7月22日(火)13時開演
ミュージカル「レ・ミゼラブル」 帝国劇場

出演者: 別所哲也(バルジャン)、内野聖陽(ジャベール)、岡田浩暉(マリウス)、
      ANZA(ファンティーヌ)、 高橋由美子(ファンティーヌ)、河野由佳(コゼット)
       吉野圭吾(アンジョルラス)、駒田一(テナルディエ)、峰さを理(テナ夫人)

詳しいあらすじはこちらを参考にしてください。

−注意−

今回の感想は全体的に辛口が多いです(^-^; どうぞご注意くださいませ…




2000年公演の12月に鈴木綜馬さんのジャベールを1度観て以来の今回の『レミゼ』観劇。2003年のキャストをはじめて聞いた時はかなり驚いたものですが、想像がつかなかったキャスティングを観てみたいという興味が働き、今公演は2度観に行くことにしました。その第一弾が、今回の別所哲也さんのジャン・バルジャンです。
レミゼを観るのも久しぶりながら、帝国劇場に入るのも本当に久しぶりで・・・なんだか異様に
懐かしかったです(笑) 97年公演時は毎週のように通っていましたからねぇ(^-^; レミゼを観る為に帝劇に入るのは何となく特別の感情が湧いてきてしまうのでした。今回はレミゼは2回のみの観劇予定ですが、本当はもっと色々な組み合わせが観たかったです・・・帝劇に入っちゃうと尚更そんな想いが出てしまって。でも帝劇は主婦の身にはあまりにも高すぎでして(苦笑) キャスト表をにらみつつも客席で諦めの境地に至った私なのでした(^-^;;;

さて、そんなこんなで非常に久しぶりの『レミゼ』!でしたが・・・私の
今回の総合評価はかなり悩みました。1幕が終った時点では5点満点としたら4.5点くらいの高レベルであったのですが・・・2幕を観て・・・3.2点くらいまでしか感じられなかったからです。本当は、『非常によかった』にしたいところなのですが、自分の気持ちがなんだか中途半端な位置にあったので、辛目の『まあまあよかった』という評価にさせていただきました。あくまでも、これは私個人の評価ですので・・・あまり参考にしないほうが良いかもしれません(苦笑)
まず、チョコッと違和感を感じたのがオケですね。私は前回までのレミゼの
重低音が響き渡るあの重々しい音に非常に感銘を受けていたので・・・それがなんだか全体的にオケの音に高い音程が入ってきてしまっていたのがライトなイメージに聞こえてしまって・・・。前回までの音が好きだったのでちと寂しさを覚えました。このあたりを変更した理由ってなんなんだろう…。ただ、これはあくまでも5年前に通い詰めていた私個人の意見ですので、今回の音が素晴らしいと感じる方もたくさんおられると思います。
それから、時間短縮のためなのか・・・
