情無用のジャンゴ

1967年 イタリア

キャスト:トマス・ミリアン(ジャンゴ)ロベルト・カマルディエル(ソロ)マリル・トロ(フロイ)ピエロ・ルッリ(ハガーマン)ミロ・ケサダ(テンブラー)

監督:ジュリオ・クエスティ

瀕死の男を助ける二人のインディアン。瀕死の男の靴から金が出て来る。「ホークス」とうめく瀕死の男。「その金はみんなのものだ。金は河の底に眠っている」

金塊輸送車を襲撃するギャングたちは、金塊を奪って大喜びする。「これだけありゃ一生遊んで暮らせるぜ」喜ぶホークスに申し出る白人とインディアンの混血児ジャンゴ。「暗くなる前にメキシコ国境を越えたい」「お宝が多いのでびっくりしたのさ」「早く分けようぜ。どうした。よこえよ」「渡したくないな」

はははと笑うジャンゴたちに、なおも言うホークス。「せっかく手にいれたお宝だ。お前らメキシコ野郎に分けるつもりはねえ」高笑いするホークス。「混血野郎め」ジャンゴたちはホークスたちに撃たれるが、ジャンゴのみが奇跡的に弾が急所をはずれ奇跡的に助かる。

目覚めたジャンゴに話しかける二人のインディアン。「金でできた銃弾だ」「これが仲間割れの原因か」「金の弾は鉛より深く食い込む」「弾を手がかりに犯人を見つけられる」「お前を助けてやるから、俺たちを案内しろ」「それとも死にたいか」

薄気味悪い町にやってくるホークスたちは酒場に行く。「初めて来たがなかなかよい町だ。よろしく頼むぜ」「……」「誰か馬を売らんか」「金次第だ」「心配ねえよ。カネなら山ほど持っている。酒をくれ」「あんたみたいな人は大歓迎だぜ。埃だらけだ。砂漠を越してきたのか」「馬を売ってくれ」「カネ次第だ」金を見せるホークス。「こっちのほうがいいんだろう」「最高の馬を用意する」

馬車に乗って町に向かうジャンゴと二人の男。「やつらは食糧がないから、きっとあの町にいる。砂漠の端の町だ。インディアンは「不幸の町」と呼んでいる」

ホークスたちが金塊を持っていることを知った町民たつは。ホークスたちを襲撃した皆殺しにし、宙吊りにする。ただ一人生き残り銃撃戦を展開するホークス。町に着くジャンゴたち。ジャンゴを見て「あれは幻か」と呟くホークスに銃弾をぶちこむジャンゴ。

虫の息のホークスを見下ろす牧場主で悪党のソロ。「その男に興味がある。生かしておけ」「強盗に殺人の男だ。縛り首が当然だ」「まあ、俺にまかせておけ」ジャンゴと一緒に町に来た二人のインディアンは町を出るというが、ジャンゴは残ると宣言する。

ソロはホークスの体にある弾が金でできているのに驚く。そこにやってきたジャンゴはホークスにかけられた懸賞金500ドルを要求する。「金があるだろう。まあいい。明日でもいい。泊まらせてもらうぜ」

ホークス襲撃を指図したテンプラーに文句を言うソロ。「勝手なことをしやがって。死んでしまったら何も聞き出せない」「危険な連中だったんだ」「俺が探しているのは、連中の荷物だよ。大量の金を持っていたはずなんだ。さっさとそれを出せ」「知らんね。仲間が持ち逃げしたんだろう」とうとうあの世に行くホークス。

テンプラーとハガーマンはお互いが隠し持っている金塊をめぐって言い争う。「山分けする約束だ」「冗談いうな」「ハガーマン。私は町をよくするために頑張って来た。これを町のために使いたいんだ」「私は町のモラルを維持してきた。正義を説かれる覚えはない。この金はキッチリ山分けしよう。さもないとお前も痛い目に会うぞ」「それが正義か」「そうだとも。この詐欺師め」

ソロはテンプラーの息子エブンを誘拐して、金塊を渡せとテンプラーに要求する。ジャンコに「いい作戦だろう」と自慢するソロは、ジャンコに仲間になれと勧誘する。テンプラーはハガーマンに金塊を要求するが、ハガーマンはお前の息子のことなど知らないと冷たく言い放つ。「相棒だと思っていた」「相棒だが子供のことは知らん」

テンプラーは金など知らないから息子を返せ、とソロに返答する。怒ってエブンを殺そうとするソロを諌めるジャンゴ。「俺が金を持ってくる」パーティーが始まりエブンはソロの部下に弄ばされて、ソロたちは酔いつぶれる。その隙に自殺するエヴン。ジャンゴに命令するソロ。「とにかく金を取って来い」「とにかく死体を届ける」

ジャンゴはテンプラーに死体を届け、テンプラーをぶん殴る。「素直に金を出せ。ヤツラが襲ってくるぞ」ジャンゴに話しかける二人のインディアン。「金の弾を撃ちつくすまで町を出ないつもりか」ジャンゴに語りかけるハガーマン。「君と私の敵は共通しているようだな。テンプラーの手下には用心しろ。私の家に来ないか。私を守ってくれ。金を払うから」ハガーマンの家の二階には女が幽閉されていた。「女房だ。頭がおかしくなって、外には出せんのだ」テンプラーを非難するハガーマン。「やつは不謹慎だ。女を囲っている」

