ナニワ金融道

1996年 フジテレビ

キャスト:中居正弘(灰原)小林薫(桑田)緒方拳(金子)綿引勝彦(高山)花沢徳衛(孫請)大塚周夫(高橋)梶原善(泥沼)坂俊一(猫田)西川のりお(甲守)桂三枝(大手一郎)深津絵里(高橋正子)室井滋(古井富士子)

監督:河毛俊作

大阪・道頓堀。焼き肉屋に勤める灰原は客の金子と桑田からこの店は危ないと言われる、「この店は借金の城や。わしらの隣の客は店の値踏みをしとったで。ここがなんぼで売れるかと」「……」「金に困ったらうちにおいで」帝国金融のティッシュを灰原に渡す金子。翌日、ギャンブルにはまって借金だらけだった焼肉屋のオーナーは夜逃げする。

灰原は帝国金融を訪ね、桑田に店が潰れたと言う。「そやろ。うちの社長は一時間店におっただけで、そういうことを見抜くんや」「今月分の給料まで持ち逃げされまして。落ち着くまでお金を借りようと思いまして」10万借りようとする灰原にうちに勤める気はないかと聞く金子。社長は若い社員を探していると言う高山。

孫請土木が不渡りを出したと金子に言う桑田。「なんぼ貸したんや」「400万を5回の分割で貸しました」88万の手形を5回切らしたわけやなと言う高山。「8月と9月のは払いましたけど、3枚目のが払えんと飛ばしましたんや」逃げたんかと金子に聞かれ、親戚の所で金を集めていると答える桑田。「まだ逃げてないんやな」「すぐに回収に行きます」追い込みの現場に行って来いと灰原に言う金子。「僕は結構です」「ええから、行ってこい」

娘の定期預金を解約して88万円作ったと桑田に言う孫請。「社長のような方は珍しい。普通、不渡り出したら夜逃げします」あと2枚の手形も買い戻してもらうと孫請に言う高山。「176万。今払うてや」「そんなアホな。この手形は来月とさ来月が払いやろ」「金銭借用証書に、一回でも不渡りを出したら、直ちに債務を弁済します、と書かれてあるのを知らんのか」「わしゃ素人やからようわからん。残りの金は職人の給料や。あれだけは堪忍して。あれ払うたら、うちは倒産や」「おっさん。いつまでも子供みたいなことを言うたらあかんど」「そこまでやるか。帝国はんは」すぐに倒産する孫請土木。

帝国金融に高橋と言う男が500万貸してくれと電話する。高橋はサラ金から600万ほどつまんでいると高山に言う桑田、「踏み倒しは?」「まだありません」「もう少し調べてみい」灰原と大淀法務局出張所に行く桑田。「高橋の自宅の謄本を調べるんや」「こんなところで調べられるんですか」「そや。出入りしとるのは金融屋と不動産屋ばっかりや」

高橋の自宅は担保にならんなと桑田に言う金子。「へえ。4番抵当までつけられとります。この分だと、高橋の鉄工所、今年いっぱいもちまへんで」「高橋には娘がおるんか」「へえ。区役所に勤めております」「貸したれえ。高橋の娘を保証人にするんや」

高橋に貸す500万から食事代を払う桑田にそれはまずいんではと言う灰原。「あのなあ。日本ちゅうのは見つからんかったら何やってもかまへんのや」娘の正子に連帯保証人になってくれと言う高橋。「今日の3時までに銀行に500万入れんと、うちは倒産してしまうんや」「銀行で借りれんの?」「もう銀行は助けてくれん。代わりにこの人たちが助けてくれるんや」

抜いた1万円は気づいて電話してくるんじゃと言う灰原にこっちは領収書をもらっとると言う桑田。「後で何言うてもイチャモンにしか聞こえへん。1万円くらい質屋に腕時計叩きこんだら都合つく」

