燃えよデブゴン カエル拳対カニ拳

1978年 香港

キャスト:サモ・ハン・キンポー(デブゴン)ラウ・カーウィン(タイガー)ディーン・セキ(パンサー)ラム・キンミン(千手観音)リー・ホイサン(白眉和尚)

監督:カール・マッカ

拳法の達人であるタイガーは夫を探してくれと老婆から頼まれる。「女郎屋とカジノのつけは払って差し上げます。それに成功したら20両を差し上げます」「そんな老人にそんな大金を」「年寄りですって。彼はまだ28歳よ」「28歳だって。済まないがその依頼は受けられない。あんたの顔見りゃ誰だって逃げたくなるよ。だが無理を通すのが俺の主義だ。どんな奴だ」デブゴンの写真を見せられるタイガー。

そのころデブゴンは賭場で知り合った千手観音という綽名の女掏摸に騙されて、老婆から盗み出した不死身の衣を奪われてしまう。衣を奪われて落ち込むデブゴンはタイガーに捕まってしまう。16年もあのババアと暮らしてきたんだとタイガーに訴えるデブゴン。「やっと衣を手に入れたら盗まれてしまった。一緒に不死身の衣を取り戻さないか」「わかった。分け前は7対3だぜ」

盗賊兄弟に気を付けたほうがいいぞとデブゴンに言うタイガー。「兄がパンサーで、弟がスマイリータイガー。極悪非道でそこらの悪党とわけが違う。千手観音が奴らとつながっているとヤバいぞ。そして奴らの父が最強の白眉和尚だ。独自の拳法を編みだし未だ負け知らずだ」パンサーは千手観音から強引に不死身の衣を奪おうとするが、千手観音はそんなものを持ってないと言って、義手を利用して逃走するが、伝書鳩をパンサーに取られてしまう。

デブゴンとタイガーは狂言芝居をして偽の不死身の衣を街一番の金持ちの棺桶王を本物に見せかける。不死身の衣を奪えと部下に命令する棺桶王。「あんなモノがあると誰も死なん。商売あがったりだ」部下たちはデブゴンとタイガーを襲うが、二人は部下を皆殺しにする。大金でニセモノの不死身の衣を棺桶王に売りつけるタイガー。「これでわしは一文無しだ」「その衣がいつか役に立つこともあるさ」

パンサーたちはデブゴンらの前に現われ不死身の衣をよこせと要求する。タイガーはパンサーの子分が千手観音の伝書鳩を持っていることに気づく。(あの鳩を放せば千手観音の行方がわかる)デブゴンは不死身の衣は棺桶王に売ったとパンサーに言う。衣を手にしたものが天下を取るのだと棺桶王に言うパンサー。「お前は棺桶でも作っていればいい」

あっさり棺桶王を倒すパンサー。俺の棺桶を作ってくれと部下に言い残して死ぬ棺桶王。棺桶王が持っているのがニセモノの不死身の衣であることに気づくパンサー。「本物はやはり千手観音が持っている。伝書鳩を飛ばして連絡するんだ」しかし伝書鳩はタイガーによってカエルの死体に取り換えられていた。

伝書鳩を使って千手観音を茶屋に呼び出したデブゴンとタイガーは本物の不死身の衣を奪い返すが、デブゴンはタイガーを殴り倒して不死身の衣を独り占めにすると、パンサーを倒して、街の実力者に躍り出る。しかし街に白眉和尚とスマイリータイガーが現われ、不死身の衣は白眉和尚の手に渡る。それを取り戻そうとした千手観音は白眉和尚の手であの世に贈られる。はははと笑う白眉和尚。「わしとて不死身ではない。この衣でわしもまさしく無敵じゃ」

白眉和尚たちは街で狼藉に限りを尽す。怒ったデブゴンはパンサーを廃人にして、タイガーはスマイリータイガーをあの世に送る。つづいてデブゴンとタイガーは白眉和尚と戦うはカニ拳を駆使して不死身の衣を身に着ける白眉和尚に苦戦する。しかし不死身の衣がイバラに引っかかったために衣はほつれてしまう。タイガーと白眉和尚が死闘をくりひろげているうちに衣は全部ほどけてしまい、デブゴンはほどけた糸で白眉和尚の両腕をがんじがらめにしてしまう。

