「アスペクツ・オブ・ラブ」〜恋は劇薬〜 四季劇場 -秋−

キャスト

アレックス … 石丸幹二 / ローズ … 保坂知寿 / ジョージ … 光枝明彦 / ジュリエッタ … 井料瑠美 / ジェニー … 堀内敬子 / マルセル … 喜納兼徳(5/6,6/6) 古島肇(7/23) / ヒューゴ… 海将人(旧・熱海) / エリザベス … 横山幸江

アンサンブル

八巻大(5/6) / 喜納兼徳(7/23) /松下雅博 / 古島肇(5/6,6/6) / 浜名正義 / 前川勝宏(5/6,6/6) / 大越陽 / 秋月新也 / 赤瀬賢二(7/23) /佐和由梨 / 古内美奈子 / 川北美穂子 / 水井博子 / 佐藤智恵 /関谷理子 / 大島愛子

<あらすじ>
南フランスのある小さな劇場で公演後に売れない女優ローズ
(保坂)とイギリス人学生のアレックス(石丸)が運命の出逢いをする。かねてからローズの熱狂的なファンだったアレックスは公演が行われない間、ローズを静かな別荘へと誘う。この別荘で愛を育んでいく二人だったが、あるときこの別荘の持ち主であるアレックスの叔父ジョージ(光枝)がやって来る。ジョージはローズに亡き愛妻ディリアの面影を見て惹かれ、ローズもまたジョージが気になる存在となる。やがてローズはアレックスと別れる。ショックを受けるアレックス。そして2年後、軍隊に入隊したアレックスは休暇に叔父の元を訪れそこでローズと衝撃の再会を果たす。ずっとローズを想い続けていたアレックスはローズと一夜を過ごすがローズの心はジョージに傾けられていた。衝撃を受けたアレックスは銃を暴発。これを目撃したジョージはローズをアレックスに任せ愛人のジュリエッタ(井料)の元へ旅立つが、これを追いかけていったローズはジョージと結婚する。そして12年後、アレックスは再び人気女優となったローズを訪ねる。彼女は喜び、家族の元へ案内する。二人の間にはひとり娘ジェニー(堀内)がいたが、彼女は徐々にアレックスに惹かれていく。

 

7月23日(金)1階17列28番 18時30分開演

感激度 ★★★★★★ (満点)

本来ならば観に行かないはずだったんですが、どうしてもあの美しい音楽が忘れられなくて…仕事帰りに行ってしまった!でも、2週間前にチケット取ったので確信犯ではあったんですが(爆) う〜ん、観に行ってよかった!!前回の感想でも書きましたが、仕事の疲れきった体にこのミュージカルはかなりのヒーリング効果を持っている!ということを身を以って体験してまいりました >^_^<
公演もあと1週間と迫り…客席も賑わいを見せてきました。それにしても春劇場でやっている「ライオンキング」とはかなり違う客層ですよねえ、このミュージカル。少なくとも小学生以下の観客は今回私が観るかぎりはいなかった(笑) やっぱり「R指定ハーレクインミュージカル」なのね…としみじみ思ってしまうのでした(←こんなところでしみじみするナっつーの(爆)>自分) 座席は間際に取ったわりにはまあまあいい席で見晴らしもよし!ところが、16列目あたりの真中ゾーンがなぜかまるまる1列空いているではありませんか!!!もったいない〜〜〜〜〜(*_*)

