「モーツァルト!」 帝国劇場

あらすじ

オーストリア、ザルツブルクに生まれた大作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。幼い頃「神童」と呼ばれたヴォルフガング(井上、中川)はその才能ゆえに自らが望んだ自由を得られずその若さをもてあましていた。父のレオポルト(市村)はそんな危うい彼を諌めようとするが、反発するヴォルフは雇い主のコロレド大司教(山口)を侮辱し解雇されザルツブルクから飛び出してしまう。行く先々で仕事を得ようとするがコロレド大司教の差し金でなかなか職にありつけないヴォルフガング。そんなとき出逢ったウェーバー一家にまんまと利用されてしまい一文無しに、挙句の果ては病気の母親を病院へ連れて行くこともできずに死なせてしまう。絶望の淵に立たされたヴォルフガングだったが、彼の才能を高く評価するヴァルトシュテッテン男爵夫人(久世、香寿)の誘いに乗り再び父や姉ナンネール(高橋)の元を離れウイーンへと飛び出していってしまう。そこで再会したウェーバー家の娘、コンスタンツェと愛を深め結婚するがその生活はやがて破綻していく。シカネーダ(吉野)と組んだ作品はことごとく成功していくのだが、自由奔放に生き続けたいと願うヴォルフガングのそばにはいつも『神童』アマデウスがつきまとう。その影から逃げたいと必死にもがき続けるヴォルフガングだったが次第に追い詰められていく・・・。

7月26日 12時30分開演 
ヴォルフガング:井上芳雄 /アマデ:黒沢ともよ /コンスタンツェ:西田ひかる 
レオポルト:市村正親 /コロレド大司教:山口祐一郎 /男爵夫人:久世星佳 
ナンネール:高橋由美子 / シカネーダ:吉野圭吾  ほか
台風直撃のニュースが駆け巡ったこの日、3年ぶり(あれからもう3年とは!!驚)の再演となる『モーツアルト!』観劇に行ってまいりました(^-^ゞ。運良く家を出てから劇場に着くまでは雨風とも小康状態で時間通りに帝劇到着。休憩時間に外を見るとかなりすごい嵐状態になっていたので「こりゃ帰り道は覚悟しなきゃならんなぁ」と腹をくくっていたのですが、これまた運良く劇場を出る頃にはまたまた小康状態になっており難なく家路に着くことができました。観劇の神様でもついていたのかな…。
さて、今回再演された『モーツァルト!』ですが、実はチケットの発売日も把握していなかったくらい
最初のうちはノーマーク状態だったんですよ。というのも、3年前に観た時にけっこうそれなりに感動したし好きな作品ではあったものの、同系色の『エリザベート』と比べてしまうとちょっとイマイチ足りないような気がしてしまっていたんです。チケットは1回観ればいいかなくらいの気持ちでたまたま通りがかった時に売っていた帝劇ローズルームでゲット(笑)。そんな感じだったので東京初日があけてからかなり時間が経ってからの観劇となりました(^-^;。ところが・・・いざ舞台終了後になってみると… 台風の足音が近づく中、窓口にてチケットを1枚買い足していた私(爆)。しかもその後日某番組の特集を見て勢いに乗ってもう1枚買い足した私(爆)。つまり当初の予定よりも2枚増えてしまいました(^-^;;; それほどこの再演が良かったんですよ!3年前のなんとなくローテンションだった気持ちが一気に払拭された感じかな。特に大きく演出が変わっていたわけでもないしキャストも3年前と同じメンバーなのですが、確実に今回響いてくるものがあったと思います。
まずはやっぱり
楽曲がいいですよね〜。エリザベートもそうですが音楽の都ウイーン発ということでどのナンバーにもクラシック音楽的な心地よさが感じられます。で、今回の再演で気付いたんですが・・・ノリのいいロック調の音楽がむしろエリザベートよりも多いんじゃないかと思っちゃったんですよ。音楽を聴きながら思わず手でリズム取ってる自分がいましたから(笑)。3年前はなんとなくダラダラ長い印象を受けた部分も不思議とすんなり受け止められました(たとえばウェーバー一家の登場ナンバーとかね)。それからストーリーのテンポが初演よりもスッキリしているように感じます。ヴォルフガングとアマデの対になっている関係、そのことからくるヴォルフガングの苦悩、厳しい言葉を浴びせかけながらもいつもヴォルフガングを気にかけている父・レオポルトとその愛情を感じつつも素直に受け入れられず苦しみやがて破綻へと追い込まれていくヴォルフガング、といったふうにそれぞれの人間関係がより深く描かれていてやたら感情移入しやすかったです。自由奔放に生きることをいつも夢見ていたヴォルフガングが本当は愛している父親の元からウイーンへ飛び出していくシーンはかなりウルッときました(T_T)。お互い信頼しあっているのに最期まで素直になれなかった2人はなんだかとても切ない…。そしてヴォルフガングのそばにいつも何も言わずついてまわる『神童』アマデウス(モーツアルトの精神部分ですね)。このアマデは子役が演じていて一切歌ったりセリフを言ったりすることがないのですがものすごい存在感なんですよ!1幕ラストでヴォルフガングがアマデの影から逃れたいと歌うナンバー『影を逃れて』は観ているこちらもなんだか胸にアマデがペン先を突き刺したかのような痛みを感じるくらい迫力があります。狂気に取り付かれたかのようにヴォルフガングの腕にペン先を突き刺しその血で楽譜を書き上げていくアマデの姿は衝撃的ですよ!!ここは初演でも大好きなシーンだったのですが再演ではまた更に迫力を増していて目の離せないシーンとなりました。子役の黒沢ともよちゃんがすごくうまかったなぁ。

