1月3日(日)
劇団四季「ライオンキング」
四季劇場・春
13時開演
2階B列16番

キャスト

ライフィキ … 青山弥生 / ムファサ … 早川正 / ザズ … 明戸信吾 / スカー … 下村尊則 / ヤングシンバ … 相ヶ瀬龍史 / ヤングナラ … 伊藤彩華 / シェンジ … 家本朋子 / バンザイ … 大塚俊 / エド … 長谷川輝 / ティモン … 中嶋徹 / プンバァ … 小林アトム / シンバ … 坂本健児 / ナラ … 濱田めぐみ / サラビ … 森以鶴美

 

感激度 ★★★

座席の位置はかなりよかったです。四季劇場はあまり評判がよくないんですけど、2階席は前の人の頭を気にすることもないし、それに何よりも近い! 1幕始めなどは動物の登場シーンがあまり見えないのですが、あまり気にはなりません。なので、1階席で前の人の頭を気にするよりも2階席のS席のほうがいいのではないでしょうか。
そもそも、私はあまりこの作品に期待をしていなかったので、この日は行くはずではなかったんですけど、ひょんなことからチケットが手に入って「どれどれ」という感じで行ってきたんですよ。奇しくも、正月第一弾の観劇作品となりました(^^)

さて第一幕、独特のアフリカンミュージックが流れ、たくさんの動物達が客席から舞台に上っていきます。それをリードするのが青山弥生さんのライフィキ。で、脇から羊とやぎの間の子の様な謎の動物の男性(すみません、分かりづらい説明で(爆)私ははじめて観た時、上から見たため、蚊取り線香加と思ってしました(爆爆))が現われて、壮大なアフリカの大地が登場します。ここだけは、私、かつてないほどの感激を致しました!(「蜘蛛女」には負けるけど) なんていうのかなあ… もう胸が震えるっていうか、ライフィキと一緒になって舞台に手を広げて歌いたいという衝動に駆られてしまったんですよ。気がついたら涙ぐんでましたし。動物達も、思ったほど抵抗なく観ることができました。本当によくできている。キリンなんてすごい!やっている人たちは恐いだろうなァ…とか思っちゃいましたし。劇場が思いっきり狭く感じるほど感動的な「サークル・オブ・ライフ」でした(^0^)←感動度の★2つは全てここに終結してるって感じですね(笑)

ところが、「サークル・オブ・ライフ」がピタッと終わった後からのあのテンポの悪さはなんなのだろうか…(-_-;) 下村さんのシーンはすごくよかったんですけど、ヤングシンバとヤングナラ、ザズーのかけあいのシーンは私はどうしても受け入れることができませんでした。あまり長く登場しないだろうと思っていたヤング君たちだったんですけど、1幕のほとんどが彼ら中心。それ相当に頑張って歌ったり踊ったりしているんですけど、やっぱりまだ未熟という感じがします。何だか途中から、子供の学芸会を見ているような気分にまでなってしまいました(泣) 特に、「王様になりたい」のナンバーはとても華やかで面白いはずなのに、私はどうしても受け入れることができなくて…退屈してしまったんです。 どうしてだろう…。

もう一つ受け入れられなかったのがザズー、プンヴァ、ティモンの人形達。ミュージカルにおいて、俳優さんという存在をかなり重要視して見てしまう私にとって、俳優の存在を感じさせないような人形達が舞台の上で駆け回っているというのがどうもだめだったんです。たしかに、どれもこれもとってもよくできていて、動きなんて実に滑らか!まるで人形ではないような感じさえもしたくらいすばらしいと思います。うーん…はっきりいってこれは個々の好みになってしまうんでしょうね。あと一つ付け加えると、ハイエナ達もあまり受け入れられなかったんです(^^;) 後から知ったんですけど、彼らってけっこうあの話の中では重要な立場だったんですね(^_^;;)

なんだか不満ばっかりつらつら書いてしまってますが、すごいと素直に思ったところもあります。まずはやはりあの舞台美術。夕日が昇ってくるところなどは感動的です。(ただ、影絵はちょっと…) それから、崖から落ちる場面、あそこまで派手にやるとは思わなかったのでびっくり!俳優さん達、すごい度胸ありますよねえ。私だったら絶対にできないです…あの落ちる役は…(苦笑) あと笑っちゃうのが雌ライオンの涙。なんともすごいこと考えましたねえって感じですね、あれは(苦笑)会場もけっこう笑いが起こってました。あれは、笑ってもよかったのだろうか…

キャストの皆さんはなかなかの好演でよかったと思います。特にやっぱり下村さんのスカー!!最高ですね。「ライオンキング」で一番光っているんじゃないでしょうか。凄むところの迫力なんて本当にすごいこわーく見えるし、単なる「悪者」ではなく、心の底には愛されなかった哀愁を秘めているといった演技も実に素晴らしかったです!なので、最後にシンバと対決する時、私は断然スカーの味方として見てしまいました。きっと、シンバよりもスカーに感情移入したという人、けっこういるのではないでしょうか。それほど素晴らしい出来でしたね。早川さんも、威厳のある堂々としたお父さん像でよかったです。王様ライオンにぴったりですね。シンバの坂本さんはこれが初の大役だそうですが、なかなか若々しく凛々しい感じが出ていました。それにしてもすごい肉体ですねえ(@_@)どちらかというと、こちらのほうがびっくりしてしまいました(笑) ナラの濱田めぐみさんは歌声がとってもピュアなのが印象的でした。

総括的にいうと、個人的には当分見に行かなくていいやって感じです(爆)。「サークル・オブ・ライフ」以外では特に感動するようなナンバーや場面がなかったし… 。どうも話の筋的にもあまり私の好みに合わなかったようで残念でした。ただ、子供に見せるには最高に面白い舞台ではないでしょうか。どちらかというと、子供中心向けのミュージカルって感じがしたんですが…(^_^;)
私にしては珍しく悪評の感想となってしまいましたが、とりあえず、一度は観ておいたほうがいいミュージカルだと思いますよ。あの舞台美術の迫力は本当に一見の価値ありです。それに、回数を重ねていくうちにもっとよくなっていくと思いますし。わたしも、あと2回くらい行くかもしれないですし(爆) ただ…S席料金は払わないだろうな(苦笑)