「青春を返せ裁判」を支援する会・会報
1997年11月・第24号

「青春を返せ裁判」を支援する会事務局発行 〒700 岡山市駅元町9-26 国民救援会内
Tel.086-254-2799 Fax.086-256-2589 郵便振替「01260-9-33457」
MAIL=my@i.email.ne.jp URL=http://www.asahi-net.or.jp/~am6k-kzhr/


(もくじ)
1.江川さん語る「孤立した元信者が再入信」
2.B裁判で岩井証言−本人に知らせずSKを準備
3.女性連合PRの山陽新聞社に公開質問状など
4.その他の動き
5.結婚に抗議する集会、第8回総会(案内)
6.青春を返せ裁判(12月10日)を傍聴してください


江川さんが語る「オウム信者は今」

孤立した元信者が再入信

 10月19日午後、岡山市伊島町の市立京山公民館で、江川紹子さんが語る「オウム信者は今」がひらかれ、約120人が参加しました。
 江川さんはオウムの問題について、「私の尾行は、しづらかったと思います」、「ボツリヌス菌を培養しようとして、あの衛生環境で、雑菌の方が培養されてしまった」、「ドラム缶で潜水艦を作っていた」などと、ユーモアたっぷりで、切れ味するどく語りました。
 講演のなかで江川さんは、オウムによって思考や感情が傷つけられている元信者は、きびしい社会に溶け込めないで孤立し、オウムからの連れ戻し活動にさらされている、破防法の不適用決定はオウムに勝利感を与えた(破防法は発動すべきではなかった)、オウムのパソコン店が繁盛しているなど、オウムは勢力を回復しつつあるとし、今後はサリンなどは考えられないが、信者の心身を破壊し、家族・社会関係を破壊するオウムをつぶしたいし、一人でも多くの信者を救いたいと話しました。

 つづいて、岡山で統一協会などの被害者救出のカウンセラーとして活動している高山正治牧師は、統一協会が「世界平和家庭連合」という名前で、「理想の家庭を作ろう」などという書面にサインさせて、それを11月29日の合同結婚式の参加者数に加えているなどと、統一協会の動きを報告しました。


−B裁判で岩井証言−

本人に知らせずSKを準備

 10月1日午後、B子さんが原告の「青春を返せ裁判」が開かれ、B子さんのマインドコントロールに大きく関わった統一協会の岩井一正証人への原告側2回目の尋問が行われました。岩井証言の概要は次のとおりです。

 自分の名前(一正と良治)を使い分けたのは、アベルの乙黒のアドバイスも受けている。
 花田雅弘は、連絡協議会の責任者だった。
 「青年実践部」は統一協会の組織ではない。信との1人が作ったものかもしれない。
 奈良地裁判決(正体を隠して接近し全財産を出させる統一協会の献金勧誘システムは違法とした判決)について言えば、名乗りたいけど、統一協会と言うと対話が途絶えるのでやむを得ない。いつまでも名乗らないことはない。今後、伝道の仕方は変わっていくだろうと思う。
 ビデオセンターでは、統一原理を紹介していた。全国各地にビデオセンターがあったのは、そこの会員も私と似通った考えだったんだと思う。そこでのビデオ学習も同一の内容で行われていた。
 B子がSK(信者献金)した日より前に、1対1で、創造原理と堕落論を2日間講義した。当時、青年団の団長だったが、そう名乗ってはいない。SKのときには、統一協会・青年団の団長として会った。事前に、献金することの話であるとは本人に伝えていない。献金の決意をしてもらう準備はしていた。
 しんぜん会の活動は、信者のトレーニングの一環として行っている。ハンカチを売って得た金は何に使ってもいいと考えるのは、その仕入れ代金の中に、すでに寄付金が含まれているからだ。これは統一協会としての活動ではない。
 連絡協議会は、95年秋に中央本部がなくなって、そしてブロックがなくなった。岡山でもなくなっている。これは、神山元会長が帰国して、新たな体制になったからだ。
 私も、統一協会を明かされていなかったら入っていなかったと思う。私の心情としては、統一協会の内容を打ち出したいと思う。

 統一協会側の補充尋問に対し、次のように答えました。

 前回の書面(組織図)は、統一協会が作成したものではない。
 統一協会の「広島教会」の名刺などを使ったのは、弁護士から広島教会宛てに通知書が来たりするので都合がよいからだ。

