桃子夫人の冒険

1979年 にっかつ

キャスト:日向明子(桃子)東郷亜季(綾子)吉原正皓(小西)伊沢一郎(善次郎)今井久(健一)梓ようこ(亜希子)小見山玉樹(太田)団鬼六(榊原)東龍明(松木)

監督:小原宏裕

アメリカから帰国した妻の桃子を成田空港に迎えに行く小西。「お帰り」「どなたかしら」「君の夫だよ」「ウソ」「嘘じゃない。君の夫の小西徳一郎だよ」「小西徳一郎。その名前は覚えてるわ。でも、どうしてそんなにハゲてしまったの」「私は普通に年を取っただけだ。君は17年間、年を取らなかっただけだ」「……」「さあ、家へ帰ろう」車の中で小西を求める桃子。

綾子に君にお母さんがいたのかと聞く家庭教師の太田。「帰ってくるって家出でもしてたのかい」「ううん。17年前、私を産んですぐにアメリカに行ったの。そして17年間、冷凍人間として眠っていたんですって」「冷凍人間。週刊誌で読んだことあるな」「眠ってる間、年を取らないんですって。でも、その費用で元大名の小西家も今じゃこの家だけ」「でもお父さんは社長だろう」「養子だけどね」「綾子さん」「なあに、先生」「君が好きだ」「何するの」綾子に蹴られて退散する太田。

お茶がぬるいと叱られ、小西の父の善次郎に縛られて失禁する女中の亜希子。「ああ。旦那様」「おお。可哀そうに、可哀そうに。誰がこんなむごいことをしたんじゃ」綾子に聞くボーイフレンドの健一。「君のママ、どうしてあんなに若いの?」「17年間、年を取らなかったせいよ」「どうしてそんなことをしたんだい」「知らないわ」「でもキレイな人だね」「そうね」

翌日、デパートに向かう桃子を尾行する健一。お茶が熱いと叱られ、善次郎に縛られて失禁する女中の亜希子。「ああ。旦那様」「おお。可哀そうに、可哀そうに。誰がこんなむごいことをしたんじゃ」デパートで万引きする桃子を主任室に連れて行く警備員の松木。「どうして、こんなことをしたんです」「主任さん、二人だけでお話したいの」「そうか。松木君、後は私に任せなさい」なぜこんなことをと言う主任に抱いてと言う桃子。「抱いて」「本当にいいんですね」主任とのセックスを楽しむ桃子。

小西に電話する松木。「なんだって。妻が万引きを」「まあ、普通ならサツに突き出せば終わりなんですが、そこは小西産業の社長夫人。きっと役に立つと思いますよ」「わかった。桃子を見張ってくれ」嘘だと呟く健一。(あの人が泥棒なんて。ウソだ)友人の精神科医の榊原に相談する小西。「妻が万引きするなんて」「一種の開放感から万引きするちゅうことはあるけどねえ」「桃子は何から開放されたんだ」「まあ、調べてみよう」

私と一緒にいてと健一に言う綾子。「今日、太田先生が来る日なの。健一君、私を守って」「お母さんは?」「ママはいつもお出かけよ」「どこへ?」「ママのことが気になるの?」「……」出かけようとする桃子を柱に縛り付ける善次郎。「お父様、何をするの」「お前を外に出さぬよう、徳一郎君に言われてるんだ。許してくれ」何か物音がすると綾子に言う健一。「ちょっと様子を見てくる」「健一君」桃子を自由にする健一。「ありがとう。好きよ」「……」

外出する桃子を追いかけて見失う健一。涙する綾子にどうしたのと聞く太田。「先生。抱いて」「いいのかい」「早くしないと気が変わるわよ」「綾子さん」「やっぱりダメ」「綾ちゃん」「帰って」太田に裸になれと命令する善次郎「何をするんです」「お前は馬じゃ。あの囚人を乗せて、地獄まで運ぶんじゃ」縛られた状態で太田の上に乗り、失禁する亜希子。「ああ。旦那様」「おお。可哀そうに、可哀そうに。誰がこんなむごいことをしたんじゃ」

松木に尾行されて寺に逃げ込み、お経を唱えるヤクザに匿ってと頼む桃子。「いいですよ。お堂の方に」女が来たでしょと言う青木に帰れと脅して追い払うヤクザ。「お嬢さん。もう大丈夫ですよ」「ありがとう。お礼に私を抱いて」「いや。私は女とバクチを断つためにこうやって修業しているんです」「お願い。抱いて」「勘弁してください」「いや。勘弁しないわ」翌日も寺に行って、ヤクザに抱かれる桃子。その様子を覗き見する健一。(嘘だ。嘘だ)今はただ不可解としか言えないと小西と松木に言う榊原。「ただ、奥さんは何かを求めているねえ」「信じられん。夜、私と一緒にいる桃子は極めて貞淑な妻なんだ」「そこだよ。昼と夜。そこに何かがある。もう少し時間をくれ。今、アメリカに問い合わせているんや」顔が真っ青よと言う綾子にキスしていいかと聞く健一。「君のママの事は忘れるよ」「健一君」

翌日も寺に行き、住職にあの男は帰ったと言われる桃子。「どこへ?」「元の世界ですよ。人を何にも殺し、嫌気がさしてここにやってきました。しかし、また生臭い男に戻って帰っていきましたよ」健一にどこに行くのと聞く桃子。「約束があるんです」「綾子さんと」「ええ」「私を一人にしないで」「……」「綾子さんのところには行かないで。あなたは私のものよ」健一に抱かれて激しく悶える桃子。