千秋楽も近くなってきたせいか、舞台全体がすごく盛り上がっててとても完成度の高いものに仕上がっていて感激しました!やっぱり、劇団四季の主役級役者が揃っているだけあってもう、目が離せないって感じでしたねえ。あ〜もっとたくさん観に行けばよかった(+_+)
前2回はどちらかというと「保坂さんが素晴らしい!」の一言に尽きるって感想を持っていたのですが、今回は「石丸さんがめちゃくちゃよかった!」に尽きる舞台だったと思います。もちろん、保坂さんも素晴らしかったのですが、ちょっと声の迫力がなくなってきたかな…とも思ってしまったんです(こんな事を書くのはとても失礼かもしれないけれど)。そのぶん、石丸アレックスの声の伸びのいいこと、いいこと!3回観た中で最高だったのではないでしょうか。しかも、歌声のみならず演技面でもかなりよかったのです。
1幕、登場して「ラヴ・チェンジズ・エブリシング」を歌い出した時から「を!」と思ってしまった(笑)もう、眉間にしわを寄せまくっててまさに表情は「苦悩モード」。アレックスの辿ってきた歴史をその表情がすべて物語っている気がしたんですねえ。もう始めっから力はいってました(^。^) 特によかったのが、若きアレックス!オペラグラスでアップでみてしまうとちょっと年齢の苦しさが見えてしまうものの(すごく失礼(爆))表情のひとつひとつがまさに「純粋な若者」なんですよ。前回までも「ローズ一途!」って感じでしたが、この日はそのさらに上を行く「ローズ命!!」状態(笑) 特に印象的だった石丸若人アレックスのシーンを挙げてみると…
ローズに初めて出会った時の緊張感(もうガッチガチっていうのが見ていてとても微笑ましかった>^_^<)
●カフェで無理に白ワインを頼んで咽てしまいながらもローズと対等にいようとする(この時の表情がすごく可愛かった!)
一緒に別荘に来てほしいと頼む時の必死な姿(来てくれなければここで死んでもいいっていう気迫が(^_^;))
ローズに始めてキスをされた時の喜び方(もう、その瞬間に頭の上に天使が舞ってるって感じ(笑))
●ジョージの登場で、だんだんローズが遠ざかっていくという不安に包まれていくところ(私はこの時のアレックスの気持ちがすごくよく分かるんです。必死にジョージとローズの会話に入っていこうとする姿はまさに涙ぐましい彼の存在アピールなんですよねえ。今回はその過程がすごくよかった!)
●森の中で肩を抱こうとしたローズが何度かス〜ッとすり抜けてしまった時、必死に彼女に食らいついていく根性(あれは誰が見ても「頑張れ、アレックス!」といいたくなるはず(^_^;))
●再会したローズともめた後、ローズに「2度と会いたくない」と拒絶された時の捨て犬の様な表情 (去り際、「もしかしたらもう一度引き止めてくれるかも」と微かな期待をもって振り向いたのがすごく印象深かったです。その期待は虚しく砕かれてしまうので尚更お気の毒…ローズ命だったからねえ…)
などなど、思わず石丸アレックスに肩入れしてしまいたくなることが今回は本当に多かったのです(^_^;)
それにしても…アレックスがもしもジョージに会う前にローズに彼のことを語ったりしていなかったら…きっとローズはあそこまでジョージに急速に傾いていくことはなかったんじゃないかなあって思ってしまいました。もう、アレックスが事ある毎に「おじさんは〜なんだ」と得意げに話すたびに「ばか〜そんなにジョージの宣伝しなくてもいいのにぃ〜」なんて(笑) こうして考えてみると、アレックスもちょっとは非があるんですよねえ。この辺の脆さがすごく感じられました。12年後のヒゲ付アレックス(笑)も外見はとっても立派な大人になっているんだけど、ふらふらと昔手痛い目にあっているローズの楽屋に訪れてしまう脆さがある。でもそんな脆さがすごいアレックスの魅力のひとつでもあるんですよね。今回改めてそれを再確認してしまった。ジェニーに一時心が傾いていたようでも、心の奥底ではやっぱりローズのことを愛しているというのがビシビシ伝わってきたんです。ジェニーのなかにローズを追い求めてるっていうか…。それゆえにジョージに対する苛立ちも募ってくるんですねえ。このあたりの葛藤を石丸さんはかなりの熱演で魅せてくれました(^○^) 特にサーカスの後、ジョージに怒りをぶつけるところで上着を思いっきり投げつけるのですが、今回はあまりに熱が入りすぎてしまい、上着が舞台袖まで飛んでいってしまったくらい(笑) しかし、その上着はすぐ次のシーンでピエロが活用しなければならないため(^_^;) 怒って退場しながらもちゃんと上着を舞台中央に飛ばしておりました(笑) ジュリエッタと出会うダンスシーンも石丸アレックス、やけに動きがハード!ダンサー顔負けの動きをしていたので思わずその迫力に押されてしまいました(+_+) ラストの熱唱もすごかったし…今回のアスペクツは石丸アレックスに釘付け状態となってしまったのでした(^^ゞ
