3月3日(水) 14時開演
タ・マニネ「ワニを素手で捕まえる方法」 PARCO劇場

出演者: 小林薫、荒川良々、片桐はいり、緒川たまき、小澤征悦、徳井優、岩松了ほか

あらすじ

舞台は或る港町の古びたホテル。出航する船に乗り遅れて戻ってくる泊まり客が多いので それを防ぐ為ホテルの時計は常に5分すすんでいる。善意のホテルなのである。 今そのホテルで、ワニの密売が行われようとしている。ホテル経営者のユキ(緒川たまき)、暴力団組員の丸尾(荒川良々)、ホテルのフロントで ウロウロしている娼婦うさぎ(片桐はいり)、ワニ捕獲員の資格を持っている流しの歌手フレディ(小林薫)等、様々な人々を巻き込み問題が派生してゆく。このホテルでワニの密売が行われようとしていた。密売者は日系インドネシア人のハジール(小澤征悦)買い手は暴力団組長(三谷昇)。ところがこのワニが逃げ出してしまい…

私の苦手な岩松了さんの舞台作品・・・ただファンである小澤くんが出演するということだけでチケットをゲットしてしまいました(苦笑)。前回の『月光のつゞしみ』も北村一輝さん目当てで行って、なんとなくわからないまま出てきてしまったので(^-^;; 今回も題名からして良くわからないこの作品に不安を抱いてはいたのですが・・・と、この先はもう少し後で。

タマニネというだけあり、パンフもたまにしか売らないそうな(笑)。そのパンフ、やはり一味違い妙に味があります。役者の紹介、舞台稽古写真などが掲載されているのはいつもの通りなのですが、なんと、後ろには
第一幕のシナリオまで載っている!!これはちょっとビックリしました〜。しかも料金800円。うん、お得! ただ、そのシナリオを読んで理解できたかどうかは別問題ですが(爆)。
この日はシアターテレビの収録班が来ていて劇場のあちこちにカメラが何台も構えられておりました。で、私は中盤から後ろよりの席だったのですが、その後ろは関係者がポロポロ座っている状態で・・・実質一番後ろでした(笑)。ただ、あの舞台を見るのにはあの後ろの席でかなり良かったかなと(^-^;; とにかく人物の動きが激しかったですからねぇ。
あと気がついたことといえば、有名人。すぐそばに
篠井英介さんが座っていらっしゃってちょっとドキドキ。舞台ではあんなに色っぽい篠井さんですが、素の姿は本当に普通のおじ様といった感じでした(笑)。時々反応をうかがっていたのですがけっこう所々で受けてました(笑)。あと、私は見逃してしまったのですが杉本哲太さんもいらしていたそうです。

さてさて、肝心の舞台の内容ですが・・・私的な感想はヒトコト・・・
「ああ〜・・・こう来たか(爆)」。全体的にB級のコメディものということは解説とかで知っていたのですが、本当にそんな感じ。で、好きな人はすごくはまると思います、この舞台。なんとなく、通好みというか・・・気に入ればとても「面白かった」と言える作品です、きっと。
でも私はやっぱり岩松さんの作品は性に合わないようです・・・。前回の『月の〜』以上に
最後までストーリーについていくことが出来なかった(苦笑)。とにかく人の動きが多いというか、一場面に複数人の感情がめまぐるしく動いているのでそれをじっくり感じる暇がないというか・・・それ以前に話の内容も理解できなかったし言わんとしていることすら分からなかった・・・。なんていうのかなぁ・・・とにかく一つの物語って感じじゃないんですよね。物語に隠れている『言いたかったこと』みたいなものが結局最後の最後まで私にはさっぱり見えてこなかったんです。終始、「なぜ?」が抜けなかったという感じで・・・理解しようと必死になっている間に疲れが出てしまい(苦笑)、最後には疲労感だけが残った感じでした(^-^;;;; だって、未だに分からないんですもの・・・なぜそこにワニが出てきていたのか・・・丸尾があの結末を迎えるのはなぜなのか・・・ユキはいったいどんな人種だったのか・・・深く考えてはいけなかったのかなぁ。う〜ん・・・やはり私には岩松作品を理解することは出来ないまま終わってしまった〜(涙)
というわけで、今回はあらすじに関する感想が一切書けません(爆) 

