「オペラ座の怪人」リハーサル見学記

99年7月31日に千秋楽を迎えてしまう「オペラ座の怪人」。大好きな作品なので、悔いは残したくない!ということで、劇団四季のイベント(?)のひとつであるリハーサル見学会というのに参加してまいりました。

日   時    99年4月15日(木)  16時50分頃〜約30分間

参加人数    およそ90人から100人弱

場   面    「マスカレード」 / 「ドン・ファンの勝利」の冒頭

リハーサル見学まで

場所に着いたのは4時ちょっとすぎ。赤坂ミュージカル劇場のお向かいにあるBLIZではどうやらドリカムのコンサートがあるようで異様な熱気に包まれていました(^_^;) オペラ座の怪人系のお客さんは来たばかりの時点ではかなり小人数だったのですが、20分後くらいには60人近くに膨れ上がっていました。やがて、四季の係員の人から整理券が配られます。私と友人はかなり早くに着いた方だったので番号が20番台!劇場のロビーに入り、また10分くらい待たされました。で、いよいよ整理券順に整列していざ、劇場の中へ・・・。入る前になると、なんだか緊張して胸が高まってしまいました。

会場入り

まず入場すると劇場の座席中央部分(13列以降)に整理券順に着席します。私達は番号が若かったので前から2列目(実質的には14列目)!これまたラッキーでしたぁ〜。着席してまず私の友人がとっさに一言「あ!孔大愚だ!」 (笑) そう、確かに孔さんは目立っていた!舞台上ではなかなか確認することができなかったのですが、この日はじめてはっきり認識できてなんだか私まで興奮してしまいました(笑) でも、私の目にまず始めに飛び込んで来て新鮮だったのが半場俊一郎さん!私、初めて半場さんの素顔を拝見したんですけど、本当にパンフレットと同じお顔でした(^_^;) 佐川さんと仲が良さそうで、いつもふたりで笑ってましたよ(笑)

マスカレードのリハーサル風景

ちょうど入場した時に行われていたのが2幕冒頭の見せ場である「マスカレード」シーンでした。当然のことながら、役者の皆さんは全員稽古着だったので舞台で観る場面とはまた全然違った雰囲気でした。座席の4列目から5列目あたり中央には役者さんのリーダーらしき女性の方がしきりに「ダメだし」をしていました。ダメだしの主なものとしては「マスカレード」を演じる時のイメージ作りというのがかなりありましたね。「誰もいない遊園地の感じ」とか、「仮面をつけているので本当に誰か分からないように」とか、あるときはなんと「近親相姦的な感情で」なんていうのもありました(@_@) いや〜、いつもあの華やかさに圧倒されて大まかに観劇してしまっていたのですが、それを演じる時の役者さん達の感情って色々とチェックされていたんですねえ。なんだかとても新鮮な気分になりました。あとは舞台の立ち位置についてのダメだしもありましたね。その立つ場所ひとつひとつにもちゃんと意味があるんだなぁ…なんて思ってしまいました。
役者さんの表情も真剣そのもの。特に、アンサンブルの人たちはかなり真剣で、チェックが入るたびに自分達個人個人で研究しながら動いていました。「アンサンブルの劇団四季」!と呼ばれる所以はこういった彼らの努力があってこそなんですね。そんななかでアンニュイな(笑)魅力を振りまいていたのがベテランの佐川守正さん(^_^;) ダメだしが出ている最中もなんだか周りの役者さん(主演系)に話し掛けたりしてよく笑っていらっしゃいました(^_^;;) なんだかすごく楽しそう(笑) そんな佐川さんにも「フィルマンさん、階段上であまり女性の中で留まっていないように」というダメだしが出され会場の笑いを誘っておりました(笑) それにしても佐川さん、髪型が李香蘭の裁判長状態のままだったんですねえ〜(^_^;) それから、西島美子さん。私は「マダム・ジリー」の西島さんしか知らなかったので、そのあまりに若々しい素顔にびっくりしてしまいました! 立ち位置で確認するまで西島さんだって気がつかなかったくらい(@_@) さすがは役者さんなんですねえ。 あと印象に残った俳優さんはやはり柳瀬さん。ジャージ姿もカッコイイ〜〜!リハーサル中の表情も真剣そのもので、笑顔のところはきっちりラウルスマイルをして見せてくれました(*^^*) ひとつひとつのアンサンブルへのダメだしとかもちゃんと聞いていたし。舞台に取り組む真剣なその姿はとても好印象でしたよ(^0^) 最後のほうでは今井さんも登場〜!ジャージ姿の今井さんもとてもカッコ良かったですよ〜!! 貴重な姿が観れたのかも(*^^*)
このマスカレードのリハーサルでは今まで謎だった部分も解明されたのでそのこともなんだかとても感動しました!!でも、それはちょっとここでは書けないかな(^_^;)

