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 ┃ 「青春を返せ裁判」を支援する会   会  報  1 9 9 7年 1月・第 1 9号   ┃
 ┃                           「青春を返せ裁判」を支援する会事務局発行 ┃
 ┃                           〒700  岡山市駅元町9-26  国民救援会内 ┃
 ┃                          TEL.086-254-2799 郵便振替「01260-9-33457」┃
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も │ 1(46行)…B子証言「言葉に表せない苦労をかけた」   │
   │ 2(63行)…マインドコントロールの違法性(紀藤正樹) │
く │ 3(28行)…使用中止を倉敷市民会館に申し入れ         │
  │ 4(28行)…その他の出来事                           │
じ │ 5(29行)…事務局から・当面の予定                   │
   └───────────────────────────┘


1        B  子  さ  ん  が  最  後  の  証  言
         「  言  葉  に  表  せ  な  い  苦  労  を  か  け  た  」

  11月27日午前、岡山地裁で青春を返せ裁判(原告B子)が開かれました。
  B子さんは法廷で、統一協会側弁護士(和島)の4回目の反対尋問に答えて次の
ように証言しました。
  −B子さんの証言(概要)  −
  3デイズ・セミナーの後は、周りから献身しろと言われ、そして講義の内容とで、
献身しないといけないと思わされていた。統一原理の内容を小出しにされ、それに
引っ張られて行ったという感じだった。
  90年5月に30日間の「新生トレーニング」を受け、21,000円払わされ、
「実践トレーニング」にも同額払わされ、セミナーの参加費として334,000
円払わされた。それらの賠償も請求しているが、中心問題は、家族に言葉で表すこ
とができないような苦労をかけさせられたことへの賠償です。
  新トレでは、日曜日の朝9時から夕方まで、ハンカチセット(2,000円)を
売り、買ってくれない人からはお金をもらった。2人で行動し、修行ということだ
ったので、1軒も飛ばさず回った。断られた人にも感謝するようにと言われていた。
売上は、統一協会のトレーニング機関のまとめ役であるチームマザーに渡した。売
上の中から昼食代、交通費を差し引いて渡した。私は、「しんぜん会」への寄付と
してもらったお金だから、流用するのはおかしいと思った。
  当時、統一協会組織とは別の「信徒団体」というものは、なかった。
  「ワコム」に勤めたときには、信仰の薄い所長と葛藤があった。
  「世一観光」に勤めたときには、社員が対立し、後輩いじめがあった。一般企業
の方がましだった。
  92年8月の合同結婚式(祝福)に参加することになった。この機会を逃すと、
もう祝福の機会はないと言われていたので、他の人を蹴落としてでも参加したいと
いう気持ちだった。
  92年6月に父が交通事故で死亡し、7月に母親らに保護され、統一協会の実態
を知らされた。
  −  −  −
  今回でB子さんの証言は終了しました。次の証人として、原告(B子)側は岩井
良治(青年学生部団長)を請求し、被告(統一協会)側は岩井カズマサ(良治と同
一人物)、N子(霊の親)、F子(チームマザー)を請求しました。
  次回の裁判は、1月29日(水)11時30分から開かれることになりました。
  閉廷後の懇談会では、次のような発言がありました。
河田英正弁護士:3月7日には全国弁連の総会がある。日弁連の宗教と消費者部会
  は、2月中旬にヨーロッパにカルト問題の調査に行く予定。
B子:お仕事などお忙しいところ傍聴してくださってありがとう。何が聞きたかっ
  たのか分からない尋問だった。証拠隠滅を平気でする統一協会に、私が書いた手
  紙が残っていたのでびっくりした。証人申請した岩井は、青年学生部団長で、私
  に献金を強要した人です。
高山牧師:岩井は吉備協会をのぞきにしょっちゅう来ていた。今、1年間の海外宣
  教として、4000人の婦人が35か国に出されている。
近藤幸夫弁護士:統一協会が「信徒団体」と言い出したのは、統一協会が責任を逃
  れるために作ったものだろう。
支援者:何回もの尋問に対し、B子さんは一貫して頑張った。



2       マ  イ  ン  ド  ・  コ  ン  ト  ロ  ー  ル  の  違  法  性
             −  法  律  家  か  ら  見  た  視  点  −紀藤正樹

