岡山地裁が「青春を返せ裁判」の請求を棄却

1998.6.5登録

 六月三日、統一協会の元信者が統一協会の勧誘・教化活動の違法性を明らかにするために訴えた「青春を返せ裁判」に対し、岡山地裁(小沢一郎裁判長)は、賠償請求を棄却する判決を下しました。
 判決はまず、統一協会が自らの違法行為の責任を逃れるためにでっちあげた「信者組織」については、統一協会による指揮監督関係があると認めました。
 しかし、勧誘・教化行為の違法性については、統一協会が環境と思考、行動をコントロールしてあたかも原告が自分で判断したかのように思わせ苛酷な活動を強いたことを問題にしているにもかかわらず、判決は、「被告法人の教義、信仰を受容する過程において、その各段階毎に自ら真摯に思い悩んだ末に、自発的に宗教的な意思決定をしているというほかはない」、「勧誘、教化行為のあり方として、社会的相当性を逸脱したものとまではいえない」と問題をそらし、「原告A男の勧誘、教化にあたり、宗教上の言説以上に薬物や物理的、身体的な強制力が使用された事実を認めるに足りない」と原告の主張していないこと(薬物使用など)を述べて、それがないからとして違法性を認めませんでした。
 献金勧誘行為については、「一般に、宗教活動に伴う献金勧誘行為にあたって、多少なりとも吉凶禍福や先祖の因縁話・例会の話等が説かれる場合が多く、そのような言を用いて献金を求める行為一般を違法であると断じることは宗教に対する過度の干渉となるので許されないと解すべき」と、宗教とは脅しが付き物だという偏った見方をし、原告が全財産を献金させられたにもかかわらず「献金額等その態様についてみても、原告A男の年齢や収入等に比して社会常識に反するとまでは認められない」と、非常識な判断をして、違法性を認めませんでした。

判決報告集会  判決後の報告集会で河田英正弁護士は、「不当であり空虚な判決だ。こんな判決だったら宗教活動にすれば何でもできることになる。到底受け入れがたい」と批判しました。
 高山正治牧師は、「残念だ。最近はマスコミの報道が少なくなったが、統一協会は、真の家庭を作ろうと言って盛んに勧誘している」と述べました。
 原告のA男さんは、「何のために闘ってきたのか…。献金については勝てると思ったが…。全財産を献金させるのが、宗教活動だと言うのなら、裁判所の方が偏向していると思う。統一協会という名前を聞くまでに七か月かかった。一般の文化サークルとして誘い、統一原理しか考えられない状態になって聞かされた。これは許されないことだと思う」と悔しさを込めて感想を語りました。そして、「こんな判決は到底承服できない。控訴したい」と述べました。
 清水善朗弁護士は、「私はいくつかの宗教者と接したことがあるが、脅されて献金を迫られたことは一度もない。宗教なら因縁話で脅してもいいと言うのなら、宗教に名を借りた行為が野放しになる」と述べました。
 名古屋高裁で青春裁判を闘っている女性は、「愛知の原告は六人で、子育て真っ最中という忙しい中で支え合って頑張っています。名古屋地裁といい岡山地裁といい、こんな裁判官に自分をさらけ出していくのかと思うとむなしい。みなさんで原告を支えてあげて下さい」と述べました。
 そして支援する会は、参加者の賛同を得て、「岡山地裁は、このような重大な人権侵害行為についてその仕組を究明することを怠り、今もその内外に深刻な被害を及ぼし続けている統一協会の責任を認めない不当な判決を下しました」などとする声明(6月6日登録)を発表しました。

判決要旨


最近の=NEWS=に戻る。
「青春を返せ裁判」のホームページに戻る。