8月27日 (水)
ミュージカル「シンデレラ・ストーリー」 青山劇場

出演者: 大塚ちひろ、井上芳雄、デーモン小暮閣下、池田成志、橋本さとし、川崎麻世 ほか

あらすじ

昔、とある王国の物語。城の中では王子・チャールズ(井上)の捜索が行われている。国の援助為に見合い結婚させられそうになっていたチャールズは、そのことに嫌気がさして逃げ回っていたのだ。大臣・ピエール(橋本)は必死に説得するが、「本当の愛」を模索する王子の耳には届かない。
一方、貧しい庶民のシンデレラ
(大塚)は、父・シャルル(デーモン)の再婚相手・ベラドンナ(池田)とその娘達に毎日イジメとも取れるような扱いを受けていた。そんなある日、お城からパーティの知らせを伝えにピエールら使いがやってくる。「国中の歳頃の娘は全員出席するように」と。大喜びのベラドンナと娘達は、シンデレラに家の全てを押し付けてパーティに行ってしまう。
落ちこむシンデレラを慰めようとネズミたちが慰めるが、その言葉はシンデレラには届かない。そこへやってきたのは『愛の魔法使い』
(デーモン)。不思議な呪文でシンデレラをを驚くほどに変身させる。シンデレラはかぼちゃの馬車に乗って城へ向かう。
城で王子と目が合ったシンデレラ。王子は人目でシンデレラに恋をする。二人の恋の行方は・・・

デーモン小暮閣下の大ファンである友人に誘われるまま観に行ったミュージカルでした(笑) もうこの友人のテンションは異様に上がっていたのですが(^-^; 私は正直そこまで楽しみにしてませんでした。というのも、キャスティングがあまりにも濃すぎたので(笑) ミュージカルというよりはショーの色が強いものだろうなぁと予想してしまったからです。・・・と、ところが!私の開演前の気持ちがあまり盛り上がってなかったせいもあるかもしれませんが・・・かなり面白かったですっ!!たしかに、けっこうショー的部分が多かったですが(アドリブがかなり多かったし)、私的にはあれはOKの範囲でした(笑)

以下、今回の感想には(笑)マークが多用されております。いや、なんか、笑うしかないようなシーンが多かったんで(^-^; 読みにくかったらごめんなさい。

舞台が始まる前に突然客席に現れる衛兵達。『チャールズ様〜〜』とひたすら井上君扮するチャールズ王子を探しまくっておりました(^-^; この展開を予想していなかったので、最初
何事が起こったのか分からなかった私たちでしたが、まぁ〜10分近くくらい客席を歩き回ってたキャストの皆さんお疲れ様でした。だんだん探し人も増えてきて(笑)いつまで探すのかなぁ〜と思っていると、いつの間にか皆さん舞台の上へ・・・で、なんのオーバーチュアも無いまま自然に物語が進行し始めておりました(苦笑) ちょっと呆気にとられたような始まりだったけど・・・まぁ、こんなんもありかな(^-^;
物語は、予想に反して
私たちの知っている『シンデレラ』に添っていたのである意味意表をつかれました。というのも、題名では『シンデレラストーリー』とうたっていながらも実は、シンデレラに類似したようなオリジナルだと思っていたもので(^-^ゞ。ですが、キャストがあまりにも濃くてしかも物語的にもメルヘンのなかにシビアさも混じっていてと・・・とにかく飽きないような展開がてんこもりでかなり笑わせていただきました(笑) 特にシンデレラの物語の悪の象徴(笑)・成志さん扮する継母を筆頭とする姉二人が最高に楽しかった!もう完全に『シンデレラ』喰ってました(^-^; とにかくものすごい存在感で、あの人たちだけで3時間持ちそうな勢いでした。あとは魔法使いシーン・・・最大の山場は1幕のクライマックスなのですが、まさにデーモン閣下の為に用意された時間でございましたわ〜(笑) 会場の雰囲気はさながら『聖鬼魔U』のロックコンサート状態で、閣下ファンの友人はそれはもうノリノリでございました(笑) かといってここはロックだけかといえばそうではなく、シンデレラの本当の母親との関係や、魔法の秘密などが明かされ「なるほど〜」と唸れるような展開もあり、大変見応えがあったと思います。まぁ、このくらいオンステージの場所がないと閣下をキャスティングした意味もなかっただろうし(苦笑)、これについては賛否両論あるかと思いますが、私は十分楽しませていただけました。
2幕に入ると、
ようやくシンデレラと王子の物語が始まりますが(^-^; 王子を取り巻く家来衆たちがまた楽しいメンバーというか濃いメンバーで・・・どちらが主導権を握っているのか分からなくなることもあったりしました(苦笑) 特にピエール役の橋本さん、さすがは劇団新幹線!終始テンション絶好調でございました。挙句にネズミたちもこれが一癖も二癖も三癖もあり・・・ワハハ本舗の佐藤さんはお笑い担当・東山さんはダンスで魅了・そして極めつけは閣下の歌舞伎俳優さながらのチュウ之丞・・・ホントに誰が主役なんだかわからないような展開でございました(^-^; 
で、肝心のシンデレラと王子はといいますと・・・あの濃い〜〜メンバーの中の清涼剤といった役割を果たしておりました。とにかく二人がとっても初々しくて、ここだけはメルヘンチックでとにかく可愛い!特に
井上君の王子は最高に輝いていて私は完全に目を奪われておりました(笑) しかも井上王子はただカッコいいだけでなく、側近の橋本さん演じるピエールと掛け合い漫才みたいなことまでやっちゃうし、色々な意味で大変魅力的でございました(笑) もちろん、シンデレラとのラブシーンからガラスの靴事件まで・・・キッチリ真面目なシーンも魅せてくれました。

