モホークの太鼓

1939年 アメリカ

キャスト:ヘンリー・フォンダ(マーティン)クローデット・コルベール(ラナ)ジョン・キャラダイン(コールドウェル)ロジャー・イムホフ(ハーキマー)アーサー・シールズ(ローゼングランツ)ジョン・ビッグツリー(ブルーバック)

監督:ジョン・フォード

1776年、ニューヨーク州オールバニーのボースト邸でマーティンとボースト家の一人娘のラナの結婚式が行われる。開拓農民であるマーティンはすぐにラナをモホークにある開墾地に連れて行く。粗末な小屋だけどこういう暮らしも悪くないわとマーティンに言うラナ。「狭い方が家事が楽だもの」「僕は満足してるけど、お嬢様育ちの君には違って見えるんだね」

そこにインディアンの大男が現れパニックになるラナに大丈夫だと言うマーティン。「ブルーバックだ」「殺されるわ」「落ち着くんだ」また来ると言うブルーバックにいつでも来てくれと言うマーティン。「君は友達だ」「いい友達。いいキリスト教徒」家に帰りたいと呟くラナ。「私は辺境地では暮らせない。怖くてたまらないわ。インディアンが突然入ってくるなんて」「彼も僕らと同じキリスト教徒だ」「……」「しっかりしろ。僕がついている」

開墾しながら夢をラナに語るマーティン。「夏が来たら納屋を建てる。それからもっといい家を建てよう」「私は今の家が好きよ」「だけど女性は立派な家に憧れるんだろう」「妻よりも家の方が大事なのね」「手が荒れてる、畑仕事はやめろ」「やりたいのよ」「干し草の作業は大変だ」「都会育ちの女はひ弱だとでも?私は強い女よ。あなた一人じゃ無理よ」「心強い助っ人だ」

ジャーマンフラットの砦でハーキマー将軍たちにラナを紹介するマーティン。演説するハーキマー。「ニューヨークと12の植民地が独立を宣言して、革命は戦争へと発展した。いずれこのモホークも戦場と化すことが予想される。だから我々も民兵隊を結成して戦いに備えねばならん。我等の地をこの手で守り抜こうではないか。ワシントンは正規軍を辺境に派兵する余裕がないのだ。インディアンに関しては王党派が抱き込もうとしている。この砦で警鐘や発砲の音が聞こえたら、ただちに駆け付けろ」

ギルは先輩の開拓民たちの協力を得て、着実に農地を拡大していくが、英国人コールドウェル率いるインディアンに襲撃され、農地は全て焼かれてしまう。流産してしまったラナに全てが水の泡だと言うマーティン。「やり直せばいいわ。土地は残っている」「もう君に苦労をかけさせたくない。君はここに来るべきではなかった。女性が住む場所じゃない」「他にも耐えてる女性はいるわ」「ラナ」

教会で演説する牧師のローゼングランツ。「この安息日に悲しい知らせがあります。ワシントン総司令官からの通達です。大勢の王党派とインディアンの敵軍がこの谷に向かっています。16歳から60歳の武器を持てる男たちは全員ハーキマー将軍の元に明朝出向くのです。大陸軍のフィッシャー大佐が連隊を率いて、我々の応援にやってきます」戦地の赴いたマーティンは負傷して戻るが、ハーキマーらは命を落としてしまう。

それからしばらく平和な生活が続き、ラナは男の子を産むが、コールドウェルは1000人のインディアンを率いて襲撃し、マーティンらはジャーマンフラットの砦に立てこもる。「弾を無駄にするな。神を信じて敵が近づくまで待て」しかし弾薬はわずかになり、応援を求めるためにマーティンは砦を出発する。数時間後、援軍が到着し、コールドウェルはブルーバックに射殺され、インディアンは撤退する。

ワシントンが英軍を克服させ、独立戦争は終結する。「あれが我等の新たなる旗、勝利の象徴だ。13の星は植民地の数、13の条は州の団結を表す」砦に飾られた旗を誇らしげに見つめるマーティンとラナ。「きれいな旗ね」「さあ、仕事に戻ろう」

★ロロモ映画評

この映画を見てどうしても気になったのが都会育ちのお嬢さんのラナがどうして辺境の地に行く気になったかということでして、映画はいきなりラナとマーティンの結婚式で始まりますが、それまでの経緯が描かれてないので、どうも二人のラブストーリーに乗ることができず、恋愛映画はそういうものを描かなければ画竜点睛を欠く結果になるとロロモは思うわけです。

