「唄う市村座公演」   彩の国さいたま芸術劇場

主なキャスト

市村正親 (座長一人(笑))

 

11月13日(土)1階L列21番 14時開演

感激度 ★★★★★★  (★6つが満点)

ついに、伝説の市村座に行ってまいりました!!旗揚げ公演を知って以来、ず〜〜っと見に行きたかったんですがついに今回チケット入手に成功 (^○^) 横浜から埼玉までは少し時間が掛かったけど遠征って感じで行くまでもすごく楽しかったです(笑) それにしても、彩の国ってすごいきれいな劇場ですねえ〜 それに周りの雰囲気もほのぼのしていてよかったし(^_^) 見に行ってよかったです(*^_^*)
ちなみに、何故この公演は埼玉だけで公演されるかというと… 市村さんの故郷が埼玉だということがあるようです(笑) まさに地域密着型という感じですね。でも、今回来ていたお客さんはかなり遠征組が多かったような気がするんですけど…(^_^;) まあ、それだけ市村さんの人気が幅広いって事ですよね。
舞台はさながら歌舞伎の様な感じ(笑) 緞帳からして既に(笑) そのまわりに市村座の提灯がいっぱいぶら下がってて開演前から楽しんでしまったのでした!さすが遊び心たっぷりの市村さんだなあ〜(^_^)

・ご挨拶替り
さて開幕!市村さんどこから登場するのかなあ〜と思っていると突然、上段の客席脇から颯爽と市村さんが唄って現われてビックリ〜〜!やはり端っこの席は美味しいのかなあ…(^_^;) 「ようこそここへ、市村座へ〜♪」と歌いながら客席一人一人に目配せしながら舞台に向かう市村さんが私はめちゃくちゃ好きですっっっ!ひとしきり客席を練り歩いた後舞台へ。それにしてもほんとうに嬉しそうに歌うんですよねえ〜市村さんって。今回はお芝居というよりもお客さんとの交流の場って感じですごく市村さん生き生きしてました!
そのあと、「オ〜プ〜ン!!」と叫んで自ら緞帳を開いて去っていくのがまた手作り感覚でよかったです!緞帳を開いた後、市村さんは着替えのためしばし舞台袖へ。その間に色々なミュージカルの音楽が生演奏されていて楽しかったです。そうそう、脇には落語のようにお題目が出てるのがまた面白い試みですね(^_^)

・口上
おお〜〜〜〜再び出てきた市村さんは紋付き袴姿!!めちゃくちゃ本格的でしたねえ〜〜〜ちゃんと台上に正座して今回のプログラムのお題目紹介。これもただの紹介に終わらないのがまた市村さんの面白さ!!随所随所にオヤジギャグをちりばめてくるあたりまたまた市村さんのサービス精神を感じてしまうのです(笑) あと、ミュージカルネタもちょこちょこと出てて知る人はめちゃくちゃ笑える内容を(笑) う〜ん、初っ端から笑わせてくれる市村さんはやはり最高だ〜〜〜

・音楽講談 「ああ無情」
ついに、あの「レ・ミゼラブル」が音楽講談になった(笑) これは市村正親によるものではなく、「市龍彩親正」による講談です(笑) ここで「決して『ちかまさ』ではありません」という市村さん…いや、市龍彩さんのお言葉がまた何とも笑いを誘っておりました(^_^;) ちなみに読み方は「いちりゅうさいしんじょう」だそうです(^_^;)
そして始まった講談…まずは語りから入り、あいだあいだにあのミュージカル音楽が挟まるという構成でした。が、これが何ともめちゃくちゃ面白い〜〜〜〜!!!もう夢中で聞いてしまいましたよ〜面白くて。特に、扇子を手元でぐるぐる回しながら「これ、回り舞台でございます」というのがめちゃくちゃヒットやったわ〜〜〜(笑) それにしても、市村さんの…あ、市龍彩さんのバルジャンやテナルディエは最高だったなあ〜もう夢の様なひととき。これは言ってはいけないことなのかもしれないけど、今年の「レ・ミゼ」を見ているよりも味わい深く感じてしまいました。今回は序章のみということで(でも、テナルディエの酒場シーンは出てきた(笑))したが、いつか本当に全幕通しての市龍彩さんの一人「レ・ミゼラブル」が見てみたいです!!(本気)

