「エリザベート」 帝国劇場
                         9月7日、14日、21日  13時開演
エリザベート:一路真輝 /トート:内野聖陽 /フランツ:石川禅(7,14)、鈴木綜馬(21) 
ルキーニ:高嶋正宏 /ルドルフ:浦井健治(7)、パク・トンハ(14,21) /ゾフィ:寿ひずる 
マックス:村井国夫 / ルドヴィカ:春風ひとみ  ほか



あらすじ

オーストリア皇后エリザベート(一路)を暗殺したルキーニ(高嶋)は自殺してもなお、その罪を裁かれ続けていた。なぜ皇后を暗殺したのかという詰問に、彼はトート閣下(内野)がエリザベートを愛したからだと答え続ける。その証言として、ハプスブルクの亡霊たちが呼び起こされ崩壊直前のハプスブルク時代を再現していく。
エリザベートは姉の見合いに付き添いでいった先で次期皇帝のフランツ
(鈴木・石川)に見初められ結婚する。しかし、自由奔放な性格のエリザベートには宮廷での生活は耐え難いものであった。フランツの母ゾフィー(寿)との確執もあり、彼女の精神は徐々に崩壊されていく。そのたびごとに黄泉の帝王・トート閣下(死)が現れ誘惑し続けていくがエリザベートは生への執着を見せそれを拒絶する。
そして時代が流れたある日、父・フランツと対立を深めていた息子・ルドルフ
(浦井・パク)がマイヤーリンクで自殺してしまう。この事件にショックを受けたエリザベートはますます自分を閉ざしていくことに。そして、そこに現れたトート閣下はルキニーニにナイフを授ける。

 
1ヶ月のみの公演ということでただでさえ難しかったチケット確保が更に厳しくなっていた今回のエリザベート。発売日前のカード会社先行やチケットサイトの先行抽選にもことごとくハズれチケット発売日も外出ということで・・・・とにかく条件的に非常に悪かったのですがダメモトで発売日翌日の電話攻撃を頑張りました。ダンナにも協力してもらってプッシュし続けたところ、1回目は20分くらいで奇跡的につながり、まず7日ゲット成功。欲が出てもう1日・・・とプッシュし続けること3時間(爆)2日目ゲット、そして数日後に某マイナーチケットサイトから出ていた割引チケットに食いついて3日目ゲット・・・まさに追い込み馬のように厳しい競争率を勝ち抜くことができました(^-^;;←しかも、なぜか毎週水曜日(笑)。
競争率が厳しいこともあり、今回の観劇はキャスティングが完全に偏りました(爆)。トートは内野さんオンリーに(祐一郎さんのチケットはすぐに売切れてしまうし、どうも私が観に行く日と祐一郎さんの調子が合わなかったりすることが多かったので 苦笑)、ルドルフ皇太子は浦井君とパクさんの昨年コンビで井上くんのチケットは初演に観ている事もありあえて狙いませんでした。ただ、井上君の評判がかなりよかったのでちょっと後悔・・・かなぁ。

その日ごとの感想を・・・と思ったのですが、今回はまとめ感想にしました。すみません。各キャスト感想中心になるかな。
 オープニング

エリザベートを強烈に観に行きたくなる理由の一つがこの
『オープニング』です。ここの音楽の盛り上り方がすごく好きで、毎回毎回ゾクゾクさせられてきました。私の中ではこのオープニングにチケット代の半分支払ってるといっても過言ではないですね(笑)。今回はその音楽を味わうと同時に亡霊キャストたちの動きにも注目していたんですけど、けっこう激しい動きしてるんですよ。特に悩み苦しんでいるようなあの手の動きがとても印象的です。そしてトート閣下の登場ですが・・・あのともすればお笑いになりかねない死神の羽のゴンドラがもののみごとにピッタリしっくりきてしまっている内野さん・・・(笑)、またさらに色気、美しさともに倍増しており目を奪われまくってしまいました。歌いだしの『♪天使の歌は〜』のところがさらに妖艶になってて「うーん、また進化したな、うっちー」と心の中で呟いてしまった(笑)。ただ、エリザベートが登場するOPクライマックスシーンは再演のほうが好みなんですけど、ルキーニが亡霊たちに「さあ、はじめよう」と促して『あ〜〜』と去っていく演出はあまり好きじゃないんですよね。なんか見るたびに亡霊たちの「あ〜〜」に笑っちゃう自分がいるんですよ(^-^;;;。それ以外は完璧なんだけどねぇ。

