10月11日(土)マチネ
ミュージカル「十二夜」 帝国劇場

出演者: 大地真央、愛華みれ、鈴木綜馬、本田美奈子、岡幸二郎、川ア麻世、安崎求、山形ユキオ、上条恒彦、鷲尾真知子 他 

あらすじ

メッサリーンの双子の兄妹であるヴァイオラ(大地)とセバスチャン(岡)は国を負われ逃げる途上で海賊に襲われ離れ離れになってしまう。イリリアの浜辺に打ち上げられ助かったヴァイオラは、生きていくために男装してシザーリオと名を変えオーシーノ公爵(鈴木)の下で働き始める。
オーシーノに恋心を抱くヴァイオラだったが男装しているため告白できない。それどころかオーシーノは伯爵令嬢のオリヴィア
(愛華)に夢中で、幾度となくシザーリオを恋の使者として送っていた。ところがオリヴィアはオーシーノにまったく興味を示さず、シザーリオを愛してしまう。複雑な関係になってしまった3人であったが、さらにセバスチャンが生きていることが分かり…

実はこのチケット、カード会社主催のもので安く手に入るという…勢いだけで購入してしまった事情がありまして(爆) 最初からあまり大きな期待は抱いてなかったんです(しかも座席は一番端っこだったし 苦笑)。そもそも、シェイクスピアの話はどうも難しくて…果たしてミュージカルとしてちゃんと分かりやすくまとまっているのかなという不安もあったんですが、結果は・・・う〜〜〜ん…やはり苦しかったかなぁという感想です(^-^;  いや、もしかして原作を読んだ上でこの舞台を見ればもしかしたらもう少しこの舞台に対する評価も違ってきたのかもしれないのですが・・・予備知識も何もなく観にいってしまった私には正直ちょっと疲れる舞台でした。

この舞台にちょっと疲れるものを感じたのは、シェイクスピアへの苦手意識だけではなくて・・・
舞台全体の構成にもちょっと問題があったのではないでしょうか。1幕が1時間40分近くという異様な長さで(^-^; それがスリリングで興味深い中身ならばいいのですが、まとまりがなくてただひたすら寒いギャグが飛び交うばかり…。特に川ア麻世さんの道化に至ってはまさに『親父ギャグ』状態で笑えなかったのがかなり痛かったかも(苦笑)。テンポよくしようと必死になってたのかもしれませんが、それがかえって押し付けがましく感じられてしまい…正直見ているこっちはかなり疲れました(^-^;; 
また、シェイクスピアの原作の中に出てくるということで仕方ないのかもしれませんが・・・トービー
(安崎さん)・フェービアン(治田さん)・アンドルー(山形さん) ・マライア(鷲尾さん)たちのドタバタシーンはなんだか空回りしているようで…私にははっきり言って『必要のないシーン』にしか感じられなかったくらいです。特に山形さんのものすごいハイテンションなアンドルーは浮いているようにしか見えなかった(涙)。このドタバタシーンを省いていたらもっとすっきりしたのかもしれないけれども、原作にあるんじゃ仕方ないかなぁ(爆) 演じている役者さんたちはとても好きな方ばかりなのに、なんとももったいない役回りというか使われ方というか・・・。特に安崎さんは好きな役者さんなので個人的にとても気の毒に感じられてしまいました。
逆に第2幕は1時間ちょっとで、前半あれだけダラダラ進んでいたストーリーが
一気に加速(苦笑)。あれよあれよという間に物語が進んで・・・あっという間にエンディングを迎えてしまいました(^-^;; この展開はいったいどうなのさ(笑) ラストは生き別れになった兄妹が再会するというドラマチックなものであっただけに、そこに至るまでのところをもう少し丁寧に描いて欲しかったなぁと感じました。

