モノリスの怪物 宇宙からの脅威

1957年 アメリカ

キャスト:グラント・ウィリアムス(ミラー)ローラ・オルブライト(キャシー)レス・トレメイン(コックレーン)トレバー・バーデット(フランダース)フィル・ハービー(ギルバート)リンダ・スチェリー(ジニー)ハリー・ジャクソン(ヘンドリックス)リチャード・カッティング(レイノルズ)ウィリアム・フラハーティ(コーリー)

監督:ジョン・シャーウッド

<太古の昔から、地球は宇宙からの物体に攻撃され続けている。宇宙の塵や石片が大気を破り続ける。数千もの石片が落下する。大部分は地球の大気に衝突し、閃光を放ち破壊される。内側に到達するのはごくわずか。多くは地球の3分の2を占める水に沈むのだ。しかし時には世界の初めからだが、地球に衝突する隕石がクレーターを形成してきた>

<クレーターの大きさは様々。世界中の科学者たちが貴重な発見のため研究したがる。毎日のように死にかけた光を放ちながら遥か遠くの惑星からやってくる。無限の彼方からの隕石。また宇宙の彼方から新たな脅威が。未知の物質。未踏の秘密。隕石はその夜静かに待っている>

地質学研究所を訪ねる新聞記者のコックレーンにこの黒い石は変わってるだろうと言う地質学者のギルバート。「一体なんだ」「まだわからん」「どこで?」「サンアンジェロ旧道だ。いっぱい落ちていた。昨日まではなかったのに」「溶岩かな」「違うみたいだ。もしかしたら世紀の大発見かもしれん。そしたらあんたが世界がビックリする記事を書けばいい」

翌日、地質調査から戻ったギルバートの同僚のミラーは研究室は黒い石だらけになって、ギルバートが死んでいるのを発見する。医療研究機構に電話したと署長のコーリーに言う石のレイノルズ。「ギルバートの遺体を朝、搬送する」「なぜ」「死因を突き止められるかも。私にはわからないのだ」「……」「最初は強皮症かと思った。皮膚が硬化する疾患だ。だが全ての組織がひと塊になってるようなんだ。何もわからない」

この件は記事に出来ないとコックレーンに言うコーリー。「できない?私はギルバートの親友だ。誰よりも残念に思っている。だが私は記事だ。これはニュースだ」「だがどうやって書くんだ。地質学者が岩に変身。検死では理由がわからず」「……」「恐ろしい病気が蔓延すると町がパニックになるぞ」

どうも簡単なことではない気がすると言うミラー。「研究室の状態です。大破とも言えるくらい滅茶苦茶になっていた」「爆発ってことか。でもギルバートの死因とは関係ないだろう。遺体に火傷の痕はなかった」「爆発があったとは思えない。この石片がそこら中にあった。何か不明だか」

昨日ギルバートが持ってきた石と同じだと呟くコックレーンに一つだと言ってたかと聞くミラー。「ああ」「これは研究所のそこら中にあるぞ」その石を見せてとミラーに頼むミラーの恋人で小学校教師のキャシー。「今日、サンアンジェロ旧道で同じものを。野外研究で生徒が見つけたの。ジニー・シンプソンよ。車の中でも持ってたわ」「ジニーの家にこれが?確信は持てないが、ギルバートの死がこの石と関係あるなら、子供の身に何か」

ミラーとキャシーとコーリーはシンプソン家に行くが、シンプソン家は黒い石だらけで破壊されており、ジニーの両親は石化して死に、ジニーは言葉が喋れない状態になっていた。ジニーは平熱だと言うレイノルズ。「だがひどいショックを受けている。だから何も言えないのだろう」

なぜ黒い石は増殖したとコックレーンに聞くミラー。「わしにもわからん」「どこにでもある普通のシリコン。なのに行く先々で死が」「問題は誰が石を持っているかということだ。旅行者が持ち帰ればどこで起きてもおかしくない」「こういう話は広まるのが早い。記事の方が後から出るかも」「これじゃ記事にはならんな」

ミラーに電話するレイノルズ。「ロサンゼルスに飛んでくれる人間が欲しい。ジニーを病院に連れてって見せてほしい」「そんなに悪いんですか」「若いが優秀な医者ヘンドリックスにお願いした」「わかった。ジニーは私とキャシーが。それでキャシーの容態は?」「手が石化を。そして体中に広がりつつある」

ジニーのレントゲン写真をミラーとキャシーに見せるヘンドリックス。「胸筋が麻痺してるのがわかりますね?症状は腕から胸腔に大動脈を伝わって行く」「それで体中に広がる。進行を止めることは?」「……」「彼女を救ってあげたいんです」「未知なるものに対処なんかできないんです」大学に行くと言うミラー。「世話になったフランダース教授がいる。彼ならわかるかもしれん。キャシー、君はジニーのそばにいてくれ」

