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 ┃ 「青春を返せ裁判」を支援する会   会  報   1 9 9 6 年 5 月 ・ 第 1 5 号 ┃
 ┃                               「青春を返せ裁判」を支援する会事務局発行 ┃
 ┃                                 〒700 岡山市駅元町9-26 国民救援会内    ┃
 ┃                                086-254-2799 郵便振替「01260-9-33457」 ┃
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   ┌──────────────────────────────┐
も │ 1( 18行)…5/29裁判を傍聴しよう                    │
   │ 2(142行)…地獄の恐怖感で全財産を献金−陳述書(原告A男)−│
く │               第一  はじめに                         │
  │               第二  総献金に至るまで                 │
じ │               第三  まとめ                           │
   │               第四  裁判で訴えたいこと               │
   └──────────────────────────────┘

1    5   /   2   9    裁    判    を    傍    聴    し    よ    う     
        終  結  を  許  さ  ず 、  公  正  な  審  理  を  求  め  て

  統一協会の活動の違法性を問う「青春を返せ裁判」が5月29日に開かれます。
今回の裁判は、1989年11月に全国で3番目に提訴したA男さんの24回目の
裁判です。現在は全国8か所で約160人の原告によって「青春を返せ裁判」が闘
われていますが、岡山の裁判官は証人をほとんど採用しないなど異常なほどふまじ
めな訴訟指揮を行ってきました。前回は昨年8月に開かれ、まともな審理をしない
池田亮一裁判長の忌避を申し立て、裁判が停止していました。忌避申立は岡山地裁
と広島高裁岡山支部でいずれも却下され、今回久しぶりに再開されます。
  この間に、支援する会会員をはじめ全国各地の方々からたくさんの公正な審理と
証拠採用を求める署名やカンパ、激励状などをいただき、その署名は裁判所に5回
で15,967人分を提出しています。A男さんや弁護団も、陳述書や準備書面で
被害の深刻さや違法性、公正な審理の必要性などを訴えてきました。
  今回の裁判では、オウム事件でも実証された破壊的カルトによる大規模で深刻な
被害をどう見るのか、裁判所の姿勢が問われています。これまでの裁判所の姿勢が
変わらなければ、この日で審理が終結されてしまう可能性があります。
  ぜひとも傍聴をお願いします(5/29.10:00~ 岡山地裁34号法廷)。



2     地   獄   の   恐   怖   感   で   全   財   産   を   献   金
        A  男  さ  ん  が  献  金  の  状  況  を  陳  述  書  で  提  出
  原告A男さんは、恐怖心を植え付けられマインドコントロールされて「総献金」
(全財産の献金)させられています。その状況を中心にした陳述書を掲載します。
裁判所には、献金の「脅迫性」を証明するための証人を申請します。


                             陳      述      書

第一    は  じ  め  に

  私は、1988年5月27日、夕方7時頃から12時過ぎまでの長時間に渡り、
統一協会が所有するビデオセンターから1歩も外へ出ることなく、また、食事も取
れず、入れ替わり立ち替わり統一協会スタッフから総ての財産を献金するよう迫ら
れたのです。献金を決意後も決意が変わらないようにフォローするため急にやさし
い言葉をかけられ、寮へ帰ったのは午前3時となってしまったのです。
  統一協会から嘘の情報を一方的に聞かされ、統一協会員以外と相談する間を与え
られず、くたくたに疲れさせ正常な判断を奪った上で、さらに霊界の恐怖を覗かし
ながら、恐怖のうちに私に総ての財産を統一協会に捧げることを決意させたのです。
このことは、第二・7項以下にこの時の状況を述べています。
  その日、私は仕事を終えて、ビデオセンターでいつものとおりビデオを1本ほど
見て帰るつもりでした。ゆえに食事を取っていなかったのです。まさか、この日は
最初から私をターゲットに私の総ての財産を狙っていたとは夢にも思わなかったの
です。
  統一協会がこの日のために、いかに周到な準備をしてきたか、この日に至るまで
の経過と、どうして献金を決意させられたかを述べたいと思います。

