「青春を返せ裁判」を支援する会 会報 1998年7月・第26号
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も 岡山地裁が不当判決! A男さんが控訴・・・P.1
く B子さん側がA判決批判の準備書面提出・・・P.3
じ 弁護団費用カンパと7/22裁判傍聴・・・・・・P.11

岡山地裁が不当判決! A男さんが控訴

 6月3日、統一協会の元信者が統一協会の勧誘・教化活動の違法性を明らかにするために訴えた「青春を返せ裁判」に対し、岡山地裁(小沢一郎裁判長)は、請求のすべてを棄却する不当判決を下しました。
 判決はまず、統一協会が自らの違法行為の責任を逃れるためにでっちあげた「信者組織」については、統一協会による指揮監督関係があると認めました。
 しかし、勧誘・教化行為の違法性については、統一協会が情報と思考、行動をコントロールしてあたかも原告が自分で判断したかのように思わせ苛酷な活動を強いたことを問題にしているにもかかわらず、判決は、「被告法人の教義、信仰を受容する過程において、その各段階毎に自ら真摯に思い悩んだ末に、自発的に宗教的な意思決定をしているというほかはない」、「勧誘、教化行為のあり方として、社会的相当性を逸脱したものとまではいえない」と問題をそらし、「原告A男の勧誘、教化にあたり、宗教上の言説以上に薬物や物理的、身体的な強制力が使用された事実を認めるに足りない」と、原告の主張していないこと(薬物使用など)を述べて、それがないからとして違法性を認めませんでした。
 献金勧誘行為については、「一般に、宗教活動に伴う献金勧誘行為にあたって、多少なりとも吉凶禍福や先祖の因縁話・例会の話等が説かれる場合が多く、そのような言を用いて献金を求める行為一般を違法であると断じることは宗教に対する過度の干渉となるので許されないと解すべき」と、宗教とは脅しが付き物だという偏った見方をし、原告が全財産を献金させられたにもかかわらず「献金額等その態様についてみても、原告A男の年齢や収入等に比して社会常識に反するとまでは認められない」と、非常識な判断をして、違法性を認めませんでした。
 判決後の報告集会で河田英正弁護士は、「不当であり空虚な判決だ。こんな判決だったら宗教活動にすれば何でもできることになる。到底受け入れがたい」と批判しました。
 高山正治牧師は、「残念だ。最近はマスコミの報道が少なくなったが、統一協会は、真の家庭を作ろうと言って盛んに勧誘している」と述べました。
 原告のA男さんは、「何のために闘ってきたのか…。献金については勝てると思ったが…。全財産を献金させるのが、宗教活動だと言うのなら、裁判所が偏向していると思う。統一協会という名前を聞くまでに7か月かかった。一般の文化サークルとして誘い、統一原理しか考えられない状態になって聞かされた。これは許されないことだと思う」と悔しさを込めて感想を語りました。そして、「こんな判決は到底承服できない。控訴したい」と述べました。
 清水善朗弁護士は、「私はいくつかの宗教者と接したことがあるが、脅されて献金を迫られたことは一度もない。宗教なら因縁話で脅してもいいと言うのなら、宗教に名を借りた行為が野放しになる」と述べました。
 名古屋高裁で闘っている羽佐田美千代さんは、「愛知の原告は6人で、子育て真っ最中という忙しい中で支え合って頑張っています。名古屋地裁といい岡山地裁といい、こんな裁判官に自分をさらけ出していくのかと思うとむなしい。みなさんで原告を支えてあげて下さい」と述べました。
 そして支援する会は、参加者の賛同を得て、「岡山地裁は、このような重大な人権侵害行為についてその仕組を究明することを怠り、今もその内外に深刻な被害を及ぼし続けている統一協会の責任を認めない不当な判決を下しました」などとする声明を発表しました。

 6月12日、A男さんは広島高等裁判所岡山支部に控訴しました。弁護団は14人です。控訴によって岡山地裁は、これまでの裁判資料を整理し、広島高裁岡山支部に送ることになります。高裁で審理が開始されるまでに数か月がかかるものと思われます。