 
パパみたいに

一路さんの少女期のシシイ、今回の再演では
かなりおてんば振りが強調された元気娘といった印象を受けました。とてもこのあと皇后になるとは考えにくいような「田舎娘」っぷりですごく可愛かったですね。「親戚付き合いが嫌いなんだ」というシーンで父親のマックスと笑うところでは「ガハハ」笑いになっててちょっとビックリしましたけど(爆)。公演序盤ではちょっと高音がきつそうな一路さんでしたが、だんだんと安定感が増していったのはさすがだと思います。それから父親役の村井さん、家庭教師との蜜月(笑)シーンがまたさらに濃厚に感じられたのは私だけ!?チューがやけにディープでした(←どこ見てるんだ、自分 爆)。なんか村井さんが演じるとどれもエロくみえてしまうんだよなぁ〜。ただ、実際のシシイの父親もあんな感じだったのかもね(笑)。
親戚づきあいのシーンで最後にシシイが木から落ちるシーンがあるのですが、
去年までものすごい不評だった電飾がなくなり微妙な映像で表現されておりました(苦笑)。まぁ、電飾よりはマシだと思うんだけど私はやっぱりアナグロチックだった初演の影絵のほうがシックリくるんですよね。なんかどうも舞台全体が電気化されているのがちょっと気になったりします。

 愛のテーマ

内野トートのソロシーンですが、また
さらに歌声に艶っぽさが加わっていて非常にセクシーでございました。手の動きなんか指先まで神経通ってますしねぇ・・・もうひとつひとつ釘付けですよ!シシイにキスしようとして「ハッ」としながら顔をそむける仕草もすごい好き!死神様の初めての恋への戸惑いがすごい感じられてみているこちらがドキドキしてしまいます。それ以降ずっと切なそうな表情で歌い続けているんですもん、内野さん。この再演版が一番好きかなぁ。初演の時にはあんなに不安定だった歌声も見事に自分の歌い方としてモノにしているし・・・なんかこう、初演から見ていた私としては内野さんの成長に感嘆することしきりです。同じ思いのリピーターの方も多いんじゃないかな。

 
皇帝の義務

フランツは禅さんと綜馬さんの2バージョンを見ることが出来ましたが、2人とも違ったフランツ像を演じていたので非常に興味深かったです。
禅さんはもう完全に「お坊ちゃま」っぽくてどこか頼りない。でもなんかすごい可愛いんですよ!!若いフランツのときの禅さん、顔がスッキリしてるし外見はとても凛々しいので初めて見たときドキドキしてしまいました(笑)。恐らく去年演じた時よりも若く見えた・・・と思う。書類に判を押す時もちょっと苦虫を噛み潰したように母親の言うままというのがとても印象的でした。ちなみに禅さんが書類にサインしたあと高嶋ルキーニが覗きに来て「うげっ」ってな顔してたのが面白かったなぁ。この仕草は綜馬さんにはなかったですね。「もう一人の母親」が飛び込んできたとき、すごい泣きそうな顔しながら彼女の顔を見つめていて・・・それでも母親には逆らえなくて泣く泣く『却下』と告げるのですが、その『却下』の告げ方が絞り出すような声で無念さがすごい伝わってきました(T_T)。好きだなぁ、こういう優しい禅さんの演技。結婚式へ向かうときもどこか乗り気じゃない表情してたのも印象的でした。
綜馬さんは今までずっと貴族っぽい雰囲気を漂わせた、ちょっと威厳のあるフランツだったのですが、今回はなんとなく頼りない感じで面白かったですね。ちょっと禅さんの影響受けたのかな?ちょっと堂々としながらサインとかしているんだけど、
「ちゃんとわかってるのかな」って思えちゃうような感じ(笑)。『もう一人の母親』が現れたときには机から立ち上がってそばに立ち寄ろうとしたのはビックリ!貴族っぽいというイメージからちょっと人間味あふれるフランツになっていてとても好感が持てました。『却下』も断腸の想いが伝わってきてすごくよかったですよ。そのあとの結婚式へ行くというシーン、馬車に乗りに行く前に治田さん演じる公爵になにやらコソコソと耳打ちしあってたのが可愛かった♪何話してたのかなぁ?で、そのあと母親の後を『ママ、ママ〜』と言いながら追って行ったのはかなり笑えました(笑)。かなり演技プラン変えてきましたね、綜馬さん。
それにしても、今回初めて配役された
ゾフィ役の寿さん・・・超怖いです(笑)!初風さんにはこわい中にもどこか母性を感じたんですが、寿さんは本当に『逆らったらどうなるか知らんぞ』っていうオーラが漂ってます(笑)。シシイとの嫁姑戦争はさぞかし恐ろしいものだっただろうねぇ〜(^-^;; 

