演劇集団キャラメルボックス
「キャンドルは燃えているか」
池袋・サンシャイン劇場

キャスト

伊丹 … 岡田達也 竜野 大内厚雄 神戸… 西川浩幸 礼子 … 岡田さつき 田嶋ミラノ(客演) 姫路 … 大森美紀子 須磨子 … 坂口理恵 ひよ子 … 中村亮子,岡内美喜子 舞子 … 真柴あずき 明石 … 篠田剛 静香 … 小川江利子,前田綾 加古川 … 佐藤仁志,成瀬優和西宮 … 南塚康弘 尼崎警部 … 近江谷太朗

<あらすじ>
元パイロットだが退職した憂さを競馬場で晴らしていた伊丹
(岡田達)はある一人の謎めいた男、竜野(大内)と出会う。同じころ、礼子(岡田さ)と神戸(西川)も竜野と出会いある条件を告げられる。一年間、外部との連絡を一切しないという約束で家電メーカー「ハリマ」で働くこと…その報酬は500万円。ただし、一年間ハリマで働いた記憶は1年後にさっぱり消されてしまうという条件も加えられていた。すべてを承知した上で3人はハリマの秘密工場へ旅立つ。…そして1年後、1年間働いた記憶を全て消された3人に報酬が配られるのだが、500万円を与えられたのは神戸だけだった。500万と引き換えに日常小物を持って帰ってきたと伝えられた伊丹と礼子は憤慨するが、持ちかえるときにサインした字は本人のものに間違えがなかった。さらにハリマを後にする3人の前に二人の刑事(近江谷、南塚)が現れ、訳も分からないまま追われる身となることに…。ハリマで作られていたものは何なのか、竜野の真意は何なのか、3人の推理が始まる。

12月3日(金)1階 18-28番 19時30分開演
12月11日(金)通路席1階 C-16番 14時開演
12月22日(水)1階 補助席 松-13番 19時00分開演

感激度 ★★★★★★(満点)

今回は3回分の感想となってしまいました…これは、今回の演題がだめだったというのではなく、単に私が感想を書くのが遅れてしまった為です(爆) ほんと、すんまそん状態です〜〜〜

はっきりいって、今回のキャラメル舞台は私のすごく好きな展開のうちの一つなんですよ!もうはじめから最後まで目が離せないというか…。この作品は93年に初演されているのですがそのころのキャラメルを私は知らないので(^_^;) 事実上私にとってはこれが初演。だから、伊丹たちがいったい何を作っていたのかぜんぜん分からなかったんですよ〜。だからなおさらいっしょにドキドキできて楽しかったですねえ〜。もう舞台も終わってるからネタばれしても大丈夫だとは思うのですが、彼らが作っていたのは「タイムマシン」!つまりこのお話はSFX的要素を含んでいたんですねえ。ただ、全体的にはサスペンスアクションに近いかな。拳銃での撃ち合いもあるし、殴り合いもあるし……ただ、所々にうまい具合に入る「笑い」的要素もしっかりあるのでめちゃくちゃ楽しめる!!特に喫茶「酋長の娘」シーンは絶対に笑えますよ〜(笑)ビデオが出たらぜひチェックしてみてください♪

