ナチュラル・ウーマン

1994年 日本

キャスト:嶋村かおり(容子)緒川たまき(花世)

監督:佐々木浩久

漫画同人サークルに入会した容子は花世の原画を見て「やっぱりうまいですね」と呟く。「私はあなたのファンなんです」「あなたは描いたものを後生大事に取っておくの?」「ええ。一応」「そんなものを保存しておく人の気が知れないわ」「あなたは偏屈なんですね」

私の絵を見てどう思うと容子に聞く花世。「思ったことを言えばいいのよ。否定されたくらいで全存在を否定されたとは思わないから」「よくない。いつもと違うことして誤魔化している」「ちゃんと言えるようになったじゃない。あなたのだけど」「どうぞ」「実力以上に描こうと無理している」お互いの絵を破る容子と花世。

サークルの夏の合宿に行かずに海に行く容子と花世。「なぜ海に私を連れてきたの。なんだか私はからかわれてるみたい」「なんで容子をからかうのよ」「からかうのは男だけ?」「あなたにとやかく言われる覚えはないわ」「とやかくなんて言ってないわよ」「何かあなたって憎たらしいのね」「一人の男と三ヶ月以上つきあわないってほんと?」「セックスって案外つまらないものだと知ってた?中途半端なSMみたいで」「知らないけど、花世は漫画を描くこともつまらないと思ってるんでしょう」「私はつまらない人間なのよ」

本当に漫画なんか描いてつまらないと思ってるかと花世に聞く容子。「ゴミを増やすだけよ」「じゃあやめちゃえば」「私の隣に来て」「どうして」「殴りたいから」隣に来た容子の唇を奪う花世。「こういうことになると思ってたでしょう」「……」「女を何かしたいと思ったことなかったのに。こんなこと思ったのは容子だけよ。だからあなたが憎い。あなた、私が憎い?」「好きだった。初めから」激しく抱き合う容子と花世。

会長の指示で容子と花世は共作することになるが、キャラの設定で意見が対立する。「やっぱり共作は難しいわね」「言い出したのは容子でしょう」「私じゃないわ。会長よ。今度二人の作品が出版されるから、そのお祝いに共作を描いてみないかって」「ほいほい承知したのは容子でしょう」「でも私たちの作品集が出るのは嬉しいじゃない」「本なんか出るのが嬉しいの?」

花世に抱かれながら男と女はどう違うのと聞く容子。「容子は男を知らないもんね」「前にセックスはSMみたいだと言ったじゃない」「男相手だといろいろ我慢しなきゃいけないのよ」「花世でも我慢するの?」「我慢できないからすぐに別れてきたんじゃない」「SMみたいじゃない正しいセックスってあるの?」

どうしてサイン会なんかしなくちゃいけないのと容子に聞く花世。「もう引き受けたんだから」「引き受けた?押し付けられたのよ」「本まで出したんだから、それくらいのサービスをしなきゃ」「あなた、大学を出たらプロになるつもり?私は嫌よ」「何が嫌なの」「あなたが嫌なの」「なぜ」「あなた、共作すると言いながら、結局一人で一本描いたじゃない」「何を言うの。花世は共作は嫌だと言いながら、結局何も描かなかったじゃない。あなたは見栄の塊よ」容子を殴る花世。「ごめんね」「……」「容子。私が嫌いになった?」「ううん」

どうしてこの頃漫画を描かないのと花世に聞く容子。「描きたくないから」「あなたの絵を見たいの」「人のためになんか描かないわ」「どうしてそんなに荒れているの」「何が心配なの」容子を押し倒す花世。「本当は私に気持ち良くしてほしいだけでしょう。気持ちよくしてあげるわ」「……」「ねえ。キスしてくれないの」「……」「私のこと好き?」「好き」「本当に?」「好きよ」「私はあなたを汚してるのよ」「それでも」

このまま関係を続けても泥沼に陥るだけだと判断した容子は花世に別れを告げる。ビルから飛び降りて自殺する花世。

大学を卒業した容子はアルバイトをしながら漫画を描き続ける。容子に会いに来る「コミック・ジャングル」の編集者。「私はあなたに描いてほしいと思ってましたが、どうもこういうスクエアな雑誌には描いていただけないんじゃないかと」「今度単行本が出るんです。プロデビューしてからの作品を集めたもの。エロ雑誌に載ってるものばかりですけど」「それは楽しみだ。それじゃあ、その気になったらでいいですが、うちのにも描いてくれませんか」

