11月12日(水)マチネ
ミュージカル「砂の戦士たち」 サンシャイン劇場

出演者: 石川禅、駒田一、吉野圭吾、平沢智、本間憲一、坂元健児、横田栄司  ほか 

あらすじ

日本のとある劇団で劇場による合宿が行われようとしていた。亡き主催者に捧げるために選んだ演目は『砂の戦士たち』。この合宿を通して砂の戦士たちのように仲間意識を強めようと後任を任されていた神山は張り切るが、団員達はそれが鬱陶しい。
そして、合宿メンバーによる砂の戦士たちの稽古が始まった…

ミュージカル界のいい男軍団が大勢出演するということで、どうしても行きたい衝動に駆られ開演間近に購入したチケットでした(笑) 劇場内にはNHKの朝ドラからもお花が届いていました♪てるてるの振り付けしてるんですよねぇ、謝先生。他にもかなり大物からの花が多く、さすがだなぁ…とため息。
この日は初日の次の日ということもあって、観客席は非常に華やかでございました。特に私の座り位置のすぐ前のほうには、
宝塚のけっこう有名どころらしき方々がずらり(あまり詳しくないのでお名前など分かりませんでしたが、そのオーラは普通じゃなかった…)、さらに、向こう斜めのほうには劇団四季の樋口さんなどもいらしており、客席内は始まる前から妙にざわついておりました(笑)
そして極め付けが…すぐ後ろに記録用のビデオと(笑)TS関係者、そして、ダメ出し用の資料を片手に持った謝珠栄先生!私初めて謝先生間近で拝見したんですけど…やはり
濃いお方でした(笑) なんか後ろに謝先生がいるとこっちまで緊張感が出てきちゃって…なんか落ち着かない感じがしてしまいました(^-^;; そして更に私を舞台に集中させない出来事が…次回公演のパンフレット。もう、始まる前にこれ見なきゃ良かったよぉ…。と、いうのも、次回公演の出演者の中に宮川浩さんと畠中洋さんの名前が載っちゃってるじゃありませんかっっっ!! ちょっと!これはもう私にとっては大事件で(笑)、始まる前からこのことで一人で大興奮してしまい(爆)…これで更に落ち着きがなくなったところで舞台が始まってしまったわけです(^-^;;;

と、色々な要因が重なってなんとなく最後まで集中できなかったせいもあるかもしれないのですが(^-^; それを除いたとしても今回のお芝居の内容は個人的に
△マイナスといったところです、ハイ。最初に期待しすぎちゃってたのがいけなかったのかもしれないなぁ。
まず、冒頭から突然、
砂の戦士たちの劇中劇から入るのが驚いた。ある劇団の劇中劇の話と聞いていたので、いきなり初めに戦士たちが飛んだり跳ねたりアクロバティックな動きで攻められるとちょっと「あれ?劇中劇じゃないの?」と疑問符が…。しかも、この冒頭部のアクションがものすごく長い…。いや、ショーとして見るんだったらすごいなぁ〜〜〜と感動して見られるんでしょうけど、あくまでこれはミュージカル・物語だと認識していたので激しく長い役者さんたちのアクロバットは正直疲れたです、ハイ。
いつになったら本題に入るのかなぁ…などと気にかけていると、この先かなり長い時間『砂の戦士たち』の劇中劇が続いていきました。
1幕の中盤から後半に入りかかるところでやっと現代の劇団に…。ここまで引っ張られてしまうと、なんか逆にこの現代の劇団のお話がかなり軽く思えてしまいました。砂の戦士っていったい何なの?ってところで現代に突然変わって、ようやくその説明が出てくる…この構成はかなり分かりづらいぞ(苦笑)。で、現代の劇団員達は・・・戦士達と違ってかなりダレてる(笑) とてもさっきまで気を張り詰めて動き回っていた人たちとは思えないんだなぁ、これが(^-^;; しかも、劇団員のほとんどが『砂の戦士』の稽古をすることに疑問を持ってて初めのうちはかなりやる気がない。そんな人たちがあんな激しい人物に突然変われるんだろうか…。 もうこんなことを気にしだしたら止まらなくなっちゃって1幕はハッキリいってあまり記憶にございません(爆) なんか疲れだけが残った1幕といった印象です。

