カルト被害を考える会 会報 2015年5月・第77号
発行=カルト被害を考える会 TEL.086-231-2885 FAX.086-231-2886
〒700-0817 岡山市北区弓之町2-15-301 河田英正法律事務所気付
Eメール=my@i.email.ne.jp HP=http://www.asahi-net.or.jp/~am6k-kzhr/

<もくじ>
・仙台で全国弁連集会ひらく――――1ぺーじ
・弁連の28年と今後の課題――――3ぺーじ
・その他の出来事―――――――――9ページ
カット1

仙台で全国弁連集会ひらく

 4月10日、仙台で全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の全国集会が開かれました。

基調報告――独身祝福や既成祝福くりかえして献金集める統一協会

 渡辺博弁護士が基調報告で、2014年に10億円以上の被害相談が弁連にあったとして、20年以上にわたって悪質な詐欺を続けている統一協会により今なお深刻な被害が続いていることが報告されました。
 最近の事例として、国内のある地区で韓国人教会長「御付き」の壮婦信者が子どものいない高齢資産家女性に近づき、養子となってその遺産を丸ごと取得したケースを挙げ、そのような例が多々あると述べました。
 合同結婚式に関しても、高齢の未婚女性や未亡人に独身祝福を受けさせて2人分の祝福献金280万円を支払わせたり、既成祝福献金140万円を何回も納めさせたりしている実態を暴露し、「世界で数万人規模の信者がいるのは日本だけ」、「全世界の統一協会を支えているのは日本の信者からの献金」だと述べました。

体験談――「家族しか助けられない」と言われ、数年かけて話し合い
 元信者(次男)の母親Aさんと、救出にかかわった竹迫之牧師が次のように体験を語りました。
 次男が統一協会の学生組織であるCARPに入ったことを知ったAさんは、2006年に保護説得をしましたが、次男は脱走しました。絶望していたAさんはその後、日本基督教団の竹迫牧師に相談しました。竹迫牧師はそのとき「正直無理なケース」と思いました。
 その後、行方不明となっていた次男は警察の職務質問を受け、ある地方都市で保護されていました。竹迫牧師は、現地に向かう家族に「息子さんを開放し始発で帰らせてください」と助言しました。
 竹迫牧師はその後も、次男本人には会わず家族に助言。そして東日本大震災を契機に相互連絡が復活したAさん夫妻と次男は、数年をかけて話し合いを続け、コミュニケーションが取れない時期やぶつかり合いを経て、家族関係の再構築へと変化していきました。
 その時期、次男から仕事先の人間関係の悩みや退職について相談されたAさんは「いくらでも仕事あるから辞めていいよ」と答え、次男は「ありがとう」と言っていました。竹迫牧師は「そのポイントで本人が脱会へ向けて舵を切った」と推測します。その後次男は自主脱会しました。
 Aさんは「保護して逃げられた。1年間行方が判らない。その時『これからは非常事態が日常になる。家族しか助けられない』と言われ、2人で頑張ったから乗り越えられた」と振り返りました。
 竹迫牧師は「これは家族全体のドラマ」「『家族』が回復しないと難しい。家族を超えた同志的関係。家族ごと成長した過程で脱会が起こった」と分析しました。

多彩な講師――郷路弁護士「ネトウヨ」、河田弁護士「弁連の28年」
 全国弁連共同代表世話人の郷路征記弁護士は、「ネトウヨ」について言及しました。「ネトウヨは何故生まれるのか」「あのような酷い言動が何故できるのか」という疑問から、在特会などを研究した郷路弁護士は、自分にとって不利益な信念を植え付けて一生奴隷にする手法はカルトの教化と同様であると解説。社会にはそういったもの、統一協会のやり方をしているものがあると指摘し、この問題に終わりがないことを示しました。

 同じく共同代表世話人の河田英正弁護士は、弁連での28年間の活動を振り返りました。河田弁護士は、消費者被害から霊感商法・統一協会問題に関わり、その手口の悪辣さと被害の深刻さから、全国の弁護士が立ち上がり1987年5月に被害救済活動が始まりました。統一協会からの嫌がらせにも遭い、信者を動員しての恫喝嫌がらせ電話、数々の偽注文、銃弾での脅しなどを受けました。2012年9月に文鮮明が死去し、内部の混乱で新たな信者が減り、賠償等の支払いもあり、高齢化した信者に無理を強いる形になっています。様々なカルト相談は減らず、これからも偽預言者の出現は必至なので、次世代を担う若い弁護士に期待しています。【全文は後の「弁連の28年と今後の課題」に掲載】