 
計画通り〜結婚式

初めてフランツがシシイと会うシーン、
禅さんのフランツはとにかくずーっととっっても優しい眼差しでシシイを見つめ続けているのがとても印象的でした。なので、そのあとの『あなたがそばにいれば』は何となく泣けましたね〜。この歌は後半の『夜のボート』の対になっているので、そこを想像してしまうとこのときのフランツはすごく泣けるんです。特に「あなたが私の立場に立ったなら」の下りがかなりうるっときました・・・。綜馬さんのフランツもすごい優しいんだけど、なんとなくヤンチャっぽかったのがとても印象的でした。今までの綜馬さんのフランツと違う!と思ってしまったくらい(笑)。シシイがケーキのイチゴを落としたとき、綜馬フランツが「あっははは」って笑ったんですけど、その笑顔が・・・超素敵でしたっっっっ!!!なんか久々に綜馬さんに心臓貫かれたって気がしてしまった(笑)。ちなみに、このシーンのシシイの姉ヘレネが個人的にかなり好きだったりします。ずっと小野さんが演じているんですけど、「全てパーなのぉ〜!」と後ろに下がっていく姿がめちゃくちゃ可愛くていつも注目しちゃいます。
結婚式シーンで印象的なのがあのベールがトイレットペーパー状態になって出てくるところ(笑)。この長いベールをぐるぐる巻いている姿がまたものすごく似合ってるんですよ、内野トート!
下界の人たちを弄んでいるのがすごい伝わってくる。やっぱりあの指先ですかねぇ〜・・・。最後のトート笑いは内野さんだとかなり迫力があります、死神というよりも悪魔って感じですな、ありゃ(^-^;;。

 
最後のダンス

もう本当に初演の頃の内野さんを知っているものとしては
かなりの感動的なソロシーンになりましたよ・・・。なんかこう、感慨深い(笑)。音ずれしないかドキドキしていたあの時代はもう終わりましたね。しかもなんか、さらに内野さん歌い方を研究してロック色強めてませんですか?『ウォウ、ウォウ、ウォオウ♪』みたいな感じでしたよ(笑)。3度目に観に行った時はかなりノリノリ状態になりすぎてて「おーーーーれーーーさーーー」ではなくて『おーーーれーーー・・・おーーーれーーーさーーー!』になってましたが、あれはもしかして計算の上!?とにかく完全にこのシーンを自分のものに変えた内野トートばんざいっっ!祐一郎さんを今回見ていないので比較できないのが残念ですが・・・。あ、そうそう、トートダンサーズの馬乗り状態もしっかりチェックしました(笑)←去年これを発見してから気になって仕方ない(^-^;;

 
私だけに

一路さん、またさらに迫力ましましたねぇ。前半までの
『可愛いおてんば娘』から『気の強い女』へ変わるシーンですが、かなりこの時点で貫禄出てます。もう少し少女っぽさを残してもいいかも・・・とは思いますが、あの歌唱力に圧倒されて「おお!」となってしまうんだよな(笑)。はじめの頃は高音部分がちょっと苦しそうな印象を受けたのですが、後半からはもう絶好調で、他の何者をも寄せ付けないような鬼気迫るものを感じさせられました。やっぱエリザベートは一路さんのものなのかなと実感しちゃうんだよね(^-^; まあ、このくらいの強さがないと寿ゾフィには立ち向かえないかもね(爆)

