劇団四季「スルース」 四季劇場・秋

主なキャスト

アンドリュー・ワイク : 日下武史 / ミロ・ティンドル : 下村尊則

ドプラー警部 : 松本克弘 / タラント部長刑事 : 三浦康雄 / ヒッグズ巡査 : 稲葉薫

<あらすじ>
ここでは将来の再演のためにあらすじは割愛させていただきます… (実はちょっとあらすじを書く自信がなかったりする(爆))ごめんなさい〜。

 

10月22日(金)2階2列4番 18時30分開演

感激度 ★★★★★☆ (★6つで満点)

劇団四季のストレートプレイを生で観るのは…よく考えてみるとこれがはじめてだったような気がします。日下さんと下村さんの2人芝居。本当は見に行くのを諦めていたのですが、この魅惑のキャストに惹かれ1ヶ月前にチケットを確保してしまいました(^_^) 最近仕事が忙しかった私ですがこの日は早目に退社。やっぱり劇場に着くと落ちつくんだなあ〜。ストレートプレイということだったのですが、会場はほぼ満員でミュージカルとは違った盛り上がりがありました。

まずはセット、これがなんだかとっても紳士的でオシャレなんですねえ!広い一室の中に螺旋階段や外に出るための窓、そして庭まである!中にある家具もかなりアンティーク調の値段にしたらちょっと高そうなものばかり。そしてなぜか、日下さん演じるアンドリューの話が受けたときにものすごい勢いでバカ笑いする巨大船員人形が(笑)この人形、何しろ中途半端座りをしながら背の高さがほぼ人間の等身大!で、突然ものすごい声で「が〜っはっはっはっは!!」と甲高い声で笑うのでもうビックリするやら不気味やら(^_^;)ミロでなくてもあれは絶対びっくりしてしまいます(笑)あんな人形を傍らに置くほど、アンドリューは心が孤独なんでしょうねえ。あの人形さえなければ、私もアンドリューの家には行ってみたいと思ってしまうのでした。

話の内容は始めはちょっと「?」なところがあって、仕事疲れがたたっていた私は肝心なところで(ミロがなぜアンドリューの家に泥棒に入る設定になったのかの経緯)ちょっと違う世界に…(爆)←つまるところ寝てしまった(爆)でも、その後も何とか話がつながっていたのでよかったです(^_^;) ミステリー物なのであまり笑いがないと思っていたのですが、どうしてどうして、特に日下さんの絶妙のセリフなどでは会場からかなり笑いが起こっていました。しかし、アンドリューの部屋は色々な物がたくさんありますねえ〜。なんでピエロセットが…(笑)はじめはかなり面白おかしくって感じだったのですが、1幕後半にいくにしたがって徐々にダーティーな部分を出して行くアンドリュー。観客席も息を呑む…といった緊迫したものに。そして衝撃の一幕ラスト…。話の内容を知らない人は「二幕はいったいどうするの?」と謎に包まれます。肝心の主役がひとり消えたと思わされますからねえ(^_^;) いや〜もう、ミロと同じ気持ちにさせられました・・・あまりの日下アンドリューの迫力に。
そして二幕になり、アンドリューの元に割腹のいい一人の警部さんが訪れます。…と、この先はちょっとネタバレですのでここで語っていいものか…
この芝居は、観客を完璧に騙す!というのが売りだったのですが、その意味がこの芝居を終えてようやく分かりました… はい、わたし、完全に騙されてました(爆)もう、劇場ぐるみで騙してるんだからたまったもんじゃないですねえ(笑)というわけで、実は私もこれを読んでる皆さんを騙してます(爆)
ラストはかなり衝撃的… こうなるんじゃないかなあ〜とは思ってたけど、実際に起こってみるとかなり恐いです…(>_<) この展開はさすがですねえ。思わずのめりこんでみちゃいました。

さて、キャストですが、まずはやっぱり日下武史さん! 巧いです!もうこの一言… 台詞回しもだんだんと狂気に満ちて行く表情も… そして、心のどこかにいつも隙間風が吹いている寂しさも… すべてが手に取るように分かるんです。ピストルを派手にぶっ放す様はめちゃくちゃ迫力ありました!しかしあのピストル、本当に弾がこもっているんじゃないかというほどものすごい音出してましたねえ〜(@_@) 私は心の中でB'Zの「さまよえる蒼い弾丸」(←私のお気に入りなんですが)を歌ってしまいそうになりました(笑)まあ、それをいとも涼しい顔でバンバン撃ちまくるんだから、日下アンドリューの迫力はやっぱりすごい!また、紳士的な雰囲気も醸し出せるところが素晴らしいですよねえ〜。いかにもイギリス紳士って感じで…もう風格がバッチリ! とにもかくにも日下さんの魅力がふんだんに発揮されていたと思います。(ラスト付近の狂気の表情は思い出すだけでもかなり恐い…(~o~))
そして、今回意外な役柄を見せてくれたのが下村尊則さん!私は実は、下村さんの新たな顔が見たくてこのチケットを手に入れたんですよ〜。いつもは「美女と野獣」のルミエールや「ライオンキング」のスカーなど一癖も二癖もある濃いキャラクターばかりだったのですが、今回のミロははっきりいって普通の青年。登場したとき、あまりにも普通っぽいのでちょっとビックリしてしまったほどです(笑)はじめのうちは「奥さんを私に下さい」とものすごく下手に謙虚に出てたのですが、徐々にアンドリューのゲームにはめられて翻弄されてしまうミロをスマートに演じられていました。一番印象的だったのがやっぱり1幕ラスト。あの恐怖のために涙涙で後退りして行くのはかなり迫真の演技でした!おかげで私もあの恐怖の疑似体験をさせられましたよ〜(~o~;;) それにしても、このお芝居では色々な下村さんが楽しめました〜! まずあのピエロ姿、あのバカデカイ靴も見事には着こなしていたのはさすが!しかも、あれで階段を昇り降りするとは〜(@_@) あと、パンツ一丁姿も(笑)いや〜、細いですねえ〜下村さん(笑)それから2幕… ここでは2人の下村さんが楽しめました!あれは楽しかったなあ、ほんと。それが、ラストがあの展開ですからねえ〜まったくこの芝居はよくできている。ちょっと台詞回しに気になるところがありましたが、はじめて見る普通の下村さん(笑)は普段のミュージカルではなかなか見ることができなかったので興味深くて楽しませていただきました(^_^)

四季のストレートプレイ、なかなか本格的でいいですね!また上演された折りには見に行きたいと思いました。え?他のキャストの人の感想が書いてないって?だから言ってるじゃないですか。私も騙してみたって(笑)