ヴォルフガングの井上芳雄くん。彼の演じるヴォルフは初演の頃よりもさらに生き生きとしてエネルギーに満ち溢れてました。自由への憬れはとても純粋で・・・そこからはみ出して浪費してしまってもなんだか許せちゃうくらいの『可愛さ』がありました。コロレドに逆らうシーンもヤンチャな感じでまさに子供っぽい。まぁそれ故に観ているこちらは「ヴォルフ、それ以上暴走したら危ないよっ」ってハラハラしどうしなんですけど(笑)。父親への愛もすごい伝わってきてよかったですよ。実際やんちゃしまくって結果的には家族をすごく傷つけているんだけど、根底では思い遣っている部分が感じられたので父親と最期まで分かり合えないシーンはとても痛々しかった…。コンスタンツェとの関係は・・・なんか火遊びしちゃったって印象だったかな(爆)。彼なりに愛してはいたんだと思うけどどちらかというと自分の家族を思い遣る面が大きかったような気がします。激しいナンバーも情感込めて歌っていてとても感動的でしたが、3年前と同じくやはりちょっと高音部分がきつそうだったのが残念!井上君の得意とする歌の分野とちょっと違うみたいでなかなか苦労しているみたいですが頑張って乗り切ってほしいと思います。でも私は井上君の『純粋』なヴォルフガング好きでしたよ!カーテンコールのときにアマデのともよちゃんを背負いながら舞台を往復しながら『台風に気をつけて!』とコメントしてくれたのが嬉しかったです♪ で、スケジュールの都合上なにげに今回がラスト井上ヴォルフだったりする…。もう一度観たかったかも!
コンスタンツェの西田ひかるさん。初演では最初の2ヶ月を松たかこさんが演じていて残りの1ヶ月を西田さんが演じていたのですが、この当時の松コンスタンツェが余りにすごい迫力で圧倒されてしまい・・・その印象が強烈に残ってしまったため西田さんのコンスタンツェがものすごい存在感薄く感じてしまったんですよ。そのときの印象が抜けきれなかったので、正直今回の再演で西田コンスタンツェどうかなぁ・・・と心配していたのですが、今回はなかなか良かったですよ!松コンスタンツェの迫力と比べたのがいけないのであって(←とにかく主役を食う勢いだった・・・苦笑)、西田コンスタンツェとして観るとヴォルフガングとの相性はかなり合っているのかもしれません。強気で押していくんじゃなくて、可愛さもあり脆さもありといった共感しやすい女性でした。時にはヴォルフガングを優しく包むような愛情をみせる演技がとても好感持てました。登場シーンの西田コンスは可愛かったしね(^-^)。で、西田さんとも今回が最後。彼女のコンスももう一度観たかったかも。
父親レオポルトの市村正親さん。言わずと知れたいつもは主演舞台を多くこなしその存在感で私たちを魅了してくれる市村さん。なんだか今回とてもお久しぶりに見たような気がする(笑)。で、今回改めて思ったのですが・・・市村さんはやっぱりすごい役者さんですよ!!この舞台における自分の役割、位置関係をものすごく的確に捉えている!つまり・・・あくまでもヴォルフガングを主役として立たせていて控えめに自分を殺す演技をしているんだけど要所要所でキッチリ存在感を出しているんです。普段は主演舞台を務めながらバリバリの存在感を示している市村さんですが、こうした主役をたてるといった演技をする市村さんも素晴らしいです。それでいて、ヴォルフガングへの不器用な愛情をすごく上手く表現していて・・・ヴォルフを想いながら書いた手紙のシーンなんかホントウルウルものでしたよ(T_T)。こういった内面的な演技が胸を打ちますね。それと余談っぽいですが(笑)、クライマックスでヴォルフに「レクイエム」を依頼しに来るシーン・・・仮面をつけて現れるその姿は『オペラ座の怪人』を髣髴とさせるほど美しい!ああ・・・返す返すも市村さんのファントムを生で見たかった・・・と3年前と同じ事を思ってしまう私なのでした(^-^;
