


「俺たちは志士じゃない」シアターアプル 14時開演
1階7列15番
出演者 : 岡田達也、今井義博、西川浩幸、岡田さつき、近江屋太朗、菅野良一 ほか

<あらすじ>
時は幕末・・新選組を抜け出した松吉と竹次郎。ところが、新選組から逃げているうちにひょんなことから坂本竜馬と中岡晋太郎に間違われてしまい、天王寺の屋敷にかくまわれることに。2人は自分たちが坂本達でないことをなかなか言い出せないままいたが、ある日桂小五郎を名乗る男が屋敷に訪れ(実は本物だった)3人は何とか気づかれないように屋敷を抜け出そうとする。ところがそこへ新選組が坂本竜馬と中岡晋太郎を探しに乱入してきて・・・・・

キャラメルボックスは2年前の「風を継ぐ者」以来ずっと観てきてますが、やっぱりキャラメルの幕末物は面白いですね。特に、新選組との殺陣シーンはすごく迫力あります! それに、沖田役の菅野良一さんが虫の研究から(彼は今愛媛の大学院で虫の研究中なので休団していることになってます(笑))一時復帰してくれたのはすごく嬉しかったです! 菅野さんはもう沖田総司で決まり、というくらいはまってるんですよね。殺陣もかっこいい(^^)岡田達也さんは昨年の「嵐になるまで待って」の波多野役以来、ますます演技に磨きがかかっているようで、これからも大いに注目したいところです。西川浩幸さんの桂小五郎はなんだかちっちゃくてとてもかわいい(^^;)でも、ただかわいいで終わらない西川さんの桂小五郎は所々に出るほのぼのギャグはもちろん、最後で必ずホロッとさせてくれてなかなかいい味が出てました。やっぱり西川さんの演技、好きだなぁぁ。余談として、篠田剛さんのキラキラ殿様はびっくりしました(笑)
いつも熱い熱い芝居を見せてくれた今井義博さんが、新しい分野へ歩み出すため、この公演を以って退団されました。なんだかとても寂しい気がしますけど、新分野でも頑張って活躍して欲しいと思います。 


「ローリング・ストーン」 シアターコクーン 13時開演
2階立ち見席
出演者 : 野田秀樹、羽野晶紀、西川忠志、入絵加奈子、阿部サダヲ、キムラ緑子 ほか

<あらすじ>
ある日、突然川辺に線が引かれて国境となり、支配者たちの欲望や嫉妬が戦争を繰り広げる。民衆はひたすら川辺で命令された石積みを続けるが、戦いは積み上げられた石を何度も壊していく。ひとつの「石」がやがてキングダム・オブ・ロックの王妃マカリの息子「こうた石」となり、夫と姉を殺された隣国の王妃ブリュヌオーは「こうた石」を誘惑し利用し捨て去り、マカリへの復讐をとげる。翻弄され傷ついた「こうた石」は再び「石」に返り、荒廃した国を民衆たちは「石」を抱えて旅立っていく。

野田地図公演はこれが2作目でしたが、今回はずいぶんと登場人物が多くはっきりいって誰が誰なのか途中まで全然分かりませんでした(^^;;)ストーリーの流れ的には漠然と分かるのですが、やはり1度観ただけでは私には難しい・・・と感じさせられてしまいました。が、羽野晶紀さんの王女は思っていたよりも気品があって、衣装がとてもきれいでしたし、最近舞台の活躍が多い西川忠志さんの演技は何度か胸に迫るものがありました。とくに、ラストで野田さん扮する「石」を運ぶシーンには思わずグッときてしまいました。でも、やはり印象的だったのが野田秀樹さんの「石」です。「石」が「こうた石」になれた時の喜び、「こうた石」がブリュヌオー王女に捨てられた時の嘆き、そして結局はまた「石」となってしまう惨めさ・・・こういったひとつひとつの「石」の感情がストレートに伝わってきてとても感動しました。
あと、舞台美術もすごい! ロッククライミングのごとく、舞台の上方に上っていく役者さん達は観ていてすごい圧巻でした! 落ちたりしないか・・・と、なんとなく心臓にも悪かったのですが(^^;;)そして、今回も野田作品は選曲が良かったです! 特にラストに流れた曲はすごく壮大で聞いているだけでジーンとしてしまいました。あれはどのサントラを使ったんだろうか・・・・・・? 