前回よりもかなり話の内容が削られていたのも気にかかりました。このことは、ネットの噂で色々聞いていたので覚悟はしていたのですが・・・(^-^;。 1幕の削られ方は特には気になりませんでした。むしろ、あのくらいのほうがスッキリしていて分かりやすいかな、とも思ったくらい(笑) ところが、2幕の削られ方は・・・私的にはかなりショックでした(T_T) 2幕で個人的評価が落ちた要因のほとんどはココです。バリケードが築かれてから陥落するまでのくだりは一番盛り上がるし、感動して涙するところなのですが・・・あまりにも省きすぎてやしませんかねぇ。『オンマイオウン』までは良かったのですが、その後のバリケードが組まれてから学生達が歌いながら全員集合したと思ったら、突然警告が(^-^; これにはビックリ(苦笑) なんか、心の準備も何もないままに一気に戦闘モードになってしまっていたのは頂けないかも…。この違和感のままマリウスとエポニーヌの別れシーンが来てしまったので・・・いつもはココで涙していた私は泣けなかった・・・。これはかなりショック・・・(T_T) 岡田マリウスの感情表現が上手かったので涙したかったのですが…うえ〜〜ん・・・別の意味で涙ですわ〜(苦笑)
そしてなんだか割り切れない気持ちのまま、あれよあれよという間に物語は続き・・・
いつの間にかという感じでガヴローシュが死んでしまった…。今回見たガヴ役の男の子もかなり上手かったので涙するところなのですが、ここでもウルッとはきましたが泣けなかったです(T_T) これもまた悲しい…。なんだか展開がかなりスピーディーで…。で、あっという間にバリケードが陥落(涙) うそでしょ〜〜!もうすこし余韻を残してほしいですねぇ。バリケードでの学生達の戦いはもっとじっくり見せてほしいと思うのですが・・・ここをあのようにせわしなくした理由は一体なんだったんだろう。
そして、さらに私にとってショックな省略部分が!!
生き残ったマリウスが病院でジャンバルジャンから告白を受けるシーンです。マリウスはバルジャンの過去を知らないので、コゼットと3人で一緒に暮らそうと無邪気にバルジャンに語るのですがそれがバルジャンには辛い・・・という非常に切ないシーン。ここで一番欠かしてほしくなかった『♪もう言うな、マリウス・・・愛する息子よ〜♪』の部分がカットされていたのです(T_T) レミゼでいつも必ずバルジャンのこの語りかけのシーンで涙が込み上げていた私にとっては・・・相当ショック大きいです…(ここで流れる旋律もすごく美しくて切ないものなのに・・・)。だめだよ〜〜ここをカットしちゃ〜〜!この前置きの言葉があるから、その後のバルジャンの告白が泣けるんじゃないかぁ〜〜(涙) 突然『♪話がある〜♪』じゃ・・・あまりにも事務的過ぎる(T_T)  このカットに私の気持ちがなんだか立ち直れなくなり・・・ 気がついたらバルジャンの最期になっていた(^-^;
しかし、別所バルジャンと岡田マリウスはこれで最後ということもありラストは気持ちを何とか話に集中させました。
ここで泣けなかったらどうしようかと思いましたが・・・ 別所バルジャンの暖かい演技がここで胸にしみてやっと泣けました。嗚呼・・・よかった・・・ 舞台が終わったあと妙な安堵感につつまれた私(爆) 拍手をする時も何となく乗れない自分がいるのがもどかしかったです。うう〜〜久しぶりの『レミゼ』・・・こんな感想で良いのかいな(苦笑) 9月に観に行く時は、それこそ私のラストレミゼなのでもっと心の準備をしていかなければと思ってしまいました(^-^;