ローズの保坂さんも歌声がいつもよりちょっと迫力不足かな、とは思いましたが、そのぶん演技力でカバーしていたのはさすがだと思いました。ローズって本当にたくさんの男性を引っ掻き回してきたんですねえ(^_^;) 始めにアレックスと別れる手はずを整えておきながらもいかにも彼に夢中と見せかけるしたたかさ「好きよ」の言葉の色っぽいこと…アレックスじゃなくても誰でもあれはドキドキしちゃうよなあ(爆))、アレックスと一緒になることはできないと力説しながらも彼に抱きついて誘惑してしまう…などなど。特に、2幕で「ジョージと別れることはできない」と切々と訴えながらもアレックスにぴったりと抱きついてしまうとき、「アレックスをまだ自分の虜でいさせたい」という表情を見せていたのがとても印象的でした。「今度こそよく分かった・・・」と立ち去るアレックスに言いようのない辛そうな顔を見せたときはちょっと恐かったです。「独りにならないように何かを繋ぎ止めておきたい」っていうのがすごく感じられて…。私は思わず「アレックス、自分を抑えられて本当によかったよ…あんた」と馬鹿みたいなことを思ってしまったくらい(爆) 今回の保坂ローズにはそう言った意味で、すごく孤独を恐れているっていうのが伝わってきました。クライマックスの「行かないで!」では今回思わず落涙(;_;) やっぱり保坂さんは素晴らしかった!
孤独から常に逃げようとしたローズを大きな愛で包んだ光枝ジョージ、今回もますます大人の男の魅力がバリバリすごかったです(ってどんな表現してんだ私は(爆))この人のもとにいるならば幸せになれるって感じたローズの気持ちがすごくよく分かります。でも、ジュリエッタのことは結局どう思っていたんでしょうね。一人の女性として愛したっていうよりも妹って感じで接していたのかな、なんてふと思ってしまいました。ローズのことも、最後まで本当に愛していたのかなあ。結局ジョージが生涯愛した人っていうのは妻のディリアだけなんじゃなかったのか… ジェニーに対する溺愛からみて今回はなんだか色々と考えてしまいました。
この舞台ですっかりお気に入りとなった井料さんのジュリエッタ。前回までは「かっこいい!」といったイメージが若干強くあったのですが、、今回は「カワイイ…」「健気なんだ」といった面をすごく感じました。ジュリエッタって大好きな人が去ってしまう時も「一緒にいてほしい」と強く押しきれないんですよね。でも、ジョージの前ではけっこう毅然とした態度を取ってしまう。挙げ句にローズとは友情を超えた仲にまで…(爆) 表では平気に振る舞っているけど実はとても傷ついているんですね。だから一度もジョージ一家の別荘には顔を出さなかった…分かるなあ〜その気持ち。日本人には結構ありがちな女性像かも。だから彼女に共感できるのかもしれませんね。葬式シーンは圧巻でした!井料さん、可愛いながらもあの迫力ある歌声は彼女にしか出せまい(+_+) アレックスと出会って積極的になったのかと思いきや…ラストで「ジェニーが大きくなったらどうするの?」と余計なことを言ってしまうあたり、やっぱりジュリエッタは可愛いと思ってしまうのでした(^^ゞ
過去2回、ほとんど触れなかった堀内さんのジェニーですが、今回はなぜかとても印象に残りました。12歳の少女から15歳の少女に変わっていく過程が今回すごくよかったんです。アレックスに告白まがいのことを言う時なんて、もう目がウルウルきてて…見ているこちらが思わず応援したくなってしまうくらい…。時が経つに連れてどんどんアレックスにはまっていくジェニーの心情がびしびしとこちらに伝わって来ました。あそこまで熱っぽく迫られてはアレックスがついクラクラっとしてしまうのがわかるよなあ(笑) だって、必死に告白している時の堀内ジェニーは常に目がウルウルしていてとても可愛かったんですもの〜。はじめて彼女に感情移入できたって感じです。
さて、今回の目玉(笑)としてもうひとり…Newマルセルこと古島マルセルの登場!喜納さんのマルセルはローズにいつも責められたり卑下にされたりしても、どこか大人の魅力があって陰ながらずーっと彼女を見守ってサポートしてきたって感じだったのですが、古島さんのマルセルは本当にローズに支配されちゃってるって感じ(笑) あれはまるでローズの使用人状態(笑) 劇が受けなくて楽屋で責められている時の腰が低いの何のって(^_^;) 完全にローズに圧迫されているんですねえ。たまらず側にいたアレックスを盾に逃げてしまう姿が妙にはまっていて思わずプッと吹き出しそうになってしまいました(笑) マルセルってきっとローズのことを好きだったと思うんですけど、喜納さんの場合は「いつかは報われる日が来るかもしれない」と思ったのですが、古島さんの場合は「このままだったらきっといつまで経っても振り向いてもらえないよな」(爆) だからなんだか見ていて哀れでもあるんですよね。でもその必死さがやっぱり笑える(^_^;) ジョージの葬式の後、優しく慰める時も…「う〜ん…相手にされてないよな、、、完全に」って感じで。喜納さんとはまるで違うタイプの古島マルセルは本当に面白かったです。
その喜納さんは今回アンサンブルに。でも、お顔立ちが濃いのでどこにいるかすぐ分かる(笑) サーカスの時なんて嬉嬉として鞭をひっぱたきまくってたし、得意げに銃も撃ってた(^_^;) これまたマルセルとはまったく違った魅力で楽しませていただきました(^^ゞ

