9月25日(木)13時開演
ミュージカル「レ・ミゼラブル」 帝国劇場

出演者: 石井一孝(バルジャン)、高嶋政宏(ジャベール)、泉見洋平(マリウス)、
      ANZA(ファンティーヌ)、 マルシア(ファンティーヌ)、河野由佳(コゼット)
       坂元健児(アンジョルラス)、駒田一(テナルディエ)、森公美子(テナ夫人)

詳しいあらすじはこちらを参考にしてください。

−注意−

今回の感想も全体的に辛口(笑い?)が多いです(^-^; どうぞご注意くださいませ…




前回久しぶりにレミゼを観た時、カットシーンが多いことへの戸惑いもあり評価的には低かったので・・・今回の観劇はちょっと前回とは違って色々と覚悟を決めつつ…といった心境で行ってまいりました(苦笑) その甲斐あってか、前回ほどのあらすじに関するショックは受けなかったんですけど・・・でもやっぱりどこか変に冷めてて乗れない自分がいたんですよねぇ。10周年記念公演のときはあんなに興奮して通いまくっていたミュージカルだったのになぁ。

覚悟を決めていたとはいえ、やっぱり今回もバルジャンのマリウスへの告白シーンはどうしても納得いきませんねぇ。
やっぱり変だよ、突然「話がある」ってきりだしちゃ(苦笑)。前回まであった「♪愛する息子よ。私も話そう恥に満ちた物語を。君だけに・・・」と言う部分は告白前のバルジャンの決意と、マリウスに対する心情がものすごく染みてて感動するところ。それにここの旋律が本当に好きだったので・・・前回ほどのショックはありませんでしたが、すごい違和感を感じずにはいられませんでした。本当に、ここをカットしたわけを聞きたいよ!そんな気持ちで見ていたせいか、このシーンのマリウスが「きょとん」として訳がわからないといった顔に見えてしまう私なのでした(^-^;; なんか呆気にとられた表情は可愛かったけど・・・でも本当の話の流れとしてはこの展開は納得いかないよなぁ。
エ〜・・・文句ついでにもう一言。なんか最近のレミゼって
やけに宣伝に力を入れているっていうか・・・キャスティングも本当にオーディションで選んでいるのか?といった疑問が持ち上がってしまうんですよねぇ。変に大衆化してしまったというか…。たしかに、ミュージカルを多くの人に広めて観に来てもらうためには、テレビなどで宣伝することもいいことだと思うし、これを機会にどんどん観劇人口が多くなってほしいと思ってます。が、最近ちょっと「レミゼ」の方向性に疑問を感じてしまうんですよねぇ。まぁ、こう思っているのは私だけかもしれないですけど(爆) ・・・最近私が「レミゼ」にはまれなくなっているのはこういった心境が影響しているのかもしれません。

ををっと・・・さっそく文句の応酬から始まってしまいました(爆) レミゼファンの皆さんすみませんm(__)m

さてさて、今回の観劇の目的のひとつが
石井一孝さんのジャン・バルジャンでありました!石井さんといえば、マリウスとして有名だっただけに、どうしてもそのイメージが拭い去れなかったんですよねぇ。だから、観る前は実はかなり不安でした(苦笑) が、意外と心配していたほどではなく・・・ちゃんとバルジャンしてたと思います。石井さんの魅力はなんといってもあの大きくてはっきりとした歌声!独唱部分ではその魅力が十二文以上に発揮されておりました。「ジャン・バルジャンは死んで生まれ変わるのだぁ〜〜」のところなんて、祐一郎さんも真っ青になるくらいのド迫力で(笑)大いに観客を魅了しておりました。今回、石井さんバージョンのバルジャンを観て思ったんですけど、市長になるまでは石井さんくらいの年齢がちょうどいいかもしれません。違和感ありませんでしたし、むしろピッタリきてたように思いましたから。
ただ、老人になったバージョンで若かった頃のバルジャンと
同じトーンの歌声だったのはちょっと・・・(^-^;; もう少し衰えを表現してもよかったのではと思ってしまいました。演技的には、さすがに長い間一番間近でバルジャンを観続けてきたこともありなかなか良かったです。ちょうど、鹿賀さんと祐一郎さんを2で足して割ったくらいかな(笑) 
・・・・ただ・・・・やっぱり私の中で石井さんのマリウスはまだ卒業できていなかったのかも・・・・・・。全編通して「ジャンバルジャン」としての物語ではなく、
「マリウスのアナザーサイドストーリー」にしか見えなかった(笑) 未来の年老いたマリウスがフランス革命期にタイムスリップしてやってきて、若いマリウスを導くの図・・・というのが頭に浮かんで離れなかったんですよね(笑) だから、心なしかマリウスに対する石井バルジャンの接し方がほかのバルジャンよりも濃密だったように思えました。まぁ、これも新しいバルジャンでいいのかもしれません(^-^)