不死身の衣はなくなったが金はあるとデブゴンに言うタイガー。「7対3に分けよう」「どっちが7割だ」「勿論俺の方さ」「そんな覚えはないぞ」「所詮俺たち二人はそりが合わないのさ。ケリをつけようぜ。勝ち残った者が全部いただくんだ」「それは俺も賛成だな」二人は激しく戦うが実力伯仲のため決着がつかずに金を奪い合うが、その金は全国人民防災基金の募金箱に入れてしまう羽目となる。一文無しになったタイガーは仕方なく、デブゴンを老婆のところに連れ戻して、20両もらうことで我慢することにするのであった。

★ロロモ映画評

拳法の達人であるタイガーは夫を探してくれと老婆から頼まれる。「女郎屋とカジノのつけは払って差し上げます。それに成功したら20両を差し上げます」「そんな老人にそんな大金を」「年寄りですって。彼はまだ28歳よ」デブゴンの写真を見せられるタイガー。そのころデブゴンは賭場で知り合った千手観音という綽名の女掏摸に騙されて、老婆から盗み出した不死身の衣を奪われてしまう。衣を奪われて落ち込むデブゴンはタイガーに捕まってしまう。16年もあのババアと暮らしてきたんだとタイガーに訴えるデブゴン。「やっと衣を手に入れたら盗まれてしまった。一緒に不死身の衣を取り戻さないか」「わかった。分け前は7対3だぜ」

この不死身の衣をめぐってカンフー合戦が繰り広げられるのがこの映画でありますが、真面目に語るにまったく値しない映画でありまして、ですから真面目に語る気がしませんが、この映画は「燃えよデブゴン カエル拳対カニ拳」というタイトルで、白眉和尚はカニ拳を披露しますが、デブゴンはカエル拳を披露しないのは、ちょっと困ったものだと思うわけです。

カエルにはアマガエルやヒキガエルや樹上に卵を産み付けるモリアオガエルやトノサマガエルなどがいますが、そんなカエルの中にウシガエルがいますが、このカエルは流れの緩やかな河川や湿地などに生息し、鳴き声は「ブオー、ブオー」というウシに似たもので、和名の由来にもなっており、声は非常に大きく数キロメートル離れていても聞こえることもあり、時に騒音として問題になるほどのでかさを誇ります。

ウシガエルは食用とされることもあるため「食用ガエル」という別名を持ち、皮を剥いた後ろ足を食用としますが、日本には1918年に東京帝国大の教授であった動物学者の渡瀬庄三郎が食用としてアメリカ合衆国から十数匹を導入。その後、1950年から1970年にかけて輸出用として年間数百トンのウシガエルが生産されたと言われ、味は鶏肉に似ており、肉は脂がほとんど無いため、炒め物やフライとして食べることが多く、おたまじゃくしを寿司のネタとした「おたま寿司」も存在するそうです。

しかし食用として養殖された個体が逃げ出し、日本各地に定着。ウシガエルは大型かつ貪欲で、環境の変化に強い本種は在来種を捕食してしまうことが懸念され、日本を始めアメリカや韓国では在来カエルの減少が問題視されており、本種が生息している水域では他のカエルが見られなくなってしまった場所もあり、国際自然保護連合によって世界の侵略的外来種ワースト100に指定されているほか、日本でも日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100に選ばれているわけです。

こうした悪影響からウシガエルは平成18年2月1日より特定外来生物として第2次指定を受けていますが、特定外来生物を野外で捕まえた場合、生きたまま持って帰ることは禁止されてしまいますが、その場ですぐに放すことは規制の対象とはならず、殺す・食べるといった行為も対象にはなりませんが、規制に違反した場合、最も重いものでは、個人で懲役3年もしくは300万円以下の罰金、法人で1億円以下の罰金となり、特定外来生物は、生態系や農林水産業などに与える影響がとても大きいため、違反した際の罰則も非常に重いものになっているわけです。

ロロモは多分ウシガエルを食ったことはないと思うのですが、今はウシガエルに対する日本人の眼はかなり厳しいものになっていますが、別に食ってはいけないということではなさそうなので、死ぬまでに食いたいものだと思いますが、「おたま寿司」はちょっと勘弁してほしいなと思うのでありました。(2013年2月)

得点 7点

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