黒い石を調べて凄いと興奮するフランダース。「シリコンを全部ゴミ箱に突っ込んだみたいだ」「さっぱりわからなくてお手上げです。今までに一度もこんな記録はない」「その理由は簡単だ」「え」「今まで地球になかったからだ」「じゃあ隕石?」「含有成分からそうとしか考えられん」「ありえない量なんです。研究所に数百もある。シンプソン家にも」「一度に全ては解決せん」「増殖は何とか食い止めたいんです。すでに二人が死んだ。このままではジニーも」「まず起源を調べよう。研究室とシンプソン家か。現場に案内してくれ」

シンプソン家に行き、何かわかったかとコーリーに聞くミラー。「爆発はなかったと言う検証結果だ」黒い石のまわりの砂が変色しているとミラーに言うフランダース。「違いは色だけじゃない」「これは灰?生命力を感じない」

黒い石はシリコンを吸収しているのではないかと推測するフランダース。「接触したものなら何でもいいんだ。砂漠でも樹木でも」「人間でも?」人間の体にシリコンがあるとは知らなかったとレイノルズに言うコーリー。「微量元素だ」「体内のシリコンが突然消えたりしたら?」「科学的には不確かだが、シリコンは肌を柔軟にすると言う話がある」「ジニーが危ない」

サンアンジェロ旧道に行き、隕石が落ちていることを確認するミラーとフランダース。「このかけらが散乱したのか」「宇宙の英知がここに」「知りたいことは一つだけだ。どうやって増殖したか」「これが地球の大気に衝突して高温で燃焼する。金属化合物は変化してるかも。そして活発化するんだ。内部のことはわからないがな」

レイノルズから電話を受けたヘンドリックスは、ジニーにシリコン注射をするとキャシーに言う。「申し訳ないが、この状況下だとジニーへの処置は全てが実験とも言える。体内のシリコンが石に奪われてることは間違いないようだ。人造的にその要素を補充させて、ジニーの体が凝固しないようにする」「先生、おねがいします」

黒い石をバーナーで熱しても何も変化しないとミラーに言うフランダース。「熱や電気ではない。単純な促進剤ではないのか。いや単純であるべきだ」「ギルバートとジニーが石に何かをしたんだ。ギルバートが研究室、ジニーが家で一体何を」「雷だな」「一雨降りそうだ。教授、コーヒーでも淹れましょう」

コーヒーを誤って黒い石にかけてしまうフランダース。たちまち増殖する黒い石。「どういうことだ」「水だ。水はなくなれば止まる」「水分がある限りは増え続けるんだ。こんな単純な」「いかん。雨が降ってきた」「隕石が」サンアンジェロ旧道に行き、巨大な石塔状態となっている隕石を確認するミラーとフランダース。「凄いな」「渓谷を滑り落ちていく。サンアンジェロに激突するぞ」

サンアンジェロ町民を全員避難させてくれとコーリーに頼むミラー。「雪崩のように岩が流れて来て衝突します。このままだと町は跡形もなく消える」「岩が増殖してると」「一津が倒れると100に。その100が一万に。3度目は100万だ。世界中に蔓延する」「……」「雨でどんどん増える。だがやめば」気象庁に電話し、雨はもうすぐやみ、二日後に降ることを確認するミラー。「教授、それまでになんとかしないと」「なんとかするしかないだろう」「署長、町民に2日以内に避難するよう警告してくれ」「わかった」

ミラーにジニーは回復したと連絡するヘンドリックス。「それは素晴らしいニュースだ。ジニーの治療法はここでも役立ちそうです」「では教える。高純度のケイ酸とCMC。グルコースにモノクロロ酢酸だ」「それで」「それを食塩水に入れて注射する」「ありがとうございます」

数千もの岩が俺の農場を襲ってきたと訴える農夫のヘーゲンズ。「めちゃめちゃにされたよ。家畜も全部死んだ」「でも雨が降らなければ、もう岩は襲ってこない」「うちの農場は雨は降ってない時に襲われたぞ」「え」「止められやしない。どんどん町に向かっていく」

知事は緊急事態宣言を発令したと伝えるニュース。「避難以外の車両はサンアンジェロに近づかないように。この通告に背く者は逮捕されます」ヘーゲンズの農場で巨大化した黒い石が増殖しているのを確認するミラー。「雨がやんでいるのに。そうか。地面が湿っているからか」

まだ活動を続けているとフランダースに言うミラー。「水分を吸収してるんだ。成長速度を計算してみたが、あと8時間で町に来る。それでこの町は石の町になる」「本当にヘンドリックス博士の処方をちゃんとメモしたのか」「ダメだと?」「ああ、増殖はやめない」「なぜ、ヘンドリックスの処方がこれには効かないんだ」

そこに現れるキャシー。「どうしてここに」「ミラー、あなたと一緒にいたくて。ジニーはもう大丈夫よ」ヘンドリックスの処方がうまくいかないと言うミラーに忘れているものがあると言うキャシー。「食塩水よ」「そんなものは何の関係も」「でもその方法しかないんじゃないの」食塩水を黒い石にかけるミラー。たちまち砂状になる黒い石。

