ナニワ金融道5

2000年 フジテレビ

キャスト:中居正弘(灰原)小林薫(桑田)緒方拳(金子)堤真一(肉欲)加藤あい(奈々子)山咲千里(純子)鳥羽潤(トオル)永澤俊矢(店長)小松政夫(アカ信ファイナンス次長)

監督:澤田鎌作

帝国金融の灰原はホストクラブ・男塾のホストのトオルに金を貢いでオケラになった18歳の看護婦の奈々子に52万を貸す。「いいか。返済は月5万ずつ。12回払いだからな。ちゃんと返せよ」「大丈夫」男塾の店長は今度ランジェリーパブの店を出すと灰原に割引券を渡す。ランジェリーパブの入る建設中のビルに行った灰原は反対運動をしている純子らに出くわす。「このビルはオフィスビルや言うてたのに、風俗店が入るんです。子供の教育上、問題があると思いません?」「そうですねえ」

ビルの建築主である肉欲企画の社長の肉欲に融資は必要ないかと電話する灰原。月末に5000万いると答える肉欲。「ビルが完成したら風俗店がどんどん入ってくる。保証金や前家賃で膨大なテナント料になるわ。5000万は完成するまでのつなぎ資金や。すぐ返済するよって」

社長の金子に肉欲が風俗ビル建設のつなぎ資金で5000万融資を申し込んだと話す灰原。「ただ問題がありまして、近所の住民が反対運動を起こしているんです」「つまり二つの絵が描けるわけや。ビルがそのまま完成すれば、うちは利子で儲けられる。もう一つは反対運動が盛り上がった場合や。肉欲は資金繰りがもっと苦しくなる。その困難にうちが食らいつく。灰原君。どっちの絵を描いた方がうちは美味しいんかなあ」

52万を全部トオルに貢いでしまったと灰原に言う奈々子。「また50万貸して」「いいか。金融屋を甘くみるな。貸した金はどんなことをしても返してもらう。なんだってするぞ」「なんだって?」「今してる仕事なんか建設中のビルのオーナーに金を貸そうとしながら、そのビルの反対運動してるグループにも近づこうとしている」「なんで」

「そのビルには風俗店が入る。建設が遅れればオーナーは金が必要になる。そうすれば俺たちは儲かるかもしれない」「そのビルの近くに病院とかないのかな」「なんで」「病院が近くにあると風俗営業の許可が下りないのよ」「いいか。あと10日で返済日だ。それで払わないと大変なことになる。わかったね」

病院を建てれば風俗ビルは建てられなくなると言う灰原にそんなに簡単に病院は建てられないだろうと言う金子。「それが違うんです。ベッドが一つでもあれば病院扱いになるんです」「そのことを反対運動に教えれば、肉欲は倒産するかもな」肉欲ビルの資金はノンバンクで赤貝信託銀行系の赤信ファイナンスから出ていると言う灰原の上司の桑田。「時価4億の土地と建てかけのビルに8億の抵当権を打ってます。こんなとこに5000万融資しても、飛んだら回収不能でっせ」「ところが今、灰原が美味しい絵を描いたんや。灰原と二人で工作せえ」

肉欲と会う灰原と桑田。「どうです。5000万の融資の方は?」「2000万の融資でどうかなと。その場合、あのビルのフロア全部に短期賃借権を打たしてもらいます」「短期賃借権なしで5000万。ダメですか」「赤信ファイナンスに3000万追加融資を頼むと言うのは」「もう8億借りてます。これ以上無理ですわ」「もう一回頼んでみてください」

純子と会う灰原と桑田。「風俗営業法を利用するんです。病院や保育園の周りでは風俗営業ができないと言う法律があるんです。肉欲ビルの50メートル以内に病院を作ってください。急いで協力できるお医者さんを探してください。病院を作る費用は帝国金融で面倒見ます」

奈々子は病院を辞めてその退職金をトオルに貢いでいた。今日が返済日だと言う灰原にそんな金はないと言う奈々子。「わかってるのか。君の借金は150万になっているんだ」「150万?」ホストにはまるのが悪いんじゃと言う桑田。「自業自得じゃ。ソープに沈んでもらうしかないやろ」とりあえず5万は自腹を切ると金子に言う灰原。「彼女を管理させてください。病院のアイデアを教えてくれたのは彼女なんです」