 
デブレツィン

エリザベートとフランツがハンガリーを訪れるシーン、ここ私けっこう好きなんですよね。
エリザベートのハンガリー国旗のドレスがすごい綺麗で印象的。テロリストに狙われた後、フランツが『パレードは中止する!』と帰ろうとするのをシシイが止めてこのドレスを披露するんですけど、このあたりでシシイとフランツの上下関係が見え隠れしているのも面白いです。『エーヤン、エリザベート!』の掛け声がすごく好き!テロリスト役の藤本さんですが、去年よりも貫禄出てきたかな。ただ、どうしてもやけどしそうに熱かった今さんのエルマーを知っているだけに物足りなさというのも感じてしまうんですけどね(^-^;; あれは、今さんが熱すぎたのかな(笑)。テロリスト達を逃がす時の内野トートがまたすごい色っぽくてカッコイイ!!あの黒いコートもすごい似合ってるんだよねぇ。シシイの長女を黄泉の国に連れて行ってしまった内野トートをシシイが怒りで拒絶した後、「くっっ!」とものすごい悔しそうな表情をしている内野トートにも萌え〜(笑)

 
最後通告

息子のルドルフをゾフィに奪われて機嫌が超最悪のシシイのもとに気弱になったフランツが尋ねてくるシーン、ここはどうしてもフランツに注目してしまいます。禅さんも綜馬さんもなんとかシシイのもとに行きたいとすがってくるんですけど、どちらかというと私は
禅さんのフランツのほうが泣けましたね。なんかこう、支えてあげたくなるんですよ、禅さんのフランツ。本当に疲れきっててシシイの愛を求めているのがすごく伝わってくる。なので、このシーンにおいては私のなかではシシイは悪役になってますね(笑)。
フランツを拒絶して扉を閉めてるシシイのシーンの奥の暗闇では内野トートがスタンバッてますが、私はいつもこのシーンは
暗闇に目を凝らして内野さんウォッチングしてました(笑)。音も立てずに当たり前のように暗闇の中でシシイを待ち構えているその姿はまさに死神そのものですよっっ!暗闇の中でも色気を解き放ってるウッチー最高っ(笑)。そしてあと一歩でキスできるというときに拒絶されてしまい、「くっっっ!!もうちょっとだったのにっっ!」と悔しがる表情にもまたさらに萌え〜〜(笑)

 
ミルク〜私だけに(リプライズ)

ルキーニを中心とした民衆達が『ミルクがない』と騒ぎ立てるシーン、ここのナンバーもすごく好きですね。
民衆達の熱い気持ちがガンガン伝わってくる!民衆たちが真剣に怒っている中、ルキーニだけがどこか他人行儀になっているのも印象的です。しかし、こんなに民衆がミルクがなくて逼迫している中、エリザベートは大量のミルク風呂に入ってたっていうんですからヒドイ話ではありますよね(苦笑)。しかも、イチゴパックやらオイルマッサージやら・・・勿体ないぞ!!と見るたびに思ってしまう。イチゴパックのムースなんて私だったら食べちゃうけどな(爆)。
1幕クライマックスの
一路エリザベートはやっぱり美しいです・・・輝いてます・・・!ありゃあ、皇帝だろうが死神だろうが惚れちゃうよね(笑)。ガンとした強さが美しさに表れているのも印象的。でも下で弱々しく一生懸命に愛を訴えているフランツやエリザの後ろで壁に寄りかかりながら恨めしそうな顔でシシイを見つめているトートも好きなんだよなぁ〜。求めても得られないときの男ってなんだかツボなんだよなぁ、私の(爆)。ラストでシシイが扇子をひらいて顔をぱっと半分隠すのも好きです♪

 
キッチュ

ルキーニが観客席に下りてエリザベート商品を見せびらかせに来るシーン。ここ2幕の冒頭なのでお客さんのテンションもけっこうアベコベだったりするんですが(笑)、
高嶋ルキーニが客席でちょっとしたパフォーマンスすることでけっこうノリノリになるんですよ。だからここではけっこう拍手の手拍子が起きる。いつから手拍子出てたんだろうなぁ・・・去年くらいかな。まあ、このシーンはそのほうが盛り上るからいいと思うんですけど、実は私はあまり好きじゃなかったりします・・・なんとなくね、ちょっと、引いちゃう(苦笑)。客席の拍手を高嶋ルキーニの手のリズムで『パン、パン、パンッ』と収めるところは統制が取れてて面白いんだけどね。

 
私が踊るとき

エリザベートとフランツがハンガリーを治めたあとの
パレードシーンはすごく好きです!馬車に乗り込むときの内野トートの真冬スタイルもカッコイイし(笑)。鞭で打つ時の内野トートのあの勝ち誇ったような「にやり」とした表情が最高ですっっ!!それに合わせて『エリザベート』の合唱が入って・・・ここの音楽聴くたびにゾクゾクきちゃうんだよなぁ(^o^)。
「私が踊るとき」のナンバーはたしか去年あたりから入ったんですけど、このナンバーが入ることによってグッと盛り上りましたね。ここは
シシイとトートの直接対決って感じで見応えがあります。どちらも『勝った』と歌っててまさに我のぶつかり合い(笑)。どちらかというとシシイにちょっと押され気味の内野トートがけっこう萌えツボだったりします(笑)

