燃えよドラゴン

1973年 アメリカ

キャスト:ブルース・リー(リー)ジョン・サクソン(ルーパー)ジム・ケリー(ウィリアムス)アーナ・カプリ(タニア)ボブ・ウォール(オハラ)シー・キエン(ハン)アンジェラ・マオ(スー・リン)ベティ・チュン(メイ・リン)ジェフリー・ウィークス(ブレスウェイト)ヤン・スエ(ボロ)

監督:ロバート・クローズ

武術家のリーは、情報局のブレスウェイトと会う。「実は大変重要な要件で伺った。話というのは今度の武芸大会だ。君も呼ばれただろう。ハンが催す大会だ」「興味ない」「我々は君の出場を望んでいる」ハンとオハラのフィルムをリーに見せるブレスウェイト。「ハンは君と同じ少林寺門弟の一人だが、教えに背いた。ハンの用心棒のオハラ。非情で凶悪なボディガードだ」

続いて要塞島のフィルムをリーに見せるブレスウェイト。「どこの領土かわからなくなった時、ハンがこの島を買った。彼はこの島に住み、独裁者のように振る舞っている。今はひたすら武芸道場の強化に専念している。三年ごとに行う武芸大会以外、外部とは没交渉だ」

ハンは美女を集めて麻薬中毒にし、世界中の金持ちに売りつけているというブレスウェイト。「なぜハンを叩き潰さない」「証拠がない。だから君にその証拠を掴んでもらいたい。どんな援助もする」「拳銃を一発ぶち込めば終わりだ」「ハンは島へ銃器を持ち込ませない。前に銃で殺されかけた経験があるからだ」「……」「我々の目的は情報を集めることだ。証拠が集まれば政府も動き出す。三カ月前、女性諜報部員を潜入させた。もう何かを掴んだはずだ。名前はメイ・リン」メイ・リンの写真をリーに渡すブレスウェイト。

リーの父は三年前、リーの妹のスー・リンがオハラたちに襲われ、暴行を受ける前に自害したことをリーに告げる。「これが真相だ。町に行ったら、お前の母親と妹の墓にお参りしてくれ」二人の墓の前で言うリー。「これから私のやることは教えに背くことです。わかってくれ、スー・リン。では行きます。どうか許してください」

リーは帆船に乗って要塞島に向かう。武芸大会には借金でマフィアに追われるローパーや、警官に暴行してお尋ね者になったウィリアムスも招待されていた。帆船の上で行われるカマキリの賭け試合を通じて、ローパーやウィリアムスと知り合うリー。

ハンの要塞島に着いたリーたちを出迎えるタニアという美女。あんな女と寝てみたいと呟くローパー。ハンは武芸家たちを歓迎するパーティーを開催する。タニアはウィリアムスに女を紹介する。「どの女にしますか」「君と君と君と君だ。このへんで勘弁してくれ。長旅で疲れているんだ」「無理をなさらずに」

タニアはリーに女を紹介する。「どの女にしますか」「俺はもう決めいている」タニアはローパーに女を紹介する。「どの女にしますか」「あんたさ」「抜け目ないわね」メイ・リンと接触するリー。「何かわかったか」「いえ。監視が厳しいので。ハンの行動はよくわからないけど、女の子が次々消えているわ。夜ハンのところに呼ばれ、それっきりなの」

翌日、大会は開催され、ウィリアムスとローパーは無類の強さを披露する。夜になり、リーは探索に出かけ、数名の見張りを倒して、地下に工場らしいものがあることを突き止める。翌朝、武芸家たちに話すハン。「あなたたちの中で我々のもてなしが気に入らず、外に出た者がいたようだ。大会中は外出禁止だ。誰が外出したかは問題でない。問題は我々の見張りが義務を怠ったことだ。そういう連中には生き残る価値があるかということだ」怪力男のボロに絞殺される見張りたち。そしてリーはオハラと試合をし、リーはオハラを殺して妹の仇を討つ。

夜遅く、ハンの部屋に呼ばれるウィリアムス。「昨夜、見張りを襲ったのは何故だ」「俺じゃない」「君が外出したのは知っている」「散歩に出ただけだ。俺を疑うのか。冗談じゃねえぜ。俺は島を出るぜ」「お前は島を出ることはできん」麻薬中毒となりけらけら笑う女たちの前で戦うハンとウィリアムス。

拷問道具の博物館にローパーを招待するハン。「文明の陰にこのような拷問道具が存在するのは不可解だが、世界中の人々が崇拝したのは真の強さであった。たとえいくら美しくても力がなければ、みな滅びていった」ローパーを地下の麻薬工場に案内するハン。「これは堕落への投資だ。れっきとしたビジネスだよ」「やがてどの客もあなたの言いなりになる。理にかなっている。なぜ俺に見せた」「我々と手を組んでくれ。アメリカは君に任す」「なるほどね。試合の目的はそれか。人材の発掘ってわけか」

牢獄には多くの男達が閉じ込められていた。「彼等は?」「役に立たんクズどもだ。ローパー君。君はアメリカでかなり借金がある」ローパーに血まみれのウィリアムスの死体を見せるハン。「どうだ。我々の仲間になるか」

地下に潜入したリーは女たちが監禁されている部屋を見つけ、毒蛇を放って見張りを追い出し、無線機器を使ってブレスウェイトと連絡しようとするが、たちまち警報が鳴り響き、ハンの部下に取り囲まれる。超人的な強さを見せるリーであったが、囚われの身となってしまう。リーの強さをほめるハン。「君の戦いは見事だった。我々の仲間になって欲しかった」リーから連絡があったことを知り、大佐に連絡するブレスウェイト。