やっぱり赤信ファイナンスはダメでしたと灰原と桑田に言う肉欲。「お願いです。貸してください」「2000万。フロアに短期賃借権で」「でも5000万の残りを手形にするには、せめて半分は現金にしないと建築業者ものまんと思いますのや。あと500万。2500万を現金で」「その代わり、短期賃借権のほかに代物返済予約をつけてもらいます」「ええですわ。それで2500万を貸してください」530万の手形を5枚切り、2500万受け取る肉欲。「おおきに。これでビルも完成しますわ」

賃借権の名義はお前の名前にしたと灰原に言う桑田。「あのビルは僕が借りるんですか」「そや。肉欲に貸した2500万の契約は代物返済予約や。もし返済が滞ったら帝国金融のものになるんやで。ビルの賃借権者も帝国金融やったらどないなる」「そうか。同時に持ち主と借り主になれまんね」ええかと灰原と桑田に言う金子。「これからうちは抵当権を持ってる赤信ファイナンスと所有権と賃借権で戦うんや」

相変わらずトオルに貢ごうとする奈々子にいつまで騙されてるんだと言う灰原。もうツケは100万になったとトオルに言う店長。「サービスはここまでや」100万を返済しろと奈々子に言う店長にちょっと待てと言う灰原。「何や。お前が代わりに返済する言うんか」「俺が責任を持つ」「保証人になるんやな。念書を書いてもらうで」ごめんさないと灰原に泣いて謝る奈々子。

純子は帝国金融から借りた500万を元手に病院開設の準備を進める。肉欲は風俗業者とテナント契約を進めていく。トオルに風俗で働くよう進められたと灰原に言う奈々子。「そうすれば借金なんてすぐに返せると」「……」「トオルはそれでも私を好きになってくれると」「君はどうして変わろうとしないんだ」「……」「君がいくらバカでも、いくら裏切っても俺は変わったりしないからな」

病院が開設したと聞いて青ざめる肉欲。「こんな知恵をあんな反対運動のおばはんらが思いつくわけない。誰かが入れ知恵したんや」保証金と家賃を返せと肉欲に要求する店長たち。「わかりました。それはきっちりお返しします」「この件は話がついたな。あとはわしらの損害賠償や」「損害賠償?」「宣伝費や空調工事や雇った女の前払い金、どなしてくれるんや」「その話は明日にしてくれませんか。とりあえず、契約書と交換で、保証金や前家賃は現金と手形でお支払いします」

肉欲は夜逃げしようとしてますと電話で灰原に教える純子。わしもここまでやと灰原と桑田に言う肉欲。「あんたらに切った2500万の手形、飛ばすことになるけど堪忍してや」「ビルに賃借権と代物返済を打ってますから」「すまんな。わしは逃げさせてもらうで」「ビルの鍵を渡してもらいましょうか」「わかったわ。ほな、いなしてもらうで」

灰原にこのビルで暮らせと言う桑田。「それで占有していると言う既成事実を作るんや。うちはたった2500万でこのビルを乗っ取ったんや。明日になったらオーナーらが血相変えて押しかけて来る。ええか。どんなことがあっても中に入れたらあかんど」

ビルに毛布と枕を持って現れる奈々子。「なんだ。気がきくじゃないか」「私もここに泊まる」「一緒にか」「灰原さんと一緒じゃないと不安だもん」トオルとはお客とホストの関係だとわかっていたと言う奈々子。「それでもいいと思ってた。私の仕事も同じだから。でも灰原さんはそうじゃなかった。最初から私を人と見ててくれたよね」

帝国金融の管理物件とはどういうことだと灰原に聞く店長たち。「僕もこのビルを丸ごろ借りて住んでいるんですよ」「なんだと」「肉欲が僕とあなたたちと二重契約してたんです。僕には関係ないことです」「このビルのどこにいたんや」「住んでましたよ。前からずっと」「お前がそういう態度なら、こっちも考えがある。覚悟しとれや」店長はヤクザを使ってビルから出た奈々子を拉致し、灰原を倉庫に呼び出す。灰原も奈々子も行方不明になったと金子に言う桑田。

灰原は一晩しか肉欲ビルに泊まってないと念書を書けと奈々子に言う店長。「そうすりゃ裁判所もあのビルの正当な持ち主はわしらと認めるやろう。そうせんと灰原さんと一生会えんようになるで」念書を奈々子が書いたと灰原に言う店長。「はよう、ビルの鍵を渡せ」灰原から鍵を奪って飲み込む奈々子。