コロレド大司教の山口祐一郎さん。私はこの『モーツァルト!』の舞台で祐一郎さんのコロレドをとても楽しみにしていたんですよ。そう、あの、ト●レシーン(笑)!初演の最初の頃はリアクションがほとんどなくて普通に馬車を降りてゴソゴソ・・・としてまた何事もなかったように普通に馬車に乗って、といった感じだったので何が起こっていたのか解らなかったのですが(^-^;;、2度目に観に行った時、ものすごいリアクションがあって何が起こったのか一目瞭然なシーンに変わっていたのに衝(笑)撃を受けた私(一緒に観に行ったダンナはこのシーンを観てから祐一郎さんのことを「ト●レ我慢してた人」と呼ぶようになった 爆)。そりゃもう、今回も大いに期待させていただきましたところ・・・またまたやってくれてました、祐一郎大司教様!こちらの期待を裏切りません(笑)。馬車に乗り込んだときにいきなり頭をゴツッとぶつけ「イタタ」な演技から入りました(←超おちゃめ!笑)。そしてあのシーンになると・・・馬車の中で「ストーップ」と掛け声。ここまでは冷静を装いつつ、馬車から降りるとものすごい身のよじり方で髪の毛も振り乱しまくり(爆笑)。ついたてからのぞいた時には髪はぼさぼさ状態で半ば放心状態気味(笑)。なんかよほど悪いもん食ったんじゃなかろうか(^-^;;;。ホーッとしたところで再び馬車に乗り込み朗々と歌いながらも伯爵に髪の毛をセットしなおしてもらっている姿がなんとも情けなく、大いに笑わせていただきました!このほかにも見所満載ですよ、祐一郎大司教様(笑)。初演の頃よりも歌詞に感情を乗せて歌っている部分も多く聴きやすかったです。とにかく出てきただけで全部かっさらうくらいのあの迫力は祐一郎さんにしか出せないでしょう。コロレドの存在感はこの芝居の中ではあのくらい濃いほうが私はいいと思っているので全然問題ありませんっ!祐一郎さんの役の中ではコロラドが一番の大当たり役だと思います。次回も楽しみだわ〜♪
男爵夫人の久世星佳さん。初演の時とあまりイメージが変わらなかったのがこの方ですね。優雅な雰囲気やヴォルフに対する母性的な部分はとても魅力的だったのですが(母性的かと思えば冷たく突き放すようなところも上手いですよね)、この方の歌はちょっと弱い気がするんですよね…。元宝塚のトップスターさんではあるのですが、男爵夫人の歌のキーが合っていないのかな。特に高音部分になるとけっこう不安定で…そこがちょっと残念かなぁ。3年前も同じこと感じたので私とはあまり相性が良くないのかもしれません。久世さんのストレートプレイは好きなんですけどね。
ナンネールの高橋由美子さん。最近本当に大作ミュージカルで頑張ってますよね。初舞台で声が出なくなってしまった彼女を見ているだけに現在の彼女の活躍ぶりは個人的にすごく嬉しかったりします。高橋さんのナンネールはとにかく可愛い!時々ヴォルフガングの姉ではなく妹のように見えてしまうんですよ。父親とヴォルフガングの橋渡し的な存在だったのがナンネールだったんじゃないかな。彼女がいたから家族という形ができていたと・・・。辛いことがあっても健気に耐えている高橋ナンネールがとても印象的でした。
シカネーダの吉野圭吾さん。見かけの華やかさと美しいまでの身のこなし、ダンス、とにかく彼が出てくるシーンはすごく楽しくて好きなんですけど、どうしても気になるのが歌・・・。もう吉野さんの場合は前から同じこと思ってしまうんですけど、声が通りにくいんですよね・・・。せっかく素晴らしい身のこなしで見せ場を作っているのに歌になると歌詞が後ろの客席まで響いてこないんですよ。あれはすごく勿体ない!吉野さんのシカネーダ好きなんだけどなぁ・・・。