と、全体的にはかなり辛口意見の私ですが(爆) キャストだけで見ると、
新しい良い発見が多くとても好印象でした!
まずは、今回の観劇の一番の目的だった
別所バルジャン。いや〜〜別所さん、ミュージカルの舞台に立っていたことは知っていましたが、こんなに歌がお上手とは!!これは新しい良い発見でした(^O^) キーもオリジナルに近く、歌声にも安定感があり、バルジャンのオーラが舞台に出まくりでとても「ベッシー」が演じているとは思えなかったほどです(失礼 爆) また、テレビで多くの俳優を経験されているだけあり、演技力もありますよね〜。特に老人になってからのバルジャンの表現はとても上手かったと思います!かなり好みでした♪ これから8月まで回を重ねるごとに深いバルジャン像が刻まれていくのではないでしょうか。ホント、もう一度観たいくらいです、別所バルジャン! これを機会に、ミュージカルにたくさん出演してほしいなぁ。
この公演で一番驚いたのが、
内野さんのジャペールです!何が驚いたって・・・歌が上手くなっていた (これまた失礼 爆) !!プロローグの初登場シーンで思わず目と耳を疑ってしまいました(^-^; 内野さん、あれから歌の特訓されたんですね〜。その成果がすごくよく出ていて感動してしまいました。心配していたソロも上手くこなしていたし、なんといっても、内野さんには艶っぽい演技力があります!一つ一つの表情もさすがっ(^-^)といった感じでしたねぇ。学生の砦の中に入ったときの『ニヤリ』とした表情など天下一品でした〜。これでもうワンランク歌が上手くなれば、もっと素晴らしいジャベールになってるかも。ああ〜その頃にもう一度観たかったなぁ〜〜。
そして今回の大収穫と思ったのが、
岡田さんのマリウスでした。キャスティングが決まった当初は「え〜・・・岡田さんがマリウス・・・イメージ合わないなぁ」とぼやいていた私でしたが(爆) 蓋を開けてみてビックリ・・岡田さんは見事に『マリウス』だったのです!!(なんか変な表現だなぁ 苦笑) 背格好から、歌声から、情熱的でちょっとマヌケっぽいところから、雰囲気そのもの見事にマリウスを表現していらっしゃいますねぇ。こんなに岡田さんがマリウスにマッチするとは思わなかった(失礼) 本当に良かったです(^-^) 岡田さんといえばトゥビーコンティニューのイメージが色濃く、どちらかというとポップス世界というイメージが強かったので、今回の発見は大きいです。これを機会に岡田さんもミュージカルにもっとチャレンジしてほしいなぁ。ちなみに、先日の昼ドラマで流れていた岡田さんの曲、すごく良いですよ!お勧め〜♪
アンジョルラスは今回は吉野さん
ビジュアル的には完全に『アンジョルラス』!だったのですが・・・どうも歌声に迫力がないかなぁ・・・と。いままで私が見てきたアンジョルラスよりも歌声に伸びがないので、なんとなく学生の中に埋もれてしまっている気がして仕方ありませんでした。「モーツァルト」のシカネーダの時はすごく朗々と歌ってて良かったんだけど・・・う〜ん、残念。吉野さんの声質とアンジョルラスの音域が合っていないのかもしれない・・・なんて偉そうなことまで思ってしまいました(爆) 辛口意見ですね・・・ファンの皆さまごめんなさい。ただ、演技は良かったです。特に赤旗を振りにバリケードの上へ駆け上る時、グランテールと一瞬・・・見詰め合うところ・・・ここの演技はかなりグッと来ました(;_;) アンジョルラスとグランテールって傍から見ると正反対の考え方のように見えるのですが、実際はアンジョルラスにも恐怖心があってグランテールの考えがすごく理解できているんですよね。そういうバックグラウンドを考えながらあのシーンを見ると、けっこうウルッときました。
ファンティーヌの高橋由美子さん、この方もはじめは『イメージに合わない』と思ったのですが・・・・娼婦になってからの演技は素晴らしかったですよ、グピコちゃん(笑) 彼女もまた回を重ねていくごとに母性がもっと表現されるのではないでしょうか。ただ『アニーよ銃を取れ』のとき喉をつぶしてしまっていた高橋さんを知っているだけに、長丁場になるとちょっと心配ではありますが・・・(モーツァルトでは大丈夫だったけど) 私と同い年ということもあるし頑張ってほしいと思っています。
コゼットの河野さん、エポニーヌのANZAさんも頑張っていらっしゃいましたが・・・私的には可もなく不可もなくって感じでした(苦笑) まだ始まってから半分もたっていなかったし、これからの頑張りに期待したいところです。
テナルディエ夫妻は峰さんと駒田さんでしたが、このお二人は良かったです。峰さんはちょっと夫人としての下品さに欠ける感じがしましたが、駒田さんは嫌らしさが全面に出ていて(笑)とてもよかったと思います。
アンサンブルの方たちは今回も結束力が固いようで非常に良かったです。レミゼのカンパニーってチームワークがすごく良さそうですよね。この調子で千秋楽まで頑張ってほしいです。

最後にちょっと苦笑いしたことをひとつ・・・。私の前の席にはおばあちゃんと孫という関係のお客様が座っていたようで、まだ5-6歳くらいのお孫さんが
舞台の場面場面でおばあちゃんに説明を求めていました(^-^; 結構これが気になったといえば気になったのですが(苦笑) まぁ、大きな声を出しているわけではないと思って気にしないようにしていました。
が、ファンティーヌが工場を追い出された辺りからどうもおばあちゃんの説明の歯切れが悪い(爆) そして極めつけは
「ラブリィ・レイディ」のシーン・・・(爆) 盛んにお孫さんがその場面の疑問をおばあちゃんにぶつけているのですが・・・これは説明できないだろうなぁと(笑) ついには『黙ってみていようね』みたいな感じで収まったようですが(^-^; この様子を見て、レミゼは年少者にはまだ早いかもしれないかなぁと思ってしまいました(苦笑) 『ラブリィレイディ』なんて特に放送禁止用語っぽいのがザクザクでてきますしねぇ(爆) 

と、以上、結構辛口でしたが私の個人的感想でした。