細かいところで気に入ったところを少し挙げてみると、まずは「音楽&ダンス」!もう初めて観たときはあまりのカッコよさに口あんぐり状態になってしまいました(笑) 本当にカッコ良かったんですよ〜〜〜〜(興奮) キャラメルのダンスってどんどんロングバージョンになっていってレベルアップしているんですよね。今回の音楽&ダンスは今までの作品の中で一番興奮したかもしれません(^○^) 一番目を惹いたのはあつを(大内)さん!髪を振り乱しながら(ってそんな激しいロックじゃないですが(笑))踊る姿には本当に惚れ惚れしてしまいました… このダンスを見るために3回足を運んだといっても過言ではないかもです(笑)
そして「物語」!先ほども書きましたが、こういうSFチックなものって私凄く好きなんです。が、今回はSF要素というよりも登場人物の魅力にすごく惹かれましたね。なかでもやはり竜野さんにはものすごく肩入れしてみてしまいました。タイムマシンを作ることそのものにとりつかれてしまい、人間らしさを失ってしまった竜野… それを必死に引き戻してあげようとする泉… 二人の関係は見ていてすごく胸を打たれました。だから余計にあのラストシーンが悲しかったです。初めて観たときなどは「それからいっい竜野さんはどうなったのか」とおろおろしながら舞台を見ていたのですが実際にそれが描かれていなくて…気になって眠れなかったほどでした(笑) 選曲リストを見ると、なんと「竜野の最期」と書かれているではありませんか!それはあまりにも報われなさすぎる… でも、舞台袖に引くときは「まだ息がある」と言っていたので私は竜野さんはその後新たに生まれ変わったと信じたいですね。しかし、あれでもしも竜野が死んでしまったら…撃った西宮くん、君は殺人未遂になってしまうのでは?(^_^;)
で、やっぱり「キャスト」は最高!
TRUTHで一回り大きく成長したおっかー(岡田達)さんの伊丹はものすごく自然体の演技でよかったです(^。^) 2回目に見に行ったときなどは竜野をチャカすシーンで「ピンク達也」が登場(笑)3回目に行ったときもこの路線が続いていたので(^_^;)演技に余裕が出てきたのかなあなんて思ってしまいました。
ももこ(岡田さ)さんの礼子はとってもパワフルで魅力的な女性!1時間くらいかかったというあのヘアメイクもとてもお似合いでかわいかったです(*^。^*)また、舞台後の挨拶に立たれたとき(初めて行ったとき)、「キャンドルは燃えているかの平日チケットは余っているか!?……イエス(爆)」という実も蓋もないご挨拶をされて笑いを誘っていました(笑って良かったのだろうか(笑))。その後、平日チケットもどんどんと売れていったようなので、その甲斐はあったのでは(^_^;) そう言えば、おっかーさんの挨拶はお父様が観に来てくれたっていうエピソードでしたねえ。はじめは演劇をすることに反対されていたということもあり、誉められたというのは本当に嬉しかったようです(^。^) おっかーさん、これからもがんばってね!
西川さんの神戸はまたいい味出してくれてました!特に2000年の新聞を見るところで「浦和レッズ優勝〜」という記事を読んでいる姿には西川さんの素の姿を見たような気がしました(笑)そう、埼玉県出身の西川さんは熱狂的なレッズファンなんですよ〜(^^ゞ また、随所随所にコネタを披露してくれてとてもまたまた楽しませてくれたんですけど、ハリマの工場に乗り込むとき、妻の須磨子に対して「それじゃ」と電話を切るところはめちゃくちゃカッコ良かったですねえ〜〜〜(^○^)
それから、今回のお芝居でまたまた一回りも二回りも大きくなったのではないであろうかというあつをさん!!もう、今回はおいしいところ取り捲りでしたよ〜!めちゃくちゃカッコ良かった… 特にスーツ&コート姿がめちゃくちゃ素敵(*^。^*) ダンスがまたすごく目を惹きましたねえ〜…。いつのまにこんなにカッコ良くなってしまったんでしょう(笑) 大内さんの竜野は見るたびにどんどんと役柄と一体化している感じでした。初めて観たときも「あつをさんってこんなにシャウトするんだ〜」なんて感動していたのに、2回目、3回目と回数を重ねる毎に竜野の心に潜む寂しさがすごく伝わってきてめちゃめちゃ切なかったです……ラスト、伊丹に銃を向け泉さんが必死に止めに入るところは本当に凄かった。泉がまさに自分の頭に銃を当てて撃とうとするとき、あつをさんの竜野は一瞬とても弱い顔を見せるんです…伊丹に銃を向けていたことを忘れて…私はこの時が一番切なかったですね。まだ、温かい心を残している竜野さんがそこに存在するって思えて…で、その時の表情がまたすごい泣きそうな顔を見せるんですよ〜もうこちらまで涙出そうになりました(;_;) だから、銃弾に倒れたときは胸がものすご〜く痛みました。それにしても、あつをさんこのところ死亡する役が多くないですかねえ(^_^;) ちょっと可哀相。今後も期待してます!! あと、私が見た中では始めてであろう大森さんの悪女役!!これがまためちゃくちゃカッコ良かった〜〜スタイルの良さ、そしてクールに世の中を切るようなあの立ち振る舞い、大森さんってこういった役柄も凄いはまるんですねえ〜。また機会があったらぜひ大森さんの悪女役が観てみたいと思ってしまいました!!それから、今回デビューした新人の成瀬くんと佐藤さんも健闘してましたぁ〜。あと特筆すべきは近江谷さんの「尼崎警部」!寝癖で頭爆発したキャラに加え(笑)随所に出てくるどうしようもないボケ(プログラマーをプロのグラマーというのとかすごい笑えた(笑))がたまらなくGOODでございました〜 上川さんがいたら絶対高速ツッコミが入りまくりで芝居にならなかっただろうなあ(笑)

なんだか最近、1公演3回見に行ってしまうキャラメル作品!それだけやはりこの劇団の作品は面白いんですよ。今回は特にラストシーンの演出を変えたということで益々濃厚な作品に仕上がってました。伊丹と礼子が寄り添うシーンなんですけど、ここが変わったんですよねえ。なんだかすごいグッとくるものがありました。年々レベルアップしていくキャラメルにこれからも期待してます(^○^) ただなあ〜、劇場に山のように売っているグッズの数々もめちゃくちゃ魅力的で…行くたびにお金が流出していくのがちょっと悩みですね(笑)