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no.106 3月17日 第10回定期演奏会

 2003年1月12日、日曜日、鷲宮ウィンドアンサンブルの第10回定期演奏会が、鷲宮町西コミュニティセンターで開催されました。
 今回は、いつになく練習が思い通りはかどらなく、やきもきしましたが、前日の追い込みとお手伝いの演奏者のお陰で何とか形にすることができました。
 それでは、当日、演奏した曲目を簡単にご紹介します。

 1曲目は、ケネス・アルフォード作曲の行進曲『後甲板にて』です。スーザと並び称されるアルフォードは、イギリスの軍楽隊長兼作曲家で、本名をフレデリック・リケッツと言います。この曲は海軍のために1917年に作曲されました。8分の6拍子の軽快なリズムとメロディで構成され、中間部のメロディは、本当に美しいものです。

 2曲目は、ノルウェーの作曲家、エドヴァルト・グリーグの『ペール・ギュントから夜明け』です。1875年に作曲されました。ノルウェーの劇作家、イプセンの劇詩『ペール・ギュント』の附随音楽で、劇のあらすじは「放浪性に富んだ若者ペール・ギュントが、許嫁のソルベーグを捨てて、村を出て、世界各地を放浪し、いろいろな事件に遇います。そして年老いて故郷に帰りますが、その時までソルベーグは、彼の帰りを一人待っている」という話です。この『夜明け』(『朝』とも言います)は第4幕の前奏曲で、モロッコの海岸の朝の気分を描いたものです。爽やかな美しい旋律が印象的です。

 3曲目は、フランスの作曲家、ジョルジュ・ビゼーの歌劇『カルメン』から、カルメンが妖艶に歌い踊るシーンの『ハバネラ』です。この『ハバネラ』は、19世紀にキューバで行われたダンス音楽で、首都のハバナにちなんだ名称なんだそうです。特徴はリズムで「ターンタ、タッタ」というものです。木管アンサンブル(フルート2・クラリネット3・バスクラリネット1の編成)で演奏しました。

 4曲目は、イギリスの作曲家、フィリップ・スパークの『オリエント急行』です。この曲は、もともとはブラスバンド(いわゆる金管バンド)の作品ですが、1992年に東京佼成ウィンドオーケストラの委嘱により吹奏楽版に書き直されました。曲は、ロンドン・ベニス間を走る豪華客車、オリエント急行の旅を描いたものです。ホイッスルの合図で列車は動きだし、ヨーロッパの田園風景の車窓を楽しみながら、目的地に到着する様子を表したものです。中間部のゆっくりとした部分は、乗客がわが家を想うようすを表しているそうです。
 ところで、この曲は、今回のプログラムの中で一番苦労し、たくさん練習した作品でした。はたして、終点まで走りきれるかどうか本当に心配でした。

 5曲目は、サクソフォーンアンサンブル。今回チャレンジしたのは、デイビット・ベネットの「サクソフォーン・シンフォネット」です。曲名は音楽の形式、シンフォニアから由来しているものだと思われますが、急〜緩〜急の部分、つまり速い〜ゆっくり〜速い部分からできています。このシンフォニアの様式は、シンフォニー、交響曲に発展するものです。ちなみにラテン語で協和音を意味するそうです。

 6曲目は、テレビ映画のヒーローとして圧倒的な人気を誇り、初登場から30年以上の年月が経っても、新しいシリーズを生み出しているウルトラマンのメドレー『ウルトラ大行進』(星出尚志編曲)です。ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンタロウ、帰ってきたウルトラマンのうたがメドレーで登場します。鷲宮ウィンドもウルトラマンのように息が長く発展できれば、との願いも込めました。

 7曲目は、再度、サクソフォーンの4人が登場。昨年、大ブレークした『大きな古時計』に続けて、お得意のナンバー『ビューティフルネーム』を演奏しました。

 8曲目は、『イマジン』。ご存知の方も多いと思いますが、ビートルズ解散後、平和主義を強くアピールしたジョン・レノンの作品です。人と人とが争うことのない平和な世界はどうしたら生まれるのか・・・。そんな思いが、この曲に込められています。私たち一人ひとりは弱いものですが、この平和を求める歌をみなさんに伝えたいと思い演奏しました。

 9曲目は、教科書にも載っている曲で、アメリカの作曲家スティーブ・ライヒの『二人のパフォーマ−のための手拍子の音楽』です。たった1小節の音楽を反復させ、ちょっとした工夫により曲を作り上げています。この反復する手法を<ミニマル・ミュージック>と言います。ライヒの音楽は、ジャズやロックの世界にも大きな影響を与えたそうです。パーカッションパートの2名が代表して演奏しました。

 10曲目、プログラム最後の曲は、昨年・今年と映画界の話題をさらっているトールキン原作の『指輪物語』(ロード・オブ・ザ・リング)。今回演奏したのは、映画のために作られたものでは無く、オランダの作曲家ヨハン・デ・メイが、この幻想的な小説をもとに作ったオリジナル作品で、1984年から87年の間に「交響曲第1番」として作曲したものです。この作品は1989年のサドラー吹奏楽作曲コンクールで第1位を受賞しています。
 この『交響曲第1番 指輪物語』は5つの楽章から成り、演奏した『ホビット』はその最終楽章。用心深く、けれども楽天的で、勇敢なホビットたちを描いたものです。第5回の定期演奏会でも演奏していますが、また違った演奏を届けることができました。

 最後に、アンコールとして、ニュ−イヤ−コンサートに相応しい『ラデツキー行進曲』を演奏し、幕を閉じました。


 第10回定期演奏会も無事成功裡に終えることができ、これもひとえに、第1回の演奏会から会場を提供していただいてる鷲宮町はじめ、ご協力いただいているみなさまのご支援の賜物だと感謝申しあげます。今回もティンパニなどの打楽器を鷲宮高等学校吹奏楽部と昭和楽器からお借りしました。そして、強力な助っ人である賛助出演者(私の後輩たちです)の力も借りました。
 このように、みなさんの支えがあるからこそ私たちの活動が成り立っていることを自覚しながら、ひきつづき地域密着型の音楽集団として活動していきたいと思います。

 ウィンドの中に目を向ければ、この10年の間にいろいろなことがありました。当初は高校生・大学生だったメンバーも、今では社会人になり、結婚し、そして子供を持つまでになったことも、その歴史のひとつです。
 現在、7月6日のサマーコンサートに向けて、練習に励んでいます。みなさまのご来場をお待ちしています。

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