スノッリの『エッダ』より抜粋

以下は

アイスランド語原典からの翻訳です

固有名詞は現代アイスランド語に基づいています!

はじめに

神々を訪れた二人の人物

世界の創造

ソゥルの難儀

ウトゥガルザ・ロキの館

「カワウソの皮」が黄金を意味するわけ
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北ヨーロッパの神話

   はじめに

 北ヨーロッパは、ヨーロッパ大陸とバルト海を挟んで北に延びているスカンジナビア半島と、その南側にあるデンマーク、そしてその周辺地域を広く指します。国でいうとノルウェー、スウェーデン、フィンランドのスカンジナビア半島の三か国、バルト海沿岸に縦に三つ並ぶエストニア、リトアニア、ラトビアのバルト三国。そして、ノルウェーの西に海を渡って行き着くオークニー諸島、フェーロー諸島、そして火と氷の国アイスランドです。けれども、この本で扱う神話は、この中でもゲルマン民族の国の神話です。バルト三国やフィンランドは入らないのです。それどころか、このゲルマン民族の、もっと南のドイツやオランダ、ベルギー、はてはもっと西のイギリスにまで広がる民族に共通の神話なのです。そんなにいろいろなところに、時代を超えて伝えられたために、場所や時代によって、神話の内容が若干異なってしまうこともあるのです。なかでももっともよくまとまった神話として書き残されたのは13世紀のアイスランドで、スノッリ・ストゥルルソン(ストゥルラの息子スノッリという意味)という人が書いた『エッダ』という作品です。これは普通『スノッリのエッダ』あるいは『散文のエッダ』と呼ばれます。その他に『詩のエッダ』と呼ばれる作品群もあります。これはスノッリが書いたのではなく、いろいろな神話詩を誰かがまとめたものです。その中には『スノッリのエッダ』の中に引用されている詩が、ほぼ完全な形で記されているのです。そこで、ここに、スノッリの書いた『エッダ』に書かれている神話の中を覗いてみたいと思うのです。まず始めに、私たちは北欧の神話を訪ねていった伝説の人々のことを御紹介致しましょう。

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