 
ママどこなの?〜精神病院

少年ルドルフが母親を求めて歌うシーン。毎度思うのですが、
エリザベートに出てくる子役ってかなり歌に安定感ありますよね。特に塩野君がうまかったなぁ。去年このシーンを見たときうまく剣が抜けなくて苦労してた場面に出くわしてしまったので(笑)今年もちょっとドキドキしてしまったのですが、すんなり進んでてホッと胸をなでおろしてました(笑)。そういえば初演の頃にあったデカイ地球儀みたいなボールは危ないからって感じで撤去になったんですかね。まぁ、見ているほうもあれけっこうハラハラしたので去年からの「デカイ本」バージョンになってよかったんですけど。
精神病院のシーンは『エリザベート』のなかでも3本の指に入るほど私的に好きなシーンです。精神病棟に押し込められた人と心が病んでいくシシイの心を重ね合わせて歌われるのですが、エリザベートのふりをしている患者の前で「あなたは身体の自由だけ縛られているけれど心は自由よ」と歌うシシイにいつも感情移入してウルウルきてました(T_T)。音楽もすごく綺麗だし、けっこう感動しちゃうんですよね。

 
マダム・ヴォルフのコレクション〜ゾフィの死

高嶋さんとシルビアさんが結婚したあと、はじめての『マダム・ヴォルフのコレクション』ですよね(笑)。初演ではこのマダム・ヴォルフをシルビアさんが演じててかなり迫力あったんですけど、
あの時まさかこの2人が結婚するとは思いもしなかったなぁ(笑)。というわけで、シーンの割には心の中でシミジミしていた私です(爆)。でも伊東さんのマダム・ヴォルフも貫禄十分ですよ〜。ルキーニが『職業病を持つ』と歌おうとしたときに「ウウ〜ん」と咳払いしてそれを最後まで言わせないところがまた・・・(笑)。このシーンでは治田さん演じる伯爵が弄ばれているのが楽しいです♪この時の治田さんはめちゃくちゃ可愛い(笑)。
しかし、フランツ・・・
本当にここの館から連れてきた娼婦とできちゃったんですかねぇ。禅さんや綜馬さんのキャライメージからするとなんか信じられなかったりするんですけど(爆)。それでこの病がシシイに伝染・・・ってことは2人の仲は一応上手くいってたって証拠なんだよなぁ・・・。このミュージカルではあまり2人の結婚仲がいいように描かれていないのでイマイチしっくりこないんですけど・・・ってそれを追求しちゃいけないんだよな、この作品は(爆)。医者の振りしてシシイに近づき、あと一歩まで追い詰めながらも激しく拒絶された内野トートが『あとちょっとなのにっっ!』みたいな表情するのもすごい好きでした!
ゾフィの死の前にフランツとのやり取りがあるのですが、シシイ以外のいうことは聞かないっっ!というフランツにショック受けて死んでしまうんですよね(^-^;; 結局最後まで子離れができなかったぞフィはちょっと哀れ・・・。特にひたすら恐かった寿ゾフィが死ぬシーンはなんだか寂しかったです。そういえば、
別れ際に綜馬フランツはゾフィの手にそっと口づけしてたなぁ・・・。あれがなんだか見ていて泣けました(T_T)。母への別れのキスだったんでしょうね。

 
パパみたいに(リプライズ)

フランツに裏切られてから旅を続けるシシイ。
扇で顔を隠しながら早足で歩くシシイはなんだかカッコイイ。1度目は一路さんで2度目はダミィのシシイなんだよね(笑)。旅の途中のコルフ島のシーン。アキレウスの彫像の下で詩を書こうとしている・・・というはずなのですが、去年まではあったんですよ、アキレウス。初演、再演のときはレプリカが、去年の再々演では電光掲示板で(笑)。ところが、今年はどうにもアキレウスの彫像が見当たらない・・・。もしかして、後ろの画面に映っていた遠くに見える岩みたいなのがアキレウスだったのかなぁ・・・。せっかく『アキレウスの彫像』って言ってるんだからそのものを出してほしかったです。じゃないと何となく雰囲気伝わらないんだよなぁ。村井パパとシシイのデュエットは物悲しい雰囲気が漂ってていいだけに残念。ただ、ちょっと、亡霊村井パパがシシイに手を出しそうな気配を感じてしまったりもしたんですけどね(爆)←気のせい!?。あの亡霊メイクって素で見るとかなり恐いらしいですね(笑)。ミス・サイゴンで同じく亡霊を演じた泉見くんが言っていたのを思い出してしまった(^-^;