てなわけで、とてもとても感慨深い観劇でした。前回CDを絶対に出してほしいといったことが功を奏したのか(そんな筈はないだろうが(爆))本当に発売が決定したようですし(^○^) 劇場では先行予約も行っていたのでこれはもう確実。でも…ハイライトってどういう事だろうか(^_^;) ちょっと不安もあるんですけど、とにかく楽しみです。会社の帰りにこのミュージカルを観たのは正解!疲れた体にあの美しい音楽はかなり効きます!CDが出たら毎日聞かなきゃだめだなあ〜(笑) でもやっぱり生がもっと観たかった… また再演してくれることを祈ります。(その時石丸さんは出演するのかなあ?(苦笑))

オマケ… 若きアレックスの軍服、ヒューゴの短パンは何回見てもやっぱりイケてなかった(爆)

 

6月6日(日)1階15列17番 13時開演

感激度 ★★★★★★ (満点)

約一ヶ月ぶりのアスペクツでしたが、今回は前回よりもじ〜〜っくり堪能することができて非常にいい観劇をすることができました。2回目に見ると違うっていうのもありますが、前回は色々と個人的に辛いこととかあって心ここにあらず…で観てしまいましたからねえ。やはり何の心配事もなく観劇するのが一番です(^_^;)
日曜日だというのに当日券が出ているようでしたが、私の目から見たらけっこう埋まってたと思うなあ。90%前後は入っていたのではないでしょうか。少なくとも、前回観た時よりは埋まっていたのは確かです(苦笑)

