カルト被害を考える会 会報 2007年11月・第52号
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「統一協会信者の救出」という本
高山正治
 第46回全国霊感商法被害弁連集会に参加しました。今回のレポートは集会の内容ではなく、当日発売された2冊の本について述べたいと思います。
 一冊目は、スティーヴン・ハッサンの「マインドコントロールからの救出」副題が(愛する人を取り戻すために) 私は当日、弁連集会の会場で、本の訳者の中村周而弁護士からこの本を贈呈して頂きました。思いがけないことでびっくりし、感謝して頂きました。
 もう一冊の本は、「統一協会信者の救出」、副題が(マインドコントロールの実態と救出)、編著者は全国原理運動被害者父母の会です。二冊の本があるのですが、今回は「統一協会信者の救出」の本について紹介したいと思います。
 「全国原理運動父母の会」、この会は本間てる子氏が30年もの長きに渡って会長を務め、統一協会と激しく闘ってきたという歴史があります。本間氏が体調を崩され少しの間活動が休止されていましたが、笹森荘一郎氏が新しく会長になられ、今回この本を出版されたと聞いています。
 私は救出カウンセリングを20年以上続けている者ですが、この本は家族の救出を考えている方には必読の書だと思います。是非お読みになることをお勧めします。
 頼まれてもいないのに勝手に推薦の辞のようなことを書いてしまいましたが、次にこの本の内容を簡単に紹介しコメントしてみたいと思います。
 この本は何人かの共著のような形をとっていますが、中心的な著者は「カウンセラー」と言われる方で、名前は伏せておられますが、終りまで読み進めばそれが誰なのか解ると思います。
 目次を見ると第一章の「統一協会の素顔」から、第九章の「救出経験者、及び元信者の証言、手記」まで、そして終章では当会の救出論まで、誰もが「そこが聞きたかったのだ」ということを、懇切丁寧に書いてくれています。