話の展開については辛口の連続でございましたが(苦笑)、
曲に至っては逆にかなり満足してます。この舞台を最後まで寝ないで見れたのも、楽しく頭に残るナンバーが多かったからですね(爆) 今回の評価が最低レベルからひとつ上なのもそのせいです(笑) 
ただ、難を言うなら
前半のアンサンブルダンスシーンがあまりに長すぎたことかなぁ。いや、たしかに皆さんすごく上手くて見ていて楽しめたのですが・・・なにせ、今回のアンサンブルの人数は私が今までに見たミュージカルのなかでも群を抜いて多い(^-^;;;; その大群衆が10分近くダンスシーンを続けているのを見るのは…いくらすごくても・・・疲れました(苦笑) それにしても、何で今回のミュージカルにあんなにたくさんのアンサンブルが出てたんだろうか…(^-^;;;;

主演の
大地真央さん、今回の舞台も上手くコメディエンヌ振りを発揮してくださいました。彼女が言葉遊びでだじゃれを連発しても、あまり厭らしく聞こえなかったのは流石なんでしょうねぇ。また、いつもは真央さんの『座長公演』っぽい雰囲気があるのですが、この舞台に至っては登場する人物が多すぎたこともあってか(笑)その色をあまり感じさせなかったのも良かったです。男装したときの真央さんはやはり映えますねぇ〜〜。これはかなり惚れ惚れしてみてしまいました。さすが宝塚のトップだったという風格を持ってるなぁとここでも感心。ラスト、女性に戻ったヴァイオラが男装していた自分・シザーリオに別れの言葉を告げるシーンこの物語の中で唯一といっていいほど(爆)感動しました。が、最後のウエディングドレス姿はあまりイケてなかった(苦笑)
もう一人の主演として話題に上がっていた
愛華みれさん。私は個人的に好きな女優さんなのですが、可愛い外見とは裏腹に歌声が会場に響かないのはかなり痛かった…。前回『チャーリー・ガール』で愛華さんを観たときに『歌がちょっとなぁ』と感じた不安がそのまま的中してしまった感じで(苦笑)。2幕頭でセクシーな衣装で派手なソロを歌うシーンがあるのですが、端っこの席に座っていた私たちには残念ながら彼女の歌声は届いてきませんでした。一緒に観にいったダンナ曰く「キーがあってないんじゃないの」・・・確かにそのとおりかも。こんな辛口意見を言っていたダンナでしたが、実は愛華さんのことはかなり気になる存在のようです(笑) 私も好きな女優さんではあるので、今後もがんばって欲しいと思ってます。
この舞台を観にいった目的の大きなひとつといっていいのが
鈴木綜馬さん。ストーリー的には退屈でしたが、綜馬さんの歌声はやはり絶品でございました!『チャーリー・ガール』の時ほどではないにしろ、生真面目な公爵が時折見せるずっこけた一面もこの舞台の中の清涼剤といった感じでとても楽しかったです♪ 最近、綜馬さんもキャラクターの幅を広げているようでファンとしては嬉しいです。今回のラストはここ最近の作品のなかではハッピーエンドになってくれたのも良かった(^-^) ファン視線でみてるので、綜馬さんについては文句ない私です(笑)
岡幸二郎さんの相変わらず美しいセバスチャンや、ダンナも後から真似するほど(笑)可愛かった本田美奈子さんのネコ、最後はなぜか牢屋に閉じ込められてしまう間抜け執事マルヴォーリオの上条恒彦さんなど・・・印象に残る役者さんもたくさんいました。

役者はいい人をそろえているのに、舞台の展開が締まりのないものになっていたような感じで…残念だったなぁ。やはり、シ
ェイクスピアをミュージカルにするのは難しいのだろうなぁと実感してしまった舞台でした。でも、私たちが観たのは始まって間もない頃だったので、回を進めていくうちに良くなっていったのかもしれません。もう一度行こう・・・とは思いませんが(爆)
・・・と、今回は辛口連続で失礼しました・・・。