香典泥棒にあったと桑田と灰原に言う泥沼。「もしバレたら僕の出世は。お金貸してください。披露宴が終わるまでに150万円作らないと」「明日までに保証人連れてくると約束できますか」「はい。必ず」「クレジットカードはお持ちですか」「3枚ありますか」「その3枚と社員証を預かります」「わかりました」書類にサインして150万を借りる泥沼。サラリーマンで150万円返せますかねと言う灰原に回収できる自信があるから貸したんやと答える桑田。

翌日、保証人は見つからなかったと灰原に言う泥沼。「弱りましたね。では180万円一括返済していだたかないと」「そんな金ないですよ」桑田に相談する灰原。「可哀そうだから、ちょっと待ちましょう」金融屋は浪花節と違うと灰原に言う高山。「C制で金を作らせ」「C制?」

「泥沼のキャッシュカードで東京新大阪間の新幹線の回数券を買わせるんや。カードの限度額いっぱいまでやで。100万くらい買えるやろ。それにはC制と言う判が押してある。クレジットカードで買うた券ですちゅう意味や。それを金券ショップで売るんや。東京新大阪間は人気があるんで、値段の8割で買うてくれるはずや。ええか。絶対やれ言うたらあかんど。方法を教えるだけや」80万を灰原に返す泥沼。「簡単に現金が手に入るもんなんですねえ」「残りは来月から10万ずつ。分割払いと言うことになりますから」

高橋の鉄工所が倒産したと言う桑田。「500万を貸して、一回も返済せずにパーですわ」桑田と灰原に正子を追いこめと命令する金子。どないする気やと高橋に言う桑田。「一回でも手形事故起こしたら全額弁済すると謳うとるんや。590万払えんのか」区役所の労働金庫から金は借りれると桑田と灰原に言う正子。

「ほなら今すぐ借りてこい」「上司に説明するから一週間待ってください」「人間切羽詰まるとみんな逃げるんや」一週間待つと正子に言う灰原。「あなたを信じますから」やむなく一週間待つと言う桑田。「お前、あの女に惚れたんか」「そんなんじゃないんです」

灰原に10万円を渡す泥沼。「カード会社から100万の請求が来たんじゃないですか」「どうにか払いました」「どうやって」「この間、灰原さんに教わったやり方で、カードで新幹線の回数券を買って、お金に変えました」「またやったんですか」「新しいカードを作ったんです」「でも、また来月、カード会社から請求が来ますよ」「また新しいカードを作って、返済に回せばいいんです。じゃあ、また来月」

一週間後、労働金庫から90万しか借りれませんでしたと桑田と灰原に言う正子。「あとの500万はどうするんや」「……」「ほな、これからのことはわしらに任せてくれるか」「はい」「近所のサラ金で金借りてきてや。あんた60万ほどもうつまんでるな」「……」「保険証あるか」「はい」「3月26日生まれやったな。あんた、運のええ人や。3を8にするのは簡単や。そうすると8月26日生まれの高橋正子が誕生するんや」

そんなことをしたら罪になると言う灰原にわしはアイデアを言うただけやと言う桑田。「やるかやらんかは本人次第や」金を借りる方法はいくらでもあるんですねと灰原に言う正子。「返すあてのない人間でも」「……」「小さい時、3月生れって誕生日が春休みでイヤだった」

灰原に10万円を渡す泥沼。「灰原さん。どういうことですかね」「何がですか」「帝国さんに返す金はあと60万に減りました。でも借金はなんのかんので200万になったんです」「あなたが金を返したと思ってるのは錯覚なんです。カードの返済はちゃんとできてますか」「それがもうどこからいくら借りたのかわからなくなって。クレジット110番に行こうと思います」

「破産の申し立てをするんですか。それは無理です」「どうしてです」「負債総額はたかが200万でしょう。破産の認定は3年以内に負債を払えるかどうかなんです。200万じゃ無理です」「じゃあどうすれば」「もっと借りまくって1000万くらいにしないとね」「そんな。もっと借金を増やさないと破産が認められないなんて」「それが現実なんです」