【内容】
 第一章 <統一協会の素顔>
 まず相手をよく知ること。戦う相手がどんなものか分らなければ戦いようがありません。世界基督教統一神霊協会。 教祖文鮮明。 1954年韓国で創立。 現在の妻は韓鶴子1960年に結婚  経典「原理講論」「天聖経」合同結婚式 霊感商法
※第一章については比較的知られていることであるが、表面的なことだけではなく、裏の部分を知ることが大切なことです。たとえば、原理講論は初めからあったものではなく、原理原本・原理解説・原理講論と改訂されており、元のものは文鮮明が1945年金百文に学んだときのものを、無断で用いているのです。
 第二章<もしあなたの家族の誰かがはいってしまったら>
*緊急にすべきことは何か。
わが子だから親が話せばわかるだろうという甘い考えは良い結果を生みません。
*どこに相談するか。
救出カウンセリングは専門的知識を要することですから、良く調べて信頼できるカウンセラーに相談することです。
*救出のための必要条件と事前準備はどうすればいいのか。
 第三章<統一協会の本質とは>
相手を知るということで、統一協会の経典「原理講論」の教義の主なものを簡潔に説明しています。「堕落論」「神論」「終末論」「復活論」「予定論」「キリスト論」「復帰基台摂理時代」「歴史の同時性」「数字の神」「再臨論」・・解りやすく簡潔に説明しています。
※救出を考えている家族の方は原理講論を入手して、キリスト教の牧師等と原理講論を学んでおくことも良いと思います。
この本では「勉強会」と言われていますが、救出カウンセリングの中でも、当然全員で原理講論と聖書を開いて勉強をするわけですから、あらかじめ少しは勉強しておくと統一協会の信者の方は親を見る目が違ってきます。それが彼らの心を開かせるきっかけになることがあります。
 第四章<修練会での狙い>
 修練会の中で嘘を言って物売りをします(万物復帰)騙しを正当化する万物復帰とは何か。なぜ、インチキ募金が正当化されるのか。(イサク献祭)(エバ国日本の役割)
※信者は修練会に出ることによって、教義の教え込みと万物復帰で信仰が強くなっていく。神の悲しみ。御父母様の悲しみ。霊界を体で感じる。慟哭しながら筋金入りの信者になっていく。
 第五章<「原理講論」以外の様々な教えと実践>
主の教えで文鮮明を神格化していく。「心情復帰」6000年の神の悲しみ。悲しみの神を体得させる。霊界の存在を実感させる。罪意識の持続。ホームでの兄弟姉妹の友情。
※文鮮明の神格化と真の家庭を強調し、信者には限りなく罪深い者という自覚を植え付け、さらに霊界で先祖が苦しんでいると教えこむ。恐怖で縛り付け脱会できないようにします。まさに、マインドコントロールの手法です。
 第六章<説得(勉強)の内容>
説得者(カウセラー)に求められるもの。相当の力量を持った説得者が要求される。
勉強会の内容とは、
*主の路程の誤りを認めさせる。
*統一協会の神と聖書の神の違いを教える。
*清平修練会のオカルト劇を暴く(金孝南霊能師)
*文鮮明の女性経歴・・・その他多くの資料がある。
※ここは、まさにカウンセラーの経験と情報収集力、説得の技量が問われるところで、真剣勝負の場です。何を持って間違いに気付かせるか、どのような方法で分らせるか。面白いことに崩れ始めるところは各自みな異なるが、一つの間違いに気が付いたら後はガラガラと崩れていくものです。説得の現場では親子問題、家庭問題の解決をどうするのかはとても大切なことです。
※統一協会は親への恨みを助長させる教えをしているので、彼らが驚くほど親を批判して来ても親たちはそれほど落ち込むことはないのです。しかし、一方で謙虚になって、子供の言い分を聞き、改めるべきところがあるなら、親の方が子供に謝り、直す努力をすることが大事です。
 第八章<脱会後のカウンセリング・リハビリテイション>
*すべての教義を粉砕する説得をしなければならない。
*原理の間違いを学び直す必要がある。
*脱会後の落ち込みに対して、先に辞めた人たちの力を借りる。
*本人に自分はマインドコントロールされていたのだということを自覚させる。
※脱会後落ち着いた頃にもう一度教理の整理をする必要がある。救出カウンセリングの中で最初に話したことは理解していないことが多いので、本人が望むなら教理の整理やマインドコントロール理論などについての勉強をし直す必要もあるということです。
※本人の整理のためには手記を書かせることは必要なことです。
※脱会は救出カウンセリングの折り返し点であり、終りではない。道半ばで前途はまだまだ多難です。家族にとってはすべてが終わったように思えるが、当人にとってはこれからが始まりであり、険しい道を行くことを忘れてはいけません。引続きカウンセラーや、脱会者の力を借り、家族としてはどのような受け皿を用意したらよいのということを初めから学んでおかないと、脱会はしたものの・・・という思わぬ事態が待ち構えているかもしれません。
 第九章<救出経験者及び元信者の証言、手記>
@娘を救出した母親の体験事例から、対談形式で載っています。
A妹を救出した兄から未救出家族へのアドバイス
B元信者の証言A
C元信者の証言B
D統一協会を脱会するにあたって
※どの事例も大変な犠牲を払っての救出であり、大いに参考になりますのでこれから取り組む家族やすでに終わったという方にもお読みになることをお勧めします。
 終章<当会の救出論として>
「全国原理運動被害父母の会」がどのような姿勢でこの問題に関わってきたか、これからどのような方向に進むのかというようなことが述べられています。
※※ 纏め
※救出カウンセラーの立場から思うには、この本は隋分と思いきったことを書いておられ、これは、問題を抱えた人にとってはありがたい内容だと思います。しかし私には、2章を始めその後の多くの章でも書かれていることですが、はたしてここまで赤裸々に手の内をさらけ出しても良いものだろうか?という不安もあります。ここに記されている内容は相談者にとってはありがいことで、日頃から疑問に思い知りたいと思っていることの多くを答えてもらえるのですが、一方相手方の統一協会側がこれを読んだらどうするでしょうか。当然対策に使うでしょうね。勿論、父母の会やカウンセラーの方たちはそこのところは十分に検討してのことでしょうから、私ごときが何か口を挟むことではないが、少し気になったので余計な事を言いました。
 統一協会の方では、あらゆる対策講義は進んでいるのだから、この程度のことは公開した方が良いのですよ。ということであればそれはそれでいいと思いますし、実は私自身もそのように思っている者なのです。反対しているのではありませんよ。同じ考えです。
 この本が多くの人に読まれ用いられますようにと祈ります。
※私たちもこの本をテキストとして学びをしてみたいと思います。
2007年10月23日


