11月5日 (水)
「そして誰もいなくなった」 シアターアプル

出演者: 山口祐一郎、匠ひびき、沢田亜矢子、今拓哉、天田俊明、金田賢一 ほか 

あらすじ

1940年代初頭、イギリスのソルジャーアイランドと呼ばれる孤島にあるオーウェン夫妻宅に、互いに面識のない8人の男女が招かれた。しかし、招かれたものの誰一人オーウェン夫妻を知るものもなく現れる気配もなかった。すると、突然奥の部屋から招かれた8人と使用人2人に関する罪を断罪する不気味な声が聞こえてくる。
そして、居間の子守唄『十人の兵隊さん』の歌詞の通りに1人ずつ謎の死を遂げていく。残った人々の恐怖が始まる・・

まず初めに…このお芝居がシアター・アプルであると聞いてちょっとブルーだったんですよねぇ。というのも、この劇場、いまや日本の危険地域として有名となってしまっている新宿・歌舞伎町のど真ん中にあるんですよ(苦笑)。劇場自体は見やすいし好きなんですけど…場所がねぇ…。家がちょっと遠いということもありますが、こういった地域的事情もありましてマチネ公演に行ったというわけです。ちなみに、この日はマトリックスのカウントダウンがあるとかでものすごいプレスが来ておりました…。ま、こんな話はこの辺で(笑)
有名なアガサ・クリスティーの小説を基にした作品ということですが、私は一度も読んだことがなく(苦笑)
予備知識ナシで観に行きました。こういったミステリーものはかえって知らないほうがいいんじゃないかなぁと思っていたのですが、この点においては正解でした。いったい次は誰が…という緊張感もあり、最後までドキドキしながらの観劇が出来ました(^-^) が、原作をご存知の方はもしかしたらラストも変更したという今回の舞台に違和感を感じたかもしれませんねぇ…。
本題に入る前に、
舞台前のアナウンスに関することをひとつ。ふつう、携帯電話を切ってくださいとかいう注意って劇場係りの人がアナウンスしているんですけど、今回は祐一郎さんと匠さんが担当してました(^-^; どうやら二人は恋人同士でデートに来ている設定らしく、マナーがよく分からない彼(祐一郎さん)を彼女(匠さん)が突っ込みを入れて注意しているという、なんとも笑えるアナウンスでございました(笑) 私的に好きだったのが携帯電話ネタで…電源をオフにしたがらない祐一郎さんに匠さんが強引に「切って」というと、「分かったよ〜もぉ〜・・・・プチッと」(笑) すんごい可愛らしいやり取りでした!初めは注意アナだって気がつかなかったもん(爆) 


さて、ここから下は完全にネタバレでございます。まだご覧になってない方や、知りたくないは特にご注意くださいませ。








えっと、もう一度いいますが、かなりネタバレ感想です(爆) 引き返すなら今のうちですよ〜〜














と、このあたりで大丈夫かな(^-^ゞ

さて、このミステリー劇・・・・私的には次が気になるということでけっこうドキドキして見たんですけど、もしも原作を知っていてその原作のすごいファンだったら…と仮定すると
内容的にはイマイチだったかもと思ってしまいました。まず、殺人が始まる前までの物語がちょっと退屈でもうひとつテンポがあればなぁと思ったんですよね。原作に忠実にしているのかは分かりませんが、なんかちょっと疲れた(爆) ちなみに私の後ろの席の人は開演前に売っていたシャンパンを飲んだのか…いびきかいてました(爆)・・・酒臭かった・・・(爆)
 ただ、ロンバートとヴェラとの会話で
『男は何歳から』という話題になったときに、祐一郎さんが確信犯的に『男はやっぱり30…いや、46,7から』と返したのはかなりウケた!!祐一郎さん、ひそかに(?)年齢のこと気にしてるのね(笑) これには会場からも大爆笑でかなり盛り上がってました(^-^; でも祐一郎ファンではなく彼を知らない人にとってはこのネタわからないかも(祐一郎さんが40代後半って見えないですからねぇ)。

それから
歌と踊り。このお芝居はストレートプレイなのですが、公演前から「祐一郎が歌い、匠が踊る」というキャッチコピー的なことが言われてまして(笑)、いったいどんな感じなのかと思ったら…ありました、ちゃんと(笑) 祐一郎さんは1幕の割と早い時間と2幕で、匠さんは1幕の祐一郎さんのシーンと同じところで。 特に1幕の歌と踊りのシーンは『ああ、なるほどね』って感じで(苦笑) ストーリー的にもおかしいと思わなかったんですけど(♪十人兵隊さん♪にあわせて祐一郎さんがピアノを弾きながら歌い、匠さんがそれにあわせて踊ってました)、2幕目の祐一郎さんのソロは…ファンのためのサービスシーンでしたね、完全に(爆) たしかに素敵な歌声でうっっとりするようなものだったんですけど(それにカッコよかったし…)、ストーリー的にちょっと浮いてたと思います(苦笑) あそこであんなにミュージカルっぽく歌わなくてもなぁと…。なんか急に別世界にいっちゃった感じがしたんで(爆)、ここはちょっと気にかかりました。

1幕のラスト付近で
早々に犠牲にあったのは意外にも今拓哉さんだったんですが、突飛なキャラで笑っちゃうような仕草(ことあるごとに、ひゅ〜♪っていう口癖とか 笑)も多く(^-^;; 気になる存在だっただけに残念でした。とにかくこの物語の登場人物は全員うさん臭かったんですけど、今さんのキャラはあまりにも『悪いことって何なの』的な部分が強かったんで犯人じゃないなとは思ったんで、最初に消えてしまったのはまあ納得ではあったんですけどね(苦笑) 
そのあとは、原作の通りに一人、また一人と…どんどん子守唄の通りに消されていくんですけど恐怖っていう感覚はなかったかなぁ。むしろ、話を知らないもんだから
『次は誰!?』みたいな好奇心が強かったです。これって、この物語にとっていいことなのかは分からないですけど(苦笑)
殺されてった中で
一番緊迫感のない殺され方をしたのが、判事さん…(^-^;。頭を毛糸で巻かれ、赤いカーテンで体を覆われ、頭を銃で撃ち抜かれていたその姿は…思わず『ブッッ』となってしまった(苦笑) もしかして、これも原作どおり? う〜ん、なんか一番情けない死に様だった。…と、思っているとなんとこれだけでは終わらない人物だった!! 一番死に様が情けなかっただけに見せ場を作ってもらえたのかしら…などと失礼なことまで思ってしまった(爆) 

ここからはちょっと、ラストについて触れます。かなり触れてます(爆) ご注意を…




かなり笑える姿でお亡くなりになっていたと思っていた判事さんに、一番最後に原作を覆す見せ場がありました(笑) ラスト付近でついに生き残ったのがロンパートとヴェラだけになり、お互いにお互いを疑い、精神的に追い詰められたヴェラがロンバートを射殺。と、ここまでは原作どおりなのですが、このあと、ヴェラが一人で放心状態になっているところにあの、判事さんがまるでサザンのエロティカセブン怪人(ドラキュラみたいなやつね… 笑)のように現れたではありませんかかっ(笑) さっき死んだんじゃなかったのかと思いきや、精神科医と手を組んで芝居をしただけだったことが判明。精神科医はそのあと判事が始末。いや〜、わたし、あの精神科医もけっこう怪しいと思ってたんですが結局手を組んだ相手に殺されたのね(苦笑)。で、なんと、今までの殺人は判事の時代に感じた『殺人』という興味のまま全部自分が殺したと告白。え〜〜〜〜!あんた、いつの間に!そんな単純な理由で!?(爆) ヴェラは誰も殺してないの??と、謎が謎を呼ぶ私の頭の中。
そんな混乱する私に更に衝撃が!さっき、ヴェラに撃ち殺されたはずの
ロンバートが突然横たわりながら判事さんを銃殺(^-^;; え〜〜〜!!!あんな至近距離から心臓めがけて撃たれたのに生きてたんかい(爆) 彼曰く、『女性が銃に不慣れでよかった』(笑)・・・
そして空気は一気にハッピーエンドの色を帯び、なんと、ヴェラとロンバートはラブラブ状態となって仲良く屋敷を出て行く・・・と。でも、たしか
誰も気づかないような孤島で助けの船さえ絶望だったんだよねぇ…状況が(爆) 大丈夫なんかい(^-^;;;;
ロンバートがいうには、誰もいなくなったというのにはもうひとつ意味があって、
生き残った二人は結婚して出て行くって事らしい。これ、完全にロンバートの作り話だよねぇ(笑)・・・
と、まあ、ラストは疾風怒濤の展開で、突っ込みどころ満載なれど楽しかったです、ハイ(^-^ゞ

カーテンコールではかなりノリがよかった祐一郎さん。2回のカーテンコールの後、鳴り止まない拍手を『笑っていいとも』の
タモリさんのように仕切って止めてました(笑)。この日はOMCカード貸切公演だったので祐一郎さんからご挨拶が(^-^) ラッキー♪で、その内容が…
「ミュージカル・・・でない(爆)ストレートプレイのそして誰もいなくなったをご覧になった…


の皆さん、本当にありがとうございました!!」と、爆笑の舞台挨拶を(笑) あの〜…私全然絵心がないもんで上のような図式になってしまいましたが…、祐一郎さんの当時の「omc」を再現したものです(爆) 分かりにくいですよね…スミマセン(爆爆爆破) え・・と、西城秀樹の「ymca」を思い出していただければ…。とにかくそんなアクションつきの祐一郎さん挨拶だったと言いたかった訳です、ハイ(^-^;;;
会場からはもちろんこれに大喜びの拍手があり、
「祐一郎さ〜〜〜ん」と黄色い声が盛んに飛んでおりました(笑) このカーテンコールでノリノリだったのが祐一郎さんと沢田亜矢子さん(笑) 終始にこやかに手を振っていらっしゃいましたが、彼女に声援が飛ぶことはありませんでした(爆)

まぁ、色々突っ込みはありますが、けっこう面白い演劇でした。