モリー先生との火曜日

1999年 アメリカ

キャスト:ジャック・レモン(モリー)ハンク・アザリア(ミッチ)ウェンディ・モニツ(ジャニー)

監督:ミック・ジャクソン

(教授に自覚症状が出たのは1994年。息切れがし脚もおかしい。何より好きだったダンスは1994年の夏に終わり。死の宣告を受けた。教授には卒業以来16年間会ってない。連絡を欠かさない約束をしたのに。日々時間に追われていた。スポーツライターの僕は飛行機とホテルと電話の生活で、恋人のジャニーとはすれ違いの日々。そんな時、モリー教授の病気を知った)

テレビでインタビューを受けるモリー。「人々に愛されながら最後の日々を過ごすモリー・シュワルツ教授。今夜はモリーの「生きるとは」をお送りします。モリーは難病です。筋委縮性硬化症に侵され、死を目前にしています。彼はブランダイス大学の社会学教授を引退し、余命を送っています」

私は人生最後の旅をしていると言うモリー。「その旅支度の話を。役立ててほしい。何か学べるはずです。私は生きた教科書です。教職が身に染まっている」

大学時代の恩師が病気で死を迎えているとジャニーに言うミッチ。「気の毒に。親しいの?」「昔は」「いい先生みたいね」「先生以上さ。エネルギーの塊だった。人生を教わり礼も言えなかったな」「まだ死んでないわ。会いに行けば?」「ボストンは遠いよ」「大切な人なんでしょう。ボストンに行く時間ぐらい作れば?」

「なぜ怒る」「いつも言い訳ばかり。時間はいくらでも」「もう遅いよ。手紙も出さずに会わせる顔がない」「先生もきっと喜ぶと思うわ。電話すれば」(一日に何十本の電話をしてるのに、一本の電話ができない。罪悪感もあるけど、彼と死に向き合うのが怖いんだ。約束を破り生き方も変えた)

意を決してボストンに行き、車椅子に乗ってるモリーと会うミッチ。「ミッチ・アルボムです」「……」「奥さんに電話を」「16年も待たせてハグなしか」モリーを抱きしめるミッチ。「相棒、やっと来てくれたか」「お元気そうだ」「電話がひっきりなしだ。くたばり損ないが面白いのさ」

「先生が話さない授業があった。ノートを広げた僕らを見つめている。10分過ぎると僕らはパニック状態。20分過ぎて耐え切れなくなった頃、先生は「どうした」と言った」「……」「沈黙の意味を教えてくれた」「なぜ人間は沈黙に慌てふためくか。なぜ言葉が飛び交ってないと不安になるのか」「……」「死について話そうか」「……」「死は哀しみの一つに過ぎん。不幸せに生きるのとは違う」

デトロイトは最高だと言うミッチ。「スポーツライターには天国だ。バスケに野球。なんでも来いだ」「地域に尽くしているか」「スポーツ好きにコラムを提供している」「君は幸せか」「そこそこには」「音楽はどうした。ピアニストが夢だったろ」「大人になってやめました」「妻子は?」「いません」「人生を共にする相手は?」「勿論います」「だが結婚はしない」「いつか準備ができたら」「彼女の名前は?」「ジェニー」「美しい名前だ。ジャニーも同じ気持ちなのかな」「いいえ」「話すことには事欠かせないようだな」

私の病気について知ってるかと聞くモリー。「蝋燭のように溶けて行く。私は下からだ。まず両脚。次は腕だ。それが全身へ及んでいく」「……」「いつか尻も誰かに拭いてもらう。でも幸運だと思う」「幸運?」「まだ学べるし愛する者に別れを告げ、最後の講義もできる」「死について?」「違う。生についてだ。死に方さえわかれば生き方がわかる」

帰るというミッチにまた来るのかと聞くモリー。「わかりません。1100キロも離れている。時間がなくて」「私はまだ君のコーチだ。会いに来い。約束だぞ」

相変わらず仕事中心の生活を送るミッチにうんざりするジャニー。(モリーは自分の考えで生きている。真正面から死と向き合っている。頭はアイデアであふれ物事が明瞭に見える。僕も昔はそうだった。どこで自分を見失ったんだ)