目的のもう一人が
坂元さんのアンジョルラス。評判はけっこう良かったので期待していたのですが、歌声でバンバン押す坂元アンジョよかったです!!やっぱり、アンジョルラスはあのくらいの迫力の声量でハキハキしてなきゃ〜(^-^) 背が小さくて学生たちに埋もれてしまっても、赤いチョッキをきてもカリスマ性があまり出なくても、見かけがリーダーというよりも「可愛い」って思えてしまっても・・・(笑) あの迫力の歌声で押し捲っていた坂元アンジョルラスが好きでした〜〜(^o^)
・・・ってこれって・・・一応ほめ言葉として受け止めてください(爆)

そのほか、
モリクミさんの計算され尽くされたテナ夫人マルシアの「ジキルとハイド」とは違ったはかなさのある演技は印象に残るところでよかったのですが、コゼットとエポニーヌは・・・やはり相変わらず可もなく不可もなくといった感じで残念ながら印象には残りませんでした。なんでだろうなぁ。ガブローシュの子は相変わらずうまい子でした。毎年才能ある子が出てくるよなぁ。浅利くんはいまやテレビでレギュラードラマ出演するほどになってるし。
あ、
泉見さんのマリウスについてですが・・・とっても可愛らしくてかばってあげたくなるタイプだなぁと思いました。人気が高くなるのもわかる気がしました・・・が!やっぱり・・・前回の完璧な岡田マリウスが脳裏に焼きついてしまっているため、印象に残るとまではいかなかったのが事実です(苦笑) たぶん、岡田さんを上回る「マリウス」は今後もあまり出てこないんじゃないかなぁ。できることなら、もう一度見たかったです。

え〜と・・・それで、もう一人の主役とも言うべき
高嶋さんのジャベールですが…。観る前に、ある風のうわさで(笑) 「この人のは恐いよ」と吹き込まれていたので、なんか出てくるまでドキドキしてたんです。悪魔のように恐ろしいのかと・・・(笑)
で、・・・見終わった感想・・・ 
確かに恐かったです、想像していたのと違った意味で(爆) はっきりいって、今まで一度も出会ったことがなかったというか・・・超ニュータイプのジャベールでございました(^-^;;;; 私が今まで見てきたじゃベールは、それぞれ役者さんの個性が出ているにしろ、冷徹でクソまじめで融通の利かないクールな人物という路線は共通していたと思うのです。それが…高嶋ジャベールは、とても冷徹には私には見えなかった(爆) むしろ、行動のひとつひとつが人間的というか・・・エポニーヌやガヴローシュに『まぬけ』と呼ばれてしっくりくるような感じでした(笑) ここにきて『間抜け』がピッタリくるようなジャベールに出会えるとは(^-^;;;;  今までじゃベールのシーンで笑ったことがなかった私が、高嶋ジャベの行動ひとつひとつに一人で笑いを必死に押さえていたのは言うまでもありません(爆) 特に印象的だった3つのシーンをご紹介します(^-^;;;;;;
例1.
ファンティーヌの死の場面に現れる様が
 「抜け足差し足… イヒヒヒヒヒ・・・・」といった雰囲気だった(爆)  感動の泣き場であったはずのこのシーンが笑いを押さえるシーンになるとは(苦笑)
例2.
学生の砦に味方を装って現れるシーン。息が切れるほどゼーゼーしてて、
砦に入ったときにはフラフラ状態(^-^;;;;; 作戦を学生たちにすぐに教えるどころか、疲れ果てて近くのいすに座ってのどを潤してお休みしようとしてた(笑) これはジャベールの芝居ではなく、本当に命からがら砦に逃げ込んできたって感じだった(爆) こんなシーンも初めてだった私にはかなり笑撃的で…
例3.
自殺シーン、いつもなら冷静から狂気へ変わっていくジャベールに心奪われるような場面なのですが、高嶋ジャベはもう初めから狂ってました(爆) しかも、まだ落ちるのは早いというのに
橋の欄干を乗り越えて両手を離すという危険な行為まで(笑) このテンションにも私の横隔膜は震えていたのでありました(爆)

いやはや、笑うはずのない人物に必死で笑をこらえたのは・・・いつか出会った
劇団四季の『オペラ座の怪人』A氏バージョン以来だったわ(笑) そんなこんなで、ある意味本当に恐かった高嶋ジャベールなのでした。あんなキャラもあっていいのかもしれないけれども、この芝居で笑どころはテナルディエの場面だけだという先入観があるので・・・う〜ん・・・評価はあまり高くはないかもしれないなぁ。すっごく違った意味で楽しませてはもらえたけど(爆) もう少し落ち着いてもいいんでないかと・・・(^-^;;;;;

と、まぁ、今回のレミゼ観劇はこんな感想です。メンバー的には
『マイクいらねーよ』チーム(爆)といっていいほど、迫力あるいい面子がそろっていたと思うんだけど、感動するというまでにはいたらなかったです・・・やはり。だから、最後のカーテンコールがすごく盛り上がっていても私はスタンディングをすることができなかったし、3回目くらいのカーテンコールの時には劇場の外に出てしまいました…(苦笑) もしかしたら、私の中ではもう『レミゼ』は卒業作品なのかなぁ。なんだかちょっと切ない気持ちになった今回の観劇なのでした。
またまた辛めでごめんなさい。