B子さん側がA判決批判の準備書面提出

 6月22日、B子さんの弁護団は、A男さんの「青春を返せ裁判」に出された不 当な判決の問題点を指摘し、審理終結を急がず納得できる判断を求める準備書面を 岡山地裁に提出しました。
 岡山地裁(民事合議2部)は、A男さんの裁判をしてきた吉波裁判官が、村田斉 志裁判官に交替しています。
 提出した準備書面は次のとおり。
平成五年(ワ)第六四二号  原  告   B         子
              被  告   世界基督教統一神霊協会
  平成一〇年六月二二日
              原告代理人  嘉  松  喜 佐 夫
              同      河  田   英  正
              同      近  藤   幸  夫
              同      清  水   善  朗
              同      山  本   勝  敏
  岡山地方裁判所 御中

         準 備 書 面

岡山地裁平成一〇年六月三日判決(青春を返せ裁判A)について

第一、 マインドコントロールについて
  一、 右判決において裁判所は「いわゆるマインドコントロールはそれ自体多
    義的な概念であるのみならず、これを一定の行為を繰り返し積み重ねるこ
    とにより相手に一定の思想を植えつけること」と捉えている(奇しくも平
    成一〇年三月二六日名古屋地裁判決と同様の表現)。どのように多義的な
    概念であると考えたのかその内容は判決書のなかに一切明らかにされてい
    ない。少なくとも、原告はマインドコントロールを右判決が認定したごと
    く「一定の行為を繰り返し積み重ねることにより、相手に一定の思想を植
    えつけること」などとは定義していない。裁判所の認定した定義は誤って
    いる。裁判所が何らの科学的根拠もなく、専門家の証言を聞こうともしな
    いで勝手に非科学的な判断をしたのである。科学を無視する裁判所の独断
    と偏見の結果である。概念が多義的であるのであれば、その内容を立証し
    ようとする原告の証拠申請を却下できるはずはないではないか。立証を阻
    止しておいて、積極的に証拠に基づかないで誤った判断をすることは許さ
    れない。この点における原告の立証を採用すべきであり、裁判所も独断に
  よらないで素直に科学的な態度で対応すべきである。
  二、 右判決は、「被告法人のビデオセンター・クリエイト等における諸活動
    は、被告法人の教義を布教するための勧誘・教化行為というべきであり 
    〜 その各段階毎に自ら真摯に思い悩んだ末に、自発的に宗教的な意思
    決定をしているというほかない」として、いまだ「社会的相当性を逸脱し
    たものであるとまでいうことはできない」と結論づけている。しかし、正
    に問題となっているのは「自発的に宗教的な意思決定」の内容なのである。
    マインドコントロールとは、このように自発的意思決定と思えるものが、
    個人の認知しないところでの情報や欲求などの外的コントロールを受けて、
    考え方・意思決定そのものが変化させられることをいうのであって、自発
    的意思決定という外形を保っていることについては全く異論はないのであ
    る。そのことを前提として、宗教的人格権を侵害し、社会的に許容されな
    い違法な行為をさせ、全資産を献金させる目的を持ってなされる違法な手
    段と目的によるマインドコントロールの違法性を原告は主張しているので
    ある。マインドコントロールの概念を裁判所が正確に把えていないため、
    原告が判断を求めてきたマインドコントロールの違法性について単純に
    「自発的に宗教的な意思決定」があったとして、判断を避けている。自発
    的意思決定と思われるもののなかに違法なマインドコントロールの結果で
    あるものがあり、そのことの判断を原告は求めているのである。このこと
    について前記判決は全く判断をしていない。この判断をするためには原告
    の主張しているマインドコントロールについて科学的知見とそれが及ぼす
    影響については宗教学者らの意見に謙虚に耳を傾けるべきである。右事件
    の場合、原告の被害の実態について素直に耳を傾ければあえてマインドコ
    ントロールという概念を使用しないでも一連の不法行為として十分把握し
    うるものでもあったはずである。
  三、 破壊的カルトによる被害は近年世界的に問題となっている。日本におい
    てもオウム真理教事件における高学歴の医師らが地下鉄サリン事件を起こ
    すなどの出来事からカルトによる危険なマインドコントロールが社会問題
    となっている。一九八〇年代後半になって、カルト・マインドコントロー
    ルは強制的説得や思想改造の研究などに述べられている物理的な意味での
    身体的拘禁や拷問を用いず、当人が操作されていることさえ認知しないよ
    うな、洗脳よりも洗練された方法によって、考え方の変化を導くものとさ
    れ研究されるようになったものである(甲第一二六号証、「信じるこころ」
    の科学六三ページ以下)。この仕組について、被告統一協会・オウム真理
    教からの脱会者について実証的に検討をした研究をしたのが西田公昭静岡
    県立大学講師である。このようにマインドコントロールは物理的な意味で
    の身体的拘禁や拷問を用いないで情報や欲求をコントロールしてなされる
    考え方の変化を導くものとされていることであり、多義的ではないし、前
    記認定のように「一定の行為を繰り返し積み重ねること」でもないことは