何をするんやと言うオーナーたちにうろたえるなと言う店長。「こっちには念書があるんや。ビルのドアをこじ開けて、ビルを占有するんや」ビルに向かう店長たち。そこに現れる肉欲。「灰原さん。病院のことおかしいと思って調べてみたんや。わしを騙したな」奈々子を拉致する肉欲。ヤクザにぶちのめされる灰原。

ビルの中にいる金子に念書を見せる店長。「早く出ていかんかい。こっちは柄押さえて、念書を取ったんや」「あんたらヘタ打ったな」「なんやと」「ドアを壊したのは器物損壊や。あとうちの社員が一人行方不明や。柄押さえたとか言うとったな。一緒に警察行って、事情話してや」「ちょっと待ってくれや」「あんたら肉欲との賃借契約は解除したんやろ。肉欲の事務所に賃貸借契約書があったで。契約を解除して賃借権を主張するのは図々しいと違うか」「でも損害賠償が」「それは肉欲企画と話してくれ」「……」「もう、いんでくれんか。わしは忙しいんや」

赤信ファイナンスの次長と会う金子。「肉欲は夜逃げしたで」「なんやて」「うちも2500万貸して、手形を5枚切らしたわ」「その手形、どうせ不渡りや。うちで買い取らせてくれまへんか」「あかん。うちはあのビルに代物弁済つけとるんや」「あんた。わざと不渡り出させて、肉欲ビルを自分のものにする気やな。肉欲が倒産したら8億の焦げ付きや」「なんで追加融資せんかったんや。融資した相手ととことん付き合うのが表通りの金融屋と違うんか」「うちは肉欲ビルの第一抵当者や。うちと協力したほうが、そっちも得なんと違うか」

本題に移るでと言う金子。「おたくの8億の抵当権。滌除したいんや。つまり、おたくの8億の抵当権を1億払うから消してほしいんや」「何を言うんや」「滌除いうのは、無茶な金額の担保のついた物件を手に入れた人を保護するためにある。つまり、わしらを守るための法律や」「ほな1億2500万であのビルを手に入れるつもりか」「なら阻止してみい」「簡単や。補償金積んでビルを競売にかければええんや」「競売かけて買い手がつかんと、あんたらが買い取る義務があるんやったなあ」「なんで買い手がつかへんとわかるんや」

「ビルはまだうちの灰原が賃借権者や。やつにビルの部屋を又貸しさせよう思うとるんや。利害関係が複雑になったらビルの価値は低うなりまっせ。そんなややこしいビル、競売にかけても誰一人手を出さんやろ。つまり、おたくが補償金の分だけ損するだけや。競売の補償金は滌除の価格の一割増しやで。8億焦げ付かせて、さらに1億1000万の資金調達なんかできるんか。4億の価値しかないビルに8億貸したのはそっちや。自分のケツは自分で拭けや」「おい、街金。なめんなよ、ノンバンクを。うちには銀行がついとるんやぞ」「銀行が怖うて、街金ができるかい」

桑田に連絡した灰原は肉欲が奈々子を連れて行ったと言う。「あいつ、まだ大阪にいたんですよ」「探すあてはあるのかい」灰原の携帯に電話する肉欲。「はよう来い。俺は肉欲ビルの最上階におるで」

ここにわしのオフィスを作るつもりやったんやと灰原と桑田に言う肉欲。「窓から大阪の街が一望や」「彼女を返せ」「わしを騙しやがって」「騙される方が悪い。この街で隙を見せたら負けや」「わしはあんたらを信じたんや」「信じた相手が悪かった。わしらは金しか信じてないんや」「わしは金じゃない。息をしてる人間や。ビルはわしのもんや。お前らに渡すかい」

桑田の足をナイフで刺す肉欲。思い切り肉欲をぶちのめす灰原。救急車で病院送りになる桑田。奈々子を自由にした灰原は肉欲に逃げてくださいと言う。「また逃がしてくれるんか」「……」「灰原はん。あんたはわしを騙すつもりで融資の話を持ってきたんか」「……」「いつ、騙そうと思ったんや」「こうなったのはギリギリの差なんだ。俺の方が少しでも甘かったら、やられてたかもしれない」「……」「早く逃げてください。また会える日を待ってます」「戻ってくる。必ずこの街に」

肉欲企画が倒産しましたと赤貝信託銀行本店関連部門室長に言う赤信ファイナンス次長。「ビルを競売に掛けますんで、1億1000万のご融資を」「知らんかったんですか。お宅への融資は一切停止とさせてもらいましたんや。赤信ファイナンスは業務停止ですわ」「なんでうちらだけ」「うちらには金融庁がついてますからな。いざとなったら人様の税金使うてしのがせてもらいますわ」

滌除を飲むと金子に言う次長。「世の中、弱い順に食われて行くんやな。どうでも好きにせえや」トオルに近づいて時計を盗んだのと灰原に言う奈々子。「これで借金はチャラでしょう」「それでお前はこれからどうするんだ」「逃げるに決まってるでしょう。この街にいられないもん」「一人で大丈夫かよ」「いろいろお世話になりました」「お前も頑張ってな」「またどっかで」「ああ」「これも渡すわ」「鍵。そうか。飲み込むわけねえもんな」「じゃあね」

肉欲ビルは帝国金融第一ビルと名称を変えて完成する。今度このビルで開業することになりましたと純子に言う灰原。「帝国金融です。よろしくお願いします」「風俗店追い出して安心したけど、これやったら変わりませんなあ。早速反対運動を始めんと」あのおばはんは市民運動おたくやなと灰原に言う桑田。「あのおばさんに貸した500万、キッチリ回収しいや」「はい」丸投げ不動産が倒産したと聞いた灰原は追い込みをかけろと金子に命令されるのであった。

★ロロモ映画評

この作品の原作は青木雄二の同名漫画でありまして、ロロモはこの作品を愛読していたので、この作品にすんなりと入り込めましたが、原作のどぎつさや下品さはやや薄められていて、ロロモ的には小林薫の桑田がややハンサムすぎるかなと思いますが、原作の持ち味である金の恐ろしさは十分堪能でき、やはりこれは原作が面白いためであろうとロロモは推測するわけです。

ということで5作目となる本作もロロモは楽しめましたが、やはり日本は資本主義社会なので金が何より大事だと言うことがこのシリーズを通じてわかりますが、そこで企業にとって金が何よりも大事ということで、金の出入りを把握するいわゆる資金繰りを考えることが重要になりますが、ロロモは経理にいたころ、この資金繰り表をいかに精度の高いものを作るかと言うことに相当腐心したわけです。

経理の仕事で主なものは決算業務がありまして、これはいくら収入があっていくら経費があっていくら利益が出るかを集計する作業ですが、利益が出るから資金が潤沢にあるとは限らないのがなかなか難しいところであり、極端な話、損益計算書では黒字になっても、資金繰りに行き詰まって倒産するという「黒字倒産」と言うケースもあり、経理担当者としては損益のチェックをするとともに、資金繰りの方もチェックする必要があるわけです。

ただし損益のチェックと言うのは経理を長くやっていれば自ずと掴めてきますが、資金繰りのチェックと言うのはなかなか難しいものがありますが、支払いの方はいつ得意先に支払うとか、いつ銀行に借入金を払うとか、いつ固定資産を購入するとか、いつ税務署に税金を納めるとかはわりと把握しやすいわけです。

しかし、入金がどうなるかはなかなか把握しづらいものがあり、せっかく売り上げを計上しても入金がいつになるかよくわからないことが多く、だいたい年度末に事業計画で資金繰り表を作るのですが、その資金計画通りの実際の金の動きになると言うことはなかなかなくて、なんだかいい方法がないかとロロモをいつも悩ませていたわけです。

そんなロロモも会社をやめて資金繰りに悩まされることはなくなりましたが、今度は個人的な資金繰りの管理が必要となり、50歳で会社を辞めたロロモは現在無収入でありますが、65歳から年金受給されるものと見込んで、今の貯金と合わせると。80歳で貯金がなくなるような30年資金繰り表を作って人生設計を作成したわけです。

今のところはまあ順調にいっていますが、それがハイパーインフレになったり年金制度が変更になったりすると30年青写真も絵に描いた餅になる恐れがあるのですが、そんなことを言ってたらキリがないと開き直って、30年資金繰り表に沿ったライフプランを実行するつもりでありますが、80歳以上生きたらどうするんだと言う問題もありますが、80歳を過ぎたらアジャパーで生きて行こうと思うのでありました。(2015年11月)

得点 71点

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