 次回は12月10日10時から12時まで、B子さんを勧誘したN子(現在はフィリピンに行っている)の証人尋問が、被告側と原告側からそれぞれ60分づつ行われることになりました。原告側が申請した西田公昭講師の証人採用は、保留になりました。

 閉廷後の懇談会では、「本人に知らせないでSKの仕掛けができていたなど、ボロも出ていた」、「N子が学生部でやっていたのを知っている」、「全国弁連集会に出て、川崎牧師の話を聞いて心に残った」、「N子は霊の親だが、同じ被害者の面がある」などの発言がありました。


女性連合PRの山陽新聞社に公開質問状

 統一協会のフロント団体・世界平和女性連合の講演会(9月26日、岡山東急ホテル)のPR記事を山陽新聞が掲載し、後援していることに対して、全国弁連と支援する会は連名で、次のような公開質問状を送りました。

(9月20日付 山陽新聞記事)

ノーベル平和賞受賞者招き講演

26日、岡山

 ノーベル平和賞受賞者で、アイルランドの平和運動家ベティ・ウィリアムズ女史の来日公演会(同女史歓迎実行委、世界平和女性連合県本部主催、山陽新聞社後援)が二十六日、岡山市大供三丁目、岡山東急ホテルで開かれる。
 同女史は一九四三年生まれ。七六年、北アイルランドでIRA(アイルランド共和軍)と英国軍の紛争に巻き込まれ、三人の子供を失ったのをきっかけに、平和運動に身を投入。北アイルランドで平和行進を呼び掛け、プロテスタント、カトリック両宗派の女性数千人とともに戦争反対の集会を実現。七七年にノーベル平和賞を受賞した。その後も米国に世界児童慈愛センターを設立するなど、世界を舞台に活動している。
 講演会は午後一時半開演。同女史が「平和をつくりだす女性の力−子供は世界の宝−」と題し、「女性、母親は世界の子供たちを安全にはぐくむ責任がある」との立場から、これまでの活動経験などを話す。
 講演会に先立ち、同零時半から慈善バザーが開かれるほか、アトラクションに備中神楽が上演される。
 参加費は三千円で、定員五百人。申し込み、問い合わせは、世界平和女性連合県本部へ電話(086−246−2343)かファクス(086−246−5357)で。

(公開質問状)

1997年9月22日


(株)山陽新聞社社長殿
山陽新聞編集局長殿
山陽新聞事業局長殿

                           全国霊感商法被害対策弁護士連絡会

                           「青春を返せ裁判」を支援する会
                            代 表 弁護士 嘉松喜佐夫
                            代 表 牧 師 高山 正治
                            顧 問 弁護士 河田 英正
                            顧 問 元議員 矢山 有作

公開質問状


前略
 全国霊感商法被害対策弁護士連絡会は、霊感商法による被害者救済と被害の根絶のために取り組んでいる全国約300名の弁護士によって、1987年5月に結成されました。
 「青春を返せ裁判」を支援する会は、統一協会の元信者によって統一協会の活動の違法性を明らかにするために起こされた損害賠償請求裁判(青春を返せ裁判)を支援し、統一協会の実態を市民に知らせるため、岡山県内外の市民によって1990年11月に結成されました。

 貴紙20日付け29面の記事「ノーベル平和賞受賞者招き講演 26日、岡山」を読みました。その記事には、26日開催予定の講演会の内容などとともに、この講演会の主催者が世界平和女性連合であり、この講演会を貴社が後援していることが出ていました。