ハガーマンは幽閉している女を解放する。ジャンゴのところにやってくる女。「この町をすぐ出て行きなさい。ここの人たちは危険なのよ」「なにが危険なんだ」「みんなであなたを殺そうとしている」「あんたの名前は」「エリザベス」「頭がおかしいのか」「夫は私が異常だと思い込ませようとしているの」「なぜ」「私が別の人を愛したからよ。私には本当の愛が必要なの」「わざとカギを。どうしてだ」「あなたを寝かせないようにするためよ」エリザベスを抱くジャンゴ。

テンプラーと情婦のフロイは金塊をエブンの棺に隠し、ソロの子分に言う。「金はここにない。あるのはハガーマンのところだ」ハガーマンの家にやってきたソロの子分をハガーマンの隠し持っている金塊を窓から捨てながら、銃で追い払うジャンゴ。捨てられた金塊を拾いに行くハガーマン。「私を裏切りやがって。だから混血は信用ならん。二人とも覚えていろ。私の力を見せてやる」

ハガーマンはジャンゴの拳銃を秘かに奪い、テンプラーを射殺する。「よくも私を売ってくれたな」ジャンゴの銃を残して立ち去るハガーマン。現場から金の弾が見つかり、ジャンゴを呼び止めるフロイ。「助けて。ハガーマンがテンプラーを殺したのよ。私、現場を見ちゃったの。私も殺されるわ」「……」「金持ちになりたくない」「どういうことだ」「テンプラーの金の隠し場所を知っているの。エブンの棺の中よ。一人では掘り出せないわ」「金はエブンのものだ」二人の会話を盗み聞くハガーマン。

しかしソロの子分にフロイは殺され、ジャンゴは捕まってしまう。再びエリザベスを監禁するハガーマン。ジャンゴに拷問を加えるソロ。「金はどこだ」「口は割らん」ハガーマンはエブンの棺から金塊を掘り出す。吸血コウモリを使った拷問にたえきれず「墓地だ」とうめくジャンゴ。喜ぶソロ。「金のありかがわかったぞ」インディアンはジャンゴを救出する。がっかりするソロの手下。「墓の下にはなんかないじゃないか」エリザベスはハガーマンが金塊を大事そうにしまうのを見て、マッチに火をつける。

ジャンゴはダイナマイトを使ってソロの子分を皆殺しにし、ソロも倒す。火の海になるエリザベスの部屋。本当に発狂するエリザベス。見守る町の野次馬。「いい家なのにな」「間違いなく丸焼けになるぜ。賭けてもいい。はははは」ハガーマンはドロドロに溶けて流れ落ちる金をかぶって死ぬ。その様子を見て天を仰ぐジャンゴは馬に乗って町を去るのであった。

★ロロモ映画評

白人とインディアンの混血児ジャンゴ(トマス・ミリアン)はホークスたちと組んで、金塊輸送車を襲撃するが、ホークスに裏切られて瀕死の重傷を負ったところを二人のインディアンに助けられる。金塊を持ってホークスたちはある町にやってくる。その町に向かうジャンゴと二人のインディアン。「やつらは食糧がないから、きっとあの町にいる。砂漠の端の町だ。インディアンは「不幸の町」と呼んでいる」

そしてこの「不幸の町」を舞台に金塊をめぐって激しい争いが展開されますが、町はソロとハガーマンとテンブラーという三悪人が支配していて、悪党でこの映画の重要な役であるかと思われたホークスの仲間は町の人間にぼろ屑のように殺される、ハガーマンは気のおかしな妻のエリザベスがいて普段は監禁していますが、ジャンゴを誘惑するのに利用する、ジャンゴの銃は金でできている弾丸を放つ、テンブラーの息子はソロに誘拐されて、ソロの部下に悪戯されて、父親から救ってもらえないとすると悲観して自殺する、テンブラーは情婦と組んで金塊を息子の棺に隠す、と「不幸の町」では異常なことが当たり前のように次々と起こるわけです。

マカロニ・ウエスタンはだいたい残酷な描写が多いのが定番ですが、この「不幸の町」は異常な人間以外立ち入り禁止とも言うべき町になっており、よそ者のホークスたちは相当の悪人ですが、それでもこの町に住む人間よりかはまだ悪の程度がかわいいというか、悪の前座扱いに過ぎなかったのですが、そんな町の紛れ込んだジャンゴは本来はホークスに復讐して金塊を取り戻すというのが目的だったはずですが、町の毒気に犯されて、何のために町にいるのかわからない状態になっていき、その混沌世界がこの映画の魅力でありますが、ロロモはどうもついていけないところがあり、もしかしたらこれは大傑作なのかもしれませんが、現状ではあまり高い点をつけることができないのでありますが、70歳くらいに見直したら再評価するかもと思ったりするわけです。

ロロモが「無用」で連想する言葉は「無用の長物」でありまして、そうなる前に会社を辞めてしまい、せめて「無用の小物」になろうと思いますが、あと「無用」では、さいとうたかをの時代劇漫画の「無用ノ介」や、大信田礼子のお色気にノックアウトされる「ノックは無用」でありますが、大阪府知事まで務めた横山ノックの晩年は「ノックは無用」と言うか「無用の長物」となったのかなあと思ったりするのでありました。(2012年12月)

得点 27点

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