 カルト問題に長年取り組んできた浅見定雄氏(東北学院大学名誉教授)短く発言。浅見氏は、全国弁連創設当初から関わってきました。自身に対する統一協会の嫌がらせについても語り、「日本社会は騙しに弱くなっており、カルトはその一つに過ぎない」「全国弁連が今後も長く頑張る必然性もここにある」「全国弁連の活動は終わらない」と話しました。

弁連の28年と今後の課題 ―河田英正―

 弁連が1987年5月に結成され、活動を始めて既に28年を経過しました。きょうは、原理運動=統一協会問題に生涯をかけて取り組んでこられたといっていい浅見先生のいらっしゃる仙台で開催されていますが、その記念すべき機会に弁連の歴史をお話することができる機会を与えられましたことは光栄に思っています。

被害の深刻さから300名の弁護士が関わる
 私たち弁護士が、統一協会問題に接することになったのは消費者問題としてでした。先祖の因縁を説き、恐怖に陥らせ大理石のせいぜい数万円程度の高麗壷が、数十万円あるいは百万円を越える金額で日本全国で同じような手口で売られていました。この消費者被害を救済するためにできたのが全国霊感商法対策弁護士連絡会の始まりでした。この商法の背景に勝共連合、宗教団体である統一協会があったため、「宗教には関わりたくない」「政治的には中立の立場なので関わらない」といった理由で弁護士の関わりを躊躇させていたわけですが、その被害の深刻さ、悪辣な販売方法を放置しておくわけにはいかないという全国各地の300名にも達する多くの弁護士が関わるようになりました。これが1987年5月の状況でした。

浅見先生の『統一協会=原理運動』が必読の書に出
 一方、原理運動に入り込み、突如、大学キャンパスから姿を消してしまうということが社会問題化し、キリスト教関係者らが関わり、被害の救済活動が行われていました。浅見先生は、当初からこの問題の現場で深く関わられ、組織の実体と問題点、救済のあり方などをまとめた『統一協会=原理運動』を出版されました。この本は、統一協会の実体を知り、その問題点を理解して、救済活動をする者にとってはまさに必読のバイブルとして位置づけられるものでした。

間断ない電話、握り寿司や航空券、霊柩車の偽注文などの嫌がらせも
 しかし、こうして取り組まれるようになった統一協会問題でしたが、関わるようになった宗教者、弁護士らに対して、悪辣な嫌がらせが続きました。中傷ビラが近所にまかれたり、寿司などの偽注文がなされたり、鳴り響く無言電話、銃弾が打ち込まれる事件まで発生しました。食口たちがテレホンカードを持たされて、嫌がらせの電話を弁護士や脱会相談を受けていた牧師らのところへ一日中かけ続けていたのです。私も、1987年の夏に、この激しい嫌がらせを受けることになりました。事務所と自宅に間断なく鳴っては止まる電話が一日中鳴り響きました。そして注文しない上にぎりが十人前届けられる、ハワイの航空チケットの注文、長男が亡くなったと連絡があったとして遺体を引き取りに葬儀社がくるなどの偽注文、ガス漏れ通報でガス会社の人が駆けつける、深夜のタクシー手配などで真夜中に起こされることが続き、子供たちを一時自宅から避難させての対応を余儀なくされたりしました。