  1 、  は  じ  め  に
  1993年4月、女優の山崎浩子さんが、宗教法人世界基督教統一神霊協会(以
下統一教会とする)を脱会するに際し、記者会見でマインド・コントロール(以下
MCとする)という言葉を口にした。日本でMCという言葉が認知された瞬間であ
った。しかしこのときMCという言葉の真の意味は理解されず、MCは単なる流行
語として認知されたにすぎなかった。
  ところが昨年オウム真理教事件がひき起こされたことによって、MCは単なる流
行語の地位から、今後二度と宗教カルトの悲劇を繰り返さないために、そして刑事
裁判の場でも真剣に考えなければならない重要な社会的ターム(専門語)となった。
  東京地検の広報を担当する次席検事までもが、松本智津夫被告が地下鉄サリン事
件で初めて起訴された95年6月6日、記者会見の席上で「MCされた信者たちら
から自白を得るのは大変だった」などと述懐したことはまさに象徴的な出来事であ
った。

  2 、  M  C  の  違  法  性
  今まさに時代のタームとなったMCについて、早くから民事裁判でその違法性が
争われてきたケースがある。統一教会の元信者らが同教会に対し、知らない間にM
Cを施され霊感商法などの違法な活動に従事させられたとして、不法行為慰謝料な
どを求めた「青春を返せ訴訟」がそれである。1988年の札幌を皮切りに、新潟、
岡山、名古屋、東京、神戸、静岡で次々と起こされてきた。
  この訴訟の最大の争点は、統一教会において組織的、構造的に行われてきた伝道
形態、特にビデオセンターと称する施設などで、本人の知らないうちに教義を教え
込み、ツーデー、フォーデーなどのトレーニングを経て献身(出家のこと)させる
過程における伝道活動が違法性を有するか否かである。
  この点について統一教会は、MCという社会的事象の存在自体を争うとともに、
入信は原告らの自由意思による結果であることを強調する。
  現在この訴訟の原告は全国で100名を超えている。このうち1名でも判決で違
法性が認められれば、宗教伝道に際し、どのような精神操作を個人に施せば違法と
認定されるのか、その線引きが具体的に明らかとなり、宗教カルトの暴走を防止す
る規範的メルクマールを提供する可能性が大きい。この訴訟の先駆的意義がそこに
ある。

  3 、  法  に  お  い  て  自  由  意  思  と  は
  ところで本来自己責任は、自由意思が満足される環境において生ずるものである。
刑法は、自由意思の生ずる余地のない心神喪失者の犯罪は無罪としているし、民法
上意思能力のない者の行為は無効である。法は更に進んでこの自由意思の環境を他
人が意図的に操作した場合の問題についてどのように考えているのか。
  刑法に詐欺罪、恐喝罪という犯罪がある。人をだましたり脅したりして資金を提
供させる場合に生ずる犯罪である。その適用要件は、前者は、欺罔行為→錯誤→財
産処分行為であり、後者は、恐喝→畏怖→財産処分行為である。この錯誤や畏怖を
生じている精神状態による財産処分も、厳密にいえばその人の自由意思の結果であ
る。しかし法はこれらの他人の精神操作を自由意思の重大な脅威ととらえ違法と評
価している。刑法は暴行脅迫により人に義務なき行為を行わせる強要罪などの罪も
犯罪として類型化している。
  更に判例は嫌がらせ電話で精神衰弱にさせた行為を傷害罪としている(東京地裁
昭和54年8月10日)。本人の了解なしに催眠術など精神的な作用を施すことは
傷害罪ないし暴行罪にあたるとする学説もある。

  4 、  自  由  意  思  へ  の  重  大  な  脅  威  と  し  て  の  M  C
 詐欺・脅迫的手口で市民から資金を提供させるのが霊感商法である。福岡地裁は、
霊感商法と同様な手口による献金強要行為について、すでに違法性を認定している
(平成6年5月27日)。
  MCは、単なる一過性の詐欺・恐喝と異なり、巧妙かつ執拗な長期間にわたる精
神操作である。MCという霊感商法により所有財産を奪い取る場合以上に強引な方
法により、救いを求めるためには財産を提供するだけにとどまらず、統一教会のた
めに労働力を提供してその活動に邁進すること、すなわち献身しかないと思い込ま
せて行くことまでもが可能となる。
  文字どおり献身は、違法な献金強要行為の延長線上にある「身体献納強要行為」
である。「献身」に向けたMCの手口は、自由意思への重大な脅威と評価すべき時
が来ている。                                            (きとう  まさき)



3     使  用  中  止  を  倉  敷  市  民  会  館  に  申  し  入  れ

  「青春を返せ裁判」を支援する会は、「リトル・エンジェルス」が公演する予定
の倉敷市民会館に、使用中止を申し入れました。申し入れ書は次のとおり。
   −  −  −  −  −  −  −  −  −  −  −  −  −  −  −  −  −  −
                                                    1997年1月17日
                             申  し  入  れ  書
倉敷市長様
倉敷市民会館館長様
                                       〒700岡山市駅元町9-26  086-254-2799
                                            「青春を返せ裁判」を支援する会
                                             代表 嘉松喜佐夫 高山正治 