第二    総  献  金  に  至  る  ま  で

1、姿を隠したまま接近され、入会
  今から約8年前1987年9月15日、私は、K男、O女の訪問アンケートをき
っかけにビデオセンター(クリエイト)に入会しました。
  9月15日(祝日)の午前10時頃、私は寮(岡山市岡南町)の自分の部屋でテ
レビを見てくつろいでいました。ドアをノックする音が聞こえドアを開けると二十
歳前後の男女が立っていました。「自分達は文化サークルに所属し若者の意識調査
を行っているので、アンケートに協力してほしい。」と言われ、アンケートぐらい
ならという軽い気持ちで答えました。
  その後、「自分達が行っている文化サークルへ来て見ませんか。」と誘われ、最
初は断ったものの、彼らの話から、職場以外でも友達をつくりたいと思うようにな
り行くことにしました。もし、そこで話を聞いて変な所だったら、その場でも断れ
ばいいと考えたからです。
  彼らと近くで待ち合わせをし、案内された所は「岡山市田町1ー2ー27ソーラ
ビル2階」、入口ドアには「クリエイト」と書かれていました。中に入ると喫茶店
の雰囲気に似ており、明るく、音楽が流れていました。祝日ということもあってか、
12畳位の部屋の中に20人位の若者がいたと思います。彼らは3〜4人のグルー
プに分かれ机を囲んで話をしていました。「これが文化サークルなんだなあ」と、
改めて思いました。
  誰も座っていないテーブルに案内され、最初にO女さんが私に対して再度同じア
ンケートを行いました。私が興味を示す所を再チエックしていました。また、運勢
判断と称して財産状況も把握していました。アンケートが終わるとO女さんは別室
に入り、しばらく出てきませんでした。
  私が、統一協会員となって分かったことですが、別室ではタワー長と呼ばれる人
がおり、それらの調査結果を踏まえて、タワー長自ら細かく指示を出します。この
対象者はどこがウイークポイントか、財産の所有状態により重要視すべき人物かど
うか等を判断します。私は当時、貯金(保険含む)を100万円程持っていたので、
運勢判断用紙の「貯金100〜200万」の所に印を付けました。このために重要
視されたのだと思います。
  K男、O女が戻ってきて、サークルの説明を受けたわけですが、私は、なんだか
具体性に乏しく不安感を抱いていました。そんな時に彼らは幾度も別室(スタッフ
ルーム)から呼び出しを受けていました。タワー長の指示を受けていたと思います。
  説明は主にK男が行っていました。O女さんはK男氏の言葉にただうなずき,自
分も入って良かったことを盛んに強調していました。この何気ない説明方法にも対
象者を入会に導くテクニックがあると後になり分かりました。
  話し合うこと4時間、ほとほと疲れ、一般ビデオも好きな時に見れると聞き、そ
れなら入会金3万5千円を支払っても惜しくないと思いビデオ会員として入会しま
した。入会金を今日支払ってほしいと言われましたが、あいにく持ち合わせがなく
3千円ほど支払ったと思います。
  「明日までに現金で全額支払ってほしい」と言われていたのと、借金をするのが
嫌いな性格から、翌日、現金で入会金を全額支払いました。お金を支払ってしまう
と早く元を取らなければと思うようになりました。
  ※  当時は、そこが(ビデオセンター)統一協会の会員を獲得するための組織の
    一部であるということは全く知る余地もなく、知らず知らずのうちに彼らの術
    中にはまってしまいました。
      もし、「統一協会」という名前でも分かっていれば、自分で調べきっぱりと
    入会を断ることができたと思います。「統一協会」という名前を知らされたの
    は入会から半年後、ビデオセンター及びスタッフへの不信感が消え、内容を素
    直に受け入れようと考えるようになってからでした。

2、しつこくつきまとわれる
  ビデオセンター(クリエイト)に入会し、幾日か通ったものの、友達をつくろう
にもビデオセンターのスタッフとしか話が出来ません。また、好きな時に好きなビ
デオを見せてくれると言っていたのに、行く度に自分にとってはあまり面白くない
スタッフの決めたビデオ(霊界の存在等を紹介)しか見せてもらえず、なんだか不
信感も芽生え、ビデオセンターから気持ちが遠ざかり、次第に行かなくなりました。
  しかし、そんな時には決まってO女さんから1〜2週間に1度の手紙、3日1一
度の電話があり、非常に心配していたように話をされ誘ってくれましたが、理由を
つけて行くのを断っていました。電話を切った後は「行けなくてゴメンね」と、な
んだかO女さんに悪いような気持ちになりました。
  そんなある日、O女さんから「岡山で占いの会があるので行って見ませんか」と
いう電話があり、いつも悪いなと思っていたのと、占いの会に対して興味本位な気
持ちもあり、また、主催が不信感を持っていた「クリエイト」ではなく「YOU」
でしたので、行くと返事をしました。
  1988年4月10日(日)天満屋近くの雑居ビルの会議室で占いの会は行われ
ました。講師は「鈴木光」と言い、全国を巡り占いについて講演を開いているとい
う紹介がありました。会場には20才から30才位の若者を中心に40人位の人が
出席していました。
  講師はなかなかの話し上手で、内容に引き込まれて行きました。特に、会場の中
から3人を対象に姓名判断をしてもらうことになり、なんと、私がその一人に選ば
れてしまいました。「あなたは今、転換期に来ている。人生について、真剣に考え
ないといけない」と言われたのが印象に残り、その言葉は、「占いの先生」という
肩書きからまんざら嘘とも思えませんでした。その夜、O女さんから電話があり、
占いの会の印象を聞かれ、さらに、「久しぶりにクリエイトへ来てみませんか」と
いう誘いがありました。昼間の先生の話が頭に残っていたこともあり、そういえば
「クリエイトは人生について勉強する所です」と言っていたのを思い出し、うっす
らと抱いていたクリエイトに対する不信感もいつのまにか薄れてしまい行くと返事
をしました。
  ※  鈴木光は当時、統一協会の岡山県青年部団長の地位にありました。占いの会
    でも統一協会の名前は一言も出てきませんでした。
      これも、私が統一協会員となって分かったことなのですが、「占いの会」は
    統一協会が意図をもって姿を隠し開催します。主催者はあらかじめビデオセン
    ターへつなげるべき重要人物を決めています。当日はその人物を指名し、さも
    偶然のように姓名判断をします。そして殺し文句の「あなたは、今が転換期で
    す」と言います。そして、ビデオセンターへ誘えば、今まで行くのを渋ってい
    た人も「落ちる」確率は非常に高くなります。
      私が統一協会員となって間もない時、他の統一協会員との話で「私も占いの
    会で『転換期』と言われた」という言葉を記憶しています。