アルバイトをやめようと考える容子の前に現れる花世の幽霊。「容子」「どうしてあんなことを。私は本当にあなたが好きだったのに。あなたの邪魔にならないために別れようと言ったのに」「私が死んだのは、あなたが別れようと言ったからじゃないの」「じゃあなぜ」「それはあなた自身がこれから考えて」容子は花世との思い出を残しながらタフに生きて行こうと決意するのであった。

★ロロモ映画評

漫画同人サークルに入会した容子は花世の原画を見て「やっぱりうまいですね」と呟く。「私はあなたのファンなんです」「あなたは描いたものを後生大事に取っておくの?」「ええ。一応」「そんなものを保存しておく人の気が知れないわ」「あなたは偏屈なんですね」私の絵を見てどう思うと容子に聞く花世。「思ったことを言えばいいのよ。否定されたくらいで全存在を否定されたとは思わないから」「よくない。いつもと違うことして誤魔化している」「ちゃんと言えるようになったじゃない。あなたのだけど」「どうぞ」「実力以上に描こうと無理している」お互いの絵を破る容子と花世。

本当に漫画なんか描いてつまらないと思ってるかと花世に聞く容子。「ゴミを増やすだけよ」「じゃあやめちゃえば」「私の隣に来て」「どうして」「殴りたいから」隣に来た容子の唇を奪う花世。「こういうことになると思ってたでしょう」「……」「女を何かしたいと思ったことなかったのに。こんなこと思ったのは容子だけよ。だからあなたが憎い。あなた、私が憎い?」「好きだった。初めから」激しく抱き合う容子と花世。

ということで愛し合う容子と花世の二人をどう思いますかとこの映画は我々に問いかけるわけですが、54歳のおっさんのロロモは返答に窮し、なぜ花世が自殺したかは花世しか理由がわからないなあと呟きますが、容子役の嶋村かおりと花世役の緒川たまきはレースクィーンやモデルをしていたそうで、スタイル抜群の二人のヌードはいいものを見たなと得した気分にはなれるわけです。

この二人は漫画家と言う設定になっていて、どんな漫画を描いているのかは不明ですが、ロロモは漫画好きでさまざまな漫画を読んでいますが、いわゆる少女漫画と言うのはあまり読んでいませんが、兄が大和和紀の「はいからさんが通る」を買っていたのを読んだのが少女漫画初体験になるかと思い、それから一条ゆかりや弓月光の作品を読むようになったのですが、一番面白い少女漫画は池田理代子の「ベルサイユのばら」ではないかと思うわけです。

この作品は宝塚でも有名になり、スケールの大きな歴史ロマンとして楽しめ、この作品で池田理代子のファンになったロロモはその後彼女の作品をいろいろ読んだのですが、その中に「おにいさまへ…」と言う作品がありまして、名門女子校・青蘭学園高等部に入学した奈々子は、学園の特権組織で、選ばれた生徒のみが入会を許される社交クラブ・ソロリティの存在を知ります。奈々子はソロリティは自分とは無縁の存在であると思いますが、ソロリティの入会を強制され、さまざまなドラマに直面することになるわけです。

この漫画はロロモが読んでいて軽い眩暈を覚えましたが、それは登場人物がロロモには理解できないところがあって、生徒会長にしてソロリティの会長で園理事長の娘で、全校生徒の憧れの的で、「宮様」と呼ばれている一の宮蕗子や、病気で1年休学していたため奈々子と同級生となり、ボーイッシュで運動万能で、ソロリティの存在に反対し、生徒から「薫の君」と呼ばれている折原薫や、クールで謎めいた美貌から、生徒から「サン・ジュストさま」と呼ばれる朝霞れい等のキャラの強烈さとそこから生まれるストーリーについていけないところがあったのですが、この映画を見てそのついていけない感覚をぼんやりと思い出し、女と女の美しい愛はロロモには無縁の世界であると言う結論になるのでありました。(2015年5月)

得点 18点

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