    明らかである。
第二、 教義と原告意思決定の関わりについて
  一、 前記判決は「宗教団体における宗教上の教義、信仰に関する事項につい
    ては憲法上国の干渉からの自由が保障されているのであるから裁判所はそ
    の自由に介入すべきではなく、一切の審判権を有しないとともに〜〜〜〜
    当該宗教の教義・信仰の内容の当否等については立ち入って判断すべきも
    のではない」としている。原告も、被告統一協会の教義の内容については
    判断を求めていない。しかし、被告の教義に触れて、原告の意思決定にど
    のように影響があったかを判断することは信教の自由を何ら侵害したこと
    にはならないし、その教義と原告の意思決定・行動と関わりについて検討
    しない限り、真に原告の意思決定の過程を明らかにすることはできない。
    原告が主張しているのは、教義そのものの当否の判断を求めているのでは
    なく、それが原告に恐怖を生むなどしてマインドコントロールの要素とな
    っていることを主張しているのである。従って、憲法上の要請から一切教
    義に判断が関わることはできないことを前提とした同判決の判断は誤りで
    ある。「教義自体の当否を判断する」ということと「教義を用いて心理的
    強制・詐欺的勧誘をしたことの違法性を判断する」ということを混同した
    結果である。右裁判所の考えは極めて特異な考えであるといわざるをえな
    い。
  二、 他の献金の違法性をめぐる裁判においては、詐欺もしくは脅迫などの違
    法な事実を認定するに際し、その教義との関わりにおいて裁判所は積極的
    に判断している。
     奈良地方裁判所平成九年四月一六日判決では、
     1、前記認定によれば、被告の献金勧誘システムの特徴として、 万物
      復帰の教えの下、個々の対象者からその保有財産の大部分を供出させ、
      被告全体としても多額の資金を集めることを目的とするものであるこ
      と、 対象者がある一定レベルに達するまで、被告の万物復帰の教え
      はもちろんのこと、被告や文鮮明のことを秘匿あるいは明確に否定し
      たまま、対象者の悩みに応じた因縁話等をして不安感を生じさせある
      いは助長させる方法をとっていること、 各種マニュアル等により勧
      誘方法が全国的に共通していて、組織的に行われていることが挙げら
      れる。
     2、このうち、 の点は、被告への入会ないしは献金等を勧誘するに際
      し、入会ないしは献金等をしようとする者の判断に影響を及ぼすこと
      となる重要なものにつき、不実のことを告げ、また、被告への入会な
      いしは献金等をさせるため、対象者を威迫して困惑させるものであり、
      方法として不公正なものと評することができる
     と判断している。被告統一協会の万物復帰の教義に触れ、それがどのよ
    うに原告に影響を与えたかを判断しているのである。前記判決は一切教義
    に触れようとしなかったが故に原告の恐怖・不安感・考え方の変容の過程
    を理解することができなかった。マインドコントロールについても恐怖心・
    不安感あるいは情報とのコントロールによって考え方の変容がなされると
    いうメカニズムに近寄れなかったのである。
     さらに、献金の違法性についても単純に「信者が宗教団体に献金する行
    為は宗教的行為として意味づけられる」として、具体的な教義に基づく恐
    怖心や不安感に基づいて献金を強いられた過程には触れないで、ただちに
    「いまだ社会的相当性を逸脱したものとはいえない」と判断している。裁
    判所の誤った前提が、その後の判断を回避する結果となっている。
第三、 献金の違法性について
  一、 前記判決は前述のとおり「献金する行為は宗教的行為」に基づくもの、
    「自ら献金が有意義なものとしてこれを行ったもの」、教義に触れないで
    マインドコントロールの恐怖を判断しない以上「勧誘、教化行為は全体と
    して違法なものとはいえない」として献金を迫って原告のほとんど全財産
    を献金させた行為を「社会的相当性を逸脱したものとまではいえないと判
    断した。原告は、献金の損害は違法なマインドコントロールとして被告ら
    の一体的な一連の不法行為の結果発生したものと主張している。少なくと
    も献金を迫った点だけをとらえても十分に違法性があると主張しているも
    のである。
  二、 被告統一協会の献金の違法性については、同種事案について既に判例が
    あり、しかも福岡地裁のケ−スは最高裁において既に確定しているもので
    ある。教義の実践の名においてなされたものであったとしても法益の侵害
    の有無は法律上の争訟として積極的に判断しているのである。
   1、 福岡地方裁判所平成二年(ワ)第一〇八二号(平成六年五月二七日判
     決)福岡高等裁判所平成六年(ネ)第五〇五号(平成八年二月一九日判
     決)最高裁判所平成八年(オ)第一二二八号(平成九年九月一八日判決)
   (一) 献金勧誘行為が布教活動の一貫としてなされたものであたとしても、
      その目的・方法・結果において到底社会的に相当な行為であるという
      ことはできず、違法であり、民法七〇九条の不法行為に該当する。
   (二) 非営利団体である宗教法人に対しても民法七一五条の適用があり、
      信者と教会との関係において指揮命令関係が存在した。
   2、 高松地方裁判所平成六年(ワ)第一七四号(平成八年一二月三日判決)