 
闇が広がる

ここにきてようやく成人ルドルフが登場。私が今回観たのは去年と同じ浦井君とパクさん。浦井君は去年見たときちょっと迫力不足で『闇が広がる』ではトートに潰されていた感があったのですが、
今年は素晴らしかったですよ!色々な舞台を経験したせいか、歌声にすごい張りが出ていて内野トートとの『闇が広がる』はものすごい迫力で圧倒されました!皇太子としてもなんだか凛としたものを感じたし、すごくよかったなぁ。パクさんのルドルフは苦悩の皇太子という色がすごく出ていて切ない!内野トートとの『闇が広がる』デュエットでもなんか終始苦しそうな表情で歌っていたのがとても印象的でした。内野トートがまた「してやったり」みたいな色気で歌ってるからなおさらその対比が面白かったですね。井上君の成長したルドルフと内野トートのデュエットも観てみたかった気がしましたが、去年の二人の成長が見れただけでもよかったかな。

 
独立運動〜マイヤーリンク

トートに操られるままにハンガリー独立運動にのめりこんでいくルドルフ。迷い苦しむルドルフに独立メンバー達が
『ルドルフ、ルドルフ』と奮い立たせるシーンはすごい好き!ここ、2幕冒頭でトートの馬車でシシイたちが踊らされているのと同じなんですよね。ルドルフも最初は『皇帝だ』と誇らしげな顔しているんだけど、次第に不安になっていって馬車から飛び降りる・・・ここは身軽な印象の浦井ルドルフがすごいカッコよかった!さすがはヒーロー系出身だと思ってしまった(笑)。パクさんはちょっと降り遅れているような感じだったんですけど(笑)必死さが伝わってきてよかったですよ。そして革命は失敗し、ルドルフはフランツからも久々に帰ってきたシシイからも見捨てられてしまう・・・そこに待ってましたとばかりに現れる内野トート(笑)。
マイヤーリンクで
トートダンサーズに服を一枚一枚はがされていくルドルフはなんだかすごいセクシー(笑)。浦井君がされるがままに踊らされているのに対して、パクさんは踊らされているのを拒みながら踊っているというのがとても印象的でした。そしてそれを嘲笑うかのような内野トートの色気満点のキレダンス!!最高ですっ!もう内野トートの行動ひとつひとつがダンサーズを操っているのがすごい分かるんですよ。彼の指先からなんかオーラが出ているような感じ・・・なんか私も操られてる気がしてしまったくらいだしね(爆)。そしてルドルフ最期の瞬間・・・内野トートとのキスシーンですが・・・けっこう長い間チューしてるんですね、内野さん(笑)。ルドルフが息絶えたあとの『フッ!してやったり』な表情がまた最高です(笑)!
ルドルフの死を嘆き悲しむシシイがこのあとクローズアップされますが、静かにその死を深く悲しんでいるフランツの背中がとても悲しいです(T_T)。そしてシシイに愛されてないと悟るトートもなんだか哀しかったりします・・・。

 
夜のボート

『エリザベート』のなかで一番泣けるのがこの「夜のボート」です。1幕ではフランツとシシイが愛を誓い合ったこのナンバーが2幕では別れの歌になってしまっている・・・(T_T)。禅さんのフランツはもう本当に老け込んでしまって、見ているだけでも気の毒なのにそんななかで必死にシシイの愛を求めているのがかなり泣けました・・・。クライマックスの部分「分かってほしい、君が、必要だよ」のフレーズ聞くたびに涙が出て仕方がなかった(T_T)。もう最初から最後までシシイに温かい愛を与え続けた禅さんのフランツを見てきただけに、それでも拒絶されてしまうのが哀れで哀れで・・・ねぇ・・・。綜馬さんのフランツは老け込んでいる中にもどこか威厳を持って最初は歌ってるんだけど、最後のほうになって必死にシシイに愛を訴えている姿が泣けます(T_T)。「愛しているよ」の言葉には愛がたくさんこもってて・・・それでも拒絶してしまうシシイが信じられなかったり・・・。ただ、シシイはシシイで苦しんでいるんですよね。お互いの心が分かるだけに「お互いの立場に立てば私の心が分かるでしょう」というフレーズがとても哀しいです。

