涙のあとに微笑を

1969年 東宝

キャスト:萩原健一(健一)松崎由治(由治)大口広司(広司)田中俊夫(俊夫)高久昇(昇)聖ミカ(美香)新珠三千代(久子)須賀不二男(皿井)山岡久乃(弓枝)

監督:内川清一郎

スーパーで働く久子は息子の健一にバイトの時間に遅れたらダメじゃないのと叱る。「すいません、ママ」「あなたが10分遅刻すれば、誰かが10分忙しい思いをするのよ。わかった?」「わかりました。ママ」もう少し健一は男らしくならないものかしらと友人の弓枝に愚痴をこぼす久子。「我が子ながら歯がゆくって」「あんたがしごきすぎるんじゃないの」「だって、一人で父親役を兼任してるんだからしょうがないじゃないの」

鳩のゴローに愚痴をこぼす健一。「ママは厳しすぎるんだよ。おい、ゴロー。いやにぐったりしてるな。大丈夫か」明日は文化祭なのと健一に聞く久子。「どうしてママに教えないの」「だってスーパーは休みじゃないもん」「お母さんはいけないけど、健一はアルバイトを休んで行っていいのよ」「行かなくていいよ。どうせ学校に友達はいないんだ。それよりゴローを直す医者に行ってくるよ」「健一。文化祭に出るの。ゴロー、ゴローって鳩のことばっかり」

文化祭に行った健一は同級生でスーパーの社長の皿井の息子である昇にモノマネコンテストに出てくれと頼まれる。「ダメだよ。僕はそれよりゴローを医者に連れていかないと」「後で鳩の名医を紹介するから」「本当かい」健一はピンキーのモノマネをして「恋の季節」を歌って見事優勝するが、山本リンダのモノマネをして「困っちゃうな」を歌った番長の秋本は、俺をコケにしたなと怒り狂いゴローを殺してしまう。

悲しみにくれてゴローを埋葬する健一。しんみりとする昇と健一のバイト仲間の由治と広司と俊夫とスーパーの常連の浅田夫人の女中の美香。ゴローの霊は美香に取りつき、美香は魔法が使えるようになる。僕はダメな奴だと悩む健一に君が弱いのは自信がないからだと言う由治。「何か好きなことをやるべきだよ。そうすれば強くなる」「そうかな」「君は何が好きなんだい」「そうだな。鳩の次は」

健一は由治と広司と俊夫と昇でテンプターズを結成する。グループサウンズなんてダメですと由治たちに言う久子。「そんな柔弱な。私はみんなに健一を強い子にしてほしいんです。私の目の黒いうちには絶対」久子に魔法をかける美香。「絶対にやらせますからね」「やった。おばさん」「今のは間違い。絶対に許しますから」「やった」「今のは間違い。絶対に許可します」

久子に健一たちをクビにすると言う皿井。「彼らは勤務態度が悪い。真面目さを欠いている」「いいじゃありませんか。歌ぐらい。社長も彼らを見れば納得しますわ」「君は私に意見するのか」最初は久子に反感を持つ皿井であったが、だんだん久子に好意を持つようになる。親父は君のママが好きみたいだぜと健一に言う昇。「本当かい」「親父もおふくろを亡くして12年だからな」「……」「どうしたんだ。ショーケン」

ショックを受ける健一(ママが結婚?そんなこと。でもママも結婚を考えているんだろうか)久子に書き置きを残して家出をする健一。それにつきあう由治たち。「俺たち、いつもショーケンと一緒さ」「ありがとう」

しかし生活に困った健一たちはすぐに舞い戻る。久子がどんなに心配したと思ってるのと健一に言う弓枝。「すいません、おばさん」「こうなったら本当のことを言うわ。あなたは久子さんの本当の子供じゃないの」「え」

あなたのお父さんは久子と恋仲だったと言う弓枝。「でもいとこ同士だったから結婚できなかったの。お父さんはあきらめて他の女の人と結婚して、その人はあなたを産んだ。でもあんたが生まれて十日後にお父さんは交通事故で亡くなり、お母さんもそのショックで。孤児になったあなたを結婚もしていない久子は養子で育てると強硬に主張したの」「……」「それからの久子はあなたのことしか眼中になかったの」

家に戻ってきた健一にどこに行ってたのと叱る久子。「ごめんね、ママ」「もういいのよ」

秋本にゴローを殺したことを謝れと言う健一。お前はたくましくなったと感心する秋本。久子は皿井のプロポーズを受けて結婚を決意する。「ショーケン。長々お世話になりました」「僕のほうこそ。お母さん、幸せだね」「ありがとう」「綺麗だよ。お母さん」「いい子でね」役目は終わったと美香に取りついていたゴローの霊は天国に行くのであった。

★ロロモ映画評

スーパーで働く久子は息子の健一にバイトの時間に遅れたらダメじゃないのと叱る。もう少し健一は男らしくならないものかしらと友人の弓枝に愚痴をこぼす久子。鳩のゴローに愚痴をこぼす健一。「ママは厳しすぎるんだよ。おい、ゴロー。いやにぐったりしてるな。大丈夫か」明日は文化祭なのと健一に聞く久子。「どうしてママに教えないの」「だってスーパーは休みじゃないもん」「お母さんはいけないけど、健一はアルバイトを休んで行っていいのよ」「行かなくていいよ。どうせ学校に友達はいないんだ。それよりゴローを直す医者に行ってくるよ」「健一。文化祭に出るの。ゴロー、ゴローって鳩のことばっかり」