   (一) 献金に関する一連の勧誘行為がその目的・方法・結果において社会
      的に相当と認められる範囲を逸脱しており違法性を帯びる。
   (二) 信者と教会との関係において、信者の違法な献金勧誘行為について
      七一五条の適用を認める。
   3、 奈良地方裁判所平成六年(ワ)第二〇七号(平成九年四月一六日判決)
       統一協会の献金勧誘行為は被告の違法な勧誘システムに基づくもの。
     統一協会であることを否定して勧誘が行われていること、予め財産の把
     握がなされ、これに基づき、献金額及び献金にいたるまでのスケジュー
     ルが決められていたこと、家計図を示すなどして具体的に因縁話が行わ
     れていること、受講につき他言を禁じられていることなどが違法性を認
     められる根拠である。
   4、 東京地方裁判所平成六年(ワ)第三一一九号(平成九年一〇月二四日
     判決)
   (一) 献金の勧誘が犯罪に当り、又は不法行為を構成するかどうかについ
      ては、教義の実践の名において身体、財産等他人の法益を侵害するこ
      とが許容される余地はない。
   (二) 人を不安に陥れ、畏怖させて献金させるなど、献金者の意思を無視
      するか、又は、自由な意思に基づくとはいえないような態様でされる
      場合、不法に金銭を奪うものと言ってよく、このような態様による献
      金名下の金銭の移動は宗教団体によるものであってももはや献金と呼
      べるものではなく、金銭を強取又は喝取されたものと同視できる。
  三、1、 前記判決における原告も右各判決における原告と同様の経過をたど
      って献金に至っている(全国的に共通したマニュアルに基づいて実践
      されているので被害も同じ経過をたどって発生することになる)。そ
      して、前記判決においては、原告の恐怖の原因となった「吉凶禍福や
      先祖の因縁話・霊界の話」を「一般を違法であると断じることは宗教
      に対する過度の干渉となるのでゆるされない」として、違法性を認め
      なかった。
    2、 前記事件の原告に対する「吉凶禍福や先祖の因縁話、霊界の話」は
      被告統一協会の教義に基づくものではない。教義とは関係のない嘘の
      先祖の因縁話を述べているのである。単に原告を恐怖と不安に陥れ、
      献金を迫る方法としてなされたものであった。献金を決断させるには
      どうしたらいいかの観点から組み立てられた勧誘であった。しかもそ
      れはマニュアルなどに基づき、計画的に、予め原告についての個人情
      報を集め、効果的になされたものであった。右背景事実は前記判決の
      認めるところである。しかも、深夜にわたって長時間献金を迫ったの
      である。二項で紹介した各判決の場合に比し、原告への献金の働きか
      けが弱かった事情は全くない。例え教義に基づいたものであったとし
      ても、原告の恐怖と極度の不安感がどのように醸成されていったのか、
      そのことがきちんと判断されていなければならない。この点について
      前記判決では全く触れられていない。
    3、 前記判決は前述のとおり、一般に宗教活動に伴う献金勧誘行為にあ
      たって「多少なりとも吉凶禍福や先祖の因縁話・霊界の話等が説かれ
      る」という誤った認識をしている。宗教であれば、教義とは関係なく
      献金をさせる目的で先祖の因縁話に触れることがあっても当然である、
      との認識は明らかに誤っている。宗教及びその実践者である宗教者に
      対する冒涜である。いかに宗教行為を装っても、それに虚偽や脅迫が
      あれば詐欺罪や恐喝罪が成立する(後述のとおり)。 
       前記判決は、過度に宗教の名の下に行われている行為の判断を避け
      ようとするもので、従来の刑事・民事の判例の動向に反するものであ
      る。
       祈祷師が自分の祈祷に効果がないことを知りつつ、顔のあざの相談
       を持ちかけた主婦に「御祈祷で取ってあげる」「神様にお願いして
       おきながら、勝手に参詣を中止しては神様の罰があたる。」「神様
       の力で顔を真っ黒にする」などと脅して祈祷料を交付させた事件。
       祈祷師は詐欺及び恐喝に問われ、最高裁昭和三一(一九五六)年一
       一月二〇日判決は次のような理由から祈祷師を有罪に処した。
       「祈祷師が自己の行う祈祷が実は全然治病の効能なく、また、良縁、
       災難の有無、紛失物のゆくえを知る効もないことを信じているにも
       かかわらず、如何にもその効があるように申し欺いて祈祷の依頼を
       受け、依頼者から祈祷料等の名義で金員の交付を受けたときは詐欺
       罪を構成するものというべきである」
       いわゆる霊感商法の手口を使い、大理石の壺などを販売していた統
       一協会の信者二名が、四七歳の主婦に一、二〇〇万円を支払わせた
       事件。
       二人は主婦をホテルの一室に約九時間半にわたって軟禁し「おろし
       た子どもや前夫が成仏できずに苦しんでいる。成仏させないと今の
       夫と子に大変な事が起こる。全財産を投げ出しなさい」などと迫っ
       た。
       青森地裁弘前支部昭和五九(一九八四)年一月一二日判決は、行為
       が恐喝罪にあたるとして懲役二年六月(執行猶予五年)の判決を下
       した。