この悪徳商法の実行者は被害者でもあった・・・「青春を返せ裁判」に
 壷や多宝塔の悪質販売被害の救済は、比較的、法的構成においては通常の事件としてあまり苦労することはありませんでした。しかし、販売される商品が壺や多宝塔など宗教的色彩を帯びたものだけでなくいわゆる定着経済とされた着物、絵画などの美術品、アクセサリー、健康食品になってくると商法の違法性を論じるためには、統一教会の組織、宗教行為そのものの実態にも迫って行かざるを得なくなったわけです。このころ、弁連で統一協会の霊感商法の実態を知るべく、韓国にその発祥の教会とされているところ、当時の本部教会、石材加工所などの調査に出かけたことも懐かしい思い出の一つです。組織の実態を把握し、交渉を適格にしていくために、厳秘であった定着経済の人事の状況、会社の役員、実態を調査した資料も内部的に作られました(赤と青の本)。
 こうした問題を多く担当しているうちに、この悪徳商法の最前線にいる人たちも実は被害者であることに私たちは気づかされたのです。無事、脱会できても当初は勧誘された被害者であった者が、ついには悪徳商法の加害者となっていたことに深く傷ついているのです。この人たちの救済も手がけるようになったのです。このような段階でここでは、ささげた「献金」を財産的被害として、その返金を求めることになったのです。この段階で、わたしたちは、宗教的行為に対しても不法行為責任があるのだという法的問題をクリアーしなければなりませんでした。そして、さらに、統一協会の勧誘、教化行為など宗教行為そのものの違法性を問い、統一協会にいたことの精神的損害を求めるいわゆる本質をついたそして美しいネーミングである「青春を返せ裁判」という大きなプロジェクトに弁連として取り組むことになったのです。こうした動きのなか、日弁連意見書「反社会的な宗教活動に関わる消費者被害の救済の指針」が公表され、幅広く弁護士がこうした問題に関わることができるように対策がとられました。

「洗脳」概念から「マインドコントロール」概念に到達
 私もこの「青春を返せ裁判」を担当しました。たしか、静岡の藤森先生、札幌の郷路先生、名古屋の小関先生に続いての4例目の提起ではなかったかと記憶しています。平成元年に提訴し、1998年に岡山地裁で敗訴判決を受け、2000年9月に逆転勝訴判決となり、2001年2月9日に上告棄却の決定がなされ、青春を返せ裁判は最高裁で初めて原告勝訴が確定したのです。
 訴訟提起のころは、統一教会で自ら進んで献金する行為の違法性を「洗脳」と言う概念で説明していましたが、洗脳概念では自ら進んで統一教会の信者として行動するようになることの説明はつかないことから、私たちはいろいろと資料にあたっていたところ、スティーブハッサンの「マインドコントロールの恐怖」に触れることになりました。これは、最初、新潟の中村先生が少しずつ懸命に翻訳しながら読み解く作業をされていて、弁護団でこれは役立つので是非とも早急に出版しようということになりました。浅見先生の本当に文字通りの徹夜の翻訳作業によって、この本を見つけてから翻訳出版に至るまで極めて短時間で出版することができました。その発売開始の1993年4月に、山崎浩子のこの本を掲げて「私はこれを読んで間違いに気づきました。」との記者会見があり、マインドコントロールの言葉が広く世に知られることになる節目の出来事でした。この本を理解するために読むことになったチャルディーニの「影響力の武器」は何度も熟読し、消費者被害の被害者心理を考えるにはとても役にたつた文献でした。

立証を重ね、全国で獲得した成果も併せ、逆転勝訴を勝ち取る
 担当したこの青春を返せ裁判は、なかなか思うようには訴訟手続が進行しませんでした。裁判長は当方の準備書面の提出には被告側の認否、答弁を求めることもせず、たんたんと準備書面を提出するのを見守るだけと言う感じで進行していきました。そろそろ主張関係を終えて立証準備に入ろうと訴訟外で、立証計画などについて説明にいきました。裁判官は「こんなもん、裁判になりますか!人証の採用の予定はありません」などとこともなげに言ったのです。そこで、弁護士生活41年経過した今でもですが、弁護士として唯一、初めて「裁判官忌避」の申立をしました。この申立は、最終的には認められませんでしたが、忌避の申立をすることによって裁判官の態度が一変しました。それからは極めて(バカ)丁寧な訴訟指揮がなされたのです。
 しかし、判決は原告敗訴でした。その判決を読んだとき、高裁での逆転勝訴判決を実は密かに確信していました。このことは原告と一緒に判決を検討していたときに、原告と2人で「この判決はひっくり反らない方がおかしいよね」という会話をしていたのです。それは、確かに敗訴判決ではありましたが、当方の膨大な主張を丁寧にわかりやすくまとめていて、そのことに対する事実認定もきちんとされていました。あとは、その法的評価が違っていたというだけのことのように思えました。1審判決は今ではとても陳腐な議論であったと思える「宗教団体における宗教上の教義、信仰に関する事項については憲法上国の干渉からの自由が保障されるのであるから裁判所はその自由に介入すべきではなく、一切の審判権を有しないと共に〜当該宗教の教義・信仰の内容の当否等については立ち入って判断すべきものではない」と原告の主張を曲解して、勝手に原告の請求棄却の判断をしていたのです。認定された事実関係では、その時までに既に獲得されていた献金の違法性を認め、既に最高裁でも確定していた福岡地方裁判所平成6年5月27日判決、同種の高松地方裁判所平成8年12月3日判決、奈良地方裁判所平成9年4月16日判決、東京地方裁判所平成9年10月24日判決など多数の確定した判決とも判断を異にする内容であり、見直しは必然でした。高裁では、浅見先生の証人尋問も行われました。2000年7月23日に広島高等裁判所岡山支部において、「マインドコントロール」について証言をしていただきました。こうして、見守っていただいていた周囲の雰囲気とは異なり、結果には当事者としては妙に自信がありました。しかし、現にこの勝訴判決を原告と法廷で聞いたときは身震いがする思いでした。事前に予測していた以上の判決となっていたからです。