8月10日 13時開演 
ヴォルフガング:中川晃教 /アマデ:川網治加来 /コンスタンツェ:木村佳乃 
レオポルト:市村正親 /コロレド大司教:山口祐一郎 /男爵夫人:香寿たつき 
ナンネール:高橋由美子 / シカネーダ:吉野圭吾  ほか
最初の予定ではこの日は観劇日に入ってなかったのですが、某チケットサービスサイトから『S席料金がA席料金になります』というメールが届き思わずゲットしてしまいました(笑)。こういった誘い文句に弱いんだよなぁ・・・私(^-^;。井上ヴォルフと中川ヴォルフのどちらにしようかかなり迷ったのですが、日程的なものもあり中川ヴォルフになりましたので、結果的には中川くんを2回観るということになりました(最初は井上ヴォルフ1回きりの予定だったんだけどね 爆)。

前回観劇の時、想像以上に自分が『モーツァルト!』の音楽が好みだと認識したわけですが・・・改めてS席で堪能てみて・・・
やっぱりこのミュージカルかなり私好みだということを再認識いたしました!あのガンガン押しまくるロック系がたまらなくイイです!今回特にロックだと感じたのは多分、ヴォルフガングが中川君だったからじゃないかな。彼の演技は井上君に比べるとかなり荒削りでまさに本能で生きてるってイメージなのですが(^-^; その雰囲気が見事にこのロック音楽とマッチしているんですよ。3年前よりも中川君の中でのヴォルフが確立されたようで、荒削りな中に見せるちょっとした繊細な表情などがとてもよかったと思います。それになんといっても、歌声が安定しているのが最大の強みですね。井上ヴォルフは高音部分になるとどうしても声が裏返りそうになったりしてしまってこちらがちょっとドキドキしてしまうのですが(苦笑)中川ヴォルフはキッチリ美しいロックな歌声を不安なく披露してくれるんですよ。『SHIROH』のときもすごいと思ったけど、今回改めて中川君の音域の広さに驚かされた気がしました。あの抜群の歌唱力は本当にすごいですよ!!また、役作りに関しても井上君とは別の角度から作っていて・・・中川ヴォルフはまさに『ずっと大人になりきれない子供』っていうイメージ。ウェーバー一家に言いくるめられる時も『うちに泊まりなよ』と迫られて最後に『行く行く〜♪』とついて行っちゃうシーンなどはまさに未熟なガキって感じ(笑)。市村パパが手を焼くという面では、本能で生きているかのような中川ヴォルフのほうが苦労しているような気がします。それだけに市村パパの苦悩が前回よりもかなり浮き彫りにされていて「ああ・・・気に毒に・・・ありゃあ寿命縮まるよね・・・」って思ってしまいました(^-^;; 中川ヴォルフ、かなり好きかもです!あ、そういえば、1幕ラストで川網アマデが腕にペンを突き刺すところ、中川ヴォルフから血が出ていないように見えたんだけど気のせいかな?個々だけがちょっと気になりました。