ストーリーはどうしてもついていけなかった私ですが、とりあえず俳優さんだけは何気にチェックしておりました(笑)。
小林薫さん、初めて生で拝見しましたけど飄々としている中にすごいカッコよさを持っている人だなぁと感動いたしました。流しのギター弾きという設定で弾き語りも披露してくださったのですが、とても今までやったことがないとは思えないほど自然でよかったです。皮パンがとっても決まってた素敵なおじ様でした。
片桐はいりさん、やっぱり上手い女優さんです。あの独特の味のある風貌(笑)をものの見事に生かしている演技は流石ですね。しかしあのどぎついメイクは恐かったかも・・・(^-^;;; 近くで見られた方は相当こわかったみたいです(笑)
大人計画の
荒川良々さん、そのテンションがまさに大人計画でした(笑)。とにかくあの捨て身の演技は圧巻で、ワニを捕まえにパンツ一丁で川に飛び込むシーンはかなり笑えました(^-^;; ぶっ飛んでんだけどどこか哀れなヤクザものをとても上手く表現していたように思います。
緒川たまきさん、はじめ彼女はあの独特の濃い〜メンバーに打ち消されるのではと心配していたのですが、思いっきりマイペースで自分の色を出していました(笑)。美しさに加え、身のこなし方も流れるよう・・・感心いたしました。ただ、もう一つ何かが足りないような気も・・・したかなぁ。
で、チケットを取らせた張本人(笑)
小澤征悦くんですが、前回の舞台『さくら』では私的には納得のいくものではなかったので実はけっこう心配していました(爆)。あの芸達者で個性的な面々の中に入って大丈夫なのかとか、声の調子はちゃんと千秋楽まで続くのだろうかとか、棒読みっぽくならないかとか・・・とにかく心配のほうが大きかった(笑)。で、いざふたを開けてみると・・・おお!ちゃんと舞台の流れに溶け込んでいた!!登場してから5分くらいでもう私の中では安全圏に突入です(笑)。上記の通り話の内容には全くといっていいほどついていけなかった私ですが、小澤くんだけはずっと注目しておりました。一つ一つの動作もけっこう自然だったし、動きもなかなか軽やかで自然な流れの中で駆け回っていたのがとても印象に残りました。インドネシア人ということで英語もたびたび登場したのですが、彼の英語はやっぱり美しい。ま、ちょっとタマニ(笑)それは英語で言わないほうがいいんじゃないかと思うこともありましたけど(なんとなく会場が引く瞬間があったので・・・)全体的にはうまく使いまわしていたと思います。
で、想いを寄せている相手が緒川さん演じる『ユキ』。もう何回も
「ユキ、ユキ!」って追っかけまわしててそのたびに振られちゃって・・・といった展開が多かったのですが、「ユキ」って自分の呼び名でもあるんだよねぇ、小澤くん(笑) などと別のところで楽しんでしまった私はやっぱり彼のファンなのか(笑)。振られるたびにすねちゃうところも可愛くてよかったです♪それに歌声もラッキーなことに聴くことが出来たのですが、なかなかいい声をしている!まぁミュージカルで使えるような上手さとまでは行かないまでも、内野さんのように訓練すれば将来的にはオッケーかも〜と思ってしまいました。なんだか舞台の筋そっちのけで、ファン視線で見てしまっていた私なのでした(笑)

個人的には今回の舞台の内容だけで見れば、自分が全く乗れなかったことと、見終わったあとにどっと疲れが出たことを鑑みて最低評価ということになったのですが、小澤くんの成長に期待が持てる!ということを発見できたのでワンランク上げてみました(笑)。でも、小澤くん、次回はもう岩松作品には出演しないでほしいなぁ・・・(爆) 
苦手分野のお芝居は乗れないとかなり辛いので(涙)。
ちなみに、これはあくまでも私個人的な感想です。舞台が駄作であるというわけではなく、私個人が好きになれなかっただけですのであしからず・・・。
おそらく、演劇評価としてはこの作品は高いと思います。