3、段階に応じたコントロール
  ビデオセンターでビデオを見る時は、各自がヘッドホーンを付け、隣が仕切られ
ているために隣の人が何を見ているのか分からないようになっています。相手がビ
デオであるために反論することもできず1〜2時間ほど一方的に聞かされます。後
で感想を書かされるために真剣にノートを取るようになります。
  ビデオでの教育の利点は、講義とは異なり視覚・聴覚を刺激させることが可能で
あるとともに、個人のレベルに応じて都合のいい時間帯を利用して教育することが
可能なのです。
  ビデオの内容は、最初は社会の矛盾、人間の心の醜さ、次に、神・霊界の存在、
そして、それらがある程度理解できているとスタッフが判断した後、統一協会の教
えである原理講論の内容に入ってきます。しかし、これが統一協会の教えであると
は決して言いません。世の中にある一般的な考え方の1つであると教えます。
  これらのビデオは、日頃の生活からはかけ離れた内容であり、そのことが嘘なの
か本当なのかその場では判断できません。
  さらに、ビデオセンターへ通う時間帯は仕事が終わった後が多く、疲れもあり、
1つ1つ内容を確認しながらビデオを見ることができません。そのため、内容が十
分判断できない状態の中で、知らず知らずのうちに頭の中に入ってくるのです。ビ
デオを見終われば、さらに、スタッフが繰り返し説明をしてくれます。親しくなっ
たスタッフの言葉であれば、素直に内容を受け入れようと考えるようになり、なん
となく分かったような気になります。
  そして、原理講論の内容がうっすらと理解出来てくると、今度は、統一協会の定
番とされているビデオを見せられます。例えば、「塩狩峠」等、人々のために献身
的に生きた主人公を紹介されると非常な感動を覚え、ビデオを見ながら何度か泣い
たこともありました。つい感想の中に「自分もそうありたい」と書いてしまいます。
そこをスタッフは見逃さず誉め讃えてくれます。誉めてくれると次のビデオでも誉
めてもらえるような感想文を書いてしまうのです。感想は感想だけに留まりません。
次の段階では実際に行動へとつながる可能性を含んでいるのです。
  既にこの頃の考え方は、「もし、この世から戦争も貧困も奴隷、差別もなく、世
界中の人達が愛し合い、手を取り合い、助け合ってゆければどんなに素晴らしいこ
とか」、「今まで、大事に育ててくれた親にもお礼を言いたい」、「以前はこんな
考え、気持ちはなかったのに、このような考え方が出来るようになったのは、この
ビデオセンターで勉強するようになってからだ」と思うようになり、自分がまるで
ビデオの主人公になったような善人として生まれ変わっていくのが、手に取るよう
に分かるようでした。まさか、組織が意図的にゲストの心を操作しているとは気づ
きませんでした。
  ※ 統一協会は、組織にとって都合のいい人間、奴隷のようにこき使っても何も
    文句を言わない、また、たとえ社会的犯罪行為をさせても犯罪とは思わない人
    間をつくることを目指しています。
      都合のいい人間にする第一段階は、今持っている性格を変えたいと思わせる
    ことです。そう思っていない人には、後で述べますが占いの先生等と偽り、罪
    の意識を持たせ、償いをしたいと思わせるのです。
      第二段階では、だれからも好かれたい、世の中のために役立ちたいという善
    意な気持ちにさせるのです。

