モノリス

1993年 アメリカ

キャスト:リンゼイ・フロスト(フリン)ビル・パクストン(タッカー)ジョン・ハート(ヴィラーノ)ルイス・ゴセットJr(マック)ミュゼッタ・ヴァンダー(カーチャ)

監督:ジョン・エアーズ

ロサンゼルス市警の刑事のフリンとタッカーは女性が少年を射殺する現場に出くわし、その女性を逮捕する。殺した女はロシア人だとフリンとタッカーに教える上司のマック。「カーチャ・パブロワ博士。レニングラード出身の科学者で、専門は遺伝と進化」「学者が殺しとは」「あの女は頭がおかしい」「どうかしら。彼女、あの少年と知り合いだと思うの。尋問させて」あの子は死んでいたとフリンとタッカーに訴えるカーチャ。「頭が変なように聞こえるでしょう。その方がずっといい。真実より」「真実って?」「喋ったら、彼らに殺されてしまうわ」

カーチャを引き取る歴史調査局のヴィラーノ。少年の死体を完全防護服を着た男たちが死体安置所から車に移すのを不審に思ったフリンとタッカーは尾行するが、少年の死体を乗せた車は炎上し、車の中から顔が半分焼けた男が現れ、目から光線を放ってフリンとタッカーを攻撃して姿を消す。「どういうことだ」「歴史調査局に行ってみましょう」

4人死亡して1人は行方不明になったと報告を受けるヴィラーノ。「不明?」「車の中に死体がないんです。転移した」「……」「状況からして念爆を使っています」「強くなっている」「目撃者は2人。刑事です」「あれを探せ。手段は構わん」

ロシア大使館に連れていってと言うカーチャに、君が少年を追ったから我々はあれの捕獲に失敗したと責めるヴィラーノ。「裏切り者め」「間に合ったはずよ。まだ安全期だったはず。順応が不完全なら助けられたのよ」「台無しだな。君の感傷のせいだ。どう処置しよう。君が邪魔なのだ」「邪魔?あなたが強制したのよ。彼も坊やも死んだのよ。何人殺せば気が済むの」「進歩に犠牲はつきものだ」「犠牲?何百万人も犠牲にする気」

フリンとタッカーは警報システムを調べると言う名目で歴史調査局に入るが、ヴィラーノに追い出される。二人はパトカーに乗るが、そこにカーチャが落下してくる。窓から落とされたと主張するフリンとタッカーに自殺だと言うマック。「5人も目撃者がいる」「ヴィラーノの手下よ」「この件で我々の出る幕はない。忘れるんだ」

カーチャの同僚の名簿を盗んだフリンとタッカーは、グリーンと言う男の家に行き、カーチャとグリーンが同棲していて、グリーンの息子をカーチャが撃ったことを突き止める。グリーンの日誌を読むタッカー。「6月5日、千年の眠りから目覚め、それは段々強くなっている。9日、カーチャと話す。彼女は私と息子の身を心配している。12日、制御不能、ヴィラーノに話す。中止を要請。だがヴィラーノは言下に拒否。彼は異常だ。17日、ふと思い出す。原爆を見たオッペンハイマー博士の弁だ。私は死に神だ」二人はヴィラーノの部下に襲われるが、命からがら逃走する。

グリーンの日誌を読み、信じられない内容だとフリンとタッカーに言うマック。「肉体を持たない生命体。生きたエネルギーで知的生命に寄生する。つまりこうかね。長官に電話して、UFOが出たというわけか」「病院送りにされるがな」「ああ、3人とも病院行きだ」「そいつはコアで活性化するそうだ。コアって何だ」「さあね」

マックは長官に電話する決意を固めるが、ヴィラーノの部下に射殺される。顔の半分焼けた男は警官に射殺される。「簡単すぎるんじゃないかしら」「もう転移しているようだ」転移した浮浪者を追って、フリンとタッカーは下水道に入り、浮浪者を射殺するが、タッカーは知的生命体に寄生されてしまい、フリンを襲って歴史調査局に向かう。

政府高官からすぐに宇宙船を破壊しろと命令を受けるヴィラーノ。「収拾がつかなくなるぞ。あれがコアに戻ったら終わりだ」「そこが狙いです。目覚めさせるんです」「これは命令だ。計画を中止せよ。終わりだ」「……」「聞こえたのか」「聞こえません」