2幕に入るとようやくこのミュージカルに慣れてきたらしく(笑)、いくらか集中して見れました。というか、2幕のほうが話がどんどん動いていくので分かりやすかったのかも。劇団員と戦士達との重なる部分とかも分かったし、色んな登場人物たちの苦悩や悲しみにもジンときたことが多かったです。が、
あのラストはいったいなぜ!? あまりの突然の展開にビックリ&疑問符が…。あんなに仲間が結束して劇団がひとつにまとまって、ハッピーなムードだったのに実は稽古中に一人死んでしまっていたとは…何故ですか〜〜〜!しかも、戦士の運命と関係ないエピソードだったし。本来は感動すべきシーンなのかもしれませんが、私はこのとき「じゃあ、彼の役はナシで本公演を行ったのか?」とか、「あの役がいないと砂の戦士たちって上演出来ないんじゃないの?」とか、余計なことばかり気になってしまいました(苦笑) なんだかなぁ・・・。未だに彼が死んでしまったことが納得行かない私なのでした。

それとねぇ・・・やっぱり後ろにTS関係者と謝先生がいるっていうのは
客にとってはよくないわ(苦笑)。だって、ダメだしっぽい場面になると後ろでボソボソと相談したりしてるし、進行の紙のパラパラいう音も気になるし、シリアスなシーンで関係者によるマニアな見方があるのか微妙な笑いが起こってるし…(爆) ちょっと、客席と演出関係の席せめてもう一列空けてくれないかしら…と本気で思ってしまいました(苦笑)

そもそもこの物語は
現代と劇中劇の二つを一気にやろうとして、消化しきれなくなったといった印象を持ちましたね。だって、あんまり劇中劇の人物と実際の人物の共通点っていうのが見えてこなかったんですよ。唯一、なんとなくわかるかなぁと思ったのが、石川禅さんだけ。しかも、登場人物がただでさえ多いというのに更に劇中劇の名前も出てくる…13×2=26もの名前が飛び交うわけで…ややこしいし、とてもじゃないけど誰が誰だか最後までわからなかった(苦笑) もう、名前を確認するために頭を総動員している間に話が先に進んじゃって…しまいには、本当に役者さんの顔と名前まで一致しなくなりそうでした(爆)
もしもこの話を再演させようとするならば、やはり現代の劇団員達のエピソードは要らないと思います。そうすれば、名前も少ないし(笑)、ストーリーも入り込みやすいんじゃないでしょうか。

と、今回かなり辛口感想ではありますが、
キャストに関していえばさすがにいい男達をそろえたとあって見栄えよかったです(^-^) 石川禅さんは久しぶりに主役級で出番も多く、ソロナンバーも素晴らしい歌声でのびのびと唄っていらしたのが印象的でした。それに、ダンスも以前よりも息が上がらないように踊っていたようだったし(笑)。それにやっぱり演技は禅さんがピカイチでしたねぇ。すごくよかったと思います。
吉野圭吾さんはレミゼの時にはあまりいい印象がなかったのですが、今回は曲調が吉野さんに合っていたのかとても自然に歌えててよかったです。あの長身でキレのあるダンス・・・カッコよかった〜。
ダンスといえば、
坂元健児さん!彼のアクロバティックを久しぶりに見て…デビュー作の劇団四季「美女と野獣」のジュウタンを思い出してしまいました(笑) 最近は歌の面がすごく印象的だっただけに、彼がアクロバティックを得意としていることを忘れていたようです(^-^;;; 役柄の中でもいつも現代ではダンベル持ち歩いたりしてたし(笑)なんかすごく可愛かった♪
他の役者さんたちもすごく生き生きと動いていてよかったと思います。役者がよかっただけに、今回のお話はちょっと惜しい気がしますねぇ…。ざんねん。