  私たちは、市民の人権を守る立場から、統一協会(世界基督教統一神霊協会)の
活動の違法性を明らかにするため元統一協会員が起こした「青春を返せ裁判」を支
援する活動を行っています。
  来る1月21日、倉敷市民会館で、統一協会教祖が創立した「リトル・エンジェ
ルス歌舞団」の公演が予定されています。その公演を計画しているのは、統一協会
との関係が深い(株)ベアート音楽事務所です。
  ご存じのように、統一協会は、正体を隠して接近し、因縁話で脅して壷などを買
わせたり(霊感商法)、障害者の支援などの名目でインチキ募金を集めたり、マイ
ンド・コントロールによって人格を破壊する、脱会者の家のドアを金属バットで壊
して侵入する(1995年8月)など、反社会的な組織です。
  これまでの経験から、公演入場者の氏名、住所、電話番号がチケット回収等によ
って統一協会に控えられ、控えられた市民が霊感商法などの被害者となる危険性が
多分にあります。また、チケット代などで集められたお金は、前記の反社会的活動、
国際的謀略活動に活用され、多くの市民の財産や人権が侵害されることになります。
  このように、公の施設が市民に被害をもたらす契機となるような行事に利用され
ることがないよう、早期に使用中止の決定をされますよう申し入れます。



4  そ  の  他  の  出  来  事

  11月20日、岡山市役所を通して、千葉の女性から電話がありました。夫の妹
が、世界平和女性連合のボランティアとして、1年間ウルグアイに行く、明日出発
するということでした。岡山駅で会い、話し合いました。電話で高山牧師に相談す
ると、「約4,000人の婦人が海外に出発している真っ最中。相談が急増してて
んてこ舞い」とのこと。出発前に妹さんと会う機会を見つけること、会えなかった
ら、帰国後に説得できる態勢を整えることなどのアドバイスをしました。  (K)

  12月2日、ウルグアイの首都モンテビデオで統一協会の関係団体・世界家族平
和連合のセミナーに出席した日本人女性(38、鹿児島県)が、ホテルの17階から飛
び降り自殺した模様。

  12月3日、高松地裁(山脇正道裁判長)は、献金を強要したのは統一協会によ
る組織ぐるみの不法行為だとして、香川県内の女性(73)に715万円(献金額60
0万、慰謝料50万、弁護士費用65万)を支払うよう命じる判決を言い渡しまし
た。統一協会は、女性に珍味売りで接近し、家系図講演会や近くの会員宅に誘い、
因縁話で脅迫して献金させました。

  12月10日、92年の合同結婚式に参加し、韓国の学生と入籍した千葉県内の
女性(26)が、婚姻無効の確認を求めた裁判で、福岡地裁(西理裁判長)は婚姻無効
を判決しました。西裁判長は、「婚姻は統一協会や文鮮明によって作り出されたも
ので、通常の婚姻とは根本的に異なる」と述べています。婚姻無効の判決、決定は
全国で21件目。

  12月30日、短大の同窓生から絵画展やビデオセンターに誘われ、人参液をす
すめられたという男性から電話で相談あり。信者の両親が救出の意志を固められる
ようにとアドバイスし、資料を送りました。                            (K)



5  事  務  局  か  ら・  当  面  の  予  定

〇会費の納入、カンパのご協力ありがとうございました。今年もよろしくお願い  
します。

〇1月28日(火)午後6時〜 紀藤正樹弁護士の総会記念講演会(8頁参照)。

〇1月28日(火)午後7時すぎ〜 第7回総会にご出席ください(同会場)。

〇1月28日(火)午後7時30分〜 総会終了後に立食パーティーを開きますので、
  ぜひご参加ください(会費3000円)。
※会員の方は、予約制ではありませんが、講演会、総会、立食パーティーの出席連
  絡票を25日までにお送りください。非会員の方は、電話(086-254-2799)または
  FAX(086-256-2589)等でご連絡いただければ幸いです。

〇1月29日(水)10時30分〜 青春を返せ裁判(A裁判)で花田証人が証言し
  ます。傍聴をよろしくお願いします。

〇1月29日(水)11時30分〜 青春を返せ裁判(B裁判)で証人が決まります。
〇2月中旬 日弁連の宗教と消費者部会がカルト問題のヨーロッパ調査を行います。
〇3月7日(金)午後1時〜 霊感商法全国弁連の東京集会が開かれます。会員の方
  には参加補助金(5,000円)が出ます。岡山集会は延期されました。

〇3月8日(土) 宗教と人権弁護団ネットワーク集会が東京で開かれます。

〇4月 信者の海外宣教第2弾がうわさされています。

〇5月〜6月 ユニバーサルバレエが全国で公演して回ります。6月18日には岡
  山シンフォニーホールで予定されています。


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