 統一協会は、11月29日に合同結婚式を予定し、その資金稼ぎと参加者集めに今必死になっています。彼らは、正体を隠して市民に接近し、マインドコントロールといわれるだましと脅しと巧妙な手口で資金と信者を獲得している団体です。彼らの資金獲得活動は、最高裁で確定した福岡の女性の損害賠償請求訴訟でも明らかなように、違法な行為です。また、同様の方法でだまし、脅して信者を獲得する行為も違法です。その正体を隠して市民に接近する団体の1つが、世界平和女性連合です。
 今回の講演会は、講演の内容はともかく、その主催団体が文鮮明の指示でつくられ、文の妻・韓鶴子が総裁を務めるものであり、統一協会との関係を隠して市民に接近し、だましと脅しで実際には統一原理を教え込み資金を獲得していく反社会的団体である以上、この講演会を統一協会との関係を伏せたまま市民に知らせることは、市民を統一協会の被害者へと誘導することになります。ましてや後援となると、 重大な加担行為です。
 1987年から95年の間に市民が統一協会によって被った被害額は、私たちが把握したもので17,289件、650億3,169万2,341円あり、実際にはこの数倍以上の被害があると思われます。そして、より重大なことは、正体を隠して接触されマインドコントロールによって人格を破壊され、親をもサタンだとののしり、統一協会の命令なら犯罪もおかす人格につくりかえられた被害は、金銭で計ることのできない深刻な問題です。
 当支援する会は、5年前の「愛のチョー・ヨンンピル公演」(3月17日、アジア平和婦人連合主催)を貴紙が3月10日付け朝刊で無批判に掲載したときにも、市民への被害を生むおそれがあると抗議しました(坂本昇氏らが応対)。
 今回の貴社の行為は、貴紙の影響でこの講演会の参加者に、そして統一協会の被害者にと誘導される市民の直接被害の問題だけでなく、全国の被害者とその家族、これから被害者となっていく市民、また多くの国民にとって、さまざまな影響を与える重大な問題をもちます。
 私たちは、この度の後援および記事の撤回と、撤回の市民への表明を強く求めます。

 私たちは、次のことについて公開で質問しますので、9月25日正午までに文書またはファクシミリでご回答いただきますようお願いします。

1、貴社は、5年前の私たちの抗議をどのように考えられましたか。
2、そして、その後の取材活動などにどのように活かされましたか。
3、今回の貴紙の記事によって、世界平和女性連合(統一協会)と市民とが接触する機会が増え、あるいは接触が深まる可能性はないと思われますか。
4、そして、世界平和女性連合(統一協会)と接触した市民が、統一協会の資金・信者獲得のターゲットになる可能性はないと思われますか。
5、この講演会で集められた参加費が、文鮮明のもとに届けられる可能性はないと思われますか。
6、この「後援」は撤回しないのでしょうか。
7、貴紙の読者および市民が、実態を知らないで世界平和女性連合(統一協会)と接触して被害を被ることがないよう、世界平和女性連合と統一協会との関係を読 者等に知らせるなど被害を防ぐ対策を講じることはできないでしょうか。
8、今後、統一協会の関係団体の催しに対し、どのように臨まれますか。後援し、または記事にする可能性はあるでしょうか。
以上

(回答連絡先)全国霊感商法被害対策弁護士連絡会(事務局長 弁護士 山口 広)
       新宿区新宿1−1−7 コスモ新宿御苑ビル5階
       東京共同法律事務所気付
       電話03−3341−3133 FAX03−3355−0445

       「青春を返せ裁判」を支援する会
       岡山市駅元町9−26 国民救援会内
       電話086−254−2799 FAX086−256−2589

 9月25日、山陽新聞社から次の回答が届きました。
 また、同日の朝刊に、女性連合に関する記事(次頁)が掲載されました。

(公開質問状への回答)

1997年9月25日

全国霊感商法被害対策弁護士連絡会様
「青春を返せ裁判」を支援する会 様
                            山陽新聞社事業局
                                 局次長 湯浅祐治
                            山陽新聞社編集局
                                 局次長 中原祐介

公開質問状への回答

拝復  9月22日付公開質問状に回答します。
 統一教会が社会的にさまざまな問題を起こしていることは認識していました。ただ、世界平和女性連合が統一教会の関係団体であるかどうかについての認識は十分ではありませんでした。
 今回の後援並びに記事掲載は、「ノーベル平和賞受賞者の講演」という点で判断したものであり、目下、世界平和女性連合なる団体について改めて調査中であります。今後、後援、記事掲載ともさらに慎重を期してまいります。
 なお、今後は統一教会について、社内で勉強を重ね、認識を深めるよう徹底させていく所存であります。

(9月25日付 山陽新聞記事)

ウ女史講演会で注意を呼び掛け

被害者救済団体

 ノーベル平和賞受賞者、アイルランドのベティ・ウィリアムズ女史の来日講演会が二十六日、岡山市で開かれるのに対し、霊感商法などの被害を受けた新興宗教の元信者を支援している「「青春を返せ裁判」を支援する会」(代表・嘉松喜佐夫弁護士、高山正治牧師)は、講演会の主催者がこの宗教団体の関係組織であるとし、注意を呼び掛けている。
 同支援する会は、講演会はこの宗教団体が近く予定している合同結婚式の資金集めなどが目的と指摘。同会の葛原健志事務局長は「講演会の内容はともかく、主催者が宗教団体の関連組織だと知らされないままでは、講演会を通じて新たな被害を生む恐れがある」と話している。
 一方、講演会の主催団体側は「今回の講演会は平和運動の一環。宗教団体や宗教活動との関係はない」としている。

