gonzaguinha

Luiz Gonzaga Jr.

22.9.1945~29.4.1991

discogrphy


 ゴンザギーニャこと、ルイス・ゴンザーガ・ド・ナシメント・ジュニオール。1945年生まれ。父親は、偉大なバイオァンのミュージシャン、ルイス・ゴンザーガ。

 彼について知っていることは、それほど多くない。

 デビュー当時は、政治的に反体制の立場を取り、発禁処分を受けたりしたこともあること。長い間対立していた父親と、晩年に和解し二人で共演のツアーを実現したこと。その数年後に父親のルイス・ゴンザーガが他界。父親のライフワークだった「アザ・ブランカ公園」の事業を彼が引き継いだ。その、2年後、ゴンザギーニャ自身が交通事故で他界。45才。父親の亡くなった年に録音したアルバムが、最後の作品になってしまった。

 ゴンザギーニャの音楽の魅力に触れたのは、マリア・ベターニャやガル・コスタ、シモーネのアルバムに取り上げられた彼の曲を聴いてからだった。「ヂ・ヴォルタ・アオ・コメソ」「コメサリア・トド・オウトラ・ヴェス」「エスプローヂ・コラサゥン」。彼女達のアルバムの中で、ゴンザギーニャの曲はとりわけ輝いていた。

 ゴンザギーニャ自身のアルバムを聴き始めると、さらに彼の音楽の持つ力に魅かれていった。ラブ・バラードから、ポップス、サンバ、民謡、プロテスト・ソング。多様なスタイルを、ゴンザギーニャという個性が一本貫いている。彼の声は、決していい声ではない。けれど、少しくぐもったその声は、深い。感情の奥底の悲しみや、愛、怒り、喜びを、大げさな表現ではなく、説得力をもって誠実に伝えてくる。

彼の音楽が、もっとたくさんの人に聴かれるようになりますように。