 以上述べたとおり、原告が全てをさらけ出してその判断を求めたにも関わらず、
裁判所は独断で「マインドコントロール」の評価をし、原告の意思決定の実態・変
容の過程をみつめようとせず、しかも、献金に関しても「宗教」と名のつく行為で
あれば通常では許されない行為であっても何ら関知しないという、従来の判例の動
向と対立する判断を下している。
 一〇年もの審理期間を要しながら、一体裁判所は何を審議していたのであろうか。
「請求棄却」という結論を問題にする前に、人生を賭けて訴訟を提起した原告に対
する裁判所の説明として、うわべだけの法的用語の羅列でなく、誠実に事実を検討
し、納得のできる判断過程を示さなかったことに対し怒りを覚える。十分そのこと
が可能な時間はあったはずである。
 本件においても、前記判決に至った裁判が終結したことを理由に安易に次回期日
に終結する旨の方針が示されている。しかし、前記判決の程度にしか認識がないと
すれば、原告は右終結に同意することはできない。裁判所が原告の真剣な主張に耳
を傾け、それに対して誠実に、逃げることなく、納得できる判断をして頂きたい。
そのために必要とする時間を惜しまないで頂きたい。誰のために審理を促進してい
るのか今一度考慮いただきたい。
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※岡山地裁判決文(原告A男)を1500円(送料込み)で、同判決要旨を110
円(送料込み)でお分けしますので、ご希望の方はご連絡ください。