この間またまた着替えのため音楽鑑賞。ちなみにお題目欄には「一人につき着替え中」の文字が(笑)

・舞踊劇「近頃振付男衆花紅彩画」
なんだかすごい題名がついてますが(笑) 市村さんのやったこともものすごいです! ジェームズロビンス、ボブフォッシー、マイケルベネットの3大振付師のミュージカルダンスを一人でやるっていうんだからこれはもうすごい!紋付き袴からスマートな黒の衣装の市村さんが登場。ふと見ると、靴が三足並んでいてそのなかに「女性物のハイヒール」があるのを見逃さなかった私(笑) 靴に履き替えている最中、お客さんと対話するように市村さんのトークが繰り広げられ、この内容がまためちゃくちゃ面白い(笑) 私としては「そうそう、私もそう思ってたのよ〜」っていうツボにはまることがかなりあったんですよ。ちょっとここでは書けないんですけどね(^_^;) そうこうしているあいだにまず登場したのが「一人ウエストサイドストーリー」! ジャンプ力こそあまり感じられなかったのですが(^_^;)その動きのしなやかさはとても実年齢を感じさせないほどのものでびっくり!!カッコイイ〜〜〜〜 ずっと見ていたかったんですけど、「まあ、このあたりで許してください(^_^;) これ、見た目よりもずっとつかれるんですよ」との本人談。でも、いつかはひとつの作品を通して躍ってみたいというコメントがありました!ぜひぜひ見たい〜〜〜〜(本気) その他に「王様と私」のアンクルトムの小屋シーンのアジアンダンス(市村さん曰く、「シャルウィーダンス」は一人じゃ絶対無理です」(笑))、客席全員参加の「屋根の上のバイオリン弾き」からお土産ダンス(笑) などがあってとてもとても楽しめました(^○^) 続いてボブフォッシーのナンバーから。ここで登場するのが「ラカージュから借りてきた」というハイヒール(笑) 「これを履いちゃうとなんで内股になっちゃうんでしょうねえ〜」という市村さん(笑) 「スウイート・チャリティ」「シカゴ」で色っぽいダンスを見させていただきました〜(^○^) そして最後はマイケルベネット振付の「コーラスライン」で締め。ここで今某劇団で(笑)のコーラスラインに辛口意見(^_^;) 「いつか、辞めた人間だけでコーラスラインをやりたいですねえ。きっとすごい人生詰まってて濃厚ですよ〜」という市村さんっ!ぜひとも見たいですよ!集めてくださいよ〜〜〜(本気) で、市村さんのコーラスラインのダンスはめちゃくちゃ気合いが入ってて素晴らしかった〜〜〜(^○^) よっぽどこの作品に思い入れがあるんですねえ〜。最後はすごい足上げのコーラスラインの「ワン」に載せて「それでは休憩にはいりま〜す」とお知らせする市村座長(笑) もう内容充実抜群の1幕でございました!

・世話狂言「艶容緋亜浮仏蘭西鑑」
またまたすごい題名がついてますが(笑) つまるところ、「エディット・ピアフ」の半生と言った感じの物でした。これはもう市村さんの十八番とも言えるべき出し物なんじゃないかなあ(笑) 越路吹雪もビックリするほどの色っぽいいでたちで市村ピアフがまたまた客席脇から登場〜 そこで早速お客さん弄りをする市村さん(笑) 脇っこの席にいた男性のお客さんの横にちゃっかり座り込み、肩まで抱いて語り掛けておられました。う〜〜ファンから見るとものすごくこのお客さんが羨ましいぞっっ!という展開だったのですが、そのお客さんは緊張していたのか体が硬直していて(笑) 困惑した表情をしていたのが印象的で面白かったです(笑) それと対照的だったのがその反対側にいる同じ位置の男性のお客さん。こちらはものすごく乗りがよくて、市村さんが目でサインを送るとそれに応えて手まで振ってました(笑) くう〜〜〜〜〜っっこれもまた羨ましいぞっっ! こんな風にして市村ピアフは観客席と自然に溶け込んでいるのでした。肝心の内容なのですが(^_^;) ピアフの恋心を主題にしていて、コメディというよりはけっこうマジメな流れでしたね。「愛の賛歌」などはかなりグっっと来ました… 市村さんは本当にこういうことを盛り上げるのが巧いですよねえ〜 感動いたししました。

