6月30日(水)/7月15日(木) 14時30分開演
「ジーザス・クライスト・スーパースター」エルサレムバージョン 四季劇場・秋

出演者: 柳瀬大輔、芝清道、佐渡寧子、高井治、村俊英、大塚俊、下村尊則(30日)/半場俊一郎(7月15日) 

あらすじ

ローマ帝国領パレスチナではユダヤ国王ヘロデ(下村尊則/半場俊一郎)、ローマ帝国総督ピラト(村俊英)、そしてエルサレムは大司祭のカヤパ(高井治)等の支配による圧政に民衆達が苦しんでいた。そんな時、救い主として現われたのがナザレのジーザス(柳瀬大輔)だった。今まで苦しみのなかで生活していた人々はジーザスに熱狂的に傾倒していく。ところが、それを危険分子とみなしたカヤパ達はジーザスを亡き者にしようと画策する。一方、ジーザスの弟子のなかでも片腕的存在だったユダ(芝清道)は次第にジーザスの心が理解できなくなり、彼を愛していながらも追いつめられ、ついにはカヤパ達の策謀にはまりジーザスを裏切ってしまう。また、マリア(佐渡寧子)は次第にジーザスに惹かれていく自分に戸惑いを感じていた。刻一刻と自分の死が迫ってくることを知るジーザスは苦しみながらも「神の御心のままに」とその運命に身を委ねていくのだった…

劇団四季は最近ご無沙汰だったのですが(^-^; ミュージカルの中でも5本の指に入るほど大好きな作品『JCS』が四季劇場に帰ってくるとあっては黙っておれず(爆) エルサレムとジャポネスクを2度ずつ・・・合計4枚のチケットを手にしてしまいました。ジーザスはロイドウェバーの一番初期の作品なんですけど、何度見てもあのロック感覚には胸揺さぶられてしまうんですよね〜。そんな感じでワクワクしながら観劇した今回、キャストも柳瀬さんと芝さん以外はほぼ一新されていてますますパワーアップしておりました!!
ただ、6月30日に観に行ったときがちょうど運悪く
修学旅行生の観劇客が入ってて・・・おとなしく見てくれれば問題ないんですけど・・・これがけっこう感情に正直な子が多くて(苦笑)。エルサレムバージョンはオープニングがけっこう衝撃的なので(ライトが当たると舞台のあたり一面に人が大量に倒れている状態 笑) 会場が一気にザワザワで包まれておりました(^-^;; ザワザワというか・・・変な笑いも起こっていたかも・・。まあ、その反応を出したくなるのはよく分るんですけど(私だって初めて観た時にはギョッとなったし 笑)、出来ればもう少し感情を内にしまってほしかったなぁ〜。私はあのオープニングでいつも気持ちをグッと乗せて入れ込んでいくので、あの日だけはちょっと出鼻くじかれたような感じがして残念でした・・・。引率の先生が必死になって『シー!』と生徒をなだめまくること約5分強(苦笑)・・・先生もこういう時辛いよね。でもその後は意外とじっくり見てくれてたようで、カーテンコールではかなり盛り上がってました(^-^; 特に、芝さんのユダには黄色い歓声がけっこう飛んでたかも(笑)。