1ヶ月時が経つと、キャストの皆さんもより一層情感込めて演じてくださっていて素晴らしかったです(^○^) 特に、石丸さんがよかった!1幕の若きアレックスの苦悩なんて観ていてすごい共感できたし、思わず「頑張れ!石丸アレックス〜」と応援モードに入ったりして(^_^) でもねえ〜、結局は「石丸アレックスまだまだ青いな」という思いに達してしまったんですが(爆) あそこまで情熱的に突っ走ってしまうのは危険ですよねえ。ローズにとてもじゃないけど太刀打ちできない。それがすごく感じられてしまったからこそ石丸アレックスに妙に肩入れしてしまいました。そう感じさせられたということは、やっぱり石丸さんが巧いっていうことですよね(^○^) でも、2幕からの髭付アレックス(笑)を観て「歳相応になったなあ」と感じてしまったのは、やはり彼が歳を重ねてしまった故なのでしょうか(爆) 堀内ジェニーがよけいに子供っぽく見えましたので(^_^;) それにしても堀内さん、今お幾つくらいなのでしょう。12歳の少女を演じてもちっとも違和感を感じさせないというのはやはりすごすぎる・・・(^_^;) 女性に変わるシーンはとても美しかったですけどね。でも、あまり印象に残らないのは何故なんだろう・・・。
ローズ保坂さん、相変わらず素晴らしいの一言ですねえ。あの怪しい女の魅力でアレックスをキリキリ舞させてしまうのが憎らしいやら、感心してしまうやら・・・。その翻弄ぶりは見事というほかありません。たとえば、ジョージの元妻ディリアのドレスを着た時に「なんで着ないで欲しいといってくれなかったの!?」とアレックスにくってかかってますが、密かにアレックスは「ドレスに触わらないで下さい」とちゃんと忠告をしていますし(^_^;)、2年ぶりに再会したアレックスに「今はジョージしか愛せない」とか言いながら懐かしさがふと蘇って来て若き一途なアレックスを思いっきり誘惑して寝てしまうとか(^_^;)、まあ〜、色々と派手にやってますよねえ。普通だったら「なんなんだよ、この女は〜!」と怒りモードに入ってしまうところですが、不思議と保坂ローズにはそれが感じられない。それどころか、ラスト近くの「行かないで!」の叫びがものすごく悲痛で「アレックス、まだいてやんなよ」なんて思ってしまったくらい。なんかすっごい言葉にならないほど感動してしまいました。
光枝ジョージ、今回も男の色気をムンムンと発してましたねえ(笑) かなりの年齢に達しているはずなのにそれを感じさせないというのはやはりすごい!ローズやジュリエッタが惚れてしまうのも無理ないよねえ。今回は怒りの表現がすごく印象に残りました。ジョージのジェニーに対する想いってどんなだったんでしょうね。あのダンスシーンなんてとても自分の娘と踊っているようには見えない。ジェニーがディリアに重なってしまってなおさら誰にも渡したくない状態になってしまったのかなあ、とか思ってしまいました。特に昔争ったアレックスにだけは…という気持ちが強かったのかなあ。そう思うとなんだか哀れアレックスって気がしないでもないですが、結局のところアレックスはジェニーを本当に愛していなかったわけで。あの、既のところでアレックスを死を以ってジェニーから救ったのはすごい迫力でした。
井料ジュリエッタ〜!私にとってはかなりの理想の女!!ジュリエッタってすごい賢い女性だと思います。ジョージをとても愛しているけど、いつも自分のところにはいてくれない。けどそこでむくれないで寂しくてもじーっと堪え忍び一番ラストで愛する人とめぐり逢うことができる。そんじょそこらの女(私を含めて(爆))にはとても真似できない行為だと思います。それにしても井料さん、この役にマッチしてますねえ。あの、時々低音で恐いほどドスの利いた音を出す(苦笑)のも、ジュリエッタなら全然OK!特にジョージの葬儀の時の「酒とダンスで〜」の場面は見ていてスカッとするほど爽快&迫力満点〜!クリスティーヌよりも絶対こっちのほうが合ってるよ〜、と今回も思ってしまうのでした(^_^;)
今回新たに注目したのが喜納さん演じるマルセル。地味なんですけど、彼も実はローズを愛していたんですね。ローズの愛人ヒューゴよりもずっと…。その陰ながらでも温かく、いつもローズを見守っている姿には心打たれました。ローズ、なんで気がついてあげられなかつたのかなあ。気がついていたけど、あえて避けてたのかなあ。