しかし、クライマックスのシーンでは「?」と思うような展開が待ち受けてました。短い童話では、最後はシンデレラがガラスの靴を履き王子といとも簡単に幸せになったという事で終っていますが、舞台では幸せになるまでに紆余曲折があったことが描かれてます。王子の両親(つまりは王と女王)が、シンデレラと王子では身分が違いすぎるからと結婚を反対するのです。引き裂かれそうになった二人・・・。王子はそれならば駆け落ちでもしてシンデレラと結婚しようと決意しますが、そこへ魔法使いが現れ、実はシンデレラは高貴な生まれだったという証文を王に示します。その証文を見て王はあっさりとシンデレラとの結婚を了承してしまうのですが・・・
この展開はいいんだろうか??どうせなら王子が最後まで身分違いのシンデレラとの恋を貫き通して、王と王女を納得させるという展開にして欲しかったですねぇ。受け止め方によっては、ちょっと子供の情操教育に悪影響が出るのでは?とおせっかいながらちょっと心配してしまいました(^-^; そもそも、あの魔法使いが出した証文は偽者なのか?本物なのか?私としては本物であってほしいなぁ。だとしたら、魔法使いが出した最後の切り札っていうことで多少納得いくし。まあ、何はともあれラストは楽しい結婚式シーンでよかったけど(笑) 

さて軽くキャスティングについて。
大塚ちひろちゃんは、この舞台がはじめてということで。この舞台の前に放送されていた昼ドラに出演してるのを見ていたのですが、実際のちひろちゃんもすごく可愛かったです。テレビでは台詞回しがちょっと頼りない感じがしたけど、舞台ではハッキリした台詞回しで感心!これでもう少し歌唱力がついたら将来もっと活躍できるのではないでしょうか。楽しみな女優さんです。
王子の
井上芳雄君。私、今まで井上君のことは「歌も上手いし、なかなか奇麗な顔立ちの子だな」程度にしか思っていなかったんです(爆) が、今回それよりも2段階くらい上の感情が芽生えました(笑) なんか見ててドキドキしたし井上王子に首っ丈(爆) 周りのものすごく濃いメンバーと上手く調和していたし本当に魅力ある俳優になったなぁと思いました。今後は今まで以上のファン視線で井上君の舞台を観に行きそうです(笑)
今回の舞台の功労者(?)の一人として大いに注目したのが
池田成志さん!!初めは役柄が継母だと聞いて、けっこうおかまっぽくて不気味路線かしら?(爆)などと失礼なことを思っていたのですが、それがとんでもないっっ!あんなにしっくりピッタリ継母がはまるとは!!正直私はえらいカルチャーショック受けました(笑) 元が男性ということもあり(笑)、体格的にも大迫力の継母で!怖くて憎たらしいんだけどおチャラけもあったり、時々男性に戻ったり(笑)、まぁ〜〜とにかく成志さん最高でございました!!ツボだったのは橋本さんにドロップキック浴びてたところかしら(爆) あの時は継母ではなくご本人として格闘していたのでは(^-^;;
そしてこの舞台の影の主演といってもいいのが、
デーモン小暮閣下の3役でありました。閣下ファンの私の友人は狂喜乱舞しておりましたが(笑)、特別なファンではなくても彼のエンターテイナー性にはいたく感動させて頂きました。最大の見せ場はやはり魔法使いでロックコンサート張りにはじけまくっていましたが、それがまた歌が上手いんですわ、この方!だからオンステージになってたとしても私は充分堪能させていただけました。しかも、魔法の呪文が面白くて(どうやら毎ステージ違う呪文だったらしい!)、私が見たときはちょうど火星大接近だったものでタイムリーに呪文の中に「火星大接近」と入っていたのには笑いました(^-^; 他にも笑わせどころをちゃんと抑えているようなあの芝居・・・う〜ん、彼は一種のエンターテイメントの天才かも。魔法使いの他にも、顔は派手だが衣装が地味で、完全に成志継母の尻に敷かれてる(笑)シンデレラの父親、王子の住むお城で一番エライ歌舞伎役者張りネズミ(^-^; のチュウ之丞と、3役を上手くこなしていました。パンフによれば台詞覚えが一番悪いそうですが(笑) これだけ楽しませてくれるんだからたいしたものです。また違った舞台でも閣下に会ってみたくなりました。

と、けっこうお気に入りのミュージカルではありましたが一つ気にになったのがオケ。とにかく閣下が出演しているからか知らないが、
ロックコンサート張りの音量で正直、歌詞が聞き取れない方が何名かいらっしゃいました。それが残念…。という理由だけではないのですが、DVD購入してしまいました(爆) 
あとパンフレット。今回はビニールの中に入っているので何かと思えばスゴロクなどのおまけつきでした(^-^) しかも中身はけっこう井上君とちひろちゃんの写真集っぽい!特別なファンでなくともけっこう嬉しい内容でした〜