何がジェーンに起こったか?

1962年 アメリカ

キャスト:ベティ・デイヴィス(ジェーン・ハドソン)ジョーン・クロフォード(ブランチ・ハドソン)ヴィクター・ブオノ(エドウィン)メイディー・ノーマン(エルバイラ)アンナ・リー(ベイツ夫人)マージョリー・ベネット(デリラ)

監督:ロバート・アルドリッチ

1917年。ジェーンは芸人の父と一緒にステージにあがって子役スターとして大人気を博していた。父のピアノの演奏で「パパに手紙を」を歌って踊り拍手喝さいを浴びるジェーン。劇場で飛ぶように売れるジェーンと等身大のベイビージェーン人形。楽屋であんな汚いホテルは嫌と父に文句を言うジェーン。

「ジェーン。そんな我儘を言ってはダメだよ」「関係ないわ。アイスクリーム買ってきて。私の金よ。稼いでいるのは私よ」「わかったよ」「ブランチにもアイスクリームを買ってあげて」ジェーンの姉のブランチに今にお前もきっと注目を集めるわと言う母。「その時はジェーンとパパに優しくしてあげてね」「いいわ」「忘れないでね」「死んでも忘れないわ」

1935年。話し合う映画製作者たち。「ジェーンは酷過ぎる。大根役者だ。同じ映画女優でも姉と妹では大違いだ」「ジェーンはプライドが高い」「それで酒に浸っておまわりを殴るのか。もう契約を切りたいが、ブランチが会社と約束を結んでいる。自分と妹を平等に映画に出すこと」「ブランチは今や大スター。バレンチノの屋敷を買ったそうだ」「稼いだ金を使うのは自由だが、妹を昔のようなスターにするのは到底無理だ」「ブランチはいい人だ。昔、妹に稼がせてもらった恩を返している」しかしブランチは交通事故に会い、下半身不随となってしまう。

1962年。引っ越して半年になるけど見かけるのはだらしのない妹だけねと娘に言われるベイツ夫人。「お客も一人として訪ねてこない。友達に聞いたけど妹が故意に事故を起こし、姉を車椅子に」「何年も前の出来事よ。あまりくだらない噂を信じないように」昨夜テレビ映画を見ましたとジェーンに言うベイツ夫人。「お姉さまにお花を。テレビ名画座が凄い人気ですのよ」「どうも」「私も娘もいつかお姉さまに会えたらと」「姉は外出しないしお客にも逢わないわ」「ではせめてこの花を」「ありがと」

ジェーンをブザーで呼ぶブランチ。やかましいと呟きながら食事を持って二階に行くジェーン。「朝食を催促したのではないのよ。誰か来た様子だったので」「隣の出しゃばり女が昨夜の映画の話をしに来たのよ」「なんと?」「ほめてたわ」「最初に封切られた時も大ヒットだったわ」

「製作年度を覚えてる?」「1934年。「ムーングロウ」の次の作品よ」「私も主演映画を」「覚えてるわ。コメディだったわね」「恋愛映画の「長い夜」よ。私の演技は最高だと言われたわ。なのになぜかお蔵入り」「あの年は会社の景気が悪くて」「とんでもない。会社は最盛期。あんたのくだらない映画に入れあげてたのよ」

掃除するわと言って鳥かごを持ってブランチの部屋を出るジェーン。代わりに入ってくる家政婦のエルバイラ。「ジェーンは機嫌が悪いわ」「シェルビー先生に相談を?」「話しにくいのよ。妹が知ったらきっと怒るわ」「何とかしなくては。手遅れになりますよ。お酒ばかり飲んで」「お酒ぐらい妹の身になれば仕方ないわ」

あなたへのファンレターがゴミ箱に捨ててあったと言うエルバイラ。「妹さんは病気なんです。何とかしないと。だからこの家を売る気になったんでしょう?」「そのことを妹は感づいてると思う?」「大丈夫です。書類も作ってませんから」「姉妹の間で隠し事は難しいわ」「テレビに映画が出て妬いているんですよ。この家に住むのはあと6週間です」そこに現れるジェーン。「鳥カゴを掃除してたら鳥が逃げたわ」「わざとやったの?」「掃除してたら逃げたのよ」