 後日、全国弁連と支援する会は、山陽新聞社に申し入れ(再質問)書を送り、返事を受け取りました。
 10月19日、江川講演の終了後、江川さんも一部参加して、支援する会の幹事会が開かれました。
 山陽新聞の女性連合PR問題についても話し合われ、今後は同新聞社と、統一協会の被害を防ぐ行動での協力の可能性を考えることになりました。


そ の 他 の 動 き

9月20日−会報第23号の発送作業を3人で行いました。
9月26日−支援する会の役員ら3人は、国会議員へ合同結婚式の実態などを知らせる資料配布行動に参加しました。
     −全国弁連集会が約270人の参加で開かれ、川崎経子牧師が「家族の心構えについて」、漆崎英之牧師が「モーニングスターについて」、パスカル・ズィヴィ氏が「ヨーロッパのカルト事情」について、有田芳生氏が「統一協会の現状−特に合同結婚式の問題について」、弁護団からは各地の裁判の状況がそれぞれ報告されました。
     −世界平和女性連合が岡山東急ホテルで講演会を開きました。
9月27日−全国弁連の弁護団会議、宗教と人権弁護団ネットワーク会議が開かれました。
10月6日−支援する会幹事会が開かれ、山陽新聞問題や江川講演会などについて話し合われました。
10月18日−会報10月特別号(A男さんらの意見陳述)を発行しました。
10月24日−東京地裁は、「先祖の因縁」などと献金を勧誘した統一協会に賠償を命じる判決を下しました。
10月27日−広島地裁は、韓国の男性と合同結婚した広島の女性の訴えを認め、婚姻無効を判決しました。
      −福岡弁護団などが合同結婚式に抗議する集会を開きました。
10月31日−全国弁連が統一協会の署名活動に対し公開申入書を送りました。
11月1日〜9日−弁護士らが米国のカルト調査を行いました。
11月3日−全国弁連がホームページ「統一協会の実態」を開設しました。アドレスは、http://www.mesh.ne.jp/reikan/(メール=reikan@mx7.mesh.ne.jp)。
11月10日−統一協会から全国弁連に回答が届きました。


統一協会の合同結婚式に抗議する集会

(兼 「青春を返せ裁判」を支援する会第8回総会)

 統一協会は、11月29日に米国・ワシントンD.Cをメイン会場に、「国際合同祝福結婚式」を計画しています。文鮮明教祖は、「不倫をしない署名」なども参加者数に入れるなどの超水増しで、はじめの目標(360万組)は達成したとして、3600万組をめざすと言っているそうです。
 この誇大妄想に盲従させられる統一協会員は、参加者集めのノルマ(180人目標とか)や参加費・感謝献金(計170万円)、家庭破壊などで苦しめられます。そして市民も、「不倫しない署名」、資金集めのためのニセ募金などの被害を受けています。式典後に予想される、署名者の霊感商法・献金被害も心配されます。
 「両性の合意のみに基づいて成立(憲法24条)」していない合同結婚は、すでに数十件もの婚姻無効判決が出ており、憲法違反の結婚式となります。
 この抗議集会への、多くのみなさんのご参加をお待ちしています。

日時:11月25日(火)午後6時〜7時半 (〜8時:支援する会第8回総会)
会場:「桃花苑」(駅から徒歩5分 岡山市駅前町2-3-31 Tel.086-225-0631)
※合同結婚経験者の報告を予定しています(参加:無料)

※東京では、11月29日に合同結婚に反対する集会を予定しています。


青春を返せ裁判(12月10日)を傍聴してください

 10時からB子さんの裁判で、勧誘者N子の証人尋問です。
 15時からA男さんの裁判で、今回で結審となる見込みです。
 多くの皆さんの傍聴をお願いします(岡山地裁34号法廷)。
 署名の取り組みも続けていますので、よろしくお願いします。

「青春を返せ裁判」を支援する会会報・資料に戻る。
「青春を返せ裁判」のホームページに戻る。