シラノ・ザ・ミュージカル

出演者 シラノ・・・市村正親
ロクサーヌ・・・西田ひかる
クリスチャン・・・山本耕史

モンフルーリー/ラグノー・・・北川潤
ル・ブレ・・・園岡新太郎
ド・ギッシュ・・・山本隆則
物 語 1640年のパリ、オペラを観に来ていた近衛の青年隊クリスチャンはパリ一番の美女と呼ばれるロクサーヌと出会う。クリスチャンはロクサーヌに一目ぼれ。やがてオペラが始まるが歌いてが気に食わなかったシラノが突然現れ、舞台をめちゃくちゃにしてしまう。クリスチャンは結局ロクサーヌと言葉を交わすことなく別れてしまうが、それでもお互いにお互いのことが忘れられない存在となる。
シラノは剣の達人だが傍若無人で、しかも大きな鼻に強いコンプレックスを持っていた。そんなシラノがずっと心を寄せていたのが従姉妹のロクサーヌだったが、自分の容姿を気にするあまりずっと告白が出来なかった。
そんなある日、シラノの隊に入隊してきたクリスチャンがロクサーヌを愛していることを知り、心ならずも仲介役を買って出てしまう。そして二人が愛を確かめ合うところに遭遇してしまったシラノは・・・

わたし的感想

前編歌でつづられるオランダ発のミュージカルだけあって、さすがに音楽的には最高の作品でした!ヨーロッパの美しい旋律が心地よく入り込んできて・・・クラシック系が好きなわたしにとってはかなりのヒット。
「シラノ」は有名な話らしいのですが、わたしが知っていたのはかつて劇団四季の「アスペクツオブラブ」に出てきてた一場面
”違います、違いますロクサーヌ!わたしではありません・・・”
”いいえ、あなたに間違いありませんわ”

とかいうところだけ(爆) はっきりいって話の筋はトンとわからないまま臨んだのですが、これまたかなり分かりやすいストーリーに仕上がってましたよ。それに、感情移入がとてもしやすい。なぜかといえば、物語があの「オペラ座の怪人」に類似してる部分が多いのです。顔にコンプレックスを持っていた主人公が美女に恋をしてしまったために辿る悲運な人生・・・泣けるんだなあ〜これが!しかも、主演のシラノを演じているのが市村さんとくれば感動しないわけがないわ!!
市村さんはかつて「オペラ座の怪人」で怪人役を演じていたのですが、わたしは無念なことに一度も生で観れなかった・・・このシラノはその生まれ変わりのような作品だったので、尚更観劇しちゃったわけです。もう、ロクサーヌを想って想って、想い続けて・・・切なくて切なくて胸が張り裂けるぅ〜っていう心の叫びの表現がものすごく伝わってくるんですよぉ〜(T-T) 特に、クリスチャンに化けてロクサーヌに愛を告白する場面は涙無くして見られなかったわぁ〜・・・まるで、怪人がクリスティーヌに告白する場面を見ているようでした。最後は・・・とにかく泣けた・・・市村さんが演じたのでなおさら泣けたです、ハイ。劇団四季の一場面だけ観たときは、ハッキリいって、「笑った」あの場面(四季はわざとそのように演出したんだろうけど)が、あんなに感動的なものだとは知らなかった(爆) とにかく、今回もブラボーな市村さんなのでした。
ロクサーヌのひかるちゃんもクリスチャンの山本君も大健闘だったですよ。ひかるちゃんの清楚な雰囲気は見ていてため息ものだったし、山本君は想像していたよりずっとずっと歌がうまかったのでびっくり!でも、市村さんの次に印象的だったのが園岡さんだったなあ。あの美しくはっきりとした歌声はすばらしい!脇役といえば脇役なんだけど、どうしても注目しちゃうってほど目立ってました(^-^)
全体的には悲しいシラノの悲恋物語なんですが、笑っちゃうところもあったりしたんですよ(^-^) まず、登場人物の髪型!シラノは別に気にならなかったんですが、男性陣のあの髪型は・・・まるで音楽室に飾られていた肖像画のバッハのようだぁ〜(笑) ここにも、あそこにも、バッハがたくさんって感じでちょっと慣れるのに時間がかかりました(^-^;;;) 市村シラノが地味目に見えちゃうんだから(見た目が)ホンマ、アレはすごかったかも。
あと、北川さんのオペラ歌手場面も笑えたな。これまたものすごい髪型だったんだけど、実は鬘で下はハゲてたっていうオチつき(笑)

カーテンコールでは市村さんが使用済み(笑)のシラノの鼻を客席に投げて退場してました(^-^; わたしは2回とも後ろの席だったんでゲットできなかったです(泣) あと、客席で有名人も見ちゃったんだったな。山本君の応援団とみられる、当時上演してた「ボーイズタイム」出演者の面々。その中に元accessの貴水博之さんがいたんですが、昔accessがちょっと好きだったわたしはちょっと感激(爆) あと、後ろの席に井上順さんがいたなあ。振り返ってびっくりしてしまった(笑)

とにかく大満足のこのミュージカル。CD化はしていないのかなあ。外国版でもいいから欲しいよ!