初キャストで一番心配だったのが
木村コンスタンツェ・・・(苦笑)。観劇前から色々な評判を聞いてきましたが、どれも芳しくないものばかりだったのでその意識が強くなってしまったのかもしれませんが・・・・・・う〜ん、やっぱり私もダメだったかも(爆)。そもそも木村さん自体あまり好きな女優さんではないのであまり良い印象はないのですが、あの歌はやはりマズイでしょう〜〜。演技的には言われていたほど嫌悪感はなくて、「こんなハスッパ的なコンスタンツェもありかも」と思ったのですが歌になると急に安定感が無くなってしまい抜群の歌唱力を誇る中川ヴォルフとのデュエットになるとその落差が歴然としてしまって非常にバランスが悪かったです。でも、1幕はまだよかったんですよ・・・問題は2幕のソロ・・・(爆)。これ、かなり心配だったんですが・・・かな〜りヤバかったです(^-^;;;;。歌の不安定さもあったのですがそれ以上にマズかったのがダンス・・・。なんですか、あれは・・・ロボットの盆踊りですか!?って感じだったんですよ、ほんと(爆)。動きが音楽についていっていないと言いますか・・・歌と踊りがてんでバラバラ。必死に覚えたての動きをしているって感じで見ていてかなりハラハラいたしました(苦笑)。なぜあれでOKされちゃったんでしょうねぇ・・・(毒)。思わず失笑しちゃいましたよ・・・。この先あと1ヶ月がかなり心配になりました・・・。
もう一人の新キャスト
男爵夫人の香寿たつきさんは素晴らしかったです。久世さんのような母性はでていなかったものの、抜群の歌唱力とヴォルフの姉代わりのような雰囲気がとてもよかったと思います。歌の安定感の点で言えば久世さんよりも香寿さんのほうが安心して聞いていられるって感じでしたね。彼女のドレス姿は初めて観たのですがやはり宝塚出身女優さんは何を着てもお似合いで・・・とて〜も美しかったです(^-^)。そういえば香寿さん見るのって『天翔ける〜』以来だったかも!
観客席から手拍子が出て一番盛り上るのが
吉野シカネーダのシーン。相変わらずちょっと歌声がこもってしまうのが気にはなるのですが(^-^;、そこはあの魅せるダンスで充分カバーしてますね。前回よりもキレが更によくなってたかもしれません。あそこは音楽もすごく楽しいので私も好きです(手拍子はしないんですけど 爆)。ただ、観客席が盛り上るという点では一番群を抜いているのはやはり祐一郎さんのコロレド大司教でしょう!いや〜ねぇ、もう、大好きですよ、この方のコロレド!!(笑)。登場シーンであそこまで観客の目を惹き付けられる役者はそういないと思いますよ。この日も絶好調でガンガンに押しまくる歌声に圧倒されっぱなしでした!私が観劇する日の祐一郎さんってけっこう調子の上がっていない日が多かったのですが(爆)、今回はその心配ないみたいですね(笑)。出ずっぱりというよりもあのようにピンポイントで登場するほうがインパクトが出ていいのかも。そして、またまたやってましたよ〜例のシーン(笑)。あれはもう、言葉にするよりもまず『見て笑ってください』と言いたいです(笑)。ハイ、今回も最高でございました!

そのほか、全体的にもまとまりのあるいい舞台でした。見れば見るほどこの作品が好きになる気がするなぁ〜(^-^)