郷路弁護士は、統一協会の勧誘から信者に仕立てるシステムを解明
 郷路さんの担当した膨大なそして壮大なる青春を返せ訴訟は、その後も進化を遂げながら、確実に成果を残しながらなおも継続・進化を続けています。郷路さんの取り組みの最初の大きな成果は勧誘から統一協会の信者に仕立てられていくその過程を見事に分析し、そのシステムを証した名著『統一協会マインド・コントロールのすべて』ではないかと思っています。この取り組みは、私たちのこれからの闘いのための大きな力であり資産です。

信者は減少・高齢化し、高齢者から強引な集金が増える
 2012年9月3日に統一協会教祖文鮮明が死亡してからは、統一協会の組織は膨大な資産を抱えたまま内部的には抗争を極め、迷走していると言う状況となっています。霊感商法は依然として続けられていますが、前ほどの勢いはなく、信者の数は減っています。いつも献金返還の交渉のときに会う担当者からも、礼拝出席者の高齢化が進んでいて若い信者がほとんど見られなくなった、献金はこうした従来からおなじみの高齢者から確保しなければならない状況があり、結局、無理をして高齢者の老後、老中の資金の提供を強く求めるということになり、そのことを家族が知ることとなってその高齢者から被害を訴えるというケースが多くなっているのではないかと述べていました。これが地方の教会の実態ではないか。統一協会との示談交渉は、より困難さを増してきていることを実感しています。合同結婚によって、多くの日本人が韓国で過酷な生活を強いられている方々がまだたくさん残されています。大学のキャンパスでは、さまざまな方法で「カルト」が学生を引き込もうとしています。いろいろなカルトと評価すべき団体との関わり合いの相談は増えこそすれ減ることはないというのが現状です。

これからも「偽預言者」は絶えず、人権回復の活動も終わらない
 さて、これからの我々の課題について述べてみたいと思います。私たちの活動は、悪徳商法としての霊感商法被害救済活動から始まりました。しかし、今は心の霊感商法被害の問題にも広く目を向けるようになりました。霊感商法は、人の心の弱みにつけ込む商法であり、それは人間という不可思議な実態そのものに入り込まざるをえないし、人としての生き方そのものを考えることと不可分なことだからです。
 マタイによる福音書7章15節「偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である。」と記されています。つまり、昔から真理として、人の心を惑わす偽予言者に注意しろということが言われているのです。この社会に偽予言者はこれからも次々と現れてくることは必然なのです。こうした被害はこれからも無くなることはありえません。こうした被害に単に財産的被害だけでなく、財産的被害の回復を通して人権被害を回復していく私たちの活動は止めるわけにはいきません。この活動が始まるときは、このように続く活動だとは考えてもみませんでした。一定の時間が経過すれば例えば豊田商事事件のように解決して消滅するものと思っていました。しかし、今では私たちはこれからも被害があるかぎり(永遠ということになりそう)、この弁連の活動は次世代を担う若い弁護士たちの参加を得ながら続けなければならないと思っています。