さて、今回じっくり観劇したことで、この物語をより深く(?)楽しんでしまいました。
まずは何といっても音楽の美しさ。これはもう、CDを絶対に出して欲しい!話の内容は思いっきり「ハーレクインロマンス小説」状態なんですけど(爆) 音楽の美しさは天下一品でしょう。あの流れるような旋律は心の癒しにもなるのではないでしょうか。
話の内容からだと、石丸アレックスの学生時代の秘密っていうのがやけに気になりました。すると、私の友人はさすがに勘が鋭い!「これは絶対に、口説こうとした女が実は男だったというエピソードだよ」(笑・笑) なるほど〜!あれだけアレックスがバラシテ欲しくないと叫んでいてそれを聞いたローズが素直に大笑いするネタはきっとこれだろう〜!(笑) あくまで私的想像ですけど…(^_^;)
石丸さんネタでもうひとつ…1幕ラストの「アーミー石丸」(笑) これを痛く私の友人が気に入りまして、本当にアンケートに書いてました(笑) 私も、銃を乱射する時のアーミー石丸よりも、ジャングルに突入していく時のアーミー石丸のほうがカッコよかったと思います(^_^;)
ジュリエッタとローズの関係について…私はあれは友人以上のなにかがあるとしか思えない(爆) あんなにチュッチュしながら退場というのは極めて怪しい…(爆) まさか・・・ これこそ禁断の世界か!?って、いったい私は何をこんなに興奮して想像してしまったのだろうか(爆)
ジョージが死ぬ間際、ローズと密会していたヒューゴのあの格好は…(^_^;) 短パンにロングのガウン… ちょっとそれは生生しすぎないか(苦笑) 私はどうしても笑えてしまうのです(^_^;)
ジェニーはジュリエッタとアレックスのあの密会を覗き見してしまっていた!!ということに今回初めて気がつきました(^_^;) いや、前回は、彼らの密会のほうに集中してしまっていて気がつかなかっただけです(爆) ってなんだか自分がどんどん怪しい人間に思えてきた・・・・・・・・
今回改めて思いましたが、所々に出てくるダンスシーンに加藤敬二さんの魂が見え隠れしてますね。「酒とダンス」の振付なんてまさに加藤さんそのものって感じ!エビータをちょっと彷彿とさせられました。でも私はすごい好きですよ!加藤さんの振付。爽快感があるし(^_^)

−恋は劇薬−という副題ですが、今回はなぜか、−哀れアレックス−、−ジョージの半生−、−恋多き人々−、−ハーレクイーンの世界− などなど色々と考えがめぐってしまうのでした(笑) また見に行きたいです。

 

5月6日(木)1階8列16番 18時30分開演

感激度 ★★★★★ (★6つで満点)

アンドリュー・ロイドウェバーの最高傑作といわれるこの作品だったので、始まる前からとても期待していました。が、この作品を見る直前に個人的にけっこうショッキングな出来事があり気もそぞろになり、舞台にあまり集中できなかった…(T_T) ガ〜〜〜〜ン!!! 一生懸命話に集中しているんだけど、ところどころで気も漫ろ状態になったりして…うううう…(>_<) かといって、ちっとも楽しめなかったといえばそれは嘘 (爆) こんな状態でもやっぱり舞台は好きな私ですので85%堪能してまいりました。本当だったら満点の作品だったかもしれないのに★が1つ少ないのはこのせいです(苦笑)

さてさて前置きがめちゃくちゃ長くなりましたが、この日は客席もけっこう豪華。まず目に入ったのが佐川守正さん。あと林和男さんとか「見たことあるんだけど〜名前が〜〜」という役者さんもいらっしゃいました(苦笑) だがしかし、秋劇場でこんなに空席が多いとは… なんだかちょっと… いやかなりショッキングです。
本編について触れなければいけませんね。この作品、見る前に色々な方の感想を見て「恋愛模様が複雑でわかりにくい」という印象を持っていたのですが、必死に歌詞内容を聞きながら見入っていたせいか(笑)個人的にはそれぞれの恋愛物語を楽しむことができました。それにしてもこの物語の登場人物達って惚れっぽいですよね〜(笑) 特にローズはその惚れっぷりがかなり周囲を混乱させていて、見ているほうはとても興味深い女性でした。ローズってそれ故に始めはあまり共感できなかったんですけど(楽しんで見てたんですけど)、ラストの熱唱でなぜかローズに肩入れしたくなってしまったのは何故だろうか…。これはもう、さすが保坂さんっっっ!というしかない (^○^)
アレックスは始めに抱いていたイメージと随分違ってました。あんな一途な青年だったとは!( 私の抱いていたアレックスの始めのイメージはプレイボーイ風だったので(爆爆爆))。はじめての出逢いのところで「紫のバラの人」状態だったのは笑えましたが(^_^;) だけど、12年後に再びローズの楽屋にニコニコして現われたのはなんだか納得がいかなかったです。私だったら、あんなこっぴどく振られてしまったらいくら年月が経っても自分からにこにこ逢いに行こうとは思わないなあ。こればかりは「私はアレックスが分からない」状態(笑)でした(^_^;)
ジョージは常に大人でした。もう、ナイスミドル!!でも、ジュリエッタのこと本当はどう思っていたんでしょうねえ。愛人として割り切って付合っていたのかなあ。でもその辺が全然卑らしくないところがやっぱり大人の魅力。にしても、初期のジョージの年齢っていくつだったのだろうか・・・(^_^;) けっこうイってますよねえ・・・(苦笑)すると、末期の彼はいったいいくつだったのか??
ジェニーは堀内さんが演じていらっしゃったせいかすごく可愛かった!でも、この登場人物のなかで一番悲惨な運命を辿ってしまったんですよねえ。だって、彼女の恋だけが報われなかったし… それにしても、12歳で30過ぎたアレックスに恋してしまうとは・・・よく考えてみるとかなりマセタ少女だったのか(笑) ジェニーが少女から大人に変わるあの瞬間のシーンはとても素敵でした!あの演出考えたの加藤敬二さんみたいですね。う〜ん、さすがっっ!
ジェニーとは対照的にこの物語のなかで恵まれた部類に入るであろう女性がジュリエッタ。彼女ってあまり出てこないんですけど、すごい美味しいポジションとってるんですよね、何気に(笑) それがラストに生きてくる!でも、結局彼女はジョージのことをどう思っていたんだろう・・・。ラストのくだりを観るかぎりではやっぱり本当に愛していたのかなあとも取れるんですけどね。ま、この話の中で誰に一番なってみたいかと言われればジュリエッタかな(笑)