8月23日 13時開演 
ヴォルフガング:中川晃教 /アマデ:高橋愛子 /コンスタンツェ:木村佳乃 
レオポルト:市村正親 /コロレド大司教:山口祐一郎 /男爵夫人:香寿たつき 
ナンネール:高橋由美子 / シカネーダ:吉野圭吾  ほか
当日劇場へ着いてみると入り口には『満員御礼』の札が立っていてビツクリしました。何故驚くかって…あの某チケットサイトでS席がA席料金で売られていたくらいなんですよ(^-^; しかも1回目を見終わったあとに窓口でこの日のチケット買い足した時はまだ余裕があったくらいだし…。でも、この時は『千秋楽が近いからさすがに売り切れてるのかもしれないなぁ』くらいにしか思いませんでした。この日は1FA席のちょこっと後ろに下がった場所だったのですが、座席がちょっと気持ち高くなっていてけっこう見やすかったです!舞台の全体像も楽しめるし、けっこう美味しい席だったのかも♪
千秋楽が近く、満員御礼になっていたせいか
いつもに増して濃密で熱い舞台だったと思います。なんかこう、ガンガンと迫ってくる感じで・・・特に中川君はかなり気合が入っていたようでこちらの胸に突き刺さるような歌声がとても印象的でした。クライマックスに向かいヴォルフガングがどんどんと崩壊していく過程では半ば泣き顔になっていて胸にくるものがありましたねぇ…(;_;)。アマデの愛子ちゃんはなんだかとってもきれいな子でビックリ。それなのに激しいところはすごく激しくてヴォルフにペンを突き立てるシーンはけっこう鬼気迫って恐かったです。コロレドの祐一郎さん我慢しきれず白目むいてた姿が今回も笑えたし、市村パパ苦悩と重厚さにも感動的だったし、高橋ナンネールも可愛かったし、皆いつもより気合が入っていたように感じましたよ。それと木村コンス、前回よりもちょっとはマシになってましたがやっぱりダンスがねぇ・・・。あと、1幕のウェーバー一家の歌のところで気合入れすぎておさげ髪が吹っ飛んでしまったのには笑えた(^-^;。ナンバーの『影を逃れて』と『モーツァルト!モーツァルト!』は今回も圧巻でございました。

・・・・と、感想は今回これしか書けません(爆)。みんなの気合がすごく乗ってて本当に素晴らしい舞台だったのに何故!?しかもそんないい舞台なのに評価がワンランク落ちているのも何故!?って感じだと思うのですが・・・実はこれは
私個人的な気分の沈みっぷりが全ての原因なのです・・ごめんなさいっっっ(涙)。『モーツァルト!』とは本当に何の関係もないのですが、この観劇の前日、個人的にものすごく楽しみにしていた出来事が『まさか!!??』って形でお流れになってしまって・・・このショックから立ち直れないままの観劇となってしまったわけで・・・当時の記憶がほとんどないんですよ(爆)。本当はもっと熱く語れたであろう舞台だったのに・・・・・・やっぱり自分の気持ちが乗らないときの観劇は心身ともに悪かったです(T_T)。

というわけで、ほとんどこの日のことは覚えていないのですが・・・『満員御礼』だった理由をここで少々。舞台が終了していつものようにカーテンコールが始まったのまでは同じだったのですが、2回目が終わったあたりで再び全キャストが登場した時に
中川君がなぜか一歩前に。『?』と思っていたところ、彼の口から驚くべき言葉が・・・。
『モーツァルトは今日この回でちょうど200回になりました!』
ここで私はようやく表の『満員御礼』だった理由を悟ったのでした(笑)。最近はめっきりこういった特別カーテンコールとは縁がなかったのですが、
偶然にもあの時購入したこの日のチケットが記念チケットになろうとは!よりによって今日この日に〜〜(爆)。
特別カーテンコールでは中川君のほかに市村さん、祐一郎さん、高橋さんからの一言挨拶があり
(彼女が2000回目指して頑張りますというと、市村さんが卒倒して倒れてたのが笑えた 笑)、200回ということで中川君よりも多くヴォルフを演じているという井上君も記念Tシャツを着て登場。また、3年前にアマデを演じた子達もお祝いに駆けつけてました。みんな見違えるように大きくなっててビックリ。皆もう中学生になっててそれぞれの道を歩いてるみたいです。それから、現在のアマデも勢揃いして一言ずつご挨拶。アマデ姿で話している子役達・・・はじめて見た(笑)←アマデは劇中一言も話さないので。
そんなこんなで約20分くらいの特別カーテンコールがあり、楽しめました。すみません、こんな簡単なレポートで・・・。本当にこの程度しか記憶に残らなかったんです(涙)。せっかくの棚ボタ的チケットを無駄にしてしまった気分だ〜〜(涙)。