発作的にボストンに行き、モリーと会うミッチ。「電話もせずに来ました」ブランダイス大学にモリーを連れて行くミッチ。「春のキャンパスは最高だな」「若くなりたい?」「私も若い頃があったが、若さなんてみじめだね。加齢は退化ではなくて成長だ」「年を喜ぶ人は少ない」「現代の文化は若さを賛美してるからな。22でも78でも同じくらい幸せだ」「年は怖くない?」「どんな時に年を恐れるか。人生に意味がない時だ」廃墟となったダンスホールに行き、ここが生きる支えだったと呟くモリー。

「自分のダンス姿を思い浮かべると気分が高揚する。病気は何かの間違いだと思う。美しき幻想だよ。幻想は私を元気づけてくれる。だが、これが現実だ。受け入れたよ」「そんなに簡単に割り切れますか」「毎朝、みんなが起きる前に怒りをもてあますよ。とても苦しい。私が何をしたと言うんだ。不公平すぎる。私は泣き、怒り、嘆く。しかしやがて収まる。それで終わり。引きずらない。自分の気持ちを整理し、自分を哀れむのをやめる」「できますか」「今日起こることを思い浮かべる。人が私に会いに来て彼等から多くを学べる。君からもだ」

家に戻り息子のヘンリーと看護婦のコニーからマッサージを受けるモリー。ずっとモリーと話してましたとモリーの妻のシャーロットに言うミッチ。「疲れさせたかも」「話してる方が幸せなの。あなたは主人のお気に入りだし。また来て」「いつも元気ですね」「つらそうにしている夜もあるわ」マッサージは最高だとミッチに言うモリー。

「人に触られるのを嫌う人間がいる。それはおかしい。赤ん坊を見てごらん。触れられ抱かれ添い寝をされて安らぐ。私たちに必要なんだ」涙ぐむモリー。「大丈夫?」「この頃、涙もろくなってな。君は泣くか?」「……」「泣くことや触れることを避けているんだろう」「きっと感受性が弱いんです」「避けているのさ。怖がっている。死についても話そうとしない」「人が死の話を避けるのは思いやりです」「それがわからん。人を拒んでどうやって思いやる」「……」

庭に行きモリーの車椅子を押すミッチ。「よく野外講義を受けた」「今日は火曜日か。学生相談の日だった」「よく個人指導してもらった。家族のようによく話した」「まだ話してる。今は君が距離を置いているがな。聞き忘れたことがあった。ジャニーのことだよ。いつ会わせてくれる」「いつか」「いまだにサヨナラが下手だ。ミッチ。私が昔に戻してやる」「また来ても?」「学生相談は火曜日だ。昔通りさ」

私はあなたと別れるとミッチに言うジャニー。「待つことに疲れたの」「愛しているんだ」「私も愛してる。でもそれだけじゃイヤ」

火曜日にモリーに会いに行くミッチ。「いろんなテーマで話したい。どれも重い。死・愛・結婚・家族」「君の怖い物のリストだな。恐怖も加えて」「先生も恐怖を?」「話しただろ。毎朝感じてる。身近で死んだ人は?」「叔父のマイクだ。アメフトや音楽を教わった。42歳で死んだ。ガンでした。でも音楽はあきらめた。悟ったんです。夢で生きていけない」「そして成功した。さすがだ。でも君は何かから逃げてる」「何から話します」

母の話をするモリー。「母は病弱で私が子供のころに死んだ」「お父様は?」「父はロシアからの移民だった。寡黙な人で感情を表に出さない。母が死んで一年後に父は再婚した。最初は継母を拒んだが、優しい女性でな。だんだん心がほぐされて求めていた愛を手に入れた」「お父様との関係は?」

「最悪だったよ。継母が来たから母を忘れろと言うのだ。父は愛を恐れていた。愛を与えることも与えられることもだ。相手を失うのが怖くて愛せないからだ」エキサイトして呼吸困難になるモリー。ミッチの呼ばれたコニーはモリーに酸素吸引させる。コニーに教わってモリーを車椅子からベッドに移すミッチ。