4、霊界の恐怖
    ビデオセンターに行き始めて間もない頃、霊界の存在について紹介したビデオ
を何本か見せられました。当時は「霊界なんか存在しない」とビデオセンターのス
タッフに対しても言っていました。もともと霊界を信じていなかったのと、仮に霊
界があったとしても自分は社会に対して何も後ろめたいことはしてこなかったし、
これからも、その気持ちは変わらないのだから、自分の死後、霊界で天国へは行け
なくても地獄へは堕ちることはないと思っていました。
  しかし、統一協会で見せられたビデオでは、「あなたは今までに人が憎い、殺し
たいと思ったことはありませんか。女性を見て犯したいと思ったことはありません
か。今生きている世界では、人間は心で考えたことを行動に移します。しかし、理
性や社会的道徳が働くことにより実際には犯罪を犯すことは滅多に起きません。し
かし、霊界は心の思うがまま行動しても罪に問われないのです。
  また、死後は心の中で思っていることが映し出され、周りにいる総ての人にあな
たの考えていることが手に取るように分かってしまうのです。
  では、あなたの死後の世界を想像してみてください。例え心で考えたことであっ
たも、霊界ではそれが現実となるのです。あなたは殺人を犯したり、女性を犯して
いませんか。あなたの考えている世界があなたが行くことになる霊界なのです。あ
なたの心の中にねたみ、嫉妬、自己中心、独占欲、傲慢、ひがみ、見栄、責任転嫁
する心はないですか。やましい考えをもっていると、聖人の前には立てないですよ
ね。おのずとあなたは自分と同じ考えを持つ暗い犯罪に満ちた地獄の世界で生きる
ことを好むようになるのです」というようなことを言っていたと思います。
  私は、ビデオセンター入会時はあえて霊界の存在を拒んでいました。それは、こ
のことが頭の中にこびりつき離れていなかったからです。霊界の存在を認めること
は、自分は地獄に行くしかないということを認めることであり、それは現在社会で
は、実際に証明されたものでないだけに、また、目に見えないだけに常に恐怖に脅
えていたのです。
  さらに、霊界の恐怖が常に離れなかったのは、「霊界からは、あなたが言葉に出
さなくてもあなたの心の中で考えていることが分かっている」と教えられたことで
す。日常の生活をしていると、時として心にやましい考えが出てくるのです。ビデ
オセンターへ通う前は実際に行動に出さなければ罪ではないと考えていました。し
かし、ビデオセンターで霊界の存在・内容を知り、常に背後に霊界を感じるように
なると、やましい考えが出る度に自分を責めるようになっていました。やましい考
えを持ってはいけないんだと思えば思うほどより強く意識してしまうのです。自分
は早くこの醜い心を変えないといけない、生きているうちに変えないと死後は地獄
に行ってしまうと考えるようにならされていました。
  もし、この恐怖から回避できるものがあるならば、どこかへすがりたいと心の中
で思っていたのかも知れません。
  ※  常に背後の霊界を感じるようになると、統一協会へ不信感を抱くことができ
    ず、組織の言いなりとなり、組織を抜け出せない最大の原因となります。
      霊界の恐怖から逃れられるただ1つの手段は、身も心も統一協会に捧げ、自
    分自身を捨て組織の言いなりになっている時以外は安らぎの時間はありません
    でした。常に心の中を霊界がのぞいていると思うと、一瞬とたりとも気が抜け
    ませんでした。
      統一協会からは「以前のあなたは一端は死んで、既にあなたの体は神によっ
    て生かされ神の代身となっています。後は神が責任を取りますから、ためらわ
    ず行動しなさい。」と教えられていました。しかし、時として自分自身の考え
    がでて、統一協会への不信感を抱くと霊界の恐怖が襲ってくるのです。