ジョンソン酒店に電話するジェーン。「酒が切れたわ。なんですって、私の注文は受けない?姉が言ったの?待って。姉を電話に出すわ」ブランチの声色を真似て酒の注文をするジェーンは受話器を外す。ブランチは二階から電話しようとするが電話をかけることができなくなる。

ベビージェーン人形を撫でながら「パパに手紙を」を歌うジェーンは、鏡の醜く老いた自分の姿を見て絶叫する。ブザーを鳴らすブランチ。行くわよと怒鳴るジェーン。「豚も真っ青の映画スター。才能ゼロの大根役者の癖にベルを鳴らせば人がすっ飛んでくると思ってんだね」

昼食を運んでくるジェーンに電話が通じないのと言うブランチ。「下の受話器が外れてない?」「あらそう。誰に電話するの?」「ちょっとバートに用があって」「財産管理人の?」「そうよ。この際、あなたに話しておくわ。お金のことで悪い話があるの。バートがこの家を売らねばならないと言うの」「売るって、どうして?」

「経済状況が圧迫してるの」「バートといつそんな話をしたの?」「確か先週よ」「家を売ってどうするの。私をどこかの施設に入れる気だろう」電話機を取り外すジェーン。「病人に電話は毒よ。取り外すわ。電話は下でとる」「……」「食事が冷めるわよ」皿の上に小鳥の死体が載せてあるのを見て、おおと絶叫するブランチ。

ジェーンは市民新聞社に行き、情報交換蘭に広告を載せてくれと頼む。ブランチは<この番号のシェルビー先生を呼んでください。この手紙はくれぐれも私の妹に目が触れぬようにしてください>と書いたメモを二階の窓から放り投げて、庭いじりするベイツ夫人に拾ってもらおうとするが、新聞社から帰ってきたジェーンが拾ってしまう。

昼食を運んでくるジェーンにあなたとじっくり話す機会がなかったわと言うブランチ。「今後のことよ。家を売ってもあなたと離れないから心配しないで」「家を売らせないわ。この家はパパが私に買ったのよ」「それはあんたの思い違いよ。私が私たちのために買ったのよ」「そんなのウソよ。ベイビージェーンが稼いで買った家よ」「バカなことを」「ブランチ。家を売らせないわ。私が稼げばいい。あなたはここから出られない」

「ジェーン。あの事故の夜のこと覚えてる?」「その話はしない約束よ」「わかってるわ。でも私は何年も車椅子に釘つけ。あなたもこのままでは」「そうね。私は病気かも。シェルビー先生に見てもらったほうがいいかも」メモをブランチに渡すジェーン。「この手紙はくれぐれも妹に目が触れぬように。誰が医者なんか」

失業中のピアニストのエドウィンは<有名スター、舞台・クラブ出演のためピアノ伴奏者を求む。要・経験と才能>というジェーンの広告を見て、母のデリラにジェーンに電話させる。「ママは僕の秘書と言うことにして」「わかったわ。うまく芝居するよ」秘書になりすましてジェーンに電話するデリラ。「うまくいったわ。明日4時に来てくれって。母さんは何でもうまくやるだろ」「ありがとう。ママ」

家にやってきたエルバイラに今日は私が掃除したから帰っていいと言うジェーン。「15ドル払うわ」「ブランチ様は御存じですか」「勿論よ」「それではまた来週の火曜日に」「さいなら」昼食を運んでくるジェーンに誰か来たのと聞くブランチ。「エルバイラよ」「帰ったの?」「今日は暇をやったわ」皿の上に鼠の死体が載せてあるのを見て、おおと絶叫するブランチ。ははははと笑うジェーン。

ジェーンの家に行って何をすればいいと聞くエドウィン。「家族に病人がいて一時芸能界から引退を」「またカムバックを?」「そう」「それで楽器か何かをお弾きになるので」「私を誰かご存じ?」「いえ」「ベイビージェーンよ」「そうか。あなたがあの」「そうよ。昔通りの舞台を復活させたいの。勿論現代風にアレンジしてね。そしてテレビ、ラスベガス、ナイトクラブ。昔のファンが支持を」「成功間違いなしです」

「あなたとは気が合うわ。衣裳も考えているの。昔と同じデザインのドレスを着るのよ」そこでブザーを鳴らすブランチ。二階に上がりいつも邪魔するのねと言いながらブザーを引きちぎるジェーン。「誰が来たか教えるわよ。友達が私に会いに来てるのよ。あんたはすぐひがむんだから」「できれば私とその友達と三人で会って」「わかってるわよ。私の悪口を言い、彼を横取りするつもりね」ブランチを殴って部屋を出て行くジェーン。