悲しそうな顔をするなとミッチに言うモリー。「誰だって死ぬんだ。肩の鳥に聞け」「肩の鳥?」「仏教の教えだ。肩に鳥がいると思い、毎日聞くんだ。「死ぬ日は今日か?」「準備はいいか?」「悔いのない人生か?」「望む人間になれたか?」」「……」「死ぬ覚悟ができていれば人生が変わる。だから毎日聞くんだ。「今日か?」と。肩に鳥がいれば大切なことを後回しにしない」

(僕も肩に鳥を置こう)夜中にメモをしようとして鉛筆をベッドの下に落すモリー。ジャニーにモリーに会ってきたと言うミッチ。「彼といると心地いい。物事を考えさせられるんだ。君に会いたがっている。次の火曜日、一緒に行こう」「行けないわ。モリーは素晴らしいわ。あなたは変わった。でももう遅いの」

火曜日にモリーに会いに行くミッチ。「仕事・金・野心。人はこれらに埋もれてしまう。本当に欲しいものだろうか」「誰も教えない」「教師が必要だ」「なぜ教師に?医者や弁護士なら稼げるのに」「血と弁護士が大嫌いなんだ」「それで教師に」「教師になったのは父に理由があるかも」「応援してくれた?」「違う」「お父さんの仕事は?」

「毛皮コートの縫製だよ。工場があったんだ。父はそこを憎んでいたが私を入れようとした。安い賃金と重労働の世界。私の世界もそうなるはずだったが、私は喘息だった。それが転機になった。人をこき使い苦しめる職場では絶対に働かないと誓った。人を踏みつけて稼がない」「反面教師かな」「継母のエバは父と正反対。勉学の楽しみを教わった。正反対の均衡と呼んでいる。人生はゴムのようだ。一方に引けばやりたいこと。反対に引けばやるべきこと」「格闘技だな」「人生とは格闘さ」「勝者は?」「愛さ。愛がいつも勝つ」

先生の助けがいるんですと言うミッチ。「ジャニーに婚約指輪を買い」「おめでとう。彼女に会えるか」「僕は彼女をないがしろにしてきた。僕は我儘でいつも自分中心。誰かを愛するだけでなく愛されることも怖い」「指輪を拒まれたか」「渡せなかった」「愛し合っているか」「勿論。愛がいつも勝つならなぜですか。助言をください」「私の助言じゃダメだ。一緒に考える。最後のテーマに取り組もう。時間は少ない。愛を構えず素直に受け入れよう。愛は理にかなった行動だ」

(先生は問いから逃げない。僕も向かい合おう)ジャニーにプロポーズの手紙と婚約指輪を送るミッチ。火曜日、デトロイト空港に現れ、ミッチに指輪を返すジャニー。「ノーなのか」「答えは出てない。手紙もモリーの影響ね。会いたいわ」

火曜日にモリーに会いに行くミッチとジャニー。「ジャニーです」「名前に負けない美しさだ」ジャニーに海と波の話をするモリー。「ある小波は幸せな時を送っていた。だがある波が岸にぶつかるのを見て怖くなった。別の波が聞くんだ。「何が悲しいの?」小波は答えた。「僕らは岸にぶつかり消えてしまうんだ」別の波は「馬鹿だな。僕らは波じゃない。海の一部だ」と言った」「素敵な話ね」

モリーの状態は悪いとミッチに言うコニー。「症状が肺にまで来て長くないわ。あんなに素敵な人なのに」デトロイト行きの飛行機でモリーはダンスが好きだったと話してくれたとミッチに言うジャニー。「それだけ?」「指輪をくれる時は今度は直接渡して」

火曜日にモリーに会いに行くミッチ。「気分は?」「その時が来たよ。話しただろ。人に尻を拭いてもらう」「僕にもやれと」「上手そうだ。世間では恥と言うが、私はそうは思わん」「……」「今日は依存について話す。私は人に全てを依存して生きている。食事も排泄も鼻をかむのも。世間は恥だと言う。依存は恥でもなんでもない。赤ん坊は人に依存しないと生きられない。死ぬ間際も人に依存する。だがその間も人が必要だ」

「死に方は分かれば、生き方が分かる」「君にも当てはまるか」「わからない」「肩の鳥に聞いてみるといい」「裸の男が更衣室でたむろする世界じゃ心なんて軽んじられる」「心を見つめるのは弱さだと誤解してないか」「心はとらえどころがなくて」「愛し合わなければ死ぬんだ。簡単なレッスンだ。君は優秀な生徒のはず」「……」