5、家系図からの心の動揺
  「占いの会」の後、再度ビデオセンターに通うようになったものの、なかなか内
容に溶け込めないでいる私に、O女さんから「家系図を見て占ってくれる偉い先生
が岡山に来るので見てもらったら。滅多にないことだから」と言われ、4月17日
(日)占いの先生「吉田」に会うことになりました。吉田に会う前に、スタッフか
ら私の家族や親戚の事を色々聞かれました。吉田とは個室で2人だけで1時間ほど
話をしました。吉田とは入り口近くの畳の部屋(甲第25号証)で2人きりで話を
しました。吉田は40才前後の女性で私と会うと毅然とした態度を取り、私からは
話しづらい状況でした。
  吉田は私の家系図を見ながら、一方的に話を始めました。「あなたの母方の家系
は女性ばかりですね、こういう家系は途絶えてしまうんですよ」叔父の失業、兄の
多額の負債、農業を営む家での自然災害、私や兄の病気・事故での入院をとりあげ、
「これは家系が途絶える前触れです」、「あなたがしっかりとしないといけません」
「あなたの祖先があなたの家族に霊界から何かを訴えているのでしょう」という内
容でした。話の中で当然反発もあり、「どうしてそんなことが分かり、言い切れる
のですか」と聞きたくなりましたが、聞ける雰囲気ではなく、もし、聞いて再度家
族に不幸が起きるのではないかと思い怖くて聞けませんでした。
  ビデオセンターへ通うようになって1カ月、信用できるスタッフに出会いました。
その名は「窪田」さんと言います。職場の中で大変親しい先輩となんとなく雰囲気
が似ていたためだと思いますが、出会った日から友達になりました。
  窪田さんから「全国でも5本の指に入る偉い先生に占ってもらえる。ずごくラッ
キーなことだよ」と聞き、何とか不安を解消しようと思いました。占いの先生とは
「花田雅弘」でした。5月22日(日)、クリエイトの個室(吉田と話した同じ部
屋)で花田と2人だけで話が始まりました。花田と対面すると、花田は厳めしい顔
つきをしており、相手に圧倒される感じで対等に話ができるような状態ではありま
せんでした。
  その頃は、ビデオセンターで教えられた霊界についてもある程度理解するように
なっていました。ゆえに花田の話がより強烈に真実なものとして感じられたのかも
知れません。花田は毛筆で書かれた私の「家系図」を見、私の顔を見るなり「君の
祖先は武士だっただろう。それも相当偉い位にいたよ」その理由として「君の眉毛
が上がっている。一般の人は下がっている。岡山市内を探してもそういう眉毛はい
ないぞ」、「祖先は殿様だったのでは」と言いました。殿様と言われて悪い気はし
ませんでした。しかし花田は続けて「殿様だったら多くの人を殺し、多くの女性も
泣かしてきただろう」、「君の家族に不幸があるのは、殿様だった先祖の悪行が原
因だよ」。さらに、「君は時々腹が痛くならないかね」、「それは、先祖が切腹し
た時の恨みによって痛くなるんだよ」と言われて、私はその時ハッとしました。小
学校の頃、風邪をひき医者に診てもらった時、「君は、時々腹が痛くなるだろう」
と言われたことを思い出したのです。
  さらに、今までの女性関係を聞かれて、「付き合った女性がいる」と正直に話す
と、今までにない強い口調と表情で「よく生きていられるな。こらあかん。こらあ
かん」、「祖先が犯した女の恨みによって君を堕落させようとしているのだろう」
と連発して言い、花田は私をじっと見つめ、「お前は、救いようのない過ちを犯し
てしまったのだ」、「私はお前のことをすべてお見通しだ」という目をしていまし
た。
  これだけ強く確信したように言い切る花田を見て、私は心の中で「先生の話は本
当だろうか、もし本当だとするとこれからどうすればいいのですか、先生どうか私
を見捨てないで下さい」と思い、以前ビデオで見せられた地獄の映像を思い出し、
非常に心細く恐怖を感じました。
  その答えを花田から直接聞くことは怖くて出来ませんでした。もし聞いて「あき
らめなさい、あなたの犯した罪はあまりに重大で、取り返しのつかないことをして
しまった。地獄へ行くしかない」と言われたくなかったからです。
  今までO女さんやクリエイトのスタッフがなぜあんなに親切に真剣に対応してく
れるのが不思議でした。しかし、花田の話を聞いたことにより、「もしかして、O
女さんをはじめスタッフの人達は、将来、地獄に落ちる私を救い出そうとしていた
のでは」と考えるようになり、O女さん達に対して感謝の気持ちがこの頃から芽生
えてきました。
  この日以来、毎日クリエイトに通うようになり、スタッフと話をしたり、ビデオ
を見るのが大変楽しみになりました。以前とは比べものにならないくらいスタッフ
の話が素直に聞き入れられるようになりました。残業で夜10時を過ぎていても、
どんなに疲れていても、クリエイトに行けば霊界の恐怖から逃れられると思い心が
落ち着つきました。
  特に窪田さんの話は、よく理解が出来、或いは理解しようと努力していたのかも
知れません。
  ※  吉田は当時統一協会の婦人・壮年部に所属していました。また、花田は当時
    統一協会の岡山県本部長をしていましたが、両氏とも、統一協会員ではなく占
    いの先生と紹介されました。また、窪田さんは「市役所に勤め、自分も同じビ
    デオ会員として手伝っている」と聞きました。
      今思えば、何で眉毛が上がっていれば武士で殿様なのだろうか。なんでもな
    いことが、当時はその雰囲気の中では不思議と本当に思えました。
      また、花田の「祖先は武士だった」、「祖先は過去にひどいことをしてきた
    」という言葉は統一協会にとって、今後、本人をマインド・コントロールする
    上で非常に重要な意味を持っています。本人にありもしない罪意識を植え付け
    させることに成功すれば、次には「償い」をしなければならないという気持ち
    に傾かせることが可能になります。
      そして、償い=献金、献身へと巧妙に導かれて行くのです。
      私が統一協会員となって知ったことですか、花田から「あなたの祖先は武士
    だった」と言われたという人を何人も聞きました。

6、神感の植え付け
  私は、ビデオセンターに入会した頃は、この世に神や霊界なんか存在しないと言
っていました。もし、信じてしまったらとんでもない方向に引き込まれるのではな
いかと警戒心を持っていたのです。
  しかし、O女さんから、ビデオセンターの大先輩として紹介された「鈴木」の言
葉から、考え方を変えるようになりました。鈴木は私に対して「自分はこの問題に
ついて本当に苦しんできた。これまで自分なりに疑いの気持ちも持ち続け、相当な
時間をかけて勉強もしてきた。そして、ようやく自分で結論を出したんだ。A男君
もいろいろな方向から疑ってみて、それで嘘だと分かったら離れればいいではない
か。否定し続けるだけでは何も解決しないよ」と言われ、それもそうだと思い、疑
いの気持ちを持ち続けながら、勉強しようと思うようになりました。
  最初の頃は、「目に見えない神や霊界をどうしても信じられない」とスタッフと
議論していましたが、親しくなった窪田さんから言われると「存在するかもしれな
い」という気持ちにいつのまにかなっていました。
窪田さんから、「神様は人間の親なんだよ。でもね、聖書の中に書かれているとお
り、人間は始祖であるアダムとエバの堕落によって、サタン(悪魔)の子となり、
醜い心を持つようになってしまったんだよ」、「人間が堕落しなければ、本当の親
である神様の姿は見えるし、話すこともできていたのに」、「神様は、常に私たち
の側にいて、話しかけているんだよ」、「でもね、人間は姿が見えないと言って、
見向きもしない」、「神様は『わが子』と呼んでも振り向いてもくれない可哀想な
『悲しみの神様』なんだよ。」と言われ、小さい頃に親にかまってもらえなかった
ことを思いだし、私の心の中に神様に対するイメージが出来上がり、なぜか、身近
に神様が存在していると思えるようになりました。