エドウィンのピアノ伴奏で「パパに手紙を」を歌うジェーン。素晴らしいとジェーンを褒めるエドウィン。「来週の水曜にレッスン料を払うわ」「わかりました」「何もかもうまくいくわよ」エドウィンを車で送って衣裳を買いに行くジェーン。その間に手すりをつたって二階から降りたブランチはシェルビーに電話する。

「お願い。すぐ来てください。私のことではありません。妹のことです。医者が必要なんです。精神が乱れています」「よくわかりませんが、すぐ行きます」そこに戻ってきたジェーンは鬼の形相でブランチを何度も蹴飛ばすと、ブランチの声色を真似てシェルビーに電話し、妹は他の医者に見せるから来なくていいと言う。

家にやってくるエルバイラに来週でいいと言ったはずよと言うジェーン。「今日は暇なのでお手伝いでもと」「手伝うことはないわ。辞めてもらおうと思ってるの」「なぜです」「家を閉めるの。ブランチの健康を考えて海岸に引っ越すの」「ブランチ様にお別れを」「ダメよ。眠ってるわ。早くお帰り」

ジェーンが銀行に行ってる間にエルバイラは二階に行くがドアに鍵がかかっていることを知る。「ブランチ様。大丈夫ですか」「……」「妹さんに睡眠薬でも飲まされたんですか」「……」「警察に連絡します。助けてあげます」

家に戻ってエルバイラに何をしてると言うジェーン。「クビにしただろ」「それより何をしたんです。なぜあのドアに鍵を?」「ここは私の家だよ」「誰の家だろうと勝手は許しませんよ。早くドアを開けなさい」「薬を飲ませたから眠ってるんだよ」「鍵を出さないなら警察を呼びます」「後悔するよ」「鍵を」部屋に入ったエルバイラはブランチが口にテープをされて両手を縛られているのを見て驚愕するが、背後から忍び寄ったジェーンに頭を金づちで殴られて即死する。エルバイラの死体を車椅子で車で運んで遺棄するジェーン。

ジェーンはとんでもない女とわかったとエドウィンに言うデリラ。「ヘイゼルは当時撮影所で働いていたんだよ。事故はパーティーのあと家の前で起こった。妹がわざと姉を車で轢いたんだよ」「殺すつもりで?」「そうだよ。自分の姉を」「警察は?」「ブランチの名が傷つくので会社がもみ消した。お前がつきあってる女はそういう女だ」「本人に会って尋ねてみる」「まだひどい話がある。ジェーンは自分の姉を轢いたあと、死にかけてる姉をその場で置き去り。三日も行方をくらました」「だが見つかったんだろ」「ああ、行きずりの男とホテルにいるところを」「母さんも経験があるだろ。それで僕が生まれた」

警察から電話があったとブランチに言うジェーン。「エルバイラの行方を探してると。私はどうすればいいの」ブランチの口のテープを剥がすジェーン。「教えて」「……」「死体が見つかったら大変だわ。早く逃げねば。エドウィンに会えなくなる。きっと怒るわ。私が悪いんじゃない。それより海岸に行って暮らすのよ。パパがいた時のように。きっと友達ができて遊びに来てくれる。素敵だわ」「……」

「ブランチ。楽しい暮らしが夢だったのよ。なのにエルバイラのせいであんなことを。ホテルの時と同じ。私があんたに怪我させたと言われた。自分の姉にそんなことした覚えないのに」「ジェーン」「みなが私を嘘つきと」「ジェーン。あの事故は」「事故じゃないわ。あんたがそう言ったわ」「思い切って話すわ」「もうやめて」そこで呼び鈴が鳴る。「きっとエドウィンだわ」「彼に会わせて」「何もかも喋る気ね」再びブランチの口にテープを貼るジェーン。

エドウィンにあげたいものがあると言うジェーン。「びっくりするわよ」ベビージェーン人形を持ってくるジェーン。「私の大切な宝よ。友達や一緒に仕事をした人にあげたのよ。私のために作らせたの」「生きてるようだ」ブランチはなんとか戒めを解いてテーブルをひっくり返す。「あの音は?」「何でもないわ」