新刊の紹介

「マインド・コントロールからの救出」 ―愛する人を取り戻すために―
出版:教文館《S.ハッサン著、中村周而・山本ゆかり訳》定価2625円
 前著『マインド・コントロールの恐怖』(1993年、浅見定雄訳)で、統一教会とその霊感商法に立ち向かう最大の武器を提供した著者が、その後の経験と理 論を整備し、書き下ろした新著。カルトのみならず、さまざまな形態のマインド・コントロールの呪縛から解き放つ方法を、わかりやすく説く。霊感商法対策に 取り組む弁護士と新進気鋭の翻訳家による翻訳。

「統一協会信者の救出」 ―マインドコントロールの実態と救出―
《全国原理運動被害者父母の会 編著》出版:れんが書房新社 定価(1800円+税)
 マインドコントロールによって、真面目な青年を犯罪者に仕立てる統一協会。その教義の欺瞞、組織実態を分かり易く解説し、信者を救い出すための心構えと方法を具体事例を踏まえて説く、待望の一冊。 今回の会報本文に詳しく紹介。


「カルト被害を考える会」総会および講演会のご案内

 カルト被害を考える会2007年度総会および講演会を次の通り予定しています。今年度の総会・講演会は、ゲストに北海道の郷路征記弁護士をお迎えして、救出相談会を毎月行っている「出エジプト会」と合同で開催する予定です。年明けの日程となりますが、皆様お誘い合わせの上、ご出席頂きますよう宜しくお願いいたします。
(現役信者は参加出来ません。)
<総会および講演会のご案内>  (予定)
日時  2008年2月2日(土)13時〜17時
場所  倉敷めぐみキリスト教会
    所在地:〒710―1101 岡山県倉敷市茶屋町1586−1
    TEL:086―476−0264
     JR瀬戸大橋線茶屋町駅から徒歩8分程度
     駐車場もありますが、台数によって駐車出来ない場合があります。その場合
     は駅周辺のパーキングをご利用下さい。

プログラム
・13時〜14時 総会
  総会議題について・・・2006年度活動報告・決算報告、及び2007年度活動経過報告、今後の活動方針他
・14時〜16時 講演会
        演題 未定
        講師 郷路 征記 弁護士
参加費  無料(尚、終了後に自由参加で実費負担の懇親会を予定しています。

講師紹介
○経歴
昭和58年度 札幌弁護士会副会長
平成6〜7年度 札幌弁護士会子どもの権利委員会委員長
平成8〜9年度 札幌弁護士会憲法50周年記念事業実行委員会委員長
平成10〜11年度 札幌弁護士会刑事弁護センター運営委員会委員長
平成10年11月 独立して郷路法律事務所を開業
平成11年 6月 加藤税理士を迎えて、郷路・加藤法律税務事務所となる
平成14年 2月 加藤税理士が独立し、郷路法律事務所となる
○著作
『統一協会 マインド・コントロールのすべて』
  教育史料出版会 1993年
『自立への苦悶・統一協会を脱会して』
 第2章 統一協会のマインド・コントロールについて
   教文館  2005年


会員のみなさまへ
<会費についてのお詫びとお願い>
 会報の発行が遅れ、そして会費の請求も滞り申し訳ありませんでした。
 2006年度(2006年10月〜2007年9月分)の会費を請求させて頂きます。年会費(1口1,000円で、個人は1口以上、団体は3口以上)は、同封の郵便振替の用紙で、または電信振替でお送り下さい。
なお、送金料金(今年10月から変更)および送り先は次のとおりです。

◇郵便振替は、ATMから送れば80円、郵便局窓口から送れば120円です。
送り先は、「01320−3−68459 カルト被害を考える会」です。

◇電信振替は、ATMから送れば無料、郵便局窓口から送れば140円です(電信振替は、郵便貯金通帳から相手の郵便貯金通帳に送金する方法です)。
送り先は、「15450−26230601 カルト被害を考える会」です。


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