7、総献金
  5月27日、ビデオセンターへいつものとおり仕事帰りに立ち寄りました。その
日はビデオだけ見て早く帰るつもりだったので食事を取っていませんでした。
  スタッフが「今日はビデオではなく、久野所長がA男さんのために特別に講義を
してくださるので楽しみにして下さい」と言いました。久野所長とはビデオを見終
わった後に何度か話をしたことがあり、なかなか物知りで気さくで話しやすい人だ
と思っていました。
  講義は入り口近くの他の部屋とは別に仕切られた畳の部屋で1対1で始まりまし
た。特別講義は午後7時から2時間もありました。講義内容は、「今まさにこの時
代にメシアが現れている。戦争等人と人が憎しみあわない世界が実現できるんだ。
しかし、この時を逃せば世界は滅びてしまう」、「A男君の肩に世界の平和・歴史
がかかっている。世界を救う使命があるんだよ」、「A男君は、ここへ偶然に来た
と思っているかもしれないが、神様に選ばれ、A男君の徳を積んだ祖先によって導
かれてここへ来ることが出来たんだよ」というものでした。講義は迫力があり背中
から熱く感じるものがありました。この講義が後の総献金を出させるための布石と
なっていたとは知るよしもありませんでした。
  講義が終わり、スタッフから神についてどう思っているかを聞かれました。「神
様は全知全能の神でありますが、悲しみの神様です」と答えました。この言葉を確
認しスタッフは奥の部屋へ行き、しばらくして、1本のビデオを持って戻って来ま
した。
  9時過ぎからビデオを見ることになりましたが、先ほどの久野所長の迫力ある講
義からさめていないこともあり、空腹感を通り過ぎていました。
  ビデオは40分程度見たと思います。題名には「主の路程」と書いており、統一
協会及びメシアとしての文鮮明が初めて明されました。「文鮮明ほど他人のために
苦労し、無実の罪にもかかわらず弾圧された人はいない」という内容で、「この人
が『メシア』なら納得できる」と思えてしまいました。
  また、統一協会の活動を紹介した内容もあり、世界中で貧困で苦しむ人々を食糧
・医療援助等をして、多くの人々を助けている姿が印象に残っています。
  ビデオを見終わった時は既に10時近くになっていました。周りにはスタッフ(
久野、窪田、田辺)以外は誰もいなくなっていました。すぐさまスタッフからビデ
オの感想を聞かれました。「統一協会は素晴らしい活動をしていたんだ。世界中で
これほど他人のために苦労してきた人達がいたなんて知らなかった。何もできない
自分ですが、少しでも役立ちたい」とつい言ってしまいました。
  そして、そのような私の感想を確認した後、また奥の部屋へ行きました。後で知
ることになりますが、この時にも奥にはタワー長がおり、常に状況把握を行い細か
く指示を与えていたと思います。
  私の言葉を確認後、総献金の話になって行きました。「世界中の人々が幸せにな
るために統一協会へ献金してほしい」と言われ、少し興奮状態になっていたことも
あり「10万円位までならしてもいい」と言いました。この金額は当時私の出し得
る最大のものでした。入会時のアンケートで100〜200万円の所に印を付けて
いましたが、その後、私用に使ってしまいすべての財産(保険を含む)は70万円
になっていました。私にとっては10万円でも非常に大きな金額でした。しかし、
「全ての財産・資産でなければだめだ」と迫られ非常に苦しみました。
  特に久野さんと窪田さんから総てを献金するよう熱心に説得を受けました。「A
男子君は口先だけの人間ではないよね。さっき言ったことは嘘ではないよね」、「
A男君のお金でアジア・アフリカで飢餓で苦しむ子ども達が何万人も助かるんだよ
」、「A男君の場合たかが70万円だろ、僕なんか200万円も出したよ」、「こ
のことはみんな乗り越えてきていることなんだよ」、「A男君の背後には神様が常
についているんだよ」、「交通事故でも起きたら70万円なんてすぐに無くなって
しまうよ」、「後は神様がみてくれるから保険もいらないよ」とも言いました。
  私が決心を渋っていると、時々スタッフがスタッフルームに行き来していました。
私が決意しなければどうしても帰さないという意思が明確に読みとれるようになり
ました。
  聖書からの引用もあり、「金持ちが天国に入るには、ラクダが針の穴を通るより
も難しい。今は、神様がA男君に試練を与え、神様のことをどれだけ受け入れてい
るか試されているんだよ」、「1億円持っている人が70万円出しても神様は喜ば
ないよ、でもA男君が神様のために総てを捧げたら神様は「この子こそ我が子」と
言って泣いて喜ぶよ」、「神様や霊界の祖先はA男君が今心の中で考えていること
が分かっているんだよ」、「A男君の背後には霊界で苦しむ祖先が見守っているん
だよ」、「A男君の決意の大きさによって地獄で苦しむA男君の祖先が助かるんだ
よ」、「A男君が霊界へ行ったときは、何百何万の祖先や家族が出迎えてくれ、よ
くやったと手を取り喜んでくれるよ」、「でもね決意しなければ何万の祖先からボ
コボコに殴られるよ」、「地上で生きているのは、たかが後50年そこそこだよ、
