モダン・タイムス

1936年 アメリカ

キャスト:チャールズ・チャップリン(チャーリー)ポーレット・ゴダード(ポーレット)

監督:チャールズ・チャップリン

エレクトロ鉄鋼会社の工場で、チャーリーはベルトコンベアに乗った部品のナットを締める作業を一日中していた。もっと早く締めろと言われ、ただひたすらに何も考えずにナットを締めるチャーリーであったが、とうとう単純な作業の繰り返しに頭がおかしくなり、ベルトコンベアの上に乗り、巨大な歯車の中に巻き込まれてしまう。歯車の中から戻った彼は完全に頭がおかしくなり、ちょっとでも突起したものがあればそれを締め上げたりするなど、工場内を大混乱に陥れ、病院送りとなる。

チャーリーは精神病から回復して退院するが、職はなくなり新しい仕事を探さざるを得なくなる。医者から、「無理をしないで、刺激を避けて」と言われるチャーリー。彼はトラックから落とした赤い旗を拾って、落ちましたよ、と大きく振るが、その後から現れたデモ隊のリーダーに間違われて、警官に逮捕されてしまう。

港ではポーレットという娘が飢えをしのぐためにバナナ泥棒をしていた。彼女は黒い服を着て、そのスカートの裾はボロボロに破れていた。彼女には母はなく幼い妹たちがいて、父親は失業中だった。そんな父親や妹たちにバナナを与えるポーレット。

共産党のリーダーに間違えられ、罪なくして拘置所にはいったチャーリー。食事中に刑事たちが現われ、興奮剤を隠し持っている男はいないかと調べ始める。チャーリーの隣で食事していた男が興奮剤を隠し持っていて、男は急いで調味料を入れる容器に興奮剤を隠しいれる。その興奮剤を調味料と勘違いして食事に振りかけたチャーリーは、異常に興奮して、牢屋ぶりを企てた三人組を撃破する手柄を立てる。

その頃街道では失業者が騒いでいた。銃声が聞こえ、妹たちと瓦礫を拾っていたポーレットは急いで、人の集まっているところに行く。そこでは父親が射殺体になって倒れていた。嘆き悲しむポーレット。法律の手が孤児たちを収容することになり、妹たちと別れ別れになるポーレットは、何処へと姿を消す。

チャーリーは三人組を撃破した功績で、拘置所の中で幸せな暮らしをしていた。ベッドに寝そべって「ストライキと暴動が各地に起こる」という見出しの新聞を読むチャーリー。しかし、脱獄を阻止した功績で、チャーリーは出獄を許される羽目となる。「君は自由の身になったぞ」「もう少しいられませんかね。ここにいると幸福なんです」「この手紙で仕事がもらえる。成功してくれ」その紹介状には「この男は正直な男なので雇っても大丈夫です」と書かれていた。

紹介状を元に、チャーリーは造船所で働くことになるが、建造中の船を海に流してしまう大きなミスをして、拘置所に戻る決意を固める。ポーレットは一人ぼっちで飢えて街中を歩き、パンを盗んで逃げようとするが、パン屋の主人に追いかけられ、チャーリーとぶつかって転倒する。

主人はポーレットがパンを盗んだと言うが、チャーリーは自分が盗んだと言う。ポーレットに軽く会釈しながら、警官に連行されるチャーリー。しかし事件を目撃していた婦人が、パンを盗んだのはポーレットであると証言したため、チャーリーは無罪放免となる。

警官に捕まるポーレット。そのころチャーリーはレストランで無銭飲食をして、警察に通報されて護送車に乗せられる。その護送車に乗ってくるポーレット。護送車は対向車にぶつかりそうになり、チャーリーとポーレットは護送車から放り出される。そのまま逃亡した二人は手をつないで道路の真ん中を歩き、草むらで休憩する。

「あなたの家はどこです」「どこにもないのよ」幸せそうな若い夫婦がこぎれいな家から出てきて抱擁するのを見て、楽しげに笑う二人。「僕たちにもあんな家があるといいですね」ポーレットとの幸せな家庭生活を夢想するチャーリー。「よしやってやる。そのために働いて家を作る」

あるデパートで夜警が脚をくじくという事故が発生し、チャーリーは紹介状を元に夜警の仕事につく。食料品売り場で勝手に店のケーキを食べて喜ぶチャーリーとポーレットは四階のおもちゃ売り場に行き、スケートに乗って遊ぶ。五階の寝具売り場でポーレットは最高級のベッドで寝る。スケートに乗りながら各階を見回るチャーリーであったが、三人組の強盗に襲われる。

そのうちの一人は、エレクトロ鉄鋼会社の工場でチャーリーと一緒に働いていたビッグ・ビルだった。懐かしいな、とチャーリーに握手するビッグ・ビル。「俺たちは泥棒じゃない。空腹なだけなんだ」店の酒を飲んで乾杯するチャーリーとビッグ・ビル。チャーリーは婦人服売り場の中で寝込んでしまい、護送車に乗って警察送りとなる。