従ってこの映画は恋愛映画というよりアメリカ独立戦争映画と見たほうがいいのでしょうが、戦争の規模がかなりしょぼい代理戦争ぶりで、この戦いの結果がアメリカ独立に重要な影響を及ぼすとはとても思えないので、アメリカ独立戦争映画と見てもあまり大した出来ではなく、従ってこの映画は大した出来でないと言わざるを得ないわけです。

この映画はアメリカがイギリスに勝って星条旗を掲げられるところで終わりますが、この星条旗は白線と赤線の組み合わせの13本の横縞と、四角に区切った左上部は青地に白い星が配置されていますが、13本の横縞が独立当時の13の入植地を表し、星は現在の州を表しているわけです。

その13州はアメリカ東海岸に位置するニューハンプシャー州、マサチューセッツ州、ロードアイランド州、コネチカット州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州、デラウェア州、メリーランド州、バージニア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、ジョージア州でありますが、アメリカ合衆国はそれからどんどん肥大して州を増やいていき、そのたびに星条旗の星の数は増えていったわけです。

その経緯を見てみると、1795年にケンタッキー州とバーモント州を追加し、星15、1818年にインディアナ州とルイジアナ州とミシシッピ州とオハイオ州とテネシー州を追加し、星20、1819年にイリノイ州を追加し、星21、1820年にアラバマ州とメイン州を追加し、星23、1822年にミズーリ州を追加し、星24、1836年にアーカンソー州を追加して、星25となります。

さらに1837年にミシガン州を追加して星26、1845年にフロリダ州を追加して星27、1846年にテキサス州を追加して星28、1847年にアイオワ州を追加して星29、1848年にウィスコンシン州を追加して星30、1851年にカリフォルニア州を追加して星31、1858年にミネソタ州を追加して星32、1859年にオレゴン州を追加して星33、1861年にカンザス州を追加して星34、1863年にウエストバージニア州を追加して星35となります。

さらに1865年にネバダ州を追加して星36、1867年にネブラスカ州を追加して星37、1877年にコロラド州を追加して星38、1890年にアイダホ州、モンタナ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、ワシントン州を追加して星43、1891年にワイオミング州を追加して星44、1896年にユタ州を追加して星45となります。

20世紀になると、1908年にオクラホマ州を追加して星46、1912年にアリゾナ州とニューメキシコ州を追加して星48、1959年にアラスカ州を追加して星49。そして1960年にハワイ州を追加して星50となり、現在に至っているわけです。

その50州となってから50年以上経ち、51番目の州が現れず、在日米軍問題を抱える日本は実質的にアメリカの51番目の州じゃないかと揶揄されることもありますが、現実的に51番目の州として有力なのが、アメリカの連邦自治区であるプエルトリコで、州昇格に関する住民投票は4度行われており、投票ごとに州昇格支持票が増加し、2012年の投票で可決に至っていますが、島の住人のほとんどがスペイン語を話していることから、英語話者が多数を占めるアメリカに入る機会を妨げており、完全独立を求める者もいるわけです。

ロロモはなんとなくプエルトリコは独立したほうがいいんじゃないかと思いますが、星条旗によく似ているのは、アフリカのリベリアの国旗でありまして、この旗は白線と赤線の組み合わせの11本の横縞と、四角に区切った左上部は青地に白い星一つが配置されていますが、11本の紅白の縞はリベリア独立宣言の11人の署名者を示し、青い四角はアフリカ大陸を表し、その中の白い星は元奴隷に与えられた自由を示しているそうです。

アメリカ合衆国で黒人奴隷制度に対する廃止運動が高まる中で、奴隷身分から解放された黒人が故郷のアフリカに戻ろうという運動が起こり、彼らはアフリカ植民協会を設立。そして1820年からアフリカに戻った黒人が開拓を進めたのがリベリアで、1847年に独立し、現在のアフリカの中ではエチオピアに次いで古い国で、国名も自由を意味する「リバティ」から来ており、首都のモロンビアの名は開拓独立当時のアメリカ大統領ジョン・モンローから来ているわけです。

ということでアメリカ合衆国の影響を強く受けているリベリアがアメリカ合衆国のような国になっているかというと全くそんなことはなく、1989年から2003年にかけて断続的に2度も起きた内戦などから、世界最貧国の一つとなっていますが、今年から1995年にFIFA最優秀選手賞と欧州最優秀選手賞を受賞したサッカーの名選手ジョージ・ウエアが大統領に就任して国の再建を図ることになりますが、なかなかサッカーのようにうまくいかないのではと危惧するのでありました。(2018年6月)

得点 27点

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