弁護団費用カンパと7/22裁判傍聴

 6月16日夜、支援する会の幹事会がひらかれました。
 岡山地裁判決について2人の弁護団は、献金の違法性を認めないのは従来の判例から外れている、名古屋判決文をそのまま使っている、専門家の意見も聞かず、科学する心のない、片寄った宗教観で判決している、などと批判しました。
 今後、岡山地裁判決の片寄った宗教観などを新聞への投書や講演会の開催などで批判することが検討されました。署名は、B子さんの裁判が終わるまで集めることになりました。
 また、河田弁護士を中心に、全くの手持ち弁当で奮闘してきた弁護団は、出張費用や書類コピー費用など多額の自己負担をしています。その一部を補填するため、支援する会会員や支援者にカンパをお願いすることになりました(同封の郵便振替用紙をご利用ください)。
 原告B子さんは、新たな意見陳述書を準備しています。弁護団は、裁判所がA判決のような過ちを繰り返さないために、西田公昭さんと浅見定雄さんを再度証人に申請する予定です。その上で、次回公判でその採用を裁判所に迫ります。
 7月22日午前10時30分からのB子さんの裁判の傍聴をお願いします。

その他の出来事

6月1日…国民救援会岡山県本部の移転に伴い、支援する会の事務所も移転しまし
 た。新事務所は、岡山市下伊福西町1−53 岡山県民主会館2F(〒700−
 0054)。なお、電話番号とFAX番号は変わりません。
6月2日…公正審理と証拠採用を求める署名360人分(累計は21,615人分)を裁
 判所に提出しました。
6月13日…ニューヨークで合同結婚式が行われ、日本から2000人が参加した
 ようです。日本では「真の家庭の誓い」ビラと飴が配られました。
6月16日…支援する会のホームページを開設して1年が経ちました。この1年間
 の接続件数は8540件でした。

今後の予定

8月29−31日…国民救援会70周年記念集会・全国大会(東京)
10月2日…全国弁連集会(新潟)

ホームページに届いたEメールから

 10年前に統一協会を脱会した者です。
 先日韓国語を習っている教室のロビーで、在日朝鮮人の朝鮮舞踏家 白香珠(ペク・ヒャンジュ)さんの公演チラシを見つけたのですが、それが統一協会のベアート音楽事務所が担当するものと知りました。次いで6月30日(火)のNHK「おはよう日本」にて、彼女が朝鮮籍として珍しく韓国で公演を行ったとの報道を見ました。
彼女は今までどちらかというと、北朝鮮系の団体に後援されることが多かったのですが、それがなぜ今統一協会なのでしょう。もしかすると彼女は、音楽事務所と統一協会の関係を知らされていないのかもしれません。ここ数年統一協会は、私のいた頃の北朝鮮大批判路線と打って変わって、(協会流の)統一の美名のもとに財力で北に食い込もうとしてきています。リトル・エンジェルスのピョンヤン公演も然りでしょう。今回の公演の背景がどうなっているのかわからないのですが、やはり統一というエサで在日を釣ろうとしたように思えてなりません。南北の交流や和解は好ましいことですが、だからこそ、それを利用する統一協会の汚さを感じます。これらの美しく彩ったイベントは、日本から絞り取った資金によってなされているからです。
私が入信する時の仲間は在日韓国人でした。その他にも在日の脱会者を数人見てきています。彼らは日本人とはまた違ったアプローチによって統一協会に引きずり込まれていきます。ある時は「統一」の美名によって、ある時は民族のアイデンティティーを利用して。そしてそれは、閉鎖された日本社会の中では彼らにとっての救いのように見えてしまうのです。彼らは統一協会と日本社会の両方から搾取されているとも言えるのです。
また、アイデンティティーを操作するという人間の尊厳を損なう行為によって、彼らは日本人の比ではない傷を負います。日本人脱会者や反対者の中には、反統一協会・反文鮮明だけでなく、反韓国に走る人もいるでしょう。これで彼らはその人たちにも気が許せなくなります。彼らの生きる世界がどんどん狭く息苦しいものになってしまうのです。
以上のような意味で、統一協会が在日をターゲットにするのは非常に由々しいことです。若者・純潔など、統一協会をめぐるキーワードはいくつもありますが、ぜひ在日という側面をその中に加えて、問題を考えてください。また、白さんの公演について詳しい方がいらっしゃいましたら、お教え下さるようお願い致します。
「青春を返せ裁判」を支援する会会報・資料に戻る。
「青春を返せ裁判」のホームページに戻る。