翌朝、ハンはローパーにリーと戦えと命令する。ローパーは嫌だと拒否する。ハンはボロとローパーを戦わせる。ブレスウェイトの指令を受けたメイ・リンは地下牢に行き、地下で囚われている男女を自由にする。ローパーは激闘の末、ボロを倒す。激怒してリーとローパーを殺せと命じるハン。大暴れするリーとローパー。そこに囚われていた男たちが乱入し、男達の戦いが始まる。ハンは熊の手の義手をつけてリーを襲うが、かなわないと見るや博物館に逃げ込み、鉄の手の義手をつける。

そこにやってくるリー。「お前は俺の家族と少林寺の名誉を汚した」ハンは鏡の間に逃げ込み、リーを倒そうとするが、結局敗れて、串刺しになって死ぬ。タニアの死骸を見つめるローパーは傷だらけになって現れたリーと勝利の挨拶をかわす。ブレスウェイたちはヘリコプターで要塞島にやってくる。リーは熊の手の義手を冷たく見つめるのであった。

★ロロモ映画評

武術家のリー(ブルース・リー)は、情報局のブレスウェイトと会う。「実は大変重要な要件で伺った。話というのは今度の武芸大会だ。君も呼ばれただろう。ハンが催す大会だ」「興味ない」「我々は君の出場を望んでいる」ハンとオハラのフィルムをリーに見せるブレスウェイト。「ハンは君と同じ少林寺門弟の一人だが、教えに背いた。ハンの用心棒のオハラ。非情で凶悪なボディガードだ」続いて要塞島のフィルムをリーに見せるブレスウェイト。「彼はこの島に住み、独裁者のように振る舞っている。今はひたすら武芸道場の強化に専念している。三年ごとに行う武芸大会以外、外部とは没交渉だ」

ハンは美女を集めて麻薬中毒にし、世界中の金持ちに売りつけているというブレスウェイト。「なぜハンを叩き潰さない」「証拠がない。だから君にその証拠を掴んでもらいたい。「我々の目的は情報を集めることだ。三カ月前、女性諜報部員を潜入させた。もう何かを掴んだはずだ。名前はメイ・リン」リーの父は三年前、リーの妹がオハラたちに襲われ、暴行を受ける前に自害したことをリーに告げる。リーは帆船に乗って要塞島に向かう。武芸大会には借金でマフィアに追われるローパーや、警官に暴行してお尋ね者になったウィリアムスも招待されていた。

ハンの要塞島に着いたリーたちを出迎えるタニアという美女。ハンは武芸家たちを歓迎するパーティーを開催する。メイ・リンと接触するリー。翌日、大会は開催され、ウィリアムスとローパーは無類の強さを披露する。夜になり、リーは探索に出かけ、数名の見張りを倒して、地下に工場らしいものがあることを突き止める。翌朝、武芸家たちに話すハン。「大会中は外出禁止だ。誰が外出したかは問題でない。問題は我々の見張りが義務を怠ったことだ」怪力男のボロに絞殺される見張りたち。リーはオハラを殺して妹の仇を討つのであった。

もはや語りつくされた感もあるブルース・リーのアクションが炸裂する映画でありまして、やはり彼のアクションが凄いの一言に尽きますが、ただロロモがこの映画より「ドラゴン怒りの鉄拳」を高く評価するのは、ここでのリーには強さだけが目立つだけで、あまり怒りや悲しみが感じられない点でありますが、要塞島、カマキリの賭け試合、相撲を催される歓迎パーティ、鉄の手の義手、鏡の間の戦い、などなど見どころ一杯の映画であることは間違いないわけです。

この映画を監督したロバート・クローズは「SF最後の巨人」「黒帯ドラゴン」「怒りの群れ」「死亡遊戯」「バトルクリーク・ブロー」という作品を監督していますが、1997年。腎不全で68歳で亡くなっています。

ルーパー役のジョン・サクソンは、一時は誰に会ってもブルース・リーのことばかり訊かれるため、ノイローゼになり、路上で追い剥ぎに遭った時も、強盗は銃をサクソンに突きつけて、「さあ言え、ブルース・リーと共演してどんな気分だった」と訊ねたそうですが、サクソンは、「燃えよドラゴン」の撮影現場で撮ったリーとのスナップ写真をペンダントにして販売して荒稼ぎしましたが、このことで陰口をたたかれてまたノイローゼになったそうです。

アフロヘア―が目を引く黒人空手家のウィリアムス役のジム・ケリーは。幼少のころから高い運動能力を持ち、陸上競技とフットボールの奨学生としてケンタッキー州ルイズビル大学に入学し、卒業後は俳優を目指してロサンゼルスに移住。フォーシーズン、リマ・ラマ、ゴールデン・ウェストなどローカル大会で続けて優勝し、1971年にロングビーチで行われた国際カラテ選手権のミドル級で優勝。これで名をなしたケリーは自身の道場を開設し、「燃えよドラゴン」にウイリアムス役で出演。この映画の大ヒットにより空手スターとしてブレイクし、クローズ監督の「黒帯ドラゴン」で主役を演じます。

オハラ役のボブ・ウォールは、ブルース・リーのアメリカ時代の友人で、前作「ドラゴンへの道」でリーに誘われて悪役を演じたのが評判となり、続けての映画出演となり、後に「死亡遊戯」にも出演します。

ハンガリーのブダペストで生まれたタニア役のアーナ・カプリは、11歳のときからアメリカのテレビを中心に活躍。1979年を最後に女優活動を止めていましたが、2010年8月9日にハリウッドで車を運転している最中に5トントラックと衝突。そのまま意識が戻らず昏睡状態となっていましたが、19日に66歳の生涯を終えたのでありました。(2012年12月)

得点 89点

もに戻る