モロッコ

1930年 アメリカ

キャスト:ゲイリー・クーパー(トム)マレーネ・ディートリッヒ(アミー)アドルフ・マンジュウ(ベシュー)ウルリッヒ・ハウプト(セザール)イヴ・サザーン(アンナ)

監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ

外人部隊がモロッコの港町に現れ、外人部隊の兵卒のトムはすぐに町の女に色目を使う。モロッコに向かう船に乗った大富豪で画家のベシューは、美しい女に声を掛ける。「モロッコは初めて?」「ええ」「ご案内しましょうか」「結構ですわ」女に名刺を渡すベシュー。「御用の折にはここに」名刺を破り捨てて海に捨てる女。船長にあの女は誰だ、と聞くベシュー。「ショーガールだろう。雰囲気でわかる」

モロッコの港町に着いたベシューは港町一のナイトクラブに行き、元ドイツ空軍大尉で外人部隊の副官であるセザールとその妻のアンナと再会する。ナイトクラブに現れたトムはアンナに手を振る。夫にわからないようにトムに手を振るアンナ。船に乗っていた美女は船長の推測通りにショーガールのアミーだった。アミーの濃艶な美しさと歌声にたちまち魅せられるトム。ステージから花をトムに投げるアミー。

アミーはリンゴを売りに客席を回る。またお会いしましたね、とベシューに語りかけるアミー。「こんなにすぐとはね。どうです。この後ご一緒に」「悪いけど、今夜はゆっくりしたいの」トムの席に行くアミー。「花をどうも」「リンゴもいる?」「座ったらどうだ」「自信があるのね。女には」「自信家は嫌いか」「そうね。お釣りよ。兵隊さん」アミーから部屋の鍵を渡されるトム。

ナイトクラブを出たトムをアンナは待ち受けるが、トムはアンナを無視して、アミーのアパートに行く。しかしアミーはトムに冷たい態度を取る。「俺にかかわりたくないか」「あなたは女に冷たそうね」「噂ほどじゃないさ」「外人部隊は長いの」「三年になるが、三百年もいた気がする。君は舞台に出て長いのか」「長いわ」「なんだってこんなところに来たんだ」

「なんだって外人部隊に入ったの」「過去から逃れるためだ」「女の外人部隊も同じよ。但し軍服も軍旗も勲章もいらない」「なんでも力になるぜ」「また男を信じさせてくれるかしら」「その役は俺には無理だ」「あなたを好きになりそうよ」「君にはほかの女には言わなかったことを言う。十年早く会いたかった。お休み」「お休み」

アパートを出るトム。アンナはトムに話しかけるが、トムは無視する。しばらくしてトムを追いかけるアミー。「散歩かね」「あなたを追ってきたの」「この辺は物騒だ。送って行こう」はしゃぎながらアパートに戻る二人。その様子を見ていたアンナは、町のゴロツキ二人にお金を渡してトムを殺してくれと頼む。ゴロツキ二人に襲われるが、反撃して叩きのめしたトムは、君は逃げろ、とアンナに言う。その一部始終を見ていた妻を尾行していたセザール。

トムは暴行したかどで逮捕され、セザールのもとに送られる。アミーとベシューを兵舎に呼ぶセザール。「あなたは彼が傷つけた現場に立ち会われた。無力な現地の人たちを」「あの二人が襲ってきたのよ」「別の女性は?」「知らないわ。誰なの」「もう一人の女性が誰か知りたいのは私だけのようだ」知っているなら言わないことだ、と口をはさむトムに、感謝しているよ、と話すセザール。「妻の名前を警察で伏せてくれて」アミーを見て顔色を変えるトム。

トムを営倉に連れて行くセザール。トムはどうなるの、とベシューに聞くアミー。「セザールなら動かせる。力になってもいい」「男がそういう時は何か条件があるわ。あなたの条件は?」「君の笑顔さ」セザールと一緒にアマルファ行きを命じられるトム。「軍法会議を避けたのは、俺を戦場で使う気だったか」「どのみち殺しの稼業だ」「俺は軍隊に飽きた。探していた生涯の伴侶に巡り合えたから除隊する。彼女と一緒に地中海で休暇をとるよ」「除隊しろ。誰も止めん。だが脱走罪は知ってるな」

アミーの楽屋を訪れ、トムは軍法会議を免れたが、転属になってアマルファ行きとなったと伝えるベシュー。「彼を愛しているのか」「愛したくないわ」アミーに高価なブレスレットをプレゼントするベシュー。「君に結婚を申し込みたい」「今、答えを言うの」「できればね」そこに現れるトム。「邪魔して悪いが、明朝発つのでお別れを」

席を外すベシュー。「また会えるの」「多分会えないだろう」抱き合う二人。「行かないで」「今夜脱走して貨物船に乗ろうと思う。君も一緒に来るか」「行くわ」ステージに向かうアミー。「戻るまで待っていて」しかしトムは鏡に「気が変わった。幸せに」と口紅で書いて、楽屋を去る。

