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背びれ、胸びれ、尾ひれ |
特徴的なオスの背びれは、子供である間はイルカ型でメスと区別がつきませんが、性的成熟とともに、本来の機能である垂直安定板として必要な高さを超えて高くそびえ立ち、最大2mにも達します。また同様に胸びれは巨大化し、尾ひれの先端も内側にカールしてきます。
このように、成熟したオスがきわだった特徴をもつことを一般に性的2型と言います。さらに年齢が高まると、背びれの後部は次第に波打ってくることもあります。
オルカの背びれは水面上に露出する機会が多く、またその形は個体差が大きいため、野生オルカの研究者たちは背鰭の写真を撮影することで個体識別を行っています。
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水族館のオルカは、なぜ背びれが曲がっているのか。 オルカの背びれは内部に骨格を持たず繊維組織でできており、外力がかかればしなやかに曲がります。しかし、水族館で見られるオスのオルカの背びれは、100%折れ曲がっています。これは、つぎのような原因が複合したものと考えられます。 野生オルカにおいても、ごく希に背びれが折れ曲がった個体が観察されています。先天的な変形が無いとは言い切れませんが、長期間の観察データがあるカナダ太平洋岸、アラスカ沿岸のオルカで知られている2つの例は共に後天的なものであり、前者は何らかの疾病、後者は前後状況からタンカー座礁による海洋汚染の影響が強く指摘されています。これら2つの例とも、背びれの変形が観察されてまもなく後に該当する個体が死亡していることから、背びれの状態はオルカの全身状態とも関係があると思われます。 |