でもね霊界は永遠だよ。地上で生きていた時に何をやったかによって、霊界の位置
が決まるんだよ。僕なんか相当高い位置にいるけど、A男君はまだまだ低く、この
ままだと地獄へ行ってしまうよ。今は崖っぷちに立たされているんだよ。そのまま
進むと海に落ちるだけ、それが、今、天からはしごが降りてきた。乗るか乗らない
かはA男君自身で決めることだが、天国へ入るためには、サタン世界の汚れきった
物を捨てないと入れないんだよ。僕を信じてついてくればいいから」。
「A男君は今日真理を知ってしまったんだよ、神様は今までは真理を知らなかった
から多めに見てくれたけど、これからはそうはいかなくなるよ。法を知って破る人
と、つい知らずに破ってしまった人とでは、罪の大きさは天と地ほどあるよ」。
  自分の今後の生活のことを考えると「総てを献金します」とは言えませんでした。
スタッフから色々なことを言われ頭が混乱していました。
  時間は、既に12時を過ぎていました。もうタクシー以外では寮に帰る交通手段
もない時間となっていました。既にビデオセンターに来てから5時間が過ぎており
本当に疲れてました。頭を机に引っ付け悩み苦しみました。
  それでも、とても、10万円で許してくれる雰囲気ではありませんでしたし、た
ぶん、私が「イエス」と答えない限り寮には帰してもらえなかったと思います。
  霊界や地獄の話が出てくると以前占いをしてもらった先生(花田、吉田)の言葉
も思い出し「もし、ここで70万円を納めるのを断ったら、家族が災害・不幸にあ
ってしまうのでは。私自身も地獄へ行くことになるのでは」と思い背筋がゾッとし
ました。異様な雰囲気の中で霊界や地獄の苦しみが永遠に続くと考えると強い恐怖
感にかられました。
  「家族や自分自身のこれからの幸せを考えたら70万円なんて安い金じゃないか
」「悪いことに使われる金でないんだから」と心に言い聞かせ、全ての財産を捧げ
ることを決意しました。
  決意した後は、説得にあたったスタッフが涙ながらに非常に喜んでくれました。
時間は既に、夜12時を過ぎ本当にくたくたになっていました。
  スタッフから、「お金は魔が入りやすい(気持ちが変わりやすい)ので必ず明日
納めて下さい」と真剣な目で言われました。
  帰りがけに窪田さんが「遅くなったから寮まで送ってあげるよ」と言ってくれま
した。私が相当不安そうな顔をしていたので、心配(二度とビデオセンターに来な
くなると)したのだと思います。窪田さんは私の決心が変わらぬよう優しく「僕を
信じればいいから」と声をかけてきました。恐怖の中で決断した私ですが、「これ
で、良かったんだ。これからは私を含め家族が災いから救われる」と自分に言い聞
かせ、早くこの場から逃れようと思っていました。
  窪田さんと別れ寮に帰ったのは午前3時過ぎでした。寮に帰っても、神様や霊界
に見られていると思うとなかなか寝ることが出来ず、「私は、これだけ(全財産を
捧げた)あなたのことを信じています」と話しかけ「神様、側にいるのでしたら、
私に語りかけてほしい。私のしたことが間違いではないと言って下さい」と独り言
のように壁に話しかけていました。今後の生活のことを考えるとその不安感にも悩
まされました。
  翌日は相当寝不足ではありましたが仕事に行きました。職場の同僚にも昨日の出
来事を相談することが出来ませんでした。どう説明すればよいか分からなかったの
です。せめて自分なりに確かめたいと思い前日初めて知った統一協会という名前を
現代用語辞典で調べてみました。そこには、「親泣かせの統一協会として社会的問
題になっている」と紹介されていました。しかし、その時は、辞典の方が間違って
いると思うようになっていました。
  私は、一刻も早くお金を統一協会へ届けなければと思いました。その日は仕事を
途中できりあげ早退したと思います。銀行や保険会社で貯金や保険を解約するには
日中でなければならないのと、神様・霊界が常に私の背後に感じられ、心を覗かれ
ていると思うといてもたってもいられなかったのです。保険会社で解約を申し出た
時、日頃顔馴染みの方から、あまりに急だったので心配してくださり、私は半分泣
きそうになりましたが涙をグッとこらえ、「車を買うため」と嘘をつきました。
  以後、統一協会は総献金に留まらず、今後支給される私の給料の大部分を献金等
により取り上げて行きました。私の給料では組織にとって魅力がないと判断される
と「献身」(霊感商法等の実行部隊)へと導かれて行ったのです。
  ※  「主の路程」という統一協会を紹介したビデオは、統一協会が内部で作成し
    たビデオであり、全く事実とは異なり、嘘で固められたものでありますが、そ
    の時はすべて真実と感じられました。
      そして、この状態で放っておくと、初期段階のマインド・コントロールでは
    いずれ嘘と分かるので、さらに強固なマインド・コントロールが必要となり、
    「各種セミナー」、「新生トレーニング」、「実践トレーニング」等、それぞ
    れの心の状態に合わせた教育課程が準備されています。