もう一日あればモノリスの動きは止められたと地図を見ながら説明するミラー。「だが町に来る前にここで止められるかと。これが谷の自然な稜線です。ここに塩を敷き詰める。モノリスが倒れてきたら山積みにして内側に押し戻す。これで時間稼ぎができる。そして灌漑ダムをダイナマイトで爆破して水を流す。塩と水は融合して、モノリスを退治する」

ダムは私物だと言うコーリー。「あれを爆破するなんて責任が取れない。600万ドルもかかったんだ」「金の問題じゃない。食い止めなきゃならないんだ」「……」「知事の連絡を。理解を示してくれるだろう」「どこへ行くんだ」「もう時間がない。水がうまく回るようにダイナマイトを正しくセットしないと。チャンスは一度だけだ」「わかった。俺は知事に連絡する」フランダースにモノリスは止められるかと聞くキャシー。「わからん。研究室の実験とは違うからね。科学に保証なんてないんだよ」

稜線に塩、ダム付近のダイナマイトをセットするミラー。計算によると最低でも3%食塩溶液が必要だと言うフランダース。「ダムの水量を簡単に見積もってみた。すると今使っている塩の量はギリギリだ」知事が現場を見たいと連絡してきたと言うコーリー。現場を見たらダム爆破を許可してくれると言うキャシー。川底が現れるまでの時間を計算してくれとフランダースに頼むミラー。距離が分かればと答えるフランダースに、ダムから町境まで2.7マイルだと教えるコックレーン。「以前記事で調べたことがある」「ありがとう」

爆破から3分で川底が現れる計算だと言うフランダース。「3分か。うまく合わせよう」知事はまだ着かないと言うコーリー。「空港に向かう車中らしいが」モノリスの増殖スピードは予想以上だと呟くミラー。「もう知事の許可は待てない」ダイナマイトを爆発させるミラー。塩水の中で崩壊していくモノリス。知事から連絡があったと言うコーリー。「別の用事があって空港に行くのが遅れたようだ」「ダムの件はなんと?」「ダムの爆破はするなと」「……」「だが成功するなら構わんとのことだ」ハハハと笑うミラーたちなのであった。

★ロロモ映画評

<太古の昔から、地球は宇宙からの物体に攻撃され続けている。宇宙の塵や石片が大気を破り続ける。数千もの石片が落下する。大部分は地球の大気に衝突し、閃光を放ち破壊される。内側に到達するのはごくわずか。多くは地球の3分の2を占める水に沈むのだ。しかし時には世界の初めからだが、地球に衝突する隕石がクレーターを形成してきた>

<クレーターの大きさは様々。世界中の科学者たちが貴重な発見のため研究したがる。毎日のように死にかけた光を放ちながら遥か遠くの惑星からやってくる。無限の彼方からの隕石。また宇宙の彼方から新たな脅威が。未知の物質。未踏の秘密。隕石はその夜静かに待っている>

この手のB級SFはモノローグから始まることが多く、この映画はそれを踏襲していますが、この映画が素晴らしいのは地球を侵略するのが隕石であると言う設定で、普通、地球を侵略するのは無慈悲な宇宙人でありますが、ここでは無慈悲どころが最初から慈悲もへったくれもない隕石であると言うのが面白いわけです。

また普通のSF映画だと、この隕石が宇宙人の侵略兵器とか言うお話になりますが、これはただの隕石であることが素晴らしく、その隕石が水分を吸収すると巨大化し、極限まで巨大化すると自らの重さに耐え切れず倒れてしまいますが、その際にバラバラになって増殖すると言うのもなかなかいいアイデアだと思うわけです。

しかしここで問題になるのは研究室とシンプソン家で散乱している黒い石でありまして、それは拾ってきた石が巨大化して崩壊して研究室とシンプソン家を破壊したようでありますが、そうなると相当水分を吸収しないといけないと言う気はして、やや疑問を感じますが、この場合はグレムリンのように水分を吸収した石がポコポコと石を生み出して、その勢いで研究室とシンプソン家を破壊したと言うことで納得したいと思うわけです。

そして雨によって隕石は巨大化してモノリスとなりますが、このモノリスの造詣もなかなかカッコよく、地面からニョキニョキと現れる様は黒いタケノコを連想させますが、タケノコの成長力は素晴らしく、上田弘一郎と言う博士の研究で、伸び盛りのタケノコの24時間の伸長量は、マダケで121cm、モウソウチクで119cmと言うことで、1日に1メートルを超えるすさまじさでありますが、モノリスの成長はそれを遥かに凌駕しているわけです。

そんなモノリスの弱点が塩だったと言うのは、この手のB級SFにありがちなオチでまあ仕方ないかなと言う気がしますが、モノリスの造詣のカッコよさ、無言の侵略者と言う設定の素晴らしさがロロモをぐっとひきつけて、古き良きB級SF映画はええなあと思わせるのでありました。(2017年10月)

得点 84点

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