ドン・ファンの勝利(冒頭部)のリハーサル風景

マスカレードだけでも豪華なリハーサルだったのに、ドン・ファンの勝利場面まで見せてもらってとても感動的でした!場面的にはファントムの「子爵様のおっしゃる通りだ!」という声からピアンジが寝室に入るところまで。ここでは先ほどとはまた違った演出補助のような男性の方がダメだしを行っていました。ファントムの声が聞こえてくるところで、透けた幕の後ろで待機している出演者(アンサンブル)ってちゃんと不安の演技をしていたんですねぇ。いつも舞台では全然気に留めていませんでした。ダメだしが出て「ちゃんと細かいところまで演技指導があるんだなあ」ということを初めて知りました。あとは、だいたい和音のことに関するダメ出しが多かったです。たしかに、ドン・ファンの勝利の音色ってひとつひとつ見てみるとあまり美しい音ではないんですよね。だから、なおさら音出しに関しての指示が細かく飛んでました。この風景を見て、わたしは中学高校時代の校内音楽コンクールの練習を思い出してしまいました。なんだかとても懐かしかったなあ…。このリハーサル風景を見て、私もなんだか混じって歌いたくなってしまいました(^_^;) この練習の最中はほとんどの主演俳優さん達は下の座席で見学。気がついたことがあったりすると積極的に意見を出していたのが印象的でした。
舞台上にいた主演系の役者さんは半場さん種子島さん、そして今井さん種子島さんは新人さんのようなので、カルロッタの衣装の捌き方などについて指示が飛んでました。アンサンブルの佐野さんはついこの前までラウルを演じていらっしゃいましたが、わたしはいつも「なんで佐野さんクラスがアンサンブルなんだろう…」と不思議に思っていたんです。でも、今回のリハーサルを見て納得。佐野さんは所謂、アンサンブルの教育係に徹していらっしゃったんです。今月は新人さんも多く入ったそうなので、気がついたことや演じるに当たっての雰囲気作りなど積極的にアドバイスしてました。本当に素晴らしいチームワークで進んでいるんですね!とても感動しました。
そんななか、今井ファントムマイペース(笑) アンサンブルのダメ出しの最中など、出番が回ってこない時にピアンジの寝室の入り口のカーテンを開け閉めしてたのがなんとも可愛らしかった(笑) この今井さんが、本番どのように化けてくれるのかとても楽しみになりました(^_^)

解説タイム

マスカレード、ドン・ファンの勝利の場当たり(舞台上でのリハ)が終わり、新人俳優さんのカーテンコールの立ち位置確認のあと、ムシュー・ルフェーブル役の岡本隆生さんが解説にいらっしゃってくださいました。毎日同じ公演を繰り返しているので、新鮮な気分で舞台に立てるように色々と工夫してリハーサルを繰り返しているそうです。何か質問は?ということで、質問も受け付けてくれました。今回出た質問が「場当たりは1幕から2幕まで通しでやるのか?」というもの。岡本さんによると、毎回1幕から2幕まで通しでやったら身が持たないので(笑) 前日などのミーティングで出た場面を部分的に行う、ということでした。
「では、これから我々はお化粧してきます。今日見たことが観劇の参考になってくれると嬉しいです」と最後におっしゃり、リハーサル見学会は終了しました。

見学終了後、会場までまた舞台の外で待機。本音を言うと、始めのセットの作られる過程も見たかったな(笑)
でも、バックステージには以前からとても興味があったので大変充実した時間を過ごすことができました。しかも、大好きなオペラ座の怪人だったし、場面が場面だったため、出演する役者さん全員の素顔も拝見できたし!本当に楽しかったです(^0^)