・三味線語り「恋懺悔由縁都都逸
いや〜、すごいですね、市村座って。今度はついに三味線ですよ〜(笑) すっかり三味線弾きのいでたちになってバックミュージックの人たちに「これから座長がひとっ稼ぎしてくるからおめえ達はさがってな」と一人営業宣言(笑)これがまた妙に笑えるまでくるんですよ〜!ほんと、市村さんって最高。この三味線にしても、随分練習されたようですよ。「温かい目で見守ってください、で、気に入ったら拍手を下さい」という市村さん(^_^;) 内容的には、三味線に合わせてミュージカルのキャラクターを都都逸で語るというものだったんですが、『チントンシャン』とまあ、料亭でなってるようなテンポで流れるもんだから、みんな最初はポーッとして聞いてたんですよ(笑) すると市村さん、「拍手が鳴らないねえ」(一人二役でやってたんです。大人の男と女…という設定だったので「未成年者は耳を塞ぐように」という市村さん(^_^;)) すかさず客に拍手を求めてくるあたり笑えました(^_^;) 私としてのツボは「レ・ミゼは毎年やってるのにどうしてミス・サイゴンはやらないの?」とのセリフ(爆) いや、まったくそのとおり(笑) 市村さんもまたエンジニアに会いたいんでしょうねえ。私だってもっと堪能したかったよ… しかしこの三味線の音色、下手すると眠気を誘う(爆) でも私は市村さんの必死の練習の成果を最後まで見届けたのでした。いや、ほんと、市村さんのサービス精神には頭が下がります。

・大喜利
なんと、すごい緑の着物衣装で市村さんが颯爽と登場!最後は十八番でいきますっというわけで、三波春夫の「俵星玄藩」を熱唱!これって赤穂浪士の討ち入りのときの歌なんだけど、めちゃくちゃ迫力ありましたわ〜(^○^) もう嬉嬉として演歌を歌う市村さん、これは「紅白歌合戦」いけるぞ!!と真剣に思ってしまった私なのでありました。できれば、もう一度「オペラ座の怪人」で出てほしいんだけど…これはもう無理な話ですよね(^_^;) ということで、今回は演歌部門でぜひ市村魂を!!見たかったんだけどなあ…紅白で。

・アンコール
「ええ???もう終わり?」というほど時の経つのが早かった… ラストではまた正装した市村さんが客席をぐるっと回って、目をつけた人に「どうでした?」と感想を聞いて練り歩くという美味しい展開。「どこからいらしたんですか?」との問いには私と同じ横浜からきた人や、静岡あたりから来たという人も! 「私も横浜から来たんです」と言いたかったっっ〜 聞かれた人が羨ましい〜〜〜 もう市村さん本当にお客さんが好きなんですねえ。で、アンコールの一曲は「オペラ座の怪人…を歌おうかと思ったけど素顔では歌えない」といういい訳がましい市村さん(笑) ああ〜〜ん、市村さん、歌ってほしかったのにぃ〜〜。次回はぜひ。というわけで、一番お気に入りという「ラ・カージュ」から『私は私』を披露してくださいました(^○^) このナンバーは私も大好きだったので嬉しかったですっ!

とにかくはじめから終わりまで楽しませてくれた市村さんはやはり最高でした!この日は丁度客席に市村さんのお母様がいらっしゃっていたようで、「お母さん、心配しないでね」と客席に何度か語り掛ける市村さんに心が和む想いがしました。いや〜、いい息子さんをお持ちですよ、ホントって私が言う台詞じゃないな(爆)
まるで市村さんと直接的に話をしているような感覚にさせてくれた「市村座」 来年も絶対に見にいくぞ!!ヤッパリ市村さん大好きです(^○^)