「ミザリー」 グリーンホール相模大野 19時開演 《全国千秋楽》
1階18−32
出演者 : 市村正親、白石加代子

<あらすじ>は、3月29日観劇分を参考にしてください。

この日が事実上の「ミザリー」千秋楽でした。(ツアー最終日)そのせいか、3月に観た時よりも芝居内容が濃くなっていたように感じました。前観た時はちょっと退屈してしまった部分も正直あったのですが、今回はなんだか目が離せないっていうか・・・・最初から最後までのめり込むように観てしまいました。市村さんのうめきもますます痛々しく(^^;)白石さんの狂気はますます背筋が寒くなってました(^^;)やはりラストの暖炉から白石さんの顔が現われるっていう演出は一番ゾッッッとします。
カーテンコールではいつものお茶目な市村正親さんと可憐にピンクのドレスで登場の(アニーとのギャップが・・)白石加代子さん。なんだかすごーくほっとする瞬間ですね、このカーテンコールは(*^^*)ラスト公演ということもあって、最後に市村さんが後ろに隠し持っていた(たしか・・)百合の花束を白石さんにプレゼントするという微笑ましい光景も観られました(*^_^*) 


「アイリーン」 日生劇場 12時開演 《千秋楽》
1階E-15
出演者 : 大地真央、石井一孝、井上順、草笛光子、金井克子、藤木孝、鮎ゆうき、紫城いずみ ほか

<あらすじ>
時代は第一次大戦後の1919年頃、アイリーンの実家ピアのショップに電話がやってくる。期待に胸を膨らませていたところ、大富豪のマーシャル家からピアノの調律の依頼のベルが鳴る。大喜びでマーシャル家に赴き調律をしていたアイリーンの元に若き当主、ドナルド・S・マーシャル・V世がやってきて、二人はやがて意気投合。(はじめ、アイリーンはドナルドが御曹司と知らなかった(^^;)) そこへ、ドナルドのいとこオジーが自称パリの有名デザイナー、マダムルーシー(注;男です・・・)のスポンサーになって欲しいとやってきた。ちょうどその場に居合わせたアイリーンも、この話に乗りマネージャー兼モデルとして起用されることになる。
マダムルーシーのファッションショーは大成功し、ドナルドはこれからもアイリーンと組んでビジネス街道を直走ろうと息巻くが、ドナルドに惹かれ始めていたアイリーンはありのままの自分を見てくれないドナルドに失望し、その場を立ち去ってしまう。突然アイリーンを失ったドナルドは割り切れない気持ちに苛まれ、9番街のアイリーンを訪れそこではっきりとアイリーンへの愛を確信してしまう。しかし些細なことでまた喧嘩別れをしてしまう二人・・
そんな折り、マーシャル家でパーティーが開かれることになりその件でマーシャル家に訪れたアイリーンは再びドナルドと再会。そしてそこで二人は・・・・。

3年前に初演を観たのですが、今年の舞台はまた更にパワーアップしているという感じがしました。大地真央さんのコメディエンヌぶりはあいかわらずなのですが、井上順さんのマダムルーシーは3年前よりもまた更におかま度アップのより濃いキャラクターになっていました(^^)特に、マネキン人形に向かって八つ当たりする時のダイビングが健在だったのが嬉しかった! オジーの藤木孝さんは今公演からの参加でしたが、個人的には前回の加納竜さんのほうが若々しくて好きでした。なんだか藤木さんだと石井さんのドナルドとは従兄弟という感じに無理があったような・・・(^^;)
あと印象的だったのが草笛光子さんです。草笛さんというと、ドラマのお母さんというイメージか強くてとても歌って踊るところが想像できなかったのですが、なかなかこれがはまっていて(歌はイマイチですが)よかったです。なんか、貴重なものを観たって気分です(笑)
そしてなにより石井一孝さんのドナルド! (思えば3年前の初演で石井さんのファンになったんです)本当に感動するくらいうまくなっています!! なんだか、舞台に対して余裕が出てきたんでしょうか。前半は本当にクールなドナルドに徹した役作りで、後半思いっきり3枚目に崩すところが明確に表現できていました。だから、後半のドナルドにはすごく人間味を感じて感情移入してしまいました(^^;) 特に、アイリーンの前で「僕ってセッ●スアピールがないんだよねぇ〜」と舞台中を駆け回る石井ドナルドには笑いを超えて感動すら覚えてしまいました!さて、この日は千秋楽のマチネだけあって、何と斜め前の席には大地真央さんのご主人さまが(^^;) 1幕でそれに気がついた井上順さんの真央さん攻撃は笑ってしまいました。が、なぜカーテンコールに大地真央さんオンリーしか出てこなかったのか・・・・・それがイマイチ納得できません。石井さんにも出てきて欲しかった(涙)