500万を桑田と灰原に渡す正子。書類を正子に渡す桑田。「これでうちはあんたと一切関係なしや。借金の切れ目が縁の切れ目や」区役所をやめたのと聞く灰原に退職金が欲しかったからと答える正子。「でもほとんど出なかったけど」「じゃあこの金は」「悪いことだと思ったけど、生年月日を変えてサラ金から借りたの。お金って一度借りると平気になっちゃうんですね」「今、どこで働いてるの」「そんなの、あなたに関係ないでしょう」

借金を返す方法を見つけたと灰原に言う泥沼。「この雑誌を見てください。クレジットカードの特集記事なんです。カードの写真が出てるでしょう。記者かカメラマンが見本のために自分のカードを乗せているんですよ」「カード番号が写ってますね」「ということは、電話でこのカード番号で商品が買えるってことですね。だから商品を買ってバッタ屋に売れば金になるってことです」「それは取り込み詐欺ですよ」「問題はこのカードの持ち主に届いた商品をどうやってくすねるかです。灰原さん、何かいい知恵はありませんか」

古井富士子という女から5000万貸してくれと申し入れがあったと灰原に言う金子。「お前一人でやってみい。お前もいつまでも桑田のまわりでピヨピヨ鳴いとってもしょうがないやろ」父は市会議員をやっていたと灰原に言う富士子。「現職中に亡くなりましたんや。ほいで補欠選挙に回りの者が出ろ出ろ言うんで」「それじゃお父さまの地盤を守るために立候補なさったわけですね」

灰原に挨拶する大淀市役所の財務課の第一課長の猫田。「私はお父さんの時から選挙を手伝ってます」選挙は金がかかると灰原に言う富士子。「5000万、貸していただきます?」「ここの土地と建物は4番抵当まで打たれてますね」「恥ずかしいけど、他からも借りてますのや」「でも担保がないと融資は」私が保証人になりますと言う猫田。「公務員なら安心でしょう。今から夜の勉強会に行きましょう」

灰原をクラブに連れていく猫田。「それで選挙の状況は?」「まあ富士子さんの当選は間違いないでしょう」「他に有力な候補は?」「大手一郎ってのがおるけど、まあ楽勝やね」「でも、どうして猫田さんは保証人になると。5000万の保証人になるってことは大変なことですよ。もし古井さんが返せないと、金利を含めて7000万を肩代わりすることになります」

「先生が当選すれば5000万なんてあっと言う間に返せます。今年、市は10億の公共事業をやります。先生の力で建設業者を決めたら、10%の見返りは貰えるんです。それだけで1億や」「市会議員ってそんなに力があるんですか」「それだけやおまへん。市役所の人事にも介入できます。実は私も先生のお父さんの力で課長になれたんです」

サラ金業者に追われる正子と出くわす灰原は正子を自分のアパートに連れていく。「どれくらいあるの、借金」「800万か900万。もうわかんない」昨日、区役所の同僚と道で会ったと言う正子。「思わず顔を隠しちゃった。もし私を探している人に言われたらと思うと」「……」「もう私、誰にも声かけられないんだね。これからずっと」俺には何もできないと考える灰原。(彼女をここまで追い込んだのは俺なのに。どうしたらいいんだ)

大手一郎は派手な選挙活動をしていると金子に言う灰原。「古井富士子が当選するかどうか微妙です」「そうか」「保証人になると言う猫田は返済能力はありません。古井富士子が負ければ回収は難しいです」「こっちは古井富士子が勝とうか負けようが回収できる絵を描かねばならん。もう一人保証人を探せ。市役所の局長クラスを猫田に見つけさせるんや」「第二の保証人」「そやったら、古井富士子が落選しても、そいつらからビシビシ回収できるやろ」