多くの様々な立場の方々の支えに感謝します
 最後に、ここまですばらしい活動と大きな成果を残しながらこんなに長く続けることができたのは、私たちと共になって支え、闘っていただいた方々のおかげであるということに触れざるをえません。当然ながらまずあげるべきは、活動の当初から、現在に至るまで、私たちの活動のバックボーンとしての存在であり続けている浅見先生。そして何よりもたぐいまれなエネルギーと信念をもってこの弁連を支えていただいている山口事務局長をあげるべきであろうと思います。彼いなくしては、今の弁連はなかったでしょう。そして、弁連発足当時から代表世話人として厳しい状況にあった我々の活動を暖かく見守り、守っていただいた今は亡き伊藤和夫先生の姿を忘れることができません。さらに関わっていただいた多くのジャーナリスト、日本基督教団の牧師をはじめとし、多くの基督教関係者の皆さん、仏教、天理教の関係者の皆さんなどの宗教関係者、櫻井先生らを初めとして困難な課題に積極的にチャレンジしていただいて支えていただいた多くの学者の皆さん、脱会者など被害者の皆さんとその家族の方々、、、、、こうした多くの人たちに支えられ共同して活動してきたことがこの弁連の強みであると言っていいでしょう。こうして関わっていただいている方々に深く感謝申し上げて、私の話を終えたいと思います。

(河田英正・全国霊感商法対策弁護士連絡会代表世話人・弁護士)
※小見出しは編集担当が入れました。


その他の出来事

●2015年2月、統一教会関連企業の清心グループ各社に対し、韓国国税庁が税務調査を再開しました。最初の税務調査は、文鮮明総裁死去(2012年9月)後の2013年10月ごろ、相続税などの適正さを確認するために行われたと言われていました。今回の税務調査については、様々な憶測があるようです。

●3月3日、統一教会の合同結婚式が韓国で行われ、約80か国から3800組のカップルが出席しました。その中には、日本人が約800人いました。

●3月10日、『Q&A宗教トラブル110番(第3版)』が民事法研究会から発売されました。著者は、山口広、滝本太郎、紀藤正樹の各弁護士で、精神的被害、経済的被害、マインド・コントロール、被害回復、脱会、宗教と社会について82の問に判りやすく答えています。定価2,916円(税込)。

●3月30日、東京地検特捜部は、霊感商法などで得た収入を少なく申告するなどして所得税計約9600万円を免れたとして、通信販売会社(東京都港区)の田中了緒雅社長ら2人を所得税法違反で在宅起訴しました。田中被告は、東京・日本橋を清掃するキャラクター「満月マン」として活動していました。

●4月15日、統一協会の神山威元会長が「韓国及び日本において、反摂理運動と言うべき講演活動を行い、その中で真の御父母様を含む現在の教会に対する大々的な批判・主張を展開し」たとして、統一協会(徳野栄治会長)から除籍処分となりました。神山元会長は、主流派に逆らって活動していたと言われています。

●4月20日、佐賀大の学生だった20代の女性と両親が、50代の男性准教授から統一教会の信仰を侮辱され、信仰の自由が侵害されたとして、同大に440万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は、8万8千円の賠償を命じた佐賀地裁判決をほぼ支持し、女性と大学側双方の控訴を棄却しました。大工裁判長は、准教授の発言が「配慮を欠く不適切な発言を繰り返して信仰をやめるよう求め、信仰の自由や名誉感情を侵害した」と判断。ただ、女性が准教授との会話を無断で録音したことについては、大学でのカルト対策を委縮させる目的だったと認定ました。

●4月30日、地下鉄サリン事件(1995年3月)など5事件で殺人罪などに問われたオウム真理教元信者、高橋克也被告(57)に対し、東京地裁の裁判員裁判で、求刑通り無期懲役の判決が下されました。中里裁判長は「人命軽視の度合いが極めて高い。反省を深めた様子はうかがわれず更生の兆しを見いだせない」と批判しました。被告はサリン事件などで無罪を主張しましたが、判決はこれを退けました。一連のオウム裁判の1審はこれで終結しました。

※この号に使った写真は、福木京子氏提供によるものです。

TOP  BACK  ホームページ  PDF