はっっ!!人物感想だけでこんなに長くなってしまった(爆爆) 舞台全体はすごい完璧に近い素晴らしい作品だと思いました。この日のひとつハプニングといえば・・・サーカスシーンで風船が一つ割れなかったこと(笑) それなのに割れた音だけが空しく響いていたのは何故だ?(笑) ちなみにその割れなかった風船は力なくそのまま下に転がってしまい、「風船が全部割れた〜」と喜んでいるシーンがなんだか哀れにみえてしまいました(^_^;)
音楽はさすが、ロイドウェバーが自画自賛するだけのことはある!!あの流れるような上品な素晴らしいメロディーが作品に見事にマッチしていてすごく心地よかったです。CDが欲しいなあ〜〜〜!

最後にキャスト… これはもうドンピシャでしょう!それぞれイメージにピッタリ!ローズの保坂さんはこの大役を見事に演じきっていらっしゃって流石!の一言です。きっと、天国の初演キャスト志村幸美さんも喜んでいらっしゃるのではないでしょうか。特にラストの熱唱は背中がゾクゾクしてとても感動しました!
アレックスの石丸さんはもう、すごい久しぶり!なんと、昨年の2月の長野での「ソング&バレエ」以来!舞台作品としては美女と野獣以来です。もうアレックスそのものでしたね、彼は。ローズへの一途な想いがひしひしと伝わって来て思わず「がんばれ!」と言いたくなってしまうほどでした。特に彼女との別れのシーンで涙を浮かべている姿にはジーンときました。が、髭をつけた石丸さん… かなり老けて見えてしまったのは私だけだろうか(^_^;)
ジョージの光枝さん貫禄!!なんか舞台が引き締まるって感じです。すごいダンディーな部分が多いんですけど、娘のこととなると激昂してしまうあのくだりがとても素晴らしかったです。コミカルな役の光枝さんも好きだけど、こういったナイスミドルの光枝さんもとても素敵ですね!
ジェニーの堀内さんもとても久しぶりでした。この方は「夢から覚めた夢」のマコ以来(^_^;) 相変わらず愛らしいですねえ。実年齢よりもかなり若く見える(笑) 少女から大人へなっていきアレックスに夢中になっていくところも、まだ大人になりきれていないって感じがよく出ていてよかったです。
ジュリエッタの井料さん、彼女はクリスティーヌよりもこの役のほうがピッタリ来る!今回一番のお気に入りキャラかもしれません。出番は少ないんですけど、すごい印象に残るんですよね。それにあの歌声もジュリエッタなら納得いくし(クリスティーヌだとちょっと恐い・・・笑) 何より、ショートヘアーがすごくお似合い!!素敵でした(^○^)

長くなりすぎた(爆) 次に観劇する時はもっと集中して観たいです。内容的にはちょっと『18禁』ぽいですけど(苦笑)大人の世界を堪能するにはもってこいの作品でしょう。音楽を聴くだけでも一見の価値ありです!