二階に上がり、ブランチを見て絶句するエドウィン。「死にかけている。なんてひどい」家から飛び出すエドウィン。彼は喋るわと呟くジェーン。「ブランチ。助けて。大変よ。私を助けて。早く逃げるのよ」ブランチを車に乗せて、夜の砂浜に連れていくジェーン。「いいところだわ。しばらくここに。日が昇るともっとよくなるわ」「……」「海を見なさいよ。どこまでも輝いてるわ」

朝になり、砂浜にやってくる海水浴客たち。事件を伝えるラジオ。<ハドソン家のメイド。死体で発見。ハドソン姉妹の誘拐殺人事件に関連して警察は特別捜査班を組織しました。1930年代のスター、ブランチは昨夜10時ごろ妹ジェーンによって屋敷から連れ出され、現在も行方不明になっています>

ジェーンに私はもうダメよと言うブランチ。「お医者さんを呼んで」「ダメよ」「私が死んだらあなた一人」「皆が私を苛めるわ」「私はもう死ぬ。もう時間がないわ。よく聞いて。あんたの一生をダメにしたのは私よ。あの事故のことよ」「その話はやめて」

犯人はあんたじゃないと言うブランチ。「私が自分でやったの。真相を教えるわ。あんたは運転してなかった」「……」「酔ってて運転できる状況じゃなかった。あんたは門を開けるために車を降りた。あんたはあの夜のパーティーで私の物まねをし、物笑いのタネにした。車を降りたあんたを見て、私はあんたを轢き殺そうとした」「……」

「あんたは身をよけ、車は門に激突。私は背骨を折った」「私たち、無駄に憎しみ合っていたのね」「あんたは恐怖でその場を逃げ、私はなんとか車から這いだした。あんたは酔ってて何も覚えてなかった。美しかったあんたはそれから醜くなった。それも私のせいよ」「あそこに売店があるわ。アイスクリームを買ってきてあげる」

イチゴのアイスを二つ買うジェーンに、あなたを探してたんですと言う刑事。「お姉さんはどこです」「一緒にいるわ。このアイスが姉さんのもの。姉は映画スターなのよ」「知ってます。お姉さんのところに案内してください」ジェーンを取り囲む海水浴客。アイスクリームを持って嬉しそうに踊るジェーン。刑事は息絶えて横たわってるブランチを発見するのであった。

★ロロモ映画評

1917年。ジェーンは芸人の父と一緒にステージにあがって子役スターとして大人気を博していた。父のピアノの演奏で「パパに手紙を」を歌って踊り拍手喝さいを浴びるジェーン。劇場で飛ぶように売れるジェーンと等身大のベイビージェーン人形。楽屋であんな汚いホテルは嫌と父に文句を言うジェーン。

「ジェーン。そんな我儘を言ってはダメだよ」「関係ないわ。アイスクリーム買ってきて。私の金よ。稼いでいるのは私よ」「わかったよ」「ブランチにもアイスクリームを買ってあげて」ジェーンの姉のブランチに今にお前もきっと注目を集めるわと言う母。「その時はジェーンとパパに優しくしてあげてね」「いいわ」「忘れないでね」「死んでも忘れないわ」

1935年。話し合う映画製作者たち。「ジェーンは酷過ぎる。大根役者だ。同じ映画女優でも姉と妹では大違いだ」「ジェーンはプライドが高い」「それで酒に浸っておまわりを殴るのか。もう契約を切りたいが、ブランチが会社と約束を結んでいる。自分と妹を平等に映画に出すこと」「ブランチは今や大スター。バレンチノの屋敷を買ったそうだ」「稼いだ金を使うのは自由だが、妹を昔のようなスターにするのは到底無理だ」「ブランチはいい人だ。昔、妹に稼がせてもらった恩を返している」しかし、ブランチは交通事故に会い、下半身不随となってしまう。

1962年。引っ越して半年になるけど見かけるのはだらしのない妹だけねと娘に言われるベイツ夫人。「お客も一人として訪ねてこない。友達に聞いたけど妹が故意に事故を起こし、姉を車椅子に」「何年も前の出来事よ。あまりくだらない噂を信じないように」昨夜テレビ映画を見ましたとジェーンに言うベイツ夫人。「お姉さまにお花を。テレビ名画座が凄い人気ですのよ」「どうも」「私も娘もいつかお姉さまに会えたらと」「姉は外出しないしお客にも逢わないわ」「ではせめてこの花を」「ありがと」