もう一人保証人がいると言う灰原に急に難しいと答える富士子。「でも、先生。アイデアがないわけじゃないんです。連帯借用証書にハンコを押せと言ったら、誰でもイヤと言うでしょう。でもですね」猫田と建設局の局長の甲守とクラブで会う富士子。「甲守さん。私が当選したら、あなたを助役に推薦するつもりよ。猫田さんは次は部長や」「ほんまでっか」

帝国金融から金は借りれなかったと言う富士子。「そやけど、これ見て」「7000万の手形やないですか」「親戚から借りるんやけど、この手形は公務員の折り紙つきと言うてしもうたんや。そやからこの手形は本物やと二人に証明してほしいんや」「わかりました」「なら、手形の裏に承認のサインをしてくれるか」手形と交換に5000万を富士子に渡す灰原。

電話ボックスにチラシを貼る泥沼に何をしてるんですと聞く灰原。「僕は天才です。また借金を返す方法を考えたんです」「カードを買うって」「僕みたいに現金に困っている人にカードを一枚10万円で買うと言い、紛失届を次の日に出してもらうんです。僕はその日のうちにカードで何十万も商品を買って、その日のうちにバッタ屋に売り飛ばすんです。これなら誰にも請求は来ないでしょう。カード会社も被害は保険で落ちますから」泥沼は犯罪者になってしまったと呆れる灰原。

私と寝たら金を貸してくれると灰原に聞く正子。「どんなことをしても金を返さないと」「そんなこと言うなよ」「もう会いに来ないで」「待ってくれ。俺に罪滅ぼしをさせてくれ」自己破産すればいいと言う灰原。「自分から破産を宣告して裁判所がそれを認めれば、返済不可能な借金は法律的に消えてしまうんだ。君はお父さんの借金を返すために借金をした。安易に浪費したわけじゃない。破産して一からやり直したほうがいい」正子が破産宣告をして怒りまくるサラ金業者たち。「誰がこんな知恵をつけたんや」

選挙の結果、大手一郎が当選し、古井富士子は落選する。7000万の返済方法を考えましょうと言う灰原に、5000万じゃ足りなく他の金融屋からも借りたと言う富士子。「どこから?いくらですか」「カスリ金融ちゅうとこから1000万や」カスリ金融も富士子の家を押えにくるぞと灰原に言う高山。「すぐに戸締りするんや。奴らを家の中に入れたら、あかん。占有は早い者勝ちなんや」

富士子の家で戸締りをしようとする灰原にお前は誰やと聞くカスリ金融の社長。「僕は先生の秘書です」「古井はいるか」「先生はちょっと」「ほな、中で待たせてもらおうか」「それはちょっと」灰原はカスリ金融の社員から暴行を受けるが、その様子を桑田は写真に撮る。「誰や、おんどれ」「わし、先生の後援会の会長をやっとりまんねん。わし、警察署長、よう知ってまんねん。あんたとこ、免許取り消されまっせ」「……」「今日はこれくらいで帰ってもらえまへんか。あんたとこで借りた金はちゃんと返すように先生説得するさかい」

富士子に猫田と甲守の追い込みに協力してほしいと言う高山。「騙したんは私一人の考えで、帝国金融は何も知らんかったとな」「何、調子のええこと言ってんの。あんたらだけで行けばええやないの」「こっちは善意の第三者や。あんたは灰原から何も聞いてない。あれはあんたのアイデアや」「うちはあんたらの策略に乗せられただけや」あんたをカスリ金融に渡すと富士子に言う金子。「あそこはヤクザや。生きて帰れへんで」すんまへんと謝る富士子。猫田と甲守を追い込めと金子に言う灰原。

大淀市役所に行き、猫田と甲守と会う灰原と富士子。7000万の手形を猫田と甲守に見せる灰原。「あなたたちは手形の裏書きをした。古井さんが払えない場合、あなた方が支払わなければならないんです」親戚は金を貸してくれなかったと言う富士子。「仕方なしに帝国金融さんから借りたんや」「あんたらわしらを騙したんか」「そんなつもりは。うち、用があるんで帰ります」

