「蜘蛛女のキス」への想い
 

はじめは気乗りしなかった!

実は、はじめからこのミュージカルをとっても楽しみにしていたわけではありませんでした。むしろ、「まあ、市村さんも出ていることだから一度は観てもいいかな」くらいの感覚で、さほど興味がなかったのです。しかも、出ている俳優さん達があまりにも濃い面々だったし(宮川さんは、ちょっと楽しみにしていたけど) なにせ題名がかなり不気味(笑)ときてたので、はっきり言って「あまり見に行きたくない」作品だったのです。 きっと、観に行くことを尻込みしてしまった方の中には私と同じ事を思っていた人もいらしたのではないでしょうか←あくまで推測ですけど(^^;;)。

完璧にハマりました(笑)

こんなモヤモヤした気分で行った初演「蜘蛛女のキス」。ところが・・・劇場から出てきた時は180度考えがひっくりかえりました(笑) そのすごさに、素晴らしさに、ただ呆然状態で「なぜ、もっと早く見なかったんだろう!」と、しきりに後悔しました。はっきり言って、話の内容はよく分からない部分がありました。それでも、途中身震いするほど感動してしまったのです。それだけ威力のあるすばらしいミュージカルでした。なんだか劇場から立ち去りがたくて・・・ わたしほど感動しなかった友人(苦笑) は、まるで違う世界に行ってしまったかのような私(^^;)をしきりに不思議そうに眺めておりました。

初めてづくしの作品!

それまで観てきたミュージカルもそれぞれに素晴らしくて、「また観たいなあ」と思う作品がたくさんありました。でも、結局はリピートしてなかったのです。ところが、この「蜘蛛女のキス」だけは、何がなんでももう一度観たい!との強い想いが心の中に根づいていて、初めて、しかも仕事の帰りに衝動的に劇場へ飛び込み、当日券売り場に並んでしまいました。そしてもうひとつの初めてがS席購入!ものすごく金額高かったのですが、どうしても近くで見たかったのです。しかも、2回目観た時は初めて涙をこぼしてしまった!このことは、私のミュージカル観劇史(大袈裟か)のなかで一番大きな出来事でした。いまでこそ、色々な作品をリピートしてみている私ですが、その発端となったのがこの「蜘蛛女のキス」だったのです。ここまで深くハマった原因として考えられるのは、はじめにあまりにも期待しなさすぎたから(苦笑)ではないかと自己分析してしまう私です(^^;)

信じられないこと

アンケートに「絶対にCD化してください」とか「絶対に来年も再演してください」とか熱く熱く書きまくって待つこと2年。再演が決定!! そのことを知ったのが97年の10月頃。本当に本当に嬉しくってメチャクチャドキドキしました。今度こそ、たくさんリピートしてみるぞ!!と意気込んでいると、とんでもないフレーズが・・・・『日本最終公演、お見逃しなく』・・・・え・・私の目の錯覚か?このすばらしい日本公演が、もう二度と観られないなんて嘘でしょう?? よりによって、一番大好きだった作品が最終になってしまうなんて・・・・。本来なら、全国公演すべてに顔出ししたかったのですが、個人的金銭事情(爆)により、東京、大船、仙台公演しか行かれなかったことが非常に悔やまれます。

タイトルが問題!?

全国公演で一番気になるのが客入り。東京公演では1週間しかなかったのでかなり大勢の人が入っていてとても嬉しかったです。所々空いている座席もありましたが、連日ほぼ満席だった様です。(空いている座席には、私の代理人形でも置きたかった(笑))
ところが、地方公演だとかなり観客の数もまばらだったとか・・・・(泣) ああ、もっと早くから私が宣伝しておけばよかったあ・・・って、結局私は何の役には立たないのでしょうが。きっと、初期の私の様な考えを持ってる人が多かったんだろうなあ。思うのですが、
題名をもっと他のにすれば客入りも少しは違ったのでは・・・・(苦笑)。多くの人が見て、多くの人が感動して、多くの人の強い希望があれば、再演の道も開けるのではないかと思っているので、こんなしょうもない考えが浮かんでしまう私です。(オリジナルが「kiss of Spider Woman」だから、名称は変えようにも変えられないですね(笑))

それでも信じます!

日本最終公演・・・・私は絶対に信じたくないです。
再演を信じます。もちろん、同じキャスト、同じスタッフで。