第三    ま  と  め

  統一協会が人々の財産を狙い奪う行為、社会的に大問題になった霊感商法等は、
統一協会の教えに基づくものであり、それは復帰原理に明白に記述されています。
復帰原理によると一般社会はサタン(悪魔)が支配する世界で、その世界から神の
支配する世界(統一協会)へお金等すべてのものを引き戻さなければ、統一協会が
願う地上天国の実現は成就しません。地上天国が成就しなければ人類がこの世から
消滅してしまうと言われていました。。
  彼らは、常に一般市民の財産を虎視眈々と狙っており、彼らにとってはそのこと
を犯罪とは思わないように、組織によって強固にマインド・コントロールされてい
るのです。統一協会は紛れもなく犯罪組織であります。
  そして、それぞれの犯罪行為は個人的なレベルの考えではなく、明らかに組織の
命令により実行させられているのです。
  総献金に至るまでに意図的に、相当周到な準備が組織的になされてきたかを説明
してきました。統一協会は、事前にマニュアルどおりに布石をうち、選択の余地を
なくした上で、あたかも自らが決意したかのように、本人が騙されていると気づか
ないように巧妙に進めて行くのです。

第四    裁  判  で  訴  え  た  い  こ  と

  私が、今回このような訴えを起こしたのは、
  第一に、私が献金したお金により、統一協会が組織を拡大し、さらなる被害者が
生まれていると考えると、非常な憤りを感じているからです。
  絶対あり得ない話ですが、例えば、統一協会内部で紹介されているビデオ・雑誌
の内容どおり、飢餓で苦しむアジア・アフリカの人々に食糧・医療援助活動をして
多くの人々に喜ばれているのであれば、私は、献金したお金を返してほしいとは言
わなかったし、裁判も起こさなかったでしょう。
  しかし、事実はあまりにかけ離れ、統一協会教祖である文鮮明の己の栄華・私利
私欲のためにどれだけの人々が苦しめられてきたかという事実を脱会後知れば知る
ほど、私は、統一協会及び文鮮明が許せないのです。
  私が当時献金したのは、統一協会の組織ぐるみの脅し、詐欺に合い、また、嘘の
情報を一方的に吹き込まされた結果であり、今、知り得る統一協会の悪事に荷担す
るために献金した訳では決してありません。
  第二に、私は当時、宗教には全く興味がなく、「宗教」と言われただけで近づこ
うとはしなかったと思います。しかし、統一協会は一般の宗教団体とは異なり、名
前を伏せて近づいてきます。宗教を信じる自由もあれば、宗教を信じさせられない
自由もあると思います。まして、反社会的集団と言われている統一協会に誰が好ん
で入ろうと思うでしょうか。
  強固にマインド・コントロールされた統一協会員にとって、組織の命令は絶対で
あり、組織の命令であれば人の財産を平気で奪います。何ら、良心の呵責を感じる
ことはないのです。統一協会という犯罪組織を野放しにするということは、「オウ
ム真理教」と同じく、社会の平和・秩序を乱すことになり、常に国民の財産・生命
が脅かされる可能性があるということを分かって欲しいのです。
  第三に、私が、なぜこのような裁判を起こしたか。最大の要因は、今も多くの純
真な若者等が私と同じような手口により手足をもがれ統一協会に引き込まれている
のです。このような手口が違法であることを証明し、少しでも若者が引き込まれる
のを防ぎたいのです。
  私個人が統一協会の騙しにあい被害を受けただけであれば、私はあえて裁判を起
こさなかったと思います。今は自分の考えで行動できる体に戻っただけでもありが
たいと思います。高い授業料を払ったと思えば済むことです。
  しかし、今なお多くの若者が引き込まれ、犯罪行為に荷担させられようとしてい
ます。このような統一協会の活動を警察は取り締まるわけでなく、宗教団体という
隠れ蓑を利用し犯罪を繰り返し行っています。前途ある若者の一度しかない人生を
台無しさせてはならないと思います。
  また、最愛の子を統一協会によって親子の関係を引き裂かれた御両親の嘆く声を
私は脱会後数知れず聞いてきました。私にはその声の痛みが痛いほど分かるのです。
統一協会の人を騙し脅す手口がいかに悪どいかを裁いてほしいのです。
  この裁判は「青春を返せ裁判」と言っています。私の個人的なレベルではこの裁
判名が適切ではないと思いますが、この裁判は、多くの若者の心からの叫びを私が
代弁していると思っていただければ、これほど適切な裁判名はないと思います。
  以上により、公正な判断を切にお願いいたします。
  平成7年7月23日
                                                         原  告    A  男
岡山地方裁判所御中


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