次は、大滝詠一です

BREEZEが心の中を通り抜ける

次は、大滝詠一です。
大滝詠一って10年に一回くらいの割合で、トラッドのようにブームが来るので、90年代もリバイバルするかなと思っていましたが、案外で、昨年ラッツ&スターが再結成して「夢であえたら」を小ヒットさせたくらいで終わってしまったのは残念でした。
70年代初頭のはっぴいえんど時代、そして、ソロとしてのナイアガラ時代を経て、1981年3月発売の「A LONG VACATION」で突然の大ブレイクを向かえたわけです。
80年代の初頭は、折からトロピカルブームで、街にはサーファーやヤシのモニュメントがあふれ、ラジオやテレビのBGMとして大滝サウンドは街にあふれていました。
大滝サウンドの源流は、1960年代アメリカンポップスのプロデュサー、フィル・スぺクターのサウンドであり、松本隆の詩とともに、一大ムーブメントを引き起こしたわけです。
このフィル・スぺクターというのは面白い人物で、1960年代初頭に「フィレス」というレコードレーベルを作り、「ウォール・オブ・サウンド」という独特のサウンドをひっさげて、ヒット曲(例えばビー・マイ・ベイビーなど)を作り出していったわけです。
これって、今の日本で言えば、ずばり TKサウンドで一世を風靡している小室哲哉とオーバーラップしています。
大滝詠一のナイアガラレーベルも80年代のオムロック(小室哲哉のレーベル)であったわけです。代表的な大滝サウンドは、例えば、吉田美奈子の「夢であえたら」であり、松田聖子の「風立ちぬ」です。


A LONG VACATION



アルバムとしては十数作めぐらいにはなると思うが。1981年3月発売。珠玉の作品とはまさにこのこと。一曲一曲が見事にカッティングされた宝石のようでキラキラと輝いている。表紙絵は永井博氏

君は天然色
Velvet Motel
カナリア諸島にて

薄く切ったオレンジをアイスティーに浮かべて
 海に向いたテラスで
  ペンだけ滑らす
Pap-Pi-doo-bi-doo-ba 物語
我が心のピンボール
雨のウェンズデイ
海が見たいわって言い出したの君の方さ
 降る雨は菫色
  Tシャツも濡れたまま
スピーチ・バルーン
恋するカレン
FUN×4
さらばシベリア鉄道