私は不思議な夢を見ると言うモリー。「父が外の木の下にいるんだ。新聞を読んでいる」「……」「父の最期の話をしよう。恐怖で死んだ。ある夜、父が新聞を読んでいると強盗が銃を向けた。父は逃げて心臓が力尽きた。警察からの連絡で死体保管所に。父を見ても涙が出ない。今はこんなに涙もろいのに。父を許してなかった。今は違う。自分で手一杯だったんだ。長年父に心を閉ざし理解しようとしなかった。父は脅えて生きていたのに」「……」

「父を求めるだけで自分は何もしない。何と愚かだったのだろう。全ての人を許すのだ。死は突然訪れるぞ。私は幸せだ。愛に満たされている。家族や友人に囲まれ安らかに死ねる。正反対の均衡だよ。痛みと愛は共によき師だ」モリーの背中を叩くヘンリーを見て驚くミッチ。「何をする」「肺も侵されてる。こうすると凝固が防げる」ヘンリーに教わってモリーの背中を叩くミッチ。「それでいい。病気を追い出すんだ」泣きながらモリーの背中を叩くミッチ。

火曜日にモリーに会いに行くミッチ。「先生の講義をまとめています。まだ途中ですが読んでください」「ああ」「変な質問をしても」「なんだ」「もし誰かが魔法をかけ、24時間健康な体で過ごせるとしたら何をします」「甘いパンと紅茶の朝食。午前中は水泳。ランチには友人を招待する。サラダとか簡単なランチだ。そして公園を散歩。夕食は絶品のパスタを味わう。次は勿論ダンス。素敵なパートナーと疲れるまで踊り続ける。そして家に帰り眠る」「それが夢の一日?普通ですね」「……」

「妻子は登場しなかった」「わざわざ言う必要はあるまい。彼らは当然いる」「……」「埋葬地を決めたよ。丘にある木の下だ。池を臨み思考にふけるのに最適だ」「そこで考え事を?」「死んだら無理だ。悩みを話しに来てくれ」「でも先生の話は聞けない」「私が死んだら君が話せ。私は聞き役に回る」「私は先生の死が受け入れられない。落第生ですね。いくら先生に教えられても、先生が死んでしまっては全てが虚しい」

「死では人生は途切れるが絆は切れない。ミッチ、相変わらずサヨナラが下手だな」「……」「君は私の心に触れた。君が会いに来てくれたからだ。サヨナラがはこうする」ミッチの両手を握るモリー。「愛している」「僕もです」「きっと永遠に愛してくれる」「来週また来ます。ジャニーも一緒に」「来週の火曜日だな。昔通りだ」

(悲報が届いたのは土曜日の午後。先生は家族の見守る中、安らかに亡くなった)火曜日にモリーの墓に行くミッチとジャニー。(出来の悪い生徒をあきらめずに教え続けた先生。一生かかるレッスンもある。僕の教授の最後のレッスンのテーマは人生。今も続いている)

★ロロモ映画評

(教授に自覚症状が出たのは1994年。息切れがし脚もおかしい。何より好きだったダンスは1994年の夏に終わり。死の宣告を受けた。教授には卒業以来16年間会ってない。連絡を欠かさない約束をしたのに。日々時間に追われていた。スポーツライターの僕は飛行機とホテルと電話の生活で、恋人のジャニーとはすれ違いの日々。そんな時、モリー教授の病気を知った)

テレビでインタビューを受けるモリー。「人々に愛されながら最後の日々を過ごすモリー・シュワルツ教授。今夜はモリーの「生きるとは」をお送りします。モリーは難病です。筋委縮性硬化症に侵され、死を目前にしています。彼はブランダイス大学の社会学教授を引退し、余命を送っています」私は人生最後の旅をしていると言うモリー。「その旅支度の話を。役立ててほしい。何か学べるはずです。私は生きた教科書です。教職が身に染まっている」