さてさて、2回観れた今回の『JCSエルサレムバージョン』ですが・・・
めちゃくちゃよかったです!!!!もう、あのオープニングで群集がジーザスにたかっているシーンからゾクゾクですよ〜〜!思わず自分の体も動いてしまってて、気がつくと一緒に歌ったりしていました(笑)。芝さんのユダは前回よりもさらに心の痛みを表現していて、まさに切なさアップ(;_;) それから、今までちょっと聞き取りにくかった歌詞もかなり分かりやすく歌っていたのが印象的でした。以前は『ん?なんて言ったんだ?』と思ってしまうことが正直何度かあったのですが、今回はかなり分りやすく歌ってくれました(♪誰が来たくて来るものか〜♪とか)。エルサレムバージョンのマリアは佐渡さんが演じていらっしゃいました。佐渡さんといえば・・・東宝ミュージカルで活躍していた方、という印象が強かったんですけどいつの間に劇団四季に・・・(笑)。でも、さすが元オペラを勉強されていただけあって歌声がとっても綺麗でした。特に「♪どうぞ〜冷たい水で〜♪」のあたりの声がすごく美しかった!雰囲気的にも娼婦なんだけどどこか高貴な部分を持っている・・・そんな感じが素敵(^-^)。 ただ、けっこう保坂知寿さんのマリアを聞きなれてしまっていたので、そういったところではちょっと物足りない感じもあったかも(^-^; でも柳瀬さんとの釣り合いのバランスはけっこう良かったからあまり気にならなかったんですけどね。ジーザス側であと一人またすごい俳優さんが出たなぁ!と感動したのがシモンの大塚さん。今まで喜納さんの迫力あるシモンを聞いてきたので新人さんはどうなんだろう・・・と思っていたのですが、これがすごく良かった!!まず、声がすごく出ているっっっ!!しかも、かなりロック調でガンガンに歌ってくれてたんですよ〜〜(^o^) おかげでシモンのナンバーで私の体は全身ゾクゾク鳥肌がたちっぱなし状態に(笑) ほんっと素晴らしかったです!四季にもまたこうして歌える役者さんが育っているんだなぁなんて思うと嬉しかったりして(^-^)。今後大塚さんは私にとっての四季の注目株になりそうです♪
ジーザスの敵側では、実はカヤパの高井さんは今回が初見!オペラ座の怪人を見た友人が『高井さん、いい声出しててなかなかグッドだよ』と教えてくれていたのですが、ついにジーザス出お目にかかることが出来ました。なるほど!さすがはオペラ畑の方で低音がとっても綺麗に響いてました。しかも、あの憎憎しいカヤパの様がよく表現されていて実にうまかったです!
ミッキーの耳状態の被り物も似合っていたかも(笑) で、その腹心アンナスには前回まで迫力あるシモンでゾクゾクさせてくれていた喜納さんが!アンナスって高温になったり低音になったりすごく難しい音域を歌わなきゃいけなくて、以前は何度もハラハラさせられたところもあったんですけど・・・さすがは喜納さん!危なげなく安心してみてられました(^-^) 悪役関係で嬉しかったのが小林克人さん♪ オペラ座の怪人でラウルを見てから友人とずっと応援している俳優さんなので、こうしてまた舞台でお目にかかれてよかったです(^-^) やっぱりカッコよかった・・・♪ ピラトには村俊英さんが配役されていたのですが、これがまたかなりよくて!!光枝さんも好きだったんだけど村さんのピラトもなんだか切なくてよかったです。特に鞭打ちの刑のときの村ピラトが・・・なんか見ていて胸が痛むような・・・そんな感じだったんですよ〜(;_;) 村ピラトもファンになっちゃいました(^-^ゞ
当時は『スルース』と掛け持ちだった下村さん。ヘロデは今回2度目に観たときは半場さんだったのですが、修学旅行生で賑わっていた(爆)1回目に下村ヘロデに会うことが出来ました!比べるのはいけないと思うんだけど・・・でもやっぱり
ヘロデは下村さんが適役です(^o^) あのワンシーンだけで観客の心をグッッと掴んでしまえるのは本当に流石としか言いようがないです!とにかく下村ヘロデは超美しい!!しかもかなりお茶目でなんだか憎めない(笑) もう動きの一つ一つに目が離せないんですよ〜華やか過ぎて。半場さんもいいんだけど、下村さんと比べてしまうとどうしても地味に見えてしまうんですねぇ(^-^;; 今回は舞台掛け持ちということで下村ヘロデには会えないかも・・・と思っていたので1度でもエルサレムバージョンの美しい下村さんを堪能できてよかったです♪カーテンコールでもやっぱりひときわ大きな拍手と声援が飛んでましたしね(^-^)
さてさて、そしてやっぱり
ジーザスといえば柳瀬大輔さん!!私は祐一郎さんのジーザスを観たことがないので比べることは出来ないのですが、柳瀬さんのジーザス・・・またまたさらに素晴らしいものとなっておりました!群集たちを惹きつけるカリスマ性のようなものもすごく感じたし、そして何より、その存在自体が『切ない』んです(T_T) 表情の一つ一つがなんだかとっても辛そうで・・・思い出すだけでも胸が痛む〜〜〜(;_;) 柳瀬さんは今回のジーザスを演じる前に映画の『ジーザス』を見たそうで、それでさらに感情面にも深みが増していたのかもしれません。『誰一人私の心を分ってはいない』とか『ここは私の祈りの場だっっ!』とか『自分で治せ!!!』とか、感情を爆発させるときの柳瀬ジーザスの表情がとにかくものすごく切ないっっっ(T_T)。もう何度も観てて胸が苦しくなってしまいました。そんな切ない柳瀬ジーザスと芝ユダの一番激しいシーンがあるのですが(ジーザスを売ってしまったユダとこうなることを予感してながらユダを敵の下へ行かせようとするジーザス)、今回ここで泣きました〜〜(T_T)。観ていて全てが痛々しいんですよ・・・ラストの鞭打ち39回よりもある意味本当に痛々しい・・・!!二人の表情を見て今回は自然にボロボロ涙出てしまいました(T_T)。まさに『切なさ』の全てがここに詰まっているといった感じで・・・う〜ん、見ているこちらはすごく辛いんだけど・・・それでも何度もこのシーンは見てみたいと思ってしまうんだよなぁ。
ジーザスが痛めつけられているのを観て絶望したユダは気が狂ったようになって地獄へ落ちていくのですが、芝さんの壊れっぷりがまたすごく切なくてよかったです!!「なぜだぁぁぁ」と連呼するその声がとっても悲しくて痛々しくて、地面に吸い込まれていく芝ユダを救う手立てはなかったのか・・・なんて考えてしまうほどでした。で、ラストシーンで十字架を運ぶジーザスをバックに『スーパースター』をノリノリで歌いながら復活してるんですが(笑)、さっきまでの苦しみからは解放されたように
ガンガン飛ばしまくっておりました〜〜(^o^) 好きだわ〜この曲!脇のソウルガールも相変わらず美しかった・・・。あの体型は・・・羨ましい(爆)。
舞台のラストシーンはジーザスの磔で終わるのですが、毎度毎度私はここで余計な心配をしてしまうんですよねぇ(^-^;; 
十字架に磔られた柳瀬ジーザスがちゃんと無事に終われるのか(笑)。死ぬ直前に絶叫しているときなんて十字架がガタガタ揺れてるもんだから見ているこちらは毎回ヒヤヒヤもんです(^-^;; でも、幕が下りる間際の光加減はすごく好き!とっても美しいんですよ〜。あれは本当に一見の価値ありです! 余談ですが、エルサレムバージョンの柳瀬ジーザス、磔られた時のお腹のたるみがちょっと気になりました(笑)。でもそれ以上に演技がよかったからいいんですけどね(^-^)

ジーザス・エルサレム今回も心底堪能することが出来ましたっ!まだ未見の人はぜひ一度ご賞味あれ!!