翌朝、アマルファに向かうトムを町の女たちが取り囲む。そこにベシューに連れられたアミーが現われる。「さよなら」「なぜ去ったの」「ちょっと用事があったのさ」外人部隊は進軍を始める。その後をついていく女たちを見て、あれは何かとベシューに聞くアミー。「後衛だよ。男達にくっついたり離れたりだ」

トムが去ってアミーはベシューとの結婚に同意する。セザールが死んだ、とアミーに告げるベシュー。「トムは今夜戻ってくるだろう」「隊が帰還を?」「気になるか」「関係ないわ。彼のことは」自宅に客を招いて、アミーと結婚することになったと告げるベシュー。

しかし外人部隊の行進曲が外で流れているのを聞いたアミーは、真珠のネックレスを引きちぎって表に飛び出し、兵士にトムはどこにいるのと聞く。「彼はアマルファだ」「怪我をしたの」「知らん」トムに会いにアマルファに行くとベシューに言うアミー。しらける客たち。明日出発しようとアミーに言うベシューに、すぐ発つわ、と答えるアミー。

アミーはアマルファの野戦病院に行くが、トムは負傷が嘘だとばれて、別の部隊に入れられたと教えられる。「まだ町に」「クリスティーヌの店だ」クリスティーヌの店で酒場の女と飲んだくれてるトムを見つけるアミー。「こんなところで何をしている」「怪我したと聞いたけど」「体調は最高だ。結婚したのか」「これからするわ」「それじゃ心から幸せを祈る。これから砂漠の行進だ。夜明けに見送ってくれ」酒場を出るトム。アミーはトムがテーブルにナイフで彫った「俺のアミー」という文字を見つける。

行進に向かう前にアミーとベシューに別れを告げるトム。外人部隊は砂漠の中の行進を開始する。強風の中を男達に後ろを数人の女たちが重い荷物を抱えてついていく。ベシューに抱きついたあと、アミーは裸足で女たちの後をついていき、砂漠の彼方に姿を消すのであった。

★ロロモ映画評

外人部隊がモロッコの港町に現れ、外人部隊の兵卒のトム(ゲイリー・クーパー)はすぐに町の女に色目を使う。モロッコに向かう船に乗った大富豪で画家のベシューは、美しい女に声を掛ける。「モロッコは初めて?」「ええ」「ご案内しましょうか」「結構ですわ」船長にあの女は誰だ、と聞くベシュー。「ショーガールだろう。雰囲気でわかる」

モロッコの港町に着いたベシューは港町一のナイトクラブに行き、前はドイツ空軍大尉で今は外人部隊の副官であるセザールとその妻のアンナと再会する。ナイトクラブの現れたトムはアンナに手を振る。船に乗っていた美女は船長の推測通りにショーガールのアミー(マレーネ・ディートリッヒ)だった。アミーの濃艶な美しさと歌声にたちまち魅せられるトム。ステージから花をトムに投げるアミーなのであった。

これはモロッコという異国で外人部隊の男と踊り子の女が恋に落ちるというただそれだけの映画でありますが、その男と女がゲイリー・クーパーとマレーネ・ディートリッヒという絶世の美男美女だったため、ただそれだけの純粋さが評価されて、世界的な名画になっているということのようでありまして、この映画が出来たのは1930年で日本では、初めて日本語字幕が付されたトーキー作品となり、そういう歴史的な映画であるという評価は、21世紀に生きるロロモにはピンと来ないので、ただ美しいメロドラマを見せられたという印象が残るわけです。

ロロモが「モロッコ」と聞いて、すぐに思い出すのがカルーセル麻紀でありまして、彼女は1942年、北海道釧路市で厳格な父親の二男として生まれ、「アメリカやイギリスなどの敵国と徹底的に戦う男となるよう」との願いから、「徹男」という最高に男らしい名前を命名されましたが、幼少時から女性的趣味嗜好を持ってしまったそうです。

北海道釧路北陽高校を中退し、父親への反目から15歳で家出し、札幌市のゲイバーに勤務。その後は、弘前市のショーパブ勤務を経て、大阪の「カルーゼル」という店に勤めましたが、この際に用いた源氏名が「麻紀」でした。また、作家の山口洋子が経営していた東京・銀座のクラブ「姫」に在籍していたこともあるそうです。

札幌市のゲイバーに勤務していた19歳のときに去勢手術を受け、1973年にはモロッコに渡り、性転換手術を受けました。25歳のとき「愛して横浜」で歌手デビュー。日劇ミュージックホールに出演する際に「麻紀」だけでは短すぎると言われ、勤めていた店の名前から「カルーセル」を頭に付けたのが現在の芸名となったわけです。

多分、普通の人間より十倍は濃い人生を送ってきた彼女は凄い人物だとロロモは畏怖の念を覚え、どうしても彼女を見ると、モロッコを連想してしまいますが、彼女は去勢手術と性転換手術を受けていますが、去勢手術とは生殖器を除去する手術で、性転換手術とは生殖器を転換する手術とロロモは認識しますが、どうやら一辺に性転換することができないので、彼と言うか彼女は二回手術したようでありますが、ロロモが性転換するなら男らしくと言うか女らしくと言うか、一発で手術を決めてほしいと思うのでありました。(2013年1月)

得点 12点

 

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