富士子の家の前には債権者やカスリ金融が押しかける。債権者にあんたらには金は戻ってこないと言う金子。「ならうちらは泣き寝入りか」「そこで相談やが。あんたらの債権をうちらが1割5分で買わしてもらおうと思うんや。ここで現金で払います」家を占有して今度は債権者の代表になるんかと金子に聞くカスリ金融の社長。「うちはこの家に金借権を打ってるんやで」「うちも古井にこの屋敷の管理を頼まれてますねん」

帝国金融は債権を買ってくれたと口を揃える債券者たち。「カスリ金融さんはそんなこと一言も言わんかった。わしらを占拠のために利用しただけや」富士子は金策に走り回っていると言う金子。「うちが解決したら、明日にでもあんたらにここを明け渡すさかい。今日のところは引いてもらえんやろか」「ほな、明日、必ず明け渡すんやぞ」「約束守るで」家の中にある金目のものを急いで運び出せと高山と桑田に命令する金子。

あんたはわしらを脅迫していると灰原に言う猫田と甲守。「あんたらは電話もせずにここに乗り込んできたやろ。メチャクチャ怖かったで」「……」「新聞社に言うで。公務員を脅迫したと」「そんな」「新聞社に言われとうなかったら、今後一切我々から手を引く言う念書を書いてくれ」

念書を書こうとする灰原は夜の勉強会ではお世話になったと猫田に言う。「あの請求書は市役所あてでしたね。市民の税金で飲み食いしたんですよね」「そのことは誰かに喋ったんか」「いえ。誰にも。でも新聞社の方を呼んでいただければ、喜んでお話しますよ。でも話したらあなたたちは懲戒免職になる。そうすると7000万は回収できませんからね」「……」「御一人ずつ、140万円の25回払いでよろしいですね」

7000万は必ず回収できると金子に報告する灰原。これでお前は一人前やと灰原に言う桑田。明日はカスリ金融の奴らは驚くでしょうなと金子に言う高山。「行ってみたら部屋の中は空っぽや」富士子に500万渡す金子。「二度と大阪に帰ってくるな」「どういうことや」「口止め料や。あんたが泥かぶってくれた対価と考えてもええ。猫田と甲守はめたこと、一生誰にも言うたらあかんで」

大手を夜の勉強会に連れていく猫田と甲守。「猫田君。この先生も相当なもんや。勉強会の名目で空伝票どんどん切ればええんや」「市の税金使うたら7000万なんて、あっと言う間に返せますな」

クラブに出勤する正子に借金はもうないんだろうと聞く灰原。「こういう仕事の方がお金がいいから」「……」「私、決めたの。お金のない不幸とある不幸だったら、ある不幸を選ぶって。お金のない不幸の先は地獄だもん。灰原さんは?」「金融業を自分の転職だと決めたんだ。この仕事でとことん自分を試してみたい」「……」「さよなら」灰原は新たな追い込みに向かうのであった。

★ロロモ映画評

この作品の原作は青木雄二の同名漫画でありまして、ロロモはこの作品を愛読していたので、この作品にすんなりと入り込めましたが、原作のどぎつさや下品さはやや薄められており、ロロモ的には小林薫の桑田がややハンサムすぎるかなと思いますが、原作の持ち味である金の恐ろしさは十分堪能でき、やはりこれは原作が面白いためであろうとロロモは推測するわけです。

ところで日本の通貨はいわずとしれた円ですが、現在も使われているものは硬貨6種類と紙幣4種類。硬貨はアルミニウム製の一円硬貨、黄銅製の五円硬貨、青銅製の十円硬貨、白銅製の五十円硬貨、白銅製の百円硬貨、ニッケル黄銅製の五百円硬貨、紙幣は表は野口英世、裏は富士山と桜がデザインされる千円紙幣、表は沖縄県首里城の守礼門、裏は紫式部と源氏物語絵巻がデザインされている二千円紙幣、表は樋口一葉、裏は尾形光琳の燕子花図がデザインされている五千円紙幣、表は福沢諭吉、裏は平等院の鳳凰像がデザインされている壱万円紙幣が発行されているわけです。