この映画で姉妹役を演じたベティ・デイヴィスとジョーン・クロフォードはともに第2次大戦前から活躍した大スターでありますが、監督のロバート・アルドリッチは「二人がお互いを心から嫌いあっていたことは間違いない。だが二人とも本当に完璧な立ち居振る舞いをみせた」とコメント。この映画は撮影が終わると二人は互いにとどまるところを知らない悪口を公言しあうようになり、デイヴィスは「彼女の使った後の便座だけには座りたくない」とまでコメント。

この映画の二年後にアルドリッチ監督は再びデイヴィスとクロフォードとの共演で映画「ふるえて眠れ」の製作に取り掛かりますが、デイヴィスはクロフォードとの共演を拒絶し「ペプシ・コーラのセールス・ウーマンと共演するなんて真っ平ごめん」と言って、クロフォードを降板させ、クロフォードの代わりにオリビア・デ・ハビランドが出演したとされています。

そんな仲の悪い二人が姉妹役を演じるこの映画はホラーでもありミステリーでもありブラックコメディでもあると言ういろんな要素を含んでいる映画でありまして、この二人が仲が悪かったということを考えると、さらにこの映画が奥深いというかなんとも言えないものを覚えますが、この姉妹の50年近くに渡る確執物語はなかなか見応えのあるものになっており、少女時代はジェーンがブランチを圧倒します。

妹に屈辱的な立場に立たされた姉はその屈辱は一生忘れないと心に誓います。二人は成人とするとその立場が逆転しブランチがジェーンを圧倒。しかしブランチはジェーンに対する屈辱が忘れていなかったのですが、この女優時代はエピソードだけで語られているので、二人の心の動きは判然としないわけです。

そして年老いてからの二人が描かれ、動のジェーンと静のブランチの葛藤が展開されますが、どうしても動けないブランチに対し、動き回るジェーンが目立ち、ジェーン演じるベティ・デイヴィスの凄まじい演技には圧倒され、これでもかとクロフォードを苛める凄まじさは前記の二人の仲の悪さの相乗効果もあり、これでもかと迫ってきて、やはり彼女の凄まじい演技がこの映画を印象深いものとしているわけです。

そして二人の心理と言うものが巧みに描かれて、物語はラストの砂浜でのブランチの告白となり、ここで今までの伏線がうまく回収されますが、あんなに醜かったジェーンの顔がアイスクリームを買いに行く時には天使のように無邪気な顔となっており、その天真爛漫な顔こそが本当の彼女の顔であったことがわかるわけです。

もはやその時には手遅れでしたが、本当はこの姉妹は仲のいい姉妹であったのに仲の悪くならざるを得なかったと言うことがわかり、その仲の悪さも複雑な背景のある仲の悪さではなく、この姉妹は歪んだ愛情というかずっとお互いなしでは生きていけない存在だったとか感じさせ、この映画は究極の姉妹愛の映画でもあるのかと思うわけです。

この映画でロロモが気になったのがマザコンのダメ男エドウィンでありまして、彼とジェーンの関係はロロモにはどうも判然としないところがあり、エドウィンをなぜこのような性格の男にしたのかやや不明でありまして、彼をここまで変な男にせずに真面目なピアノ教師にしたほうがよかったのではないかと感じ、彼の存在が折角の姉妹の素晴らしい心理劇に水を差すような結果になってしまったのではと残念に思い、エドウィンのキャラはちょっと欲張りすぎたかなと感じたわけです。

その点に問題があるもののこれは素晴らしい見応えのある映画であることは間違いなく、それはベティ・デイヴィスの圧倒的な存在感が大いに貢献していますが、ベティ・デイヴィスと言えば、独特のハスキーボイスのシンガーであるキム・カーンズの「ベティ・デイヴィスの瞳」というナンバーがありまして、1981年に全米で9週1位という記録的な大ヒットとなり、世界各国のチャートでも1位を獲得し、グラミー賞の最優秀楽曲賞、最優秀レコード賞を受賞。歌詞の内容はベティ・デイヴィスのことを歌っているのでなく、彼女のような瞳をした魅力的な女性のことを歌っているそうですが、確かにこの映画での彼女の目力というのは相当あるなとロロモは感じるのでありました。(2014年5月)

得点 87点

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