アメリカの学者が白状したと小西に言う榊原。「桃子さんは君が結婚した桃子さんじゃない」「なに」「彼女の頭の中は取り換えられてしまった。サイボーグなんだよ」「……」「その頭の中には恐ろしい仕組みがセットされている。夜になれば君の貞淑な妻。太陽が昇ると不純な女になる。今もきっとそうや」「わからない。私はただ桃子にいつまでも美しくあってほしいと願ってアメリカに行かせた。誰がそんなことを」「桃子さんのお父さんだ」「会長が?」「あの人は君に嫉妬してるんだよ。養子の君に桃子さんの全てを奪われたくなかったんや」

大の字で倒れている善次郎に驚く小西。「お父さん」旦那様はお亡くなりになりましたと馬になっている太田の背中に乗りながら言う亜希子。「失敗だった。桃子を許してくれと叫んでおられました」桃子さんのサイボーグは少年の心は通じないと小西に言う榊原。「あの桃子さんはもう君のところには帰ってこないだろう。本気で少年を愛してしまったんだ」

健一と小西のジレンマに悩んだサイボーグ桃子は、<頭が痛くて、一晩中眠れませんでした。再び小西家には戻れません。どうか許してください>と書き置きを残し、崖の上から身を会投げて、電気仕掛けの頭部を体から切り離すのであった。

★ロロモ映画評

この映画が公開された1979年に日活は第一四半期に八城夏子主演の「宇能鴻一郎の濡れて開く」、水原ゆう紀主演の「天使のはらわた 赤い教室」、野平ゆき主演の「修道女 濡れ縄ざんげ」、栗田洋子主演の「女生徒」、水島美奈子主演の「クライマックス・レイプ 剥ぐ!」、小川亜佐美主演の「好色美容師 肉体の報酬」、志麻いづみ主演の「白いふくらみ」、宮下順子主演の「赫い髪の女」、水島美奈子主演の「宇能鴻一郎の看護婦寮日記」、宮井えりな主演の「女教師 汚れた噂」、日向明子主演の「禁じられた体験」、鹿沼えり主演の「肉の標的 奪う!!」、水島美奈子主演の「泉大八の女子大生の金曜日」と言った映画を公開。

第二四半期は三崎奈美主演の「むちむちネオン街 私たべごろ」、八城夏子主演の「昼下がりの女 挑発!!」、竹田かほり主演の「桃尻娘 ラブアタック」、森下愛子主演の「もっとしなやかに もっとしたたかに」、原悦子主演の「高校エロトビア 赤い制服」、宮井えりな主演の「凌辱 こます」、片桐夕子主演の「希望ケ丘夫婦戦争」、日向明子主演の「色情三姉妹 ひざくずし」、水島美奈子主演の「レイプショット 百恵の唇」、宮井えりな主演の「団地妻 狙われた寝室」と言った映画を公開。

第三四半期は鹿沼えり主演の「天使のはらわた 名美」、池波志乃主演の「白く濡れた夏」、谷ナオミ主演の「団鬼六 縄と肌」、日向明子主演の「潮吹き海女」、原悦子主演の「ひと夏の秘密」、鹿沼えり主演の「宇能鴻一郎の女体育教室」、宮井えりな主演の「ズームアップ 暴行現場」、小川亜佐美主演の「看護婦日記 いたずらな指」、石井雪江主演の「レイプハリケーン 裂く!!」、宮下順子主演の「濡れた週末」と言った映画を公開、

第四四半期は橘雪子主演の「Mrジレンマン 色情狂い」、倉吉朝子主演の「団鬼六 花嫁人形」、波乃ひろみ主演の「堕靡泥の星 美少女狩り」、志麻いづみ主演の「東京エロス千夜一夜」、鹿沼えり主演の「エロス学園 発情時代」、水島美奈子主演の「宇能鴻一郎のあつく湿って」、山口美也子主演の「ホールインラブ 草むらの欲情」、鹿沼えり主演の「団地妻 肉欲の陶酔」、日向明子主演の「快楽昇天風呂」、宮井えりな主演の「愛欲の標的」、日向明子主演の「桃子夫人の冒険」と言った映画を公開しているわけです。

ということでこの映画は1979年の最後を締めくくった映画と言うことになり、それにふさわしい映画かどうかはわかりませんが、主役の日向明子はロロモ好みの整った顔立ちをしており、やはりこういう映画はヒロインが自分の好みの女性のタイプでないかどうかでかなり感じ方が違ってきますが、そういう意味でこの映画は合格点となるわけです。

この映画で日向明子はサイボーグだったと言うことなので、冷凍人間に成功したのか失敗したのかよくわかりませんが、手塚治虫「鉄腕アトム」に「冷凍人間」と言うエピソードがあり、そこで冷凍人間として登場するのはマヤのピラミッドの奥深くに作った実験室で眠るペレス博士ですが、彼が冷凍人間になった理由は、原爆戦争は20世紀の文化をすっかり滅ぼしてしまうだろうと予想したので、20世紀の文明と記録を何世紀も後の人たちに伝えて、自分で未来の人々に説明したい、と言うものでありますが、20世紀の文化を滅ぼすような原爆戦争はありませんでしたが、21世紀の文化を滅ぼすような水爆戦争はありえないとは言い切れないのでありました。(2019年7月)

得点 60点

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