文化祭に行った健一は同級生でスーパーの社長の皿井の息子である昇にモノマネコンテストに出てくれと頼まれる。「ダメだよ。僕はそれよりゴローを医者に連れていかないと」「後で鳩の名医を紹介するから」「本当かい」健一はピンキーのモノマネをして「恋の季節」を歌って見事優勝するが、山本リンダのモノマネをして「困っちゃうな」を歌った番長の秋本は、俺をコケにしたなと怒り狂いゴローを殺してしまう。悲しみにくれてゴローを埋葬する健一。しんみりとする昇と健一のバイト仲間の由治と広司と俊夫。僕はダメな奴だと悩む健一に君が弱いのは自信がないからだと言う由治。「何か好きなことをやるべきだよ。そうすれば強くなる」「そうかな」「君は何が好きなんだい」「そうだな。鳩の次は」健一は由治と広司と俊夫と昇でテンプターズを結成するのであった。

この映画は要するにしょうもない映画でありまして、見る価値のない映画だと断言してもいいのですが、GS好きのロロモとしては、テンプターズのメンバーが見られるだけでも見る価値のある映画であり、たとえ映画の内容がどんなにひどくても、彼らが歌い演奏するシーンがあるだけでいい映画であると言いたくなりますが、やはりしょうもない映画だと言わざるを得ないわけです。

テンプターズは1967年10月に「忘れ得ぬ君」でデビュー。そして1968年3月に発売された2枚目のシングル「神様お願い」がオリコン2位となり、タイガースに次ぐ人気グループサウンズとなり、6月に発売された3枚目のシングル「エメラルドの伝説」はオリコン1位を獲得。9月に発売した4枚目のシングル「おかあさん」、12月に発売れた5枚目のシングル「純愛」もトップ10ヒットとなり、1969年3月には初主演映画となるこの映画が公開。しかし同月に発売された6枚目のシングル「雨よふらないで」はオリコン21位に終わり、GSブームの衰退とともにテンプターズの人気も急速に衰え、1970年12月27日の東京大手町のサンケイホール内にある小ホールでの公演で解散したわけです。

というテンプターズでは何と言っても萩原健一ことショーケンの人気が凄まじかったのですが、ロロモが気になるのはメンバーの松崎由治でありまして、デビュー曲の「忘れ得ぬ君」は彼の作詞作曲で彼がリードボーカルを担当。「神様お願い」はショーケンがリードボーカルですが作詞作曲は松崎が担当。「おかあさん」は雑誌「平凡」で募集された歌詞を松崎が補作をし、作曲もした彼がリードボーカルを担当。「雨よ降らないで」はショーケンが作詞ですが、松崎が作曲。ということでテンプターズはショーケンと松崎由治の二枚看板のグループでしたが、松崎のことはほとんど忘れられ、この映画でもあまり目立たない役となっているわけです。

ところで萩原健一の愛称のショーケンの由来は映画では「子供の時に小さかったから」とか「しょうもない健一」だからとショーケン自身で語られていますが、「六本木「トムス」にたむろしていた3人のケンという名の不良がいて、それらがダイケン、チューケン、ショーケンと呼ばれていた」「小さい頃によくおねしょをして、小便たれの健一と言われていたのを省略して ショーケンになった」という説もあるそうです。また彼のライバルである沢田研二の愛称は「ジュリー」ですが、これは彼が女優ジュリー・アンドリュースのファンだと言うことでつけられたそうですが、渡辺プロの社長が、ジュリー・アンドリュースが好きだったので、よし、お前はジュリーでいこうとなったと言う説もあるそうです。

またこのジュリーは、柔道の試合において審判員を監督する審判委員のことを言い、審判員は主審1名と副審2名によって取り仕切られていましたが、国際大会において判定を巡るトラブルが度々起きていたことをきっかけに、1994年に審判員を監督するジュリー制度を設けることになりましたが、このジュリーがクローズアップされたのが2012年ロンドン五輪での男子66キロ級準々決勝の海老沼匡と韓国の゙準好戦で、海老沼は延長戦に入って小内巻き込みを決め、主審もそれを有効と示したことにより、一旦は試合が終了したものと思われました。しかし、ジュリーの判断によって有効が取り消されて試合が続行。その後両者ポイントなく試合が終了し、旗判定でばを支持する青旗3本が上がったものの、観客による大ブーイングが起こるなど場内が騒然となり、ジュリーからもこの判定に対する異議が唱えられて旗判定のやり直しが指示されると、今度は海老沼を支持する白旗3本が上がり海老沼の勝利となったわけです。

全柔連強化委員長の吉村和郎は「そもそも韓国に上がることがおかしい」と憤慨しつつ、「判定が覆るなんて見たことがない」と呆れ、金メダリストの山下泰裕は、「普通は旗判定がくつがえることはないが、今回は明らかな審判のミスだった。」と述べ、女三四郎の山口香は「ジュリーの介入は主審と副審の計3人で判断できない場合に限るのが筋。これでは審判が存在する味がなくなってしまう」と疑問を呈し、韓国KBSテレビの解説者は「どうしてこんな判定ができるんだ。゙は勝ったんです」と絶叫。この一戦でジュリーなる者がいて審判はその傀儡であることが判明し、このジュリーと審判の関係は、相撲の勝負審判と行司の関係に似ているとロロモは少し感心しましたが、来年のリオデジャネイロ五輪はこのようなゴタゴタがなく、日本人柔道選手にメダルを取りまくってほしいと思うのでありました。(2015年4月)

得点 38点

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