十日後、釈放されたチャーリーを迎えるポーレット。「驚かすことがあるのよ」「なんだい」「家を見つけたわ」それは海のそばにある家とはいえないボロ家であったが、天国だ、と喜ぶチャーリー。朝食を食べながら新聞を読むチャーリーは「工場再開される。労働者仕事に就く」という記事を見て喜ぶ。「仕事にありつけるぞ。やっと本当の家をもてる」チャーリーは巨大機械の機械工の助手となるが、すぐに工場はストライキとなり、チャーリーは職を失い、チャーリーはストライキの首謀者と間違われて、警察送りとなる。

一週間後、路上で踊るポーレットは、その踊りが認められて、キャバレーの踊り子として働くようになる。美しく着飾ったポーレットは釈放されたチャーリーを迎えに行く。「あなたの仕事があるの」キャバレーの主人にチャーリーを給仕として雇ってくれと頼むポーレット。主人はチャーリーは歌が歌えるのかと聞き、歌えますと答えるポーレット。「わかった。試に雇ってみよう」

少年鑑別所ではポーレットの手配書を作っていた。「指名手配。浮浪罪。少年鑑別所より逃亡の容疑」チャーリーは給仕でヘマを繰り返す。怒る主人。「歌は歌えるんだろうな」ポーレットはカフスに歌詞を書きこむが、チャーリーは踊っている最中にカフスを飛ばしてしまい、出鱈目な歌詞で歌い、これが拍手喝さいを受ける。しかしポーレットは少年鑑別所の職員に見つかり、鑑別所に連れ戻されそうになる。チャーリーはポーレットを連れてキャバレーを逃げ出す。

いくら努力してもムダなんだわ、と嘆き悲しむポーレットを励ますチャーリー。「へこたれないで元気を出すんだ。運が開ける」OK、と立ち上がるポーレット。二人は道路の真ん中を手をつないで歩いていくのであった。

★ロロモ映画評

エレクトロ鉄鋼会社の工場で、チャーリー(チャールズ・チャップリン)はベルトコンベアに乗った部品のナットを締める作業を一日中していた。もっと早く締めろと言われ、ただひたすらに何も考えずにナットを締めるチャーリーであったが、とうとう単純な作業の繰り返しに頭がおかしくなり、ベルトコンベアの上に乗り、巨大な歯車の中に巻き込まれてしまう。歯車の中から戻った彼は完全に頭がおかしくなり、ちょっとでも突起したものがあればそれを締め上げたりするなど、工場内を大混乱に陥れ、病院送りとなる。

港ではポーレット(ポーレット・ゴダード)という娘が飢えをしのぐためにバナナ泥棒をしていた。彼女は黒い服を着て、そのスカートの裾はボロボロに破れていた。彼女には母はなく幼い妹たちがいて、父親は失業中だった。そんな父親や妹たちにバナナを与えるポーレット。銃声が聞こえ、妹たちと瓦礫を拾っていたポーレットは急いで、人の集まっているところに行く。そこでが父親が射殺体になって倒れていた。嘆き悲しむポーレット。法律の手が孤児たちを収容することになり、妹たちと別れ別れになるポーレットは、何処へと姿を消すのであった。

この映画の題名は「モダン・タイムス」であり、チャップリンが巨大歯車に巻き込まれるシーンはあまりに有名であり、この映画は機械文明があまりに発達すると、人間の尊厳が失われ、人間は機械の一部分になってしまうと警告して、あまりに機械文明に頼る現代人を皮肉っているシーンとして後世に語れ継がれていますが、この映画で最後はどうも現実世界に適合できないチャーリーとポーレットが道路の真ん中を手をつないで歩いていく有名なシーンでこの映画は終わり、それは機械文明とか現在社会とかが悪いというよりも、単に社会に適合できない二人が現実逃避しているようにも見えるわけです。

この映画ができると五年前にフランスでルネ・クレール監督に「自由を我等に」というこの映画とよく似たテイストの映画が作られており、あの映画は機械文明を礼賛しているのか批判しているのかよくわからない中身で、結局人間は自由でいることが一番いいのだ、という内容の映画でありますが、チャップリンのこの映画は機械文明を批判して人間は自由が一番だと言っているように思えるわけです。

だからクレール監督よりも視点ははっきりしていると言えますが、機械文明の批判というのは明確にわかるので問題ないのですが、自由賛歌の方はどうもそれより現実逃避の香りが強いのでそっちがグッと迫ってこない気がし、ロロモは世界的名作と言われるこの映画に高い評価を与えることができない気がして、もっと機械文明の恐ろしさを風刺してほしかったなあと思ってしまうのでありました。(2013年1月)

得点 53点

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