大学時代の恩師が病気で死を迎えているとジャニーに言うミッチ。「気の毒に。親しいの?」「昔は」「いい先生みたいね」「先生以上さ。エネルギーの塊だった。人生を教わり礼も言えなかったな」「まだ死んでないわ。会いに行けば?」「ボストンは遠いよ」「大切な人なんでしょう。ボストンに行く時間ぐらい作れば?」「もう遅いよ。手紙も出さずに会わせる顔がない」「先生もきっと喜ぶと思うわ。電話すれば」(一日に何十本の電話をしてるのに、一本の電話ができない。罪悪感もあるけど、彼と死に向き合うのが怖いんだ。約束を破り生き方も変えた)

結局ミッチはモリーと会う決心をして、それから毎週火曜日に個人授業を受けますが、このモリーの授業内容が見るものの心をぐっと来させ、死が明らかに目前に迫っている彼が、生の素晴らしさをユーモアを交えながらも教えて行く姿が感動を覚えるわけです。

ポイントとなるのが「死に方さえわかれば生き方がわかる」と言うフレーズでありますが、モリーは筋委縮性硬化症に侵されて死に方がイヤと言うほどよくわかるからこそ、生き方もわかると言うか生きることの素晴らしさがわかると言うことだとすると、そんな難病にならないと生き方がわからないのかとも思ったりしますが、モリーはそういう病気になったから生きることを真剣に考えたのではなく、常に生きるということに真剣に考えていたからこそ、死に方がわかってさらに生き方がわかったのだろうと考えられるわけです。

普段は人間はその日暮らしに追われて、どう生きるかなどと考えたりもしませんが、人間は動物と違ってそういうことを考えることができますから、モリーは父に対する自分の態度を常に後悔し、生きると言うことは仕事や金や野心ではなく、常に他人を愛する気持ちを持って生きることが必要だと気づき、それを実践してきたからこそ、死ぬときになっても大きな愛に包まれて死ぬことができると説きますが、それがもう死ぬからという達観のような視点ではなく、やはり死ぬのは恐ろしいということを正直に打ち明けて、素晴らしい生を満喫したいと言う思いがあるのもなかなか深いものがあるわけです。

そして人生の過ごし方として、モリーは「肩に鳥を飼い、その鳥に毎日「死ぬ日は今日か?」「準備はいいか?」「悔いのない人生か?」「望む人間になれたか?」と聞け。死ぬ覚悟ができていれば人生が変わる。だから毎日聞くんだ。「今日か?」と。肩に鳥がいれば大切なことを後回しにしない」と説きますが、この教訓はなかなか深いと言うか、そういう習慣を身に着けることでのんべんだらりと日々を過ごすことを防ぐ効果ともなり、ロロモも早速肩に仮想鳥を飼って「悔いのない人生か?」と聞こうと考えるわけです。

人生最後の旅をするモリーはミッチに言います。「私も若い頃があったが、若さなんてみじめだね。加齢は退化ではなくて成長だ」「年を喜ぶ人は少ない」「現代の文化は若さを賛美してるからな。22でも78でも同じくらい幸せだ」「年は怖くない?」「どんな時に年を恐れるか。人生に意味がない時だ」

世の中は老人に対してマイナス思考に行くように仕向けており、それに打ち勝つモリーの姿勢が素晴らしく、これだけ老人が増えて来ると若者文化のみならず老人文化の重要性も真剣に考えなくてはなりませんが、若者には未来はあるが老人には未来がないと言うのも事実でありますが、いずれにしても死と言うゴールに向かって走っていることに相違はないので、常に人生に意味を持って走ることが必要だとこの映画は教えてくれるわけです。

そして最後の授業でミッチは先生にいろいろ教えてもらっても先生が死んでしまったら何もかも終わりだと嘆きますが、モリーは「死では人生は途切れるが絆は切れない」と教え、この映画でモリーはいろいろと教えますが、結局一番言いたかったのはこのことではなかったのかと思うわけです。

絆を切らさないような人生を送ることが、どんどんいろんな人間に絆を築いていき、それがどんどんつながって未来につながると考えれば、自分の人生が終わっても自分の思いは永遠に残ることになり、ロロモも絆を深めたいものだと思いますが、独身で子供のない現状では家族には伝えられないので、ホームページを通じて自分の思いを世界中に伝えようと言う決意を肩の仮想鳥に告げるのでありました。(2014年6月)

得点 92点

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