歴史調査局の地下に宇宙船があるのを発見して、愕然とするフリン。「何が歴史調査局よ」宇宙船の中心部であるコアで宇宙船とシンクロするタッカーを発見するフリン。「タッカー、私よ。フリンよ。覚えてる。タッカー、抵抗するのよ。まだ意識が残っているなら。私を殺したいの」そこに現れるヴィラーノ。「あきらめろ。君には理解できまい。この船は人類より古く、想像を絶する力を持つ。そんな男より大事だ」「こんな物のために人殺しを」

怒り狂ってコアに向かって発砲するフリン。やめてくれと叫び、フリンを狙撃するヴィラーノ。「私はこの瞬間を待った。この力を確かめ、そして一体となるのだ」人間性を取り戻したタッカーは、口から知的生命体を吐き出す。飛び出した知的生命体はヴィラーノの頭部を破壊する。制御を失って発進する宇宙船。そこから海に飛び込むフリンとタッカー。大爆発する宇宙船。タッカーは泳げないことをフリンに告白するのであった。

★ロロモ映画評

ロロモがこの映画を見ようと思った動機は「モノリス」と言う題名でありまして、1950年代B級SF映画の傑作「モノリスの怪物 宇宙からの脅威」が想定外の面白さだったので、もしかしたらこの映画もと期待したわけですが、想定内のつまらなさと言うか、1980年代B級SF映画の傑作「ヒドゥン」の出来損ないのような映画であることが判明するわけです。

「ヒドゥン」同様、この映画にも憑依型宇宙人が現れ、どうやらグリーン→グリーンの息子→顔の半分焼けた男→浮浪者→タッカー→ヴィラーノと憑依していくようでありますが、その憑依履歴が「ヒドゥン」ほど面白くないので、全然サスペンスが盛り上がりませんが、最後のタッカーからヴィラーノへの強制憑依はちょっとだけ面白かったなあと思うわけです。

この映画の題名がなぜ「モノリス」なのか疑問に感じますが、モノリスとは、建築物や遺跡の内で配置された単一の大きな岩や、幾つかの山々のように一枚の塊状の岩や石から成る地質学的特徴を表すものだそうで、「モノリスの怪物 宇宙からの脅威」では、隕石が水分を吸収して巨大一枚岩となる設定が面白く、まさにモノリス映画だなあとロロモは感銘を受けたわけです。

ところがこの映画では一枚岩は出てこず、宇宙船のことをモノリスと言っており、あれのどこがモノリスなんだと言いたくなりますが、これはどうやら1960年代A級SF映画の傑作「2001年宇宙の旅」に登場する黒い石板のような謎の物体「モノリス」から拝借しているようで、要するに宇宙から来たものをモノリスと名付けていいと言うルールに従っているわけです。

ということでこの映画は過去の傑作SF映画のいいところを拝借して失敗した作品のようでありますが、ロロモは「2001年宇宙の旅」をA級SF映画の傑作と言いましたが、それは世間一般の評価であり、ロロモはまだ見たことがないので、評価のしようがありませんが、この映画は前から見たいような見たくないような気がして、結局見てないのですが、どうせロロモが見てもわからないと言う諦めめいた言い訳を見る前からしてしまい、あまりにもSF映画の金字塔と言われると反攻したくもなりますが、21世紀にこの映画を見るのも乙なのかなと思ったりもしますが、頑張って意地を通して、この映画を見ないで死ぬのも男らしいかなとも思ったりするわけです。

ということでSF映画の傑作と言われる「2001年宇宙の旅」は、アメリカン・フィルム・インスティチュートことAFIが「AFIアメリカ映画100年」シリーズの一環として2008年に選出した「10ジャンルのトップ10」の中のSF映画のジャンルの中で、当然1位となっていますが、そのトップ10は、1位が「2001年宇宙の旅」、2位が「スターウォーズ エピソード4」、3位は「E.T」、4位は「時計じかけのオレンジ」、5位は「地球の静止する日」、6位は「ブレードランナー」、7位は「エイリアン」、8位は「ターミネーター2」、9位は「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」、10位は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」となっているわけです。

このうちロロモは未見なのは「2001年宇宙の旅」と「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」ですが、ロロモは「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」のオマージュのような「ブレイン・スナッチャー 恐怖の洗脳生物」は見ているので、ベスト10でまったく手付かずなのは「2001年宇宙の旅」だけと言ってよく、やはりSF映画は好きであることが再確認できますが、この映画を見ないことは人生においてすごく損をしてるのではと言う気もしてしまうのでありました。(2017年11月)

得点 22点

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