 
悪夢

この悪夢での見所はなんといっても
フランツvsトートです。去年の禅さん演じるフランツが絶叫しながらナイフを奪おうとする姿に大感動したんだよなぁ。その禅さんの乱れっぷりは今年も健在でして、内野トートが楽しそうにナイフを出し「ルキーニ、早く取りに来い」と言った瞬間、髪の毛振り乱しながら立ち向かって「何をするっっ!やめろ〜〜!!!」と悲痛な叫びを上げていて再び涙してしまった(T_T)。いつもやさしい眼差しでシシイを見守り、穏やかな印象が強かった禅さんのフランツだっただけにこの時の乱れようは見ていて泣けます・・・ほんと。ルキーニがナイフをてにした後はもう灰のようになってます、禅さん(笑)。綜馬さんも今年はかなり熱かったですよ!内野トートがナイフを出した時、ものすごい形相で「何をするっっ!よこせっっ!!」と必死に立ち向かっていく姿が印象的でした。禅さんほど落差はないものの(^-^; 綜馬フランツにも感動させられました。
ただひとつ不満なのは、このあと亡霊たちが
ルキーニにうながされて「あ゛〜〜〜・・・」と立ち去るシーン。せっかくフランツとトートの戦いを見て感動しているのに、あのシーンみるとなんだか「!?」って感じで現実に引き戻されてしまうというか・・・苦笑い状態になっちゃうんですよ。去年からなんだよね、この演出はいったの。オープニングのところの最後もそうだけど、ここは省いてほしいんだよなぁ。

 
愛のテーマ

ルキーニのナイフで黄泉の国に入るエリザベート。
初演では刺されてからすぐは「大丈夫よ」という史実に基づいたシーンがあったのですが、去年あたりからすぐに倒れてしまう演出に変わってますね。ルキーニの「ウン・グランデ・アモーレ」のセリフのあとに白いドレスになったシシイがバーッと現れるのがとても印象的で好きです。ここで永年のトートの願いだったシシイが手に入るんですが、シシイを抱きしめた時の内野トートの万感の想いのこもった嬉しそうな表情がまたサイッッコウにそそられますっっ(笑)!あんな表情で抱きしめられたいよ〜(爆)。そして最期は棺の中に納まるシシイ、そして下ではやっと臨終できたルキーニ、この演出はとても印象的で好きです。初演の頃の脇で激しくトートダンサーズが踊ってるのも印象的でしたけどね(笑)。そういえば、去年あたりからダンサーズの出番は少し減ったのかな?
とにかく今年もたくさんたくさん感動をもらいましたっ!
やっぱりエリザベート最高!内野さんのトーとはこれで最後かもという噂があったので、もしそれが本当だったとして、3回も見れて本当によかったです。この作品で内野さんも役者として大きく羽ばたけたし役の幅も広がりましたよね。これからも注目してます、内野さん!

 
カーテンコール

カーテンコールでは
内野さんがヒラヒラと毎回とっても可愛いお手振りしてくれました(^-^)。フランツの禅さんはあんなに灰になっていたのが信じられないくらいノリノリだったのが印象的だったし(笑)、終始素敵な笑顔を振りまいていた綜馬さんも素敵でした!3回目に観に行った時は偶然にもパクさんのルドルフ千秋楽特別挨拶がありました。普段はあまり日本語で挨拶しないので恥ずかしいという朴さんが、日本語で書いたカンペを一生懸命時々つっかえながら読んでいた姿に私は物語以上に感動してしまった!パクさん、日本に来てまだ5年ちょっとなのに本当によく頑張ったよなぁ。かなり好印象!この時終始楽しそうだった一路さんがあの美しいエリザベート衣装を着ながら「ガハハハハ」と皇后らしからぬ笑いを・・・(爆)!この日の最後は最後のカーテンコールで一路さん、内野さん、パクさんの3ショットで登場し、内野さんがトートマントでパクさんを抱え込んでいたのがすごく可愛くて印象的でした♪ 皆さん、お疲れ様!!