ロロモ世代では表は板垣退助、裏は国会議事堂がデザインされている百円紙幣、表は岩倉具視、裏面は富士山がデザインされている五百円紙幣に馴染がありますが、百円紙幣は1974年8月1日に支払停止、五百円紙幣は1994年4月1日に支払停止。なお千円紙幣は表は伊藤博文、裏面は日本銀行が印刷されているものがロロモ世代ではお馴染ですが、1986年1月4日に支払停止、表は夏目漱石、裏面はタンチョウが印刷されているものがロロモ世代ではお馴染ですが、2007年4月2日に支払停止。

五千円札は表は聖徳太子、裏面は日本銀行が印刷されているものがロロモ世代ではお馴染ですが、1986年1月4日に支払停止、表は新渡戸稲造、裏面は逆さ富士が印刷されているものがロロモ世代ではお馴染ですが、2007年4月2日に支払停止。一万円札は表が聖徳太子、裏面は鳳凰が印刷されているものがロロモ世代ではお馴染ですが、1986年1月4日に支払停止、表が福沢諭吉、裏面は雉が印刷されているものがロロモ世代ではお馴染ですが、2007年4月2日に支払停止となっているわけです。

これらの貨幣や紙幣の中でロロモが好きなのは何といっても一万円札ですが、一番嫌いなのは二千円札となるわけです。この二千円札は沖縄サミットと西暦2000年をきっかけとして、1999年に当時の小渕恵三内閣総理大臣の発案で2000年7月19日に森内閣のもとで発行。戦後初の「1」と「5」以外の単位の通貨であること、公表された表面のデザインが人物でないこと、さらにそれまでになかった最新の偽造防止技術が多数採用されていることなどにより、発行前から注目を浴びました。

発行後には、新券の珍しさもあって銀行の窓口に両替依頼が殺到したものの、一時的な流行を過ぎると、流通・使用は低調になります。大蔵省や日本銀行の職員に現金で給与を支給する際には二千円紙幣を含めるなど、二千円紙幣の流通量を増やすための努力も始められますが、2013年の流通枚数は約1億枚で五千円券の6分の1以下にとどまり、2003年以降は製造されておらず、大量の二千円券が日銀の金庫に保管されたままの状態になっています。

アメリカ合衆国で20ドル紙幣、イギリスで20ポンド紙幣が普及しているのに対して、日本では二千円紙幣が普及しない理由について、数学者の西山豊は、「東西における奇数と偶数の文化の違いがあるのではないか」と考察しましたが、中国の20元札、ベトナムの2千ドン札・2万ドン札・20万ドン札、タイの20バーツ札は、広く一般的に流通しているわけです。

なお沖縄は例外的に二千円紙幣が広く使用。2013年時点で、二千円紙幣の流通量は1億枚ですが、その4割以上が沖縄で出回っており、その理由として、沖縄の行政と経済界が一丸となって二千円紙幣の流通促進を行った他、アメリカ統治時代にアメリカの20ドル紙幣を使い慣れていた歴史があるとの説もあるわけです。

ということで沖縄以外ではあまり目にすることのなくなった二千円紙幣でありまして、ロロモが会社にいたころは経理もいたこともあってたまに目にしましたが、辞めてからはおそらく一度も見たことがないわけです。どう考えても使い勝手の悪い二千円紙幣はそのうち支払停止になるのではと心配しますが、沖縄での例を見ると使い慣れると結構便利なのかなとも思ったりしますが、二千円紙幣の発行を企画した当時の内閣総理大臣であった小渕恵三本人は、実物の発行を見届けることなく、2000年5月14日に脳梗塞で急死。この時点で二千円紙幣の雲行きは